栄冠は君に輝く - 2013.06.26 Wed
今日はずっと雨が降っている。
天気予報では明日の明け方まで降り続くらしい。
夏に向けて心潤してくれる6月の雨。
そんな梅雨が終わると、いよいよやってくる。
それは……。
夏の風物詩、高校野球。北海道、沖縄ではすでに大会が始まっている。
今はそれほどでもないが、高校野球フリークだったボクには熱い季節だ!
球けがれなく道険し。今年はどんなドラマが待っているのだろう。
さて、とある日のこと。
休日の昼下がりの小田急線。2人の高校球児が電車に乗り込んできた。
大きな声が車両に響く。
「お前のそれ、一分?」
テンションたかー!
「おー」
こっちは冷静だなあ……。
「やっぱそっちの方がいいなあ。五厘よか一分だな。おれも一分にすりゃあよかったなあ」
ふたりの方に目をやった。
うん、ふたりともきれいな坊主頭だ。
会話からして、どうやら1人は五厘刈りの坊主頭で、もう一人は一分刈りの坊主頭らしい。
「すぐのびんじゃん」
冷静な一分が言う。なるほど。守備の軸となるセンターラインを守らせたいタイプだ。
「そうだけどさあ……」
五厘が、ちょっと悔いが残るようなとんがった口で言う。
スランプになると引きずるタイプかな。でもしゃべりのテンションの高さからして鋭いひらめきの天才タイプかもしれない。
omunao、まじまじと見てみた。
う~ん。
"ゴメン、わかんない。はたから見たら君たち同じに見えるよ"
心の中でつぶやいた。
そう、五厘も一分も同じ。1.5ミリと3ミリの違い。
当の本人にとっては大違いなのだが、坊主は坊主、周りから見ると同じなのだ。
五十歩と百歩でさえ同じとされる世の中である。
五厘一分の差は何をか言わんや、である。
ちなみに五十歩百歩をじゃんけんで言うならば、五十歩が百歩に追いつき追い越すためには、チヨコレイトかパイナツプルの場合は9連勝(6歩×9回=54歩 50+54歩=104歩>100歩)、グリコに至っては17連勝(3歩×17回=51歩 50+54歩=101歩>100歩)しないといけない。個人的には大きな違いだと思っている。でも「戦場から逃げる」というくくりでは同じとされてしまうのだ。
ハイテンション五厘くん、君の気持はよくわかる。確かに君には大きな違いなのだろう。
理不尽かもしれないけどそれが世の中ってもんだ。覚えておきなさい。
そんなことを考えていたら、ボクのつぶやきがテレパシーで伝わったかのだろうか、冷静な一分がぼそっと呟いた。
「でもさあ、まわりの人から見たらおれら一緒じゃね?」
"お、そうそう! わかってんじゃん!"
さすが一分。的確な一言に思わず吹き出しそうになった。
現実を突きつけられ、あっけにとられる五厘。
「まあ、そうかもなあ……」
反論するかと思いきや、ため息混じりにそう応えた。
多感な年ごろ、何を思うか、先ほどまでのハイテンションが完全に黄昏ている。
"おい五厘、しっかりしろよ。大丈夫!黄昏る必要なんてないさ"
しばしの沈黙。
重い空気。
うなりをあげる電車のモーター音が、やけに大きく聞こえる。
……。
やがて、黄昏五厘が真顔で口を開いた。
「豚ってさあ」
「?」
「おれらからみたらみんな同じに見えるじゃん」
うん、見比べたことはないけれど、そうだね。養豚所の人は違うかもしれないけど……。
「豚から見たらさあ」
ふむふむ、豚から見たら?????
「人間ってみんな同じに見えるのかなあ?」
おーーーーー!!!!!!!!!!! そう来るかああああああああ!!!!!!
車内にいる人々の肩が、一斉に上下に揺れている。
完全に自分の世界に入っている黄昏五厘。
これには冷静一分もさすがに返答に窮していた。
その時はもう、ボクも笑いをこらえるのに必死だった。
でも、今になってよくよく考えると、もしかしたらこれってすごい深い話なのかもしれない。
そう、人間からみても「人間は同じに見える」のかもしれない……。
まあ、それはそれとして。
さあ、夏が来る!
高校野球に限らず、高校生のみなさんは今を大切にして思いきり自分を発揮してほしい。
特に3年生のみなさんは、高校生活最後の夏を、一日一日しっかりと生きてほしい。
ガンバレ高校生諸君!!
未来は自ら切り開くのだ!!!!!
<追記>
ハノイさんがトラバしてくださいました!
