2014
03.31

タマゴ + チキンライス = ???

先日紹介した新橋のポンヌフがあるビルには、ポンヌフ同様40年以上の歴史を誇る、「パーラー キムラヤ」がある。
キムラヤはポンヌフのひとつ下の階にあり、駅に向かうときに前を通るのだけれど、通りすがりにショーケースのメニューを見て気になった。

「チキンライス」

おー、チキンライスかあ……。
ん? たまごが乗っかてるじゃん。
え? これってオムライスと何が違うの?????

どうやら、世の中には「タマゴ乗せチキンライス」ってのがあるようだ。

たとえば、これ。

おかずラックラク!(←リンク)に掲載されている「ふわとろ卵のせチキンライス」。

140331chickin1.png


あるいは、これとか……。

こちらはAJINOMOTO Parkのみんなのレシピ大百科(←リンク)に掲載されている「卵のせチキンライス 」。

140331chickin2.png


う~む……。

ま、包んでないからね。。。
なかのご飯が見えているか、それともタマゴで全面的に包まれているかの違いか?????
でも、タマゴ乗せ型のオムライスもあるし……。
タマゴ乗せ型の場合はタンポポオムライスのようにヒュッって割ってとろとろタマゴを開いた状態にしてオムライスの完成になるのかな???

ま、どうであれ、みんな美味しそうだし、美味しければいっか!

ちなみにタマゴ乗せの場合、目玉焼きでもいいし、こういうのもある。

食品サンプル畑中のブログ(←リンク)に掲載されている「半熟たまごのせチキンライス」。

140331chickin3.png


う~ん、そそられる~!
食品サンプルだけど、これも美味しそう!!!!!

結論、どんなスタイルであれ、タマゴ+チキンライスは美味しい!!!

ということで、今週もはりきって行きましょう!!



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2014
03.30

ろーそん亭 ふわとろ玉子のオムライス

とにかく4月1日稼働に向けていろいろと間にあわせないといけないプロジェクト。
是が非でもやりとげないとならない。

とはいえ、腹が減っては戦はできぬ。
夜になればお腹がすく。

そんな先週のある日。
「おーい!夜食買ってきたぞー。さあ、食べよう!」
ボク達のプロジェクトを取りまとめる役員が夜食を買ってきてくれた!

ボクのために買ってきてくれたのはこれ!

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ろーそん亭 ふわとろ玉子のオムライス

おー!これは!!!!!

御礼を述べ仕事を中断すると、ブロガーモードに変身。

ローソンの商品紹介をみてみよう。

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ろーそん亭 ふわとろ玉子のオムライス
発売日:2014年3月 4日
価格:398 円(税込)
カロリー:465 kcal

ケチャップライスはご飯をチキンブイヨンで炊き込み、鶏肉・にんじん・玉ねぎ・ピーマン・マッシュルームをケチャップと一緒に炒めました。2種類のトマトソースを使用し、最後にパセリをかけています。

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では、ふたを開けて。

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おー!きれいにまとまってますねえ……。
サクッとスプーンを入れて。

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お!なかもいいカンジじゃん!

140330lawson4.png


鶏肉もしっかり入っているし。
では、いただきま~す!!!!!


あれ!味が……。

あ!やばい!そうだ!!
きっと美味しいのだと思う。
え? 思うって、どういうこと? 食べてるんでしょ???

実はこのとき、花粉症が絶好調(絶不調って言うのかな???)で、「なにぬねの」と「まみむめも」が言えない状態。
きっと今「贈る言葉」を歌ったらうまく歌えるんだろうなあなんて思いつつ。

はふはふしながら完食。

ごちそうさまでした!

さ、プロジェクトの終了までもう一頑張りだ。

はりきっていきますよ~!

ではでは!


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2014
03.29

ひさびさ更新 懐かしのナポリタン

Category: その他
いやあ、忙しいのなんのって……
ご心配を頂いた皆様、暖かいお言葉をありがとうございます。
いたって元気ですので大丈夫です!

4月1日に稼働のプロジェクトが大詰めで、何かとバタバタで。。
そんな中、赤坂での打ち合わせの帰りに、新橋で昼食をとることに。

何を食べようかな???

そうそう、前々から気になってながらまだ行ったことのない店があった。

その店は……。

新橋駅前ビル1号館の1Fにある、カフェテラス ポンヌフ

ここのナポリタンが食べたい!

よし、今日こそは食べよう!
地下鉄銀座線の新橋駅を降り、足早にポンヌフへと向かう。

えーと、どの辺だっけ???

記憶をたどって新橋駅前ビル1号館へ。
汐留のオシャレなビルが立ち並ぶ中、「これぞ昭和!」の香りがプンプンに漂う新橋駅前ビル1号館。
昭和41年(1966年)に建てられたビルで、ポンヌフもそのときから営業している。

地下1階の飲食街を抜け、1階へ。
汐留がビジネスマン、ビジネスウーマン御用達ならば、こちらはサラリーマン、OL御用達ってカンジ。
高度成長時代、バブル時代、いろいろな時代を見てきた店が軒を連ねる。

えーと、ポンヌフは???

