topimage

2013-09

われら青春 in the マック - 2013.09.15 Sun

秋真っただ中の、とある晴れた昼下がり。
街路樹をかいくぐった柔かい日差しに、南向きの大きな窓がキラキラと輝いている。

授業を終えた僕たち4人は、文化祭の打ち合わせでマックのテーブルを囲んでいた。

mac1.png


「やっぱさあ、金魚だけじゃなくて、くちぼそを中に混ぜようよ」
ポテトを手にしたKが言う。

大学の文化祭での僕たちの出し物は「金魚すくい」。
子供たちにとても人気があり、毎年、楽しみにしてくれている子もいた。

「おう、くちぼそは多摩川で釣れるもんなあ」
omunaoが相槌を打ち、Yに問いかける。
「Yはどう思う?」

「あ、いいんじゃない……」
どことなく上の空のY。

「今年はブラックバスはどうする?」
Iがハンバーガーを頬張りながらみんなの目を見回す。

「また売ろっかあ……。人気あるしな」
同意するK。

「売ろう売ろう!今年はいくらにしようか。1,000円かな?」
omunaoも賛成だ。

「……」
無言のY。

「金魚の仕入れはどうしようか? いつもの店でいいかなあ? なあY、またお前の知り合いの店に頼めるかなあ?」

「……」

「おい、どうしたんだよ、さっきから……」
Yの顔をのぞき込むomunao。

「……」

沈黙の時間が空気を重くする。

どうしたのだろう。
陽気なYの表情が、明らかにいつもと違う。

やがて、意を決したかのように、Yがぼそっとつぶやいた。

「チーズ……」

「え?」 

「チーズ、入ってないよな、これ」

「???」

みんなが一斉に、Yが手にしているハンバーガーをのぞき込む。

mac2.png


「おー、入ってないねえ……」

「オレ、チーズバーバー頼んだんだけどさあ……」

「え! それはおかしいじゃん」

「そうだよなあ……」

「でも、何でもっと早く言わないんだよ」
あきれ顔のK。

Yの手許のハンバーガーは、残り四分の一ほどになっていた。

「言いに行けよ」
真剣な声で、Iが言った。

「オレもそう思うんだ。言いに行っても、おかしくないよなあ。おかしいのは店だよなあ。なあ、なあ」
激しく同意を求めるY。

「うん、お前は何一つ間違っていない。さあ、行ってこいよ」
omunaoは、笑顔で、ポンとひとつYの肩をたたいた。

「おー、行ってくるよ」

スッと席を立つY。
決意の眼差しで直立したYの目が、秋の陽光に、キラリと光った。

おかしいものはおかしい。男のプライドをかけた戦い。聖戦へと向かう、Y。

威風堂々とハンバーガーの最後のひとかけらを手にした姿。
これぞ男。なんと頼もしく見えたことだろうか。

あんなに食べちゃったのに、ホントに行っちゃったよ……。

固唾を飲んで見守る3人。



それからしばらくして勝利の雄叫びとともにYが戻って来た。

「新しいのをくれたよ!」

mac3.png

自然と笑みがこぼれるY。

「おー、やったじゃん!」

誰からともなく祝福の声があがる。


それから僕たちは、この出来事を「チーズバーガー事件」と名付け、Yの英雄ぶりを語り継ぐことにした。


われら青春 in the マック。


今でも僕の脳裏にしっかりと焼きついている。

mac6.png

チーズチキン月見が食べたい……。


● いずみたくシンガーズ/帰らざる日のために




スポンサーサイト



NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

Omunao

Author:Omunao
神奈川県に住むオムライス好きの男性です。
食べに行ったお店の超個人的食べレポと、その店で思い浮かんだショートストーリー(食べレポのページにくっついています)、それと気まぐれ記事を好き勝手に書き綴ります!

★このサイトはリンクフリーです

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (6)
表紙 (1)
食レポ&ストーリー (131)
競馬関連 (23)
その他 (510)
オムライス選手権 (55)
ストーリー (78)
Ecxel画 (14)
オムライス情報 (212)
お菓子 (108)
ケチャップ (0)

オムライスのかず

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR