2017
07.24

Christmas in July ~ ラ・プラタの何回目かの再掲載

昨日、街を歩いていたら、若い外国人の青年ふたりに声をかけられた。

20歳と19歳。
留学に来ていて、どうやらあわせて布教活動をしているみたいだ。

とても真面目そうなふたり。
こういう青年と交流するのは、文化はもちろん、英語の勉強にもなるかな。

さて、そんな二人が7月のクリスマスのことを教えてくれた。

Christmas in July

12月は夏のオーストラリアで、寒い時期にもクリスマスを楽しみたいとのことで1980年頃にイベントとして誕生したとのこと。
日本の教会でも催しを行うところがあるとか。

そう言えば、Christmas in Julyと言う映画もあったっけ。

夏のクリスマスと言えば……。

ボクにとっては、大好きなあの店。

ということで、今日は、鎌倉にあるラ・プラタの記事の何度目かの再掲載♪
いくつかバリエーションがあるんだけど、今回は2015年8月バージョンで。


********************************************


夏休みに突入!
有意義に時間を使うぞ~!!!

さて、何からしませうか……。

どこかに行きたい。

どこへ?

ボクが生まれ育った街。

鎌倉。

灯台下暗し。
地元でも知らないところは多い。

時代の変化と共に変わり行く街並み。
昔ながらの、変わらぬ懐かしい街並み。
新旧混在の風景は、ボクの中にどのように飛び込んで来るのだろうか。。

行き先は決まった!
地元探訪。
見知らぬ地を訪れるのも良いが、何気なく日々通り過ぎている我が街に着目するのもまた一興。

こころのふれあいを求めて、さあ、いざ鎌倉!!

JR横須賀線鎌倉駅に降り立つ。

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小町通りを、鶴岡八幡宮方面に向かって進む。
目指すは「あの店」。

そう、「天使の忘れもの」の舞台、ラ・プラタ

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ミセスサンタのキッチン ラ・プラタは、年中クリスマスの素敵な異次元空間であり、オムライスは断トツに美味しい!!!
階段を上り、店内へ。

「やあ、久しぶり!」
変わらぬ空間があたたあかい声でボクを迎えてくれる。

壁際の席に腰を落ち着け店内を見回す。

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静寂
荘厳
ともしび
やすやぎ

こころが、至福の時間へと吸い込まれて行く。

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前回食べたのは「天使のオムライス」。

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今日は何にしようか???

デビルのオムライス?
メキシカンミートオムライス??

う~ん。。

ひかれたのはこれ!
1日10食限定のハッシュドビーフのオムライス!!!

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夏の暑さはどこへやら、心地よい涼に包まれた静謐な宇宙空間に身を委ね、オムライスの到着を待つ。

先に来たのはセットのサラダとスープ。
では、いっただきま~す!

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おおおおお!!!
美味しいーーーーーーー!!!!!!!!!

冷製スープ。
ひんやりとした中にしっかりとした味が溶けこんでいる。
これはいい!
オムライスを受け入れる準備にはピッタリ。

ほどなくしてハッシュドビーフのオムライスが到着。

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うわあああああ、美味しそう!

デミグラスソースの香りに思わず笑みがこぼれる。

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天使のオムライスと違って、こちらは白いご飯。

では早速食べてみませう♪

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うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おいしいいいいいいいーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!

天使のオムライスでタマゴの美味しさを知り、ハッシュドビーフのオムライスで濃厚かつ絶妙な口どけを知る。

何だろう、この美味しさは。
もちろん、味付けやテクニックもあるんだけど、それを超えた何かが在る。

こころに響く美味しさ。

真心。

食を通じた、こころのふれあい。

本当に素敵な店だ。

帰り際、ミセスサンタにお礼を述べる。
「久しぶりにいただきましたが、やっぱりボクの中では飛び抜けて美味しいオムライスです」
「ありがとうございます」
「オムライスブログを書いているんですよ。店を舞台にしたストーリー付きで、ここのお店のも書かせていただきました。オムライスのある風景と言います。ここのお店の話は、中学時代に付き合ってた男女の話で……」