おー、あったあった!

ジャ~ン!!!!!

140329ponnufu1.png


昼食時であり、さすがに店内は大勢のお客さんで賑わっている。
店内ははそんなに広くなく、2人掛けのテーブル席が8個に、カウンター席が8席。

「いらっしゃいませ!」の声を受けてカウンター席につき、間髪入れずにお目当てのナポリタンを注文。

140329ponnufu2.png


そして、これまた間髪入れずにナポリタンが到着!
ま、実際にはちょっとは待ったけど、「え!もうできたの!」って印象。

これがポンヌフのナポリタン600円。

140329ponnufu3.png


140329ponnufu4.png


太麺だね。
ではいただきます!

140329ponnufu5.png


うん、美味しい!!!
で、めちゃやわらかい!
センターグリルもそうだけど、やわらか太麺&濃厚ケチャップの昔ながらのナポリタン。
ご飯のおかずになりそう。炭水化物だらけになっちゃうけど。
アルデンテが好きな人には向かないかも。

でもこれ、すんなり喉を通るので、パクパクいけちゃう!
大盛りもしくはハンバーグ乗せにしておけばよかったかな?
ま、いっか。

ということで、創業47年の歴史の重みを乗せたナポリタンを、あっというまに完食!

ポンヌフの前を通ると、昼時はいつも満員。
高度成長時代。
バブル時代。
いろいろな時代を過ごしてきたナポリタン。
時代は変われど、変わらぬ人気。
どこか懐かしく、安定した定番の魅力が人々をひきつけるのだろう。

忙しさはまだしばらく続くけど、美味しいものを食べて乗り切ろう。

「さ、午後からもガンバろう」
そう気合を入れ、店を後にした。


でも……。

あー、どっかの温泉にでも行ってのんびりしたい……。

140329ponnufu6.png


カフェテラス ポンヌフ 食べログ情報

カフェテラス ポンヌフ喫茶店 / 新橋駅汐留駅内幸町駅


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2014
03.25

春光 (再掲載)

今日は、武蔵新城の素敵なお店、ぷちっくでのストーリーの再掲載です。
昨日コメントをいただいたみなさま、すみません、返信には今しばらく時間をくださいませ……。



のどかな街のあったか洋食屋さん

ぷちっく外観_convert_20130430033005

昨日の雪辱をと、南武線の武蔵なんちゃら方面に突撃。
なんちゃらというのは、川崎駅方面から、順に、武蔵小杉 → 武蔵中原 → 武蔵新城 → 武蔵溝の口 と並んでいるから。

昨日は小杉と中原にやられた!
(全国の小杉さん、中原さん、恨みはないですからね……)

なので今日は新城。

目指すは「ぷちっく」。
場所はわかりやすく、駅北口にある、のどかな商店街を真直ぐ進めばよい。

5分も歩かないうちに到着。

店頭では男性(ご主人かな?)が袋詰めのパンを売っている。

ぷちっく外売りconvert_20130430033100

「もうやってますか?」
「いらっしゃいませ。大丈夫ですよ」

男性に案内されて店内に。
開店間もない時間のせいか、お客さんはまだ誰もいない。

おー、面白い!

間口は狭いけれど、中はオシャレでわくわくする空間が広がっている。
テーブル席が8席(2×4)と、土壁で仕切られた半個室。
なんだか、適度な閉鎖感がとても落ち着ける。

ぷちっく店内1-1

テーブル席について早速ランチメニューを拝見。

全品、サラダ、ドリンク付きで800円。ご飯大盛りも無料。安い!!

ちなみにランチメニューは以下の通り。
・手ごねハンバーグ(限定15食)
・オムライス
・キーマカレー
・ハヤシライス

う~ん、どれも美味しそう!!

やはりハンバーグが一押しだそうだが、今日は目的のオムライスを注文。
ソースはデミハヤシとカレーの2種類ある。ここは定番、デミハヤシを選択。

"味の決め手は卵!岩手県から直送される卵を3個使用し外はふわふわ中はとろとろに仕上げました"とメニューにある。これは期待が高まりますねえ……。

ほどなくして湯気とふわふわ感につつまれたオムライスが登場!

ぷちっくオムライス1-1

おー、ビューティフル!!
店内の雰囲気にピタリと合った外観。シェフの心意気を感じる素敵な作品です!