素敵なハノイさんワールドへどうぞ!!
↓
http://hanoi6.blog54.fc2.com/

天気予報では明日の明け方まで降り続くらしい。
夏に向けて心潤してくれる6月の雨。
そんな梅雨が終わると、いよいよやってくる。
それは……。
夏の風物詩、高校野球。北海道、沖縄ではすでに大会が始まっている。
今はそれほどでもないが、高校野球フリークだったボクには熱い季節だ!
球けがれなく道険し。今年はどんなドラマが待っているのだろう。
さて、とある日のこと。
休日の昼下がりの小田急線。2人の高校球児が電車に乗り込んできた。
大きな声が車両に響く。
「お前のそれ、一分?」
テンションたかー!
「おー」
こっちは冷静だなあ……。
「やっぱそっちの方がいいなあ。五厘よか一分だな。おれも一分にすりゃあよかったなあ」
ふたりの方に目をやった。
うん、ふたりともきれいな坊主頭だ。
会話からして、どうやら1人は五厘刈りの坊主頭で、もう一人は一分刈りの坊主頭らしい。
「すぐのびんじゃん」
冷静な一分が言う。なるほど。守備の軸となるセンターラインを守らせたいタイプだ。
「そうだけどさあ……」
五厘が、ちょっと悔いが残るようなとんがった口で言う。
スランプになると引きずるタイプかな。でもしゃべりのテンションの高さからして鋭いひらめきの天才タイプかもしれない。
omunao、まじまじと見てみた。
う~ん。
"ゴメン、わかんない。はたから見たら君たち同じに見えるよ"
心の中でつぶやいた。
そう、五厘も一分も同じ。1.5ミリと3ミリの違い。
当の本人にとっては大違いなのだが、坊主は坊主、周りから見ると同じなのだ。
五十歩と百歩でさえ同じとされる世の中である。
五厘一分の差は何をか言わんや、である。
ちなみに五十歩百歩をじゃんけんで言うならば、五十歩が百歩に追いつき追い越すためには、チヨコレイトかパイナツプルの場合は9連勝(6歩×9回=54歩 50+54歩=104歩>100歩)、グリコに至っては17連勝(3歩×17回=51歩 50+54歩=101歩>100歩)しないといけない。個人的には大きな違いだと思っている。でも「戦場から逃げる」というくくりでは同じとされてしまうのだ。
ハイテンション五厘くん、君の気持はよくわかる。確かに君には大きな違いなのだろう。
理不尽かもしれないけどそれが世の中ってもんだ。覚えておきなさい。
そんなことを考えていたら、ボクのつぶやきがテレパシーで伝わったかのだろうか、冷静な一分がぼそっと呟いた。
「でもさあ、まわりの人から見たらおれら一緒じゃね?」
"お、そうそう! わかってんじゃん!"
さすが一分。的確な一言に思わず吹き出しそうになった。
現実を突きつけられ、あっけにとられる五厘。
「まあ、そうかもなあ……」
反論するかと思いきや、ため息混じりにそう応えた。
多感な年ごろ、何を思うか、先ほどまでのハイテンションが完全に黄昏ている。
"おい五厘、しっかりしろよ。大丈夫!黄昏る必要なんてないさ"
しばしの沈黙。
重い空気。
うなりをあげる電車のモーター音が、やけに大きく聞こえる。
……。
やがて、黄昏五厘が真顔で口を開いた。
「豚ってさあ」
「?」
「おれらからみたらみんな同じに見えるじゃん」
うん、見比べたことはないけれど、そうだね。養豚所の人は違うかもしれないけど……。
「豚から見たらさあ」
ふむふむ、豚から見たら?????
「人間ってみんな同じに見えるのかなあ?」
おーーーーー!!!!!!!!!!! そう来るかああああああああ!!!!!!
車内にいる人々の肩が、一斉に上下に揺れている。
完全に自分の世界に入っている黄昏五厘。
これには冷静一分もさすがに返答に窮していた。
その時はもう、ボクも笑いをこらえるのに必死だった。
でも、今になってよくよく考えると、もしかしたらこれってすごい深い話なのかもしれない。
そう、人間からみても「人間は同じに見える」のかもしれない……。
まあ、それはそれとして。
さあ、夏が来る!
高校野球に限らず、高校生のみなさんは今を大切にして思いきり自分を発揮してほしい。
特に3年生のみなさんは、高校生活最後の夏を、一日一日しっかりと生きてほしい。
ガンバレ高校生諸君!!
未来は自ら切り開くのだ!!!!!
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