「知ってます、知ってます。いろいろなお店の話を書かれてますよね!」
ミセスサンタの隣りのもうひと方が声をあげる。
「えー、ご存知ですか! ありがとうございます」

「素敵なお話ですよね!」と、ミセスサンタ。

あたたかい言葉に、ボクの中から嬉しさがあふれ出る。

ミススサンタが続ける。
「ここで書いた方に会えるなんて……。主人と話してたんですよ。あのストーリーをお店に飾りたいねって。でも作家の方に無許可で出すのもいけないかと。お会いできて嬉しいです」

「いやあ、ボクも嬉しい限りです。よろしかったら、是非、お店にストーリーを飾ってください。名前と連絡先を書いておきます」

何という素晴らしい、至福の時間。

こころのふれあい。
こころのつながり。
素敵なお店での、素敵な出会い。

2015年8月8日。
この日の出来事が、ボクは生きている証の1ページにしっかりと刻み込まれた。

ラ・プラタのFacebookをリンクに追加させて頂きます……♪

では、併せてラ・プラタでのストーリー、「天使の忘れもの」を。。


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天使の忘れもの

 小さい頃の記憶は現実なのか夢の中のことなのか境界があいまいで、夢で見たことを本当にあったことと思い込み、大人になってもそれを実際の出来事だと信じ込んでいることがある。
 
 でもそれは、小さい頃に限ったことではないのでは。
 
 夢のような本当の話。本当のような夢の話。
 もしかしたら現実と夢の世界に境界なんてなく、気がつかないうちに人はそこを行き来しながら生きているのかもしれない。


   ☆


「ほら、この店」
 夏の夕方が日の入りを躊躇する頃、慎司は、真っ白いワンピースと麦わら帽子を身にまとった晴香と一緒にラ・プラタに向かう階段の前に立った。
「きっと要望に合うはずだよ」


   ☆


「松橋くん?」
 2週間ほど前の朝、いつもと同じ通勤電車のいつもと同じ席に座った慎司の前に、ミュールを履いた透き通った足が現れた。
 寝ぼけ眼で、ゆっくりと頭を上げ、足の持ち主の顔を見上げる。
 慎司を見ながら微笑む女性。
 ビデオカメラの焦点が合うように、やがて慎司の記憶の焦点が定まった。
「あ、えっ、なんで……」
 微笑みながら黙ってうなずくと、女性は
「隣、座ってもいい?」
 そう言いながら慎司の隣に腰掛けた。

 10年ぶりの再会だった。

「戻って来てたの?」
 中学の途中で日本を離れた晴香に向かって、慎司が言う。
「うん、たまたまね。またすぐ帰るんだけどね」

 初めて付き合った相手との再会。

 偶然というのは突然にやってくる。たまたまわずかしか帰ってきていない晴香に、この時間のこの車輌のこの席で会うなんて。
 再会を喜ぶ黒目がちの大きな目。
 さらさらとした長い髪。
 きちんと両膝に置かれた小さな手。
 品のある落ち着いた声。
 大人になった晴香をちらちらと見やる慎司の中から、美しい思い出が堰を切ったようにあふれ出す。

 あふれ出すのは思い出だけではなかった。
 嫌いで別れたわけではない。物理的な距離は、まだ幼い二人には遠すぎた。
 満員電車の空間が、まるで隣に座る晴香と二人しかいない観覧車の中のような、そんな錯覚に陥る。
 どうしようもなく、思いが、10年前に飛び込んでいく。
「もしよかったら、連絡先とか教えてもらえない?」
 自然と口をつく慎司の言葉に、晴香は戸惑いの表情を浮かべると、
「ごめんなさい。私、携帯持ってないし、連絡先はちょっと……」
 申し訳なさそうにそう答えた。
「そうなんだ。わかった。じゃあ、ボクは毎日この席に座っているから、時間があったらまた会いたいな」
 やがて慎司の降りる駅が近づいてきた。
 しばしの沈黙ののち、晴香がつぶやく。
「私も会いたい……」
 どこか憂いをたたえた声だった。
「ねえ、ひとつお願いがあるの」
 席を立とうとする慎司に向かって、意を決したような表情(かお)で晴香が言う。
「どこかで、あのときのクリスマスの続きがしたいなあ。私、2週間後にまたこの電車に乗る用があるから……そのときに会えたら」