ぷちっくオムライス2-1

メニュー通り、タマゴは外ふわふわで中とろとろ。
中のケチャップライスは結構シンプル。でも逆に、そのシンプルさがデミハヤシの牛肉の食感を生かしとてもよく溶け合っている。食後に聞いたら、ディナーメニューではソースが、デミハヤシ、カレーの他にケチャップ、サーモンクリーム、お好み焼き風とあるとのこと。なので、どれにも合うよう中が主張しすぎないようにとの考えのようだ。

うん、確かにどれも合いそうな気がする。
特に、キーマカレーも売りなのでカレーソースは食べたい!(実はカレーも大好き)

ぷちっくメニュー_convert_20130430033611


ぷちっくができたのは3年ほど前のこと。
溝の口、武蔵小杉の大型駅に挟まれたのどかな武蔵新城を選んだのは地価とのことだが、それが提供価格にも反映されている。この地は物価も安いそうだ。

カクテルも豊富で全品380円。
デザートも自家製プリン、ティラミスなど250円~350円。
コスパ最高、どれも美味しそうだし、これは本当に安い!

昨日、武蔵小杉の東急スクエアでランチタイムを過ぎた時間に遭遇した順番待ちの長蛇の列。
買い物&食事はお決まりコースなのだろうが、ちょっと足を延ばせば安くて美味しいものがある。

昨日書いたように閉店する洋食屋さんは多い。

安くて美味しいものを提供しようとガンバっている店が淘汰されるのは悲しい。
ぷちっくのような、小さいけれどほっと落ち着ける店には、本当に生き延びてほしい。

お近くの方がいらしたら是非応援したあげてください!!

2013年4月29日

■ 店舗情報 ■
・住所:神奈川県川崎市中原区上新城2-6-14 志村ビル 1F
・電話:044-571-7151
・営業時間:11:00~15:00 17:00~22:00(L.O.21:00)
・定休日:火曜日

ぷちっく食べログ情報

ぷちっくハンバーグ / 武蔵新城駅

ぷちっく店内2-1


春光

 春光きらめく多摩川の水面すれすれを、鳥たちが気持ちよさそうに滑空する。

 その脇の球音響くグラウンド。内野陣が、ゆっくりとマウンドの達也のもとに集まる。

「よーし、あとひとりだ。落ち着いて行こう」
 セカンドの浩太が達也に声をかける。
「お前の一番いい球を投げろよ」
 ファーストの智が肩をたたく。

 最終回。ツーアウト満塁。相手バッターは4番。カウント3ボール2ストライク。

 あのときと同じじゃん。状況も、みんなからかけられた言葉も……。
 違うのは、甲子園の予選か草野球かってことぐらい。
 それが大きな違い?
 いや、今の自分には同じくらい大事な試合だ。
 変われたかな、オレ……。
 
 ロジンバッグを手の甲でポンポンとはじきながら、達也は、大きくひとつ深呼吸をした。

「ツーアウト。しまって行こう!」
 キャッチャーの義広の通る声がグラウンドに響き渡る。

 さあ達也、来い。インハイのストレート。

 義広のサインに、達也は大きく横に首を振る。

 じゃあ、アウトハイのストレート。

 いや違う。義広、あのときと同じサインを……。

 達也が逆にサインを送る。

 本気か? わかった。じゃあこれで……。
 達也の意図を汲んでサインを返す義広の表情が変わる。一気に引き締まるのが、マスク越しでもはっきりとわかる。

 達也は帽子を深くかぶりなおすと、大きく頷いた。


 5年前の、夏――。

 全国高校野球選手権神奈川県大会、準決勝。

 エース岡本達也率いる川崎青嵐高校は、初戦で第2シードの西湘大付属を破り、破竹の勢いでここまで勝ち上がってきた。
 最速147キロ右腕。もともと大会No.1投手との呼び声は高かったのだが、200校近い参加がある夏の神奈川県大会を、弱小公立高校がひとりの投手で勝ち抜くのは至難の業だ。

 準決勝の相手は優勝候補筆頭の横浜明峰。
 3-1。川崎青嵐2点のリードで迎えた9回裏、横浜明峰最後の攻撃。ツーアウト満塁で、バッターボックスにはプロ注目の4番松山。カウント3ボール2ストライク。

 マウンドの達也のもとに集まった内野陣が各自のポジションに戻る。

 義広のサインをのぞき込む達也。

 何? スローカーブ?
 バカ野郎、ふざけるな!

 達也は大きく首を横に振った。

 それでも、義広の出すサインは変わらない。

 スローカーブ。

 何で?松山に子供だましが通じるわけないだろ。山際淳司のストーリーでもあるまし。オレのストレートを信じていないのか? オレだってドラフト候補だぜ。それに、オレの力でここまで勝ち上がって来たんじゃないか。わかったよ、義広。もうこれ以上つき合っていられねえ。さあ、行くぞ!