   ☆


 ラ・プラタの前に立った慎司は、優しく晴香の手を取り、階段をのぼった。
「なんかわくわくする」晴香の嬉しそうな声が壁に響く。
「じゃあ、入ろうか」そう言いながらドアを開ける慎司。

 その瞬間、一面クリスマスの世界が飛び込んで来た。

「すごーい」大きな目を更に大きくしつつ、それ以上は声にならない晴香。

 お客さんのいない静かな店内は、優しく暖かい雰囲気に包まれている。
 奥のテーブルに着くと、二人はグラスワインと天使のオムライスを注文した。
「これ、そっちに置いといて」
 甘えた声で麦わら帽子を差し出す晴香。それを受け取りながら思わず笑がこぼれる慎司の前を、晴香のつややかな髪の香りと温もりが通り過ぎる。
「こんなとこあったんだあ……」キラキラと輝く晴香の目は、あたりを見回した。
「探したよ、夏にクリスマスができるところ」
「ごめんね、わがまま言って」
「ううん」慎司はゆっくりと首を横に振って続けた。
「神様はボク達を見捨てなかったね。だって、ボクもあの時の続きがしたかったんだから……」
 

   ☆


 中学2年のクリスマスイブ。この日、慎司と晴香は、近所の教会のクリスマスパーティーにクラスの仲間と参加していた。照明は落とされ、ほのかなキャンドルの踊りでパーティーは進んでいく。キリスト教のことはわからないが、パイプオルガンの音色にあわせてみんなで歌う賛美歌に、二人は厳かなものを感じていた。
 そんな中、キャンドルの向こうから晴香が慎司に耳打ちをする。
「ねえ慎司、結婚式ごっこしない。ほら、汝はこの者を妻としてって言うでしょ。あれやろうよ……」
「いいよ」一瞬とまどったが、慎司は頷いた。
 と、その時
「ではみなさん、席を変えて他の方々とお話しましょう」
 主催者の声が響いた。

 結局そのとき、晴香の要望が実現することはなかった。


   ☆


「では、カンパーイ」
 ワイングラスを重ねる二人。
「あの時はりんごジュースだったね」
 二人の笑顔があふれる。
「そうだったね……。ねえ、続きをしようか」

 ♫ Silent night, holy night! All is calm, all is bright.……

「きよしこの夜」が流れる店内は、静粛な空気に包まれている。

「じゃあ私からね。松橋慎司。汝はこの者を妻とし、健やかなるときも病める時も、生涯変わらぬ愛を誓いますか」

「……はい、誓います……。じゃあ、次はボク。青山晴香。汝はこの者を夫とし、健やかなるときも病める時も、彼を愛し、彼を助け、生涯変わらぬ愛を捧げ続けることを誓いますか」

「……はい、誓います」

 粛々と、二人の時間は流れて行く。

 ♫ I‘m dreaming of a white Christmas ……

「うそでもいいから、慎司には一度言ってほしかったんだ。ずっとそれを思ってたの。それと、ここって、なんかお母さんのお腹の中にいるみたいですごく安心する……」
 曲が「ホワイトクリスマス」に変わった頃、天使のオムライスを口にしながら晴香が言う。
「ありがとう、慎司、私のために。これで思い残すことなく帰れるわ。私、すごく幸せよ……」
「今度はいつ戻って来られるの?また会えるよね」
 黙って首を横に振る晴香。笑をたたえた潤んだ瞳の中で、照明がゆらゆらと揺れている。


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 その夜、眠りについた慎司は、遠くから聞こえる晴香の声を耳にした。

「さよなら、慎司」

 ふと、窓の外を眺める。

 トナカイが牽くそりが、澄み渡る天空に向かって駆け上がって行く。
 そこには、まるでウェディングドレスか羽のついた天使の服のような真っ白いワンピースに包まれ、麦わら帽子が飛ばないように片手で頭をおさえながら、一方の手を大きく振る晴香の姿があった。