 義広のサインに頷くと、達也は、サインを無視して渾身の力を込めたストレートを投げ込んだ。

 148キロ。この試合138球目にして自己最速を記録したストレート。確かな指のかかりを実感した。

 よし、最高のストレートだ。行ける!
 そう思った瞬間、鋭く振りぬいた松山のバットにはじき返された白球は、快音とともに満員のレフトスタンドに突き刺さった。

 逆転サヨナラ満塁ホームラン。

 膝に手を置いたまま、ボールが消えたレフトスタンドに目をやり真っ白に固まった、達也。
 その1球は、甲子園の夢破れると同時に、達也の全盛期の終焉を意味するものでもあった。

 結局達也はその年のドラフトで選択されることはなく、東北地方の野球の強豪大学に進学したのだが、チームに折り合えず2年で中退した。

「あれ、達也?」
 3か月ほど前、武蔵新城にある洋食屋の「ぷちっく」で昼食をとる達也の耳に、聞き覚えのある通る声がこだました。
 見上げると、188センチの大男が笑っている。
 バッテリーを組んでいた義広との、4年ぶりの再会だった。

「野球を失ってみると、結局オレは何もない薄っぺらなやつだって思うよ」
 オムライスを頬張りながら、達也が言う。
「そうだな」
 同情も否定もせずに、義広が相槌を打つ。
 何だよ、つめてーなあとでも言いたげに、苦笑いを浮かべる達也。
「なあ達也、何であのときスローカーブのサインを出したと思う?」
「ストレートにタイミングが合っていたから?」
「それもある。他には?」
「他?……そうだなあ……。カーブが切れていたから?」
「それから?」
「あー? まだあるのか?」
 ハンバーグを、大きな口でがぶりと食べると、義広は達也の方を指さした。
「本気で行きたかったんだよ、甲子園。お前と。それと、みんなと」
「オレだって行きたかったさ」
「いや、お前の行きたいとオレの行きたいは違ってた」
「どういこと?」
「お前は、お前だけのために行きたったんだろ。全国の強打者との対決を楽しむ。そのためだろ」
 言われてみると、否定はできない自分がいる。
「お前がいなかったら、甲子園どころか1回勝てればいいチームだったってことは認める。だから誰もお前のことを恨んでなんかいないし、逆に夢を見させてくれてありがとうって感謝している。それとなあ達也。みんなも本気だったんだぜ。甲子園に行って、オレたちの達也をプロに送り出そうぜってことに」
「え? オレをプロに? 送り出す?」
「あー、みんなお前を英雄にしようと、一緒になって必死に戦ってたんだ。あのとき、横浜明峰の松山とお前は、雌雄を決するフィールドのトラのようだった。食うか食われるか。強くなればなるほどより強い相手を求める。勝者は敗者の屍を踏みつぶし、更に強くなっていく。敗者は優劣を明らかにされ、その世界から排除される。最後の1球でストレートを要求したら、きっとお前は自己最速の素晴らしい球を投げるだろうって思ってたよ。でも松山は、たとえそのボールが150キロ以上だったとしても、絶対に打ち返しただろう。いや、速ければ速いほど、より遠くに飛ばしていただろう。何故か? 本物同士の勝負ならストレートしか投げてこないって、やつは信じ込んでいたからだ。バッターボックスで、やつはそういう目をしていた。だからヤバいと思った。あそこで松山を打ち取れば、立場は変わっていた。卑怯と言われようと勝ちは勝ちだ。頭脳戦で勝つのも強さだ。柔よく剛を制す。スローカーブを茫然と見逃す松山の姿が今でも頭に浮かぶよ」


 グラウンドを照らす柔らかい陽光が、今日は穏やかないい天気になることを約束している。

 さあ、いくぞ義広、甲子園に……。
 5年前の荒ぶる魂を宿したスローカーブが、達也の手から放たれた。

 ガツン。

 バットの先に当たった打球が、力なく達也の前に転がる。

 達也は、その打球を難なくさばき、ファーストへ。

 アウト! ゲームセット!

「よっしゃあーーーーーー!!!!」
 達也の雄叫びがグラウンドにこだまする。

 義広をはじめとするナインが、達也のもとに駆け寄る。

 その夜「ぷちっく」には、祝杯をあげる草野球チーム「青嵐ジャガーズ」の面々の姿があった。
「では、本日の勝利を祝して、かんぱ~い!」
 浩太の発声で、川崎青嵐高校第17期卒業生チームの祝勝会が始まる。

「義広、ありがとう」
 達也は義広に右手を差し出した。
「おう」
 呼応する義広。二人は、がっちりと握手を交わした。
「なあ義広。オレさあ、今日、目標が達成できたんだよ」
「目標?」
「ああ、やりたかった目標。今度はオレが質問する番だ。何だと思う?」
「ゴメン、まったくわからない……」
「スコアブック見てみな」
「え? 」
 義広はマネージャーの美奈代に今日のスコアブックを貸してとお願いすると、内容をチェックし始めた。
「えーと、被安打5。四死球2。エラー4。失点1。ん? これの何が目標?」
「もうひとつ、記録があるだろ」
「もうひとつ?」
「奪三振」
「三振。えー、あれ? え?」
 義広の驚きに、してやったりの表情を浮かべる達也。
「えー、奪三振、ゼローーーー!」
「そういうこと」
「1試合平均11.8個の奪三振を誇る剛腕が、ゼロ……」
「ああ、今日は絶対に三振はとらない。みんなを信じて、みんなと一緒に野球がしたいから、全部打たせて捕るって決めてたんだ。それがオレの目標だし、オレが変われたかどうかのバロメーターにしたかった」
「そうかあ。やったな、達也!今日はとことん飲もう」
「おー、朝まで行こうな!」
「私との約束も守ってね!」
 達也と義広の間に美奈代割り込む。
「でも、甲子園はもうムリじゃん」
「上杉達也は、ちゃんと朝倉南を甲子園に連れていったわ。甲子園が東京ドームに変わってもいいじゃない。草野球の全国大会」
「まあ、オレは達也そのものだけど、お前はみなみちゃんじゃなくてみなよちゃんだし、ドームでもいいよな。その方がお似合いかも」
「もう、いじわる……」
「ゴメン、ゴメン、うそ。本気で連れてくよ」

 その夜の宴は、やがて来る朝を惜しむかのごとく、みんなの意思に従い延々と続いた。

 世の中は、冬が終わり春真っ盛り。
 燃え盛る夏に羽ばたくための準備は、ここでも、着々と進んでいる。


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2014
03.24

ゆるキャラとオムライス (再掲載)

Category: Ecxel画
卒業、人事異動、新たなる旅立ち……。
桜の花の季節になると、ターミナル駅で電車を乗り換える人々の流れにのまれながら、ふと思う。
我々は何を求めて明日に向かって行くのだろうか???

春風は暖かいのか冷たいのか。

今日は、昨年の4月に書いた記事の再掲載です。
(毎々再掲載ばかり。時間ができたらちゃんと書こうと思います。あしからず……)

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オムライス。

〇か☐か?

  〇である。

柔か剛か?

  柔である。

冷たいか優しいか?

  優しい。

そう、オムライスは、まるくて、やわらかくて、そしてやさしい。

ドラえもん、アンパンマン、トーマスの顔、みんな丸い。
子供が安心する。

地震と津波が街を襲い、ミサイルの恐怖が現実味を帯びる。

限られた牌を取り合う資本主義は限界を迎えようとしている。最終局面である企業のグローバル化が進み、効率化を追求した人員整理に拍車がかかり、就活組は日本人だけでなく他の民族も交えた競争にさらされている。

鋼の強さを求め突き進んできた時代は内包していた矛盾をさらけ出し、鋼自ら、硬いものは簡単に折れてしまうことを露呈しつつある。

幸せを、豊かな生活を夢見てきたはずでは?

でも、何が幸せで、何が豊かな生活?

精神的な充足は? 安らぎは?

前を向いて歩く。
幸福な未来を信じて歩く。

どんなフィルターを通して世の中を見ようか。
今ボクは、まるくて、やわらかくて、そしてやさしいオムライスに焦点を当てている。

オムライスは絵になる、と思っている(大好物だからひいきめもある)。
味噌カツが絵にならないとは言わない(何で比較対象が味噌カツ……単に頭に浮かんだから)。

でも、「味噌カツのある風景」はなんか違う(ゴメン、味噌カツ)。


ゆるキャラ「くまもん」をExcelで描いてみた。

「くまもん」もまた、まるくて、やわらかくて、そしてやさしい……。

ゆるキャラとオムライス。根底でつながっている気がする。

くまもん5



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2014
03.22

YOU (再掲載)

うわあ、忙しい!
業務多忙にて、更新が滞ったらスミマセン。

さて。

だんだん暖かくなり、春を感じます。
出会い、そして別れの季節……。

今日は江の島の「食事喫茶 おしゃれ工房 游」でのストーリーの再掲載です。

ジュンとユウ

それは、「純粋」であり、「優しさ」である。



碧い海から潮風に乗ってやってきたオムライス

游外観


この日はゴールデンウィークの谷間の木曜日。
ふと海が見たくなった。そういえば江の島にオムライス食べられる店があったよなあと思い、ネットで調査開始。
おーあったあった。「食事喫茶 おしゃれ工房 游」。

思い立ったが吉日、即決して12時前の到着を目指して出発。

場所は非常にわかりやすい。
小田急線の片瀬江の島駅の改札を抜けたら、橋向こうの正面に背の高いビルが見える。このビルの5F。
訪問した時間は11:50。ゴールデンウィークで混んでいるかと思いきや、この日は谷間でお客さんはまだいない状態。
エレベーター前にメニューが貼ってあるんだけど、あれ?オムライスの名前がない……。
一抹の不安が頭を過ぎる。