 それを優しく見守り、手を振り返す慎司。

 ラ・プラタのときと同じ麦わら帽子からのつややかな髪の香りが、そよ風に乗って慎司の元に届く。

 ありがとう晴香。君は遠いところから、わざわざボクに会いに来てくれたんだね。

 あ、忘れ物……。
 慎司は天使のオムライスを前に二人で撮った写真を取り出した。
 ちょっと待ってて、今渡すから……。
 唇をかみしめながら、写真を、紙飛行機の形にひとつひとつ丁寧におり込んで行く。
 もうちょっと。
 もうちょっと。
 君と僕の。
 ボクとキミの。
 ……。

 さあ、できた。
 ふたりと天使のオムライスを乗せた紙飛行機が慎司の右手に握られる。
 晴香、ちゃんと受け取るんだよ!
 慎司の手を離れた紙飛行機は、スローモーションのようにゆっくりと、でも確実に、晴香の元へと飛んで行く。

 また出会ったら、今度こそ一緒になろうね。

 紙飛行機が到着したそりの上で、天使の羽がキラリと輝く。
 やがて小さくなったそりはひとつの光になり、ベガ、デネブ、アルタイルの夏の大三角形の中に吸い込まれ、静かに消えて行った。


 おわり

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2017
06.22

いつでもどこでもオムライス

時間がないとき。。

まあるい背中に元気を乗せて、

ささっと食べるオムライス

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ローソンの、ふわとろ玉子のオムライス

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いざ勝負!

まあるい背中に夢を乗せて、

競馬場で食べるオムライス

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東京競馬場、ニュートーキヨーのオムライス

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みんなでわいわい♪

まあるい背中に笑顔を乗せて、

仲間と食べるオムライス

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いきつけの店の店長が作ってくれたオムライス
(寺本さん、ありがとう!!)

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元気



笑顔

しあわせを運ぶ素敵な食べ物

いつでもどこでも、オムライス♪

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2017
06.17

へっころ谷

5月末のこと。
さわやかな風に誘われ、小田急線の六会(むつあい)日大前にある日大キャンパスに足を運ぶ。

目的は、薔薇。

思えば昨年、新宿御苑できれいな薔薇を鑑賞し、なんだか花を愛でる気持ちが芽生えてきた。
今年も薔薇を観たい。
近所で観れるところはないものか?
鎌倉文学館はどうか?
洋館に映える薔薇は確かに美しいだろう。
しかし、何の因果か、ちょうど目にしたテレビのニュースで取り上げられているではないか。
これは混雑必至。

のんびり、ゆっくり、ゆったりと、薔薇を鑑賞したい。

ならば日大生物資源科学部の農場にある薔薇園はどうか?
きっと穴場に違いない。

思い立ったが吉日。
5月も終盤。
薔薇の季節も終わりを告げる。
何の迷いもなく、目的地は決定した。

六会日大前駅に降り立ち、キャンパスの中を通って薔薇園へと向かう。

ほどなくして到着。

思惑通りのまばらな人影。

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そして、満開の薔薇。

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赤い薔薇。

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紫の薔薇。

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真紅がまぶしい「ノックアウト」。

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黄色が艶やかな「伊豆の踊子」。

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日大カラーのピンクが鮮やかな「日大グローリー」。

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どれもこれもみな、こころ癒してくれる。

桜の季節から薔薇の季節へ。
薔薇の季節から紫陽花の季節へ。
紫陽花の季節からひまわりの季節へ。

それぞれの季節を彩る花を愛で、堪能する。
なんて素敵で贅沢なことだろう。。

美しい花たちに、感謝!