しかも、

あれ、店員が誰もいないぞー……。
小さな男の子がひとり、店を取り仕切っている。

「もうやってますか?」
う~ん、ミニカーを握ったこの子に聞いても拉致があかない。可愛いんだけど、まだ店を取り仕切るにはちょっと早すぎるよなあ……。

「すみませ~ん」
「いらっしゃいませ」
厨房からやさしそうな声が近づいてきた。
男の子のおじいちゃんらしい。
「もう大丈夫ですか? あと、オムライス、あります?」

どうやらゴールデンウィークは時間がかかるメニューは外しているとのこと。なのでオムライスはメニューに出ていないのだが、特別に作ってもらうことに(決してわがままは言ってないですよ~)。
すいている時間に来てよかった。

装飾にピアノを弾くクマさん。小さな楽隊。なんかゴージャスで面白いぞ~。

游店内


江の島が正面に見えて、眺望も抜群。この日は朝の雨が止んで、爽快感も格別。
席は木のテーブルに各10人×5ほど。店内にはジャジーなピアノの曲が流れている。これはいとしのエリーだな。

主なメニューは以下の通り。
・游の定食(お惣菜、釜揚げしらす、魚の唐揚げ、和え物・サラダ) 1,500円
・かき揚定食(お惣菜、しらすと野菜のかき揚げ、和え物) 1,500円
・しらす三昧定食(生しらす、釜揚げしらす、しらすのかき揚げ、和え物) 1,500円
・魚の唐揚げ定食(お惣菜、唐揚げ、和え物) 1,300円
※全品ご飯、味噌汁、香の物つき

男の子と「やあ」なんて会話?を交わしているうちにオムライスが到着。

出ました、しらすのオムライス!!

游オムライス1ー2


ネギ、しらす、タマゴの淡色基調の配色に海苔がアクセントとなり、上品にまとまっている。
さすが、和風。
味噌汁つきで1,500円。量は少ないかな。

游オムライス2

游オムライス3


さてさて味はどうだろう。
うん、しらすの味を上手く引き出している。
オムライスとしらすが、お互いを引き出すようにまとめられている。
なので、タマゴには塩をつかっていないとのこと。
それと、味噌汁ととてもよく合う。
と言うか、この味噌汁、ダシがすごく効いていてめちゃ美味しい!
帰り際に聞いたんだけど、どうやら大根おろしを混ぜているとのこと。なるほど、いろいろな工夫があるんですね……。

味だけでなく、この店の工夫は随所に施されている。クマさんは座っているだけでなく自動演奏してくれるようだ。他にも130年前のイギリスのオルガンや、帆船型のサイドボードなど、ふんだんな装飾品が出迎えてくれる。
食材にもこだわりをもっていらっしゃるようだ。詳しくはお店の下記ホームページをご覧ください。

いかがですか、江の島の夕陽を眺めながらの食事なんて。
そのあと、もしかしたらいいことがあるかもしれませんよ……。

さて、食事が終わった後は、可愛い坊やがエレベーターのボタンを押してくれた。
ありがとう、じゃあな、バイバイ。立派な大人になれよ(大人の貫録を出して渋めに)。

ヒュー、ガシャン(エレベーターの扉が閉まる音)。

ん? 何か忘れているような……。
あーーー、入口の写真を撮るの忘れたーーーー!!!!!
戻るのカッコわる~。

2013年5月2日
■店舗情報
・住所:神奈川県藤沢市片瀬海岸1-12-17 江の島ビュータワー5F
・電話:0466-26-4300
・営業時間:11:30 ~ 20:00(L.O.19:30)
・定休日:火曜日

食べログ情報がないので、お店のURLを掲載します!

http://www.osharekobo-yu.com/

游花



You

 江の島ビュータワーのエレベーターを降り屋外に出る。
 一瞬にして、眩い光あふれる134号線と、その向こうに広がる碧い海が飛び込んで来る。

 ふと空を見上げる。

 どこまでも突き抜ける青が、東の果てから西の果てまで、海に負けじと一直線にキャンバスを染抜く。

 海の彼方を見やる。

 5月を乗せた浜風が、ジュンの長い髪をやさしくなでる。
 ドキッとするほどやさしい風。それはまるで、ユウのぬくもりのような……。

“今日のオムライスはどうだった?満足?”
 ユウのお決まりのセリフが、波間に浮かんでは消える。

「オムライス? そんな女子供の食べるものオレが食えるわけないだろ。まったく、どこまで少女趣味なんだよ。オレの方が年下なんてうそだろ」

「わかったよ。1回だけだぞ、1回だけつき合ってやるよ」

「なんか意外、美味しいなあオムライスって……」

「今度はどこにする? オレもさがす。オレの方が見つけるのうまいかもよ。ワハハ」

 バカじゃない。
 白い波頭に紛れる潤んだ思い出が、気丈に微笑む。

「その恰好なら大丈夫だな。よし、送って行ってやる。後ろに乗りな」
天気予報に反して急に降り出した雨に見舞われたバイトの帰り、それがユウの背中を感じた最初だった。
「いいか、しっかりつかまってろよ」
 はじめて乗ったバイクの後席。
 なぜだか安心感のある大きな背中。
 怖くてずっと目をつぶっていたけれど、ずっと続けばいいのにって思った時間、不安はなかった。