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さてさて。
花と来れば次は団子。

「花より団子」ではないけれど、美しい花を見ておなかいっぱいになるわけもなく、いや、美しい花を観た後は、より一層美味しいものが食べたくなる。

向かった先は日大農園から徒歩で10分程度のところにある、へっころ谷 ( ← リンク )

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へっころ谷は、「手作りほうとう」をはじめ、自家菜園の野菜や近隣農畜産農家の産品、天然発酵食品を使った料理を提供してくれる1978年(昭和53年)総業の老舗。

狭い入り口を抜け古民家の店内に。

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「へっころ谷」は「山奥のへんぴな場所」を意味する造語。
入った途端、まるで平衡感覚を失うかような奇妙な感覚に陥る。

ここはどこ?
天界?
夢か現か。
そんな中、名物のほうとうを注文。
できあがりの時間まで、こころを開放し店内の空気に身をゆだねる。

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とんぼを追いかけ、ザリガニ釣りに夢中になった幼き日々。
古民家の壁に、柱に、思い出が映し出される……。


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やがてほうとうができあがり目の前に運ばれる。

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武骨で素朴な料理だけど、なぜか得体のしれない「力」を感じる。
なんだろう、このオーラのようなものは。

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箸を入れ、一口、口に運ぶ。

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ん?

な、なんだこの感覚は!

野菜をはじめ、食材に栄養がぎっしりと詰まっているのだろうか?
一口、また一口と食べるたびに、美味しさとともに体にエネルギーが注入されて行く感覚を覚える。

自然の力の成せる業か。
いやあ、これはすごい!

へっころ谷のホームページには次のように書かれている。

ご来店ありがとうございます。

「一期一会」。
皆様とへっころ谷との出会いは長い人生の中で一度きりの奇跡的な出来事かもしれません。
そして、農家さんが丁寧に丹精込めて作ったお野菜たちが、たまたまこのへっころ谷の厨房に届くのも奇跡的な出来事。
私達はこの二つの奇跡的な出来事を結ばせていただくというとても幸せなお志事をさせていただいております。
ありがとうございます。

おくつろぎのひととき
へっころ谷のご飯で
「一期一会」を感じ楽しんでいただけたらこの上ない喜びです。

みんなニコニコ 美味しいごはん
こころ喜ぶ 美味しいごはん
お客様の笑顔と健康を願って

なるほど。
一期一会かあ……。

出会いと別れ。
2017年5月の薔薇にさよならを告げ、2017年6月の紫陽花と出会う。

食事を終え、ぼんやりと入り口付近をみやる。

いろいろな人生が交錯する一瞬。
駅近くの、交通量の多い通りに面した「山奥のへんぴな場所」で過ごす、「今」という「一期一会」の時間。
ゆったりと流れる時間の中、店内に差し込む光が、なぜかとても神聖なもののように思えてくる。

風雨に負けずに食材を育てる人がいる。
それを美味しい料理に仕上げる人がいる。
その料理を食べさせてくれる場所を作る人がいる。

" さあ、召し上がれ "

ボクのこころの中にある「山奥のへんぴな場所」で、たくさんの笑顔がはじける。

こころのふるさと。

「一杯のほうとう」を通じてボクの体内に注入されたエネルギー。
それはきっと、いろいろな人の「まごころ」から発せられたエネルギーに違いない。

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へっころ谷 店舗情報

■TEL:0466-82-1702
■住所:神奈川県藤沢市亀井野3-30-1
■交通手段:小田急江ノ島線「六会日大前駅」より徒歩10分
■営業時間:[月~金] 11:30~15:00 17:00~21:30(L.O)  [土・日・祝] 11:30~21:30(L.O)
■定休日:火曜日


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2017
06.10

たいめいけん そごう横浜店

道すがらにいただく元祖タンポポオムライス

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「そごう横浜店」にある店のオムライス。
「フェリーチェ」「サロン ウフ エ モア」と2店舗の記事を書いたけど、まだあるんだなあ。

この店のオムライスを食べねば!!

地下2階のイートインコーナーにある、たいめいけん そごう横浜店

たいめいけんと言えば、そう、タンポポオムライスの元祖!

以下、2014年4月に書いた記事からの抜粋。


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ふわとろ系オムライスを世に知らしめたのは、伊丹十三監督の映画「タンポポ」(1985年)である!

映画の中で、浮浪者が子どもにオムライスを作ってあげようと人のいない厨房に忍び込む。
そこでつくられるふわとろのオムライス。

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撮影を行った東京・日本橋の洋食屋「たいめいけん」で劇中のオムライスを「タンポポオムライス」として売り出したところ、大ヒット!
以降、世の中に「ふわとろ系」オムライスが一気に増えた。

こちらが「たいめいけん」のタンポポオムライス!

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「たいめいけん そごう横浜店」では、そんな「たいめいけん」のオムライスの味を楽しめる。
ケチャップライスの中の具をはじめ、本店のオムライスに比べるとちょっと見劣りするけど、その分リーズナブル。
ちなみに、価格の比較は次の通り。

オムライス
本店:1,700円 そごう横浜店:1,000円

タンポポオムライス
本店:1,95円 そごう横浜店:1,200円

場所は地下2階なので、わかりやすいし行きやすい。
駅方面から大時計を抜けて店内に入り、そのまままっすぐ進めばたどりつく。

イートインコーナーなので、席はカウンター7席のみ。

ではさっそく。

せっかくなので、ノーマルとタンポポと両方食べちゃおう!

こちらはノーマルのオムライス。

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きれいに焼かれたたまごに、センスよくかけられたケチャップ。
さりげない2つのハートマークもポイントで、なんだかこころがあたたまる。

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では、いっただきます!!

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ケチャップライスの中の具はハム。
バターの香りがケチャップと溶け合っていておいしい!!!!!
とても品の良い味付けで、口の中でしあわせが膨らんで行く。

続いてはタンポポオムライス。

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美しい!!!!!

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ではナイフを入れて……。

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おーーーーーーーーーーーーー!!!!!
感動ーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!

ノーマルオムライスもいいけど、やぱりタンポポだね!
バターのよく効いた味付けには、ふわとろのたまごがよく合っている。

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うん、満足!!

買い物客でごった返す「そごう横浜店」。
7席しかないので「待つかなあ?」と思いきや、回転も早く待たずに入ることができた。
上階のレストラン街での食事のように「ゆったりと」というわけにはいかないけど、「たいめいけん」のオムライスをさくっと食べられるのはうれしい。

みなさま、買い物がてらに、ぜひお立ち寄りを!!


たいめいけん そごう横浜店

■TEL : 045-465-2111
■営業時間 : 10:00~19:30 (L.O)
■定休日 : 不定休(そごう横浜店に準ずる)


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2017
05.16

【再々掲載】 デニーズ

5月14日は「母の日」だった。
今日は、そんな「母の日」を思いながら書いたストーリーの再掲載。
デニーズのオムライスと、それを食べながら思いついたストーリー。
台湾見聞録の途中だけど、ちょっとコーヒーブレイク……。


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ファミリーレストランレボリューション

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「デニーズのオムライスって、すっごく美味しいから」
洋食好きの方に教えてもらった。

デニーズ?

Out of 眼中だっただけに、一瞬戸惑ったものの、串カツで人を信用することを叩き込まれた頭と体は、躊躇することなく素直に従う。

行きましたよ、デニーズ。オムライス目的で。

「いらっしゃいませ!デニーズへようこそ」
聞きなれた明るい挨拶が出迎えてくれた。
いや~、さわやかだよね。

禁煙席に通され、メニューを拝見。

おー、あったあった、オムライス。
その名も、とろ~り卵とチーズのオムライス。価格は880円。
写真の卵とチーズの塩梅がとても美味しそう……。

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以前、ラケルに行ったときに、もしチェーン店のオムライスが洋食屋や喫茶店の上を行っていたらどうしようという一抹の不安を抱いたけれど、この日も同じ、いや、それ以上の不安を抱いた。

もし、ファミリーレストランのオムライスが一番美味しかったら……。

「おまたせいたしました」
まあ、それならそれで、なんてことを思っているうちに笑顔と一緒にオムライスが到着!

わー、美味しそう!!

名前の通り、見た目も、とろ~りがあふれている!