「いいか、夏の暑い時でも、絶対に長袖長ズボンだぞ。オレは運転には自信があるけど、いつ何があるかわからない。バイクはちゃらちゃらした格好で乗るものじゃない。それは例え後席に乗るときだって同じだ。それを守れるなら、いろいろなこところに連れてってやる。え? 強がった言い方するなって? 素直に一緒に行きたいって言えって……」

 ユウの背中を感じ、一緒に同じ風を感じ、そして、ひとつになった。

「え? バイクの免許を取りたい?」

 私も走りたい。一緒に、走りたい。どこまでも。

「おめでとう、じゃあ、プレゼントにレーシングスーツを買ってやる。飛び切りカッコいいやつ。可愛いじゃなくて、カッコいいやつな」

「おー、似合う、似合う。サイコーだよ。どこから見てもいい女だ。あぶねーなあ、浮気心なんて起こすなよ」

 大丈夫だよ。私はそんな女じゃないから。それに、……わかってるでしょ。

 ずっと一緒にいようねって。

 5月になったら、一緒に……。

「オレ、4月から正社員登用されるんだ! いつまでもバイトじゃあ嫁さんももらえないしな。あ、そうそう、5月の休みに泊りがけでツーリングに行こう。1号線から北鎌倉、鎌倉を抜けて海に出て、で、江の島の游でしらすのオムライスを食べよう。オレ、実はしらす大好きでさあ、すげー興味あるんだよね。第一、游って、オレと同じ名前で親近感わいちゃうし。それとね、そのツーリングでサプライズを用意しようと思ってる。え?言っちゃたらサプライズじゃないって。そりゃあそうだ」

 游のオムライス、美味しかったよ。あなたの分まで食べちゃったから。しらすのしょっぱさがちょっと沁みたけどね……。

 私は元気だよ。

 平気。

 バイクに乗るようになって、強くなることも、あなたに教えてもらったから。

 ジュンは、愛車CB400Fにまたがり真紅のヘルメットをかぶると、勢いよくイグニッションキーをひねった。

 これから西に走ってくよ。

 あなたが計画してくれたルートを、ちゃんとトレースするからね。

「ジュン、オレは悔しい。だけど、お前に出逢えてよかった。感謝してる。お前には、絶対に幸せになってほしい……。幸せにならなかったら、本気で怒るからな……」

 早いよ。早すぎるよ、ユウ。
 でも、悲しみとだって、仲良くなってみせるわ。

 ヒュイーン、ヒュイーン、ヒュイーン。

 3回ほど空ぶかしすると、ジュンは、ギアをローに入れ、クラッチをつないだ。

 だって、約束、だもんね……。

 観光客達の笑顔がはじける中、水冷2気筒のツインカムエンジンが軽快に吹け上がる。

 後には、焼けたオイルの微香だけが残された。


 ~ Image song ~
 
 悲しみよこんにちは

 作詞:森雪之丞
 作曲:玉置浩二
 唄 :斉藤由貴

 手のひらのそよ風が
 光の中 き・ら・き・ら 踊り出す
 おろしたての笑顔で
 知らない人にも「おはよう」って言えたの
 あなたに 逢えなくなって
 錆びた時計と 泣いたけど
 平気 涙が乾いた跡には 夢への扉があるの
 悩んでちゃ行けない
 今度 悲しみが来ても 友達迎える様に微笑うわ
 ・・・きっと 約束よ

 降りそそぐ花びらが
 髪に肩に ひ・ら・ひ・ら ささやくの
 出逢いと同じ数の
 別れがあるのね あなたのせいじゃない
 想い出 あふれだしても
 私の元気 負けないで
 平気 ひび割れた胸の隙間に 幸せ忍び込むから
 溜息はつかない
 不意に 悲しみはやってくるけど
 仲良くなってみせるわ
 ・・・だって 約束よ

 平気 涙が乾いた跡には 夢への扉があるの
 悩んでちゃ行けない
 そうよ 優しく友達迎える様に微笑うわ
 ・・・きっと 約束よ
海イメージ



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2014
03.21

祝福を君に (再掲載)

Category: 競馬関連
だんだんと春のG1シーズンが近づいてきました。
今日は、ボクの大好きな馬、ライスシャワーの話の再掲載です……。



 1995年6月4日、曇り空につつまれた京都競馬場。大観衆が見守る中、第36回宝塚記念のゲートが開いた。17頭の選ばれし精鋭が、それぞれの期待を乗せて、淀のターフに飛び出して行く。