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ほんと、きれいにできあがっている。
さてさて、味はどうだろう……。

えーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!

美味しいんですけどーーーーーーーーー!!!!!!!

チーズがいい感じで入っていてモチモチ。
チキンライスには、食べ応えのある鶏がしっかりと入っている。
ご飯の味付けもよいよい。

ソースも、ほら、ちょっと「さらっ」というより「どろん」とした感じ。
わかりますか?

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で、なんというか、デミに照り焼きソースの甘さみたいなものが混ざっている。
これが美味しい。


卵は、乗っている部分はわりとしっかり焼いている感があり、下の方はたまごかけご飯のような味わい。

いいじゃん。。

どうすんの、これ……。

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いやあ、ファミレスおそるべし。

企業が競争を勝ち抜くべ、食材選定から配送から味つけ、接客まで一連をとことん追求する。
その結果、ちょっと前までの常識が変わりつつあるのでは???

ファミレスや冷凍食品なんかはその典型だと思う。

何が本物の味だとか偽物の味だとか、そういうのは変化していくのかもしれない。

「デニーズのオムライスって、すっごく美味しいから」
その一言をいただいて食したのだけれど、うん、確かに洋食好きの心をつかむのはわかるような気がする。

チキンライスが好きです。
照り焼きソースが好きです。
卵かけご飯が好きです。

そんな味覚の人気のポイントを、しっかりとおさえてオムライスに反映させていると思う。


今回はデニーズなので、お店情報はありません。
みなさんの身近にありますから。

デニーズ、侮りがたし。恐るべし。

機会がありましたら、ぜひ一度デニーズのオムライスを食べてみてください。

※よっちママさんに頂いたコメントで、北海道にはデニーズがないことを初めて知りました。そうなんですね……。残念!



一輪の真心

「いらっしゃいませ!デニーズへようこそ」
 ドアを開けた武井健一を、弾ける笑顔が出迎えた。
 自然と笑みがこぼれる。健一は指を2本立て、"ふたり"と合図を送った。

 会社からたっぷり2時間半はかかる地方都市にある和菓子店との商談。
 早めに現地に行って15時からの商談に備えよう。そんな考えで、昼食がてら和菓子店がある商店街のデニーズに飛び込んだ。

 笑顔の案内に従い、入社2年目の神山真吾とともに窓際の席につく。
 昼のピーク時間を過ぎたせいか、比較的すいている店内にはゆったりとした空気が漂っている。

「すみませんが、先にちょっとトイレに行ってきます」
 真吾の言葉に、遠慮するなと頷きパソコンを取り出す。

 デニーズへようこそ、か……。
 さて、どうやってお店の特徴を出そう……。
 和菓子のネット販売。他との差別化を図るために何か訴えるものがほしい。
 送料無料? 翌日配送?
 いや、どれもありきたりだ。画龍点睛を欠く。どうしたものか……。

「すみません、おまたせしました」
 ぺこりとお辞儀をすると、トイレから戻った真吾は静かに椅子を引いて健一の向かいに腰かけた。

「早く食べたいだろ」
「はい、もう、お腹がすいちゃって……」
「ここはおごるから、好きなものを頼め」
 そう言いながらメニューをめくる健一。その目に、”オムライス”の5文字が微笑みかける。
「どうしたんですか?」
 思わず「あっ」と漏れた声に、真吾が反応した。
「いやあ、あるんだな、デニーズにも。オムライスが」
「あ、知ってますよ。武井さんがオムライスに目がないって。今度美味しい店に連れてってくださいよ」
 真吾もメニューのオムライスのページを開き、それに見入った。
「美味しそうだなあ……。ボクもオムライスにしようかなあ……」
「別に合わせなくてもいいぞ」
「いや、そういうわけではなくてですねえ……」
 真吾の目を見やる。どことなく遠い目が、5月の午後に揺れている。

「もう何年も食べてないんですけどね……」
「じゃあ、呼ぶよ」
「あ、はい、お願いします」
 健一はテーブルの呼び鈴を押した。

「子供の頃、母親がよく作ってくれたんです。オムライス」
 頬杖をつきながら、真吾はぼんやりと天井に目を向けた。
「それがすごく美味しくて。大好きで。大体は休みの日の昼飯だったんですけどね」

「そう言えば君のおかあさんは……」

「はい。女手ひとつでボクを育ててくれまして。大学まで出してくれて。きっと、神様が休めって言ってくれていたんだと、今はそう思うようにしています」

 それからしばらく、沈黙の時間が続いた。

 注文を終え、やがて出来たてのふわふわオムライスがふたつ、ふたりのもとに運ばれてきた。

「いやー、本当に美味しそうですね!武井さんがオムライスにはまるのもわかる気がします!」
「そうか」
「うん、美味しい!チーズとタマゴがいい感じですね!」
「おー、うまいうまい。意外だな、デニーズのオムライスは盲点だったな。眼中になかった。ところで、君のお母さんはどんなオムライスを作ってくれたんだい?」
「はい、典型的な家庭のオムライスです。こどもに生のタマゴはよくないって、しっかり焼いた玉子焼きに包まれていて、その上にケチャップでいろいろな言葉が書かれていまして。あるときは『おかあさんスペシャル』とか、またあるときは『HAPPY!』とか」

“ こどもの頃から母親似って言われるんです ”
 健一は、幸せそうにオムライスを口にする姿を見て、真吾のそんな言葉を思い出していた。
 どことなく中性的な顔立ちの真吾の瞳の中で、思い出が駆け巡っている。
 こいつの優しさときめ細かさ、それと人懐っこさは母親譲りだな……。
 苦労にもめげず、うらみもせず。
 こういうやつは、本当に報われてほしい……。
 年の離れた弟を見るような、そんな眼差しが真吾を見守る。

 おかあさんのオムライスか……。
 オレもよく作ってもらったっけ。
 デパートのレストランにも連れて行ってもらって、国旗の立ったお子様ランチのオムライスを食べたよなあ……。

「今日は母の日ですね……」
 真吾につられて思い出にふける健一の耳に、何気ないつぶやきがこだました。

 母の日。

 そう言えば、小学校の時に学校からカーネーションを持って帰って以来、この日を意識したことなんてなかった。

 孝行のしたい時分に親はなし。
 よく言ったものだ。

 母親の笑顔が脳裡に浮かぶ。

 と、そのとき、

 健一の中で、母親の顔と、和菓子店の女将の顔がオーバーラップした。

「そうだ神山!」
 健一の目が輝く。

「それで行こう!和菓子のネット販売。カーネーションの絵をあしらった便箋に、女将さんに手紙を書いてもらって入れよう。一言でいい。君のおかあさんがオムライスにケチャップで書いてくれたように。店売りの方も女将さんの人柄が人気でリピーターが増えている。あの人の人柄や真心は、きっとネットを通じてでも伝わるはずだ」
「それ、いいですねえ!」
 真吾が身を乗り出す。
「15:00までにはまだ時間がある。よし、企画を詰めるぞ、神山!」
「はい!」

 ブラインド越しに降り注ぐ夏への準備を進める午後の穏やかな陽光が、テーブルに満ちあふれる。

「武井さん、女将さんにカーネーションを買って行きましょうよ」
「おー、ナイスアイデア」
「何の疑いもなく、あなた方に全部任せるからって、女将さんはボクたちにとってはおかあさんみたいなもんですもんね」
「さすが神山。その通り」

 健一はパソコンの企画書ファイルを開くと、一文字一文字、力強くキーを叩いた。

“ カーネーションプロジェクト   ~ 一輪の真心を和菓子に添えて ~ “

 まるで、ほっぺたにご飯粒をつけながらおかあさんのオムライスを頬張る子供のように、パソコンの画面に食い入るふたり。

 生命を吹き込まれた文字が言霊となり、パソコンから飛び出す。

 一輪のカーネーションが宙を舞い、リインカーネーションと溶け合う。

 健一の母も、真吾の母も、真心の文字の中で楽しげに踊っている。

 輪廻に宿る永遠の真実。

 真心が、時空を超えて、伝播する――。

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