 3番人気に支持されたその馬は、気心の知れた名手的場均を背に後方集団を進む。菊花賞、2度の天皇賞・春の栄冠を勝ち取った得意の馬場。

 しかし、いつもの手応えがない……。
 的場がいくらゴーを出しても動こうとしない。

 やはり、1か月半前の天皇賞での、ステージチャンプとの激闘が尾を引いているのか……。

 第1コーナーで的場は、早くも「今日は無事に回ってこられれば」、そんな気持ちを抱いた。
 430キロあまりの、サラブレッドとしては小さな体。蓄積した疲れは簡単には抜けない。

 疲労度を見た陣営は、もともと秋まで休養させる方針であった。しかし陣営の思惑とは裏腹に、多くのファンの心を動かした走りが彼を宝塚記念のファン投票1位へと導いた。
 この年は阪神大震災が起きた年であり、開催場所は例年の阪神競馬場ではなく得意な京都。おまけに復興支援と命名されたレース。辞退してファンの期待を裏切るわけにはいかなかった。

 25戦、1着6回、2着5回、3着2回。
 それが彼の戦績だ。
 18頭中16番人気で2着に飛び込んだ日本ダービー。そして、皐月賞、日本ダービーを制した世代最強馬ミホノブルボンの3冠の夢を打ち砕いた菊花賞。フラフラになりながらも気力を振り絞って走る姿に、ファンは酔いしれた。

「この馬は、レースで勝った負けたをやたら気にする馬だった」と、当時の関係者は言う。
 レースで勝った直後の日は、厩舎の前を人が通るたびに馬房から首を出し"どんなもんだい"と自信満々な態度をとる。一方、惨敗後は、いじけて馬房の奥でしょんぼりとしている……。

「写真に撮られるのが大好きでねえ……」これは夏の休養先の牧場関係者の言葉だ。
 夏の放牧シーズンで大東牧場に放牧されていた時、ファンがカメラを向けるとその前でとまりポーズをとる。
「この馬の写真は、ほかの馬よりも綺麗に写っているものが多いよね」牧場関係者は言葉を続ける。
 
 そんな馬だから。

 そんな、人の心がわかるような馬だから ――。

 やがてレースは進み、淀の坂へと差しかかる。

 背中の的場には、生き残るためには勝つことしかない競走馬の宿命を教え込んでもらっていた。
 日本ダービーでマヤノペトリュースとの2着争いをハナ差でかわした闘争心。
 天皇賞で、ステージチャンプを15センチ差でおさえ2度目の栄光を手に入れた荒ぶる魂。
 目を覚まさないわけがない。

 その馬の中で、何かがはじけた。

 手綱を握る的場の意思とは裏腹に、余力があろうはずのない体が、みるみる加速していく。

 あるいはそれは、ずっとコンビを組んで共に戦ってきた的場に応えるものだったのかもしれない。

"さあ行くよ的場さん、見てて"

 そして、運命の3コーナーへと吸い込まれていく。

 夢を託した歓声が場内にこだまする。

 と、その瞬間(とき)、

 時間が、止まった――。

 スローモーションのように、馬体が前のめりに崩れ落ちて行く。
 と同時に、振り落とされた的場が地面にたたきつけられる。

 何が起きたのかは誰の目にも明らかだった。

 左前脚第1指関節開放脱臼。

 予後不良。
 手の施しようがない。

 脱臼の下の部分の骨は粉々に砕け散っていたという。
 自分の体を支えられなくなった馬は、残念ながら生きて行くことができない。

 その場での安楽死処分。

 それが、かつて栄光を手に入れた舞台で立ち上がることもできずにのたうち回る彼を楽にしてあげる唯一の方法だった。

「死んだはずがない。もう一度見てくる」
 周りの人の制止を振り切り、的場は全身を強打した重症の体で何度も冷たくなった馬の元に行こうとしたという。

 的場は現役時代、大きなレースで勝った時のガッツポーズも、勝った後もウイニングランもしようとはしない男だった。
 全力で走った後の馬がかわいそうだから……。

 そんな的場とコンビを組めて、そんな的場に最期を看取られて、彼も幸せだったのかもしれない。

“的場さんゴメンなさい。オレ、ちょっと失敗しちゃったよ……。明日は馬房の奥でひっそりとしてようかな……”

 はるか遠くから、そんな声が聞こえてくるようだ。

 ライスシャワー 。

「結婚式のライスシャワーのようにこの馬にふれる人々に幸福が訪れるように」との思でつけられたその名前。

 小さな体に宿る誰にも負けない大きな力で、夢と勇気、そして感動を与えてくれた君の雄姿を、ボクは決して忘れない。

 君は最後の最後まで、堂々と走り抜いた。
 あの日、みんなの心の中で、間違いなく君はゴール版の前を真っ先に駆け抜けた。

 カメラの前でポースをとる君には笑顔がお似合いだ。

 だから、あえて言う。

 おめでとう、ライスシャワー。

 祝福を君に。

ライスシャワー
 写真:Wikipediaより転載



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2014
03.20

街角の小景 (再掲載)

Category: ストーリー
今日の再掲載ストーリーは、オムライスとは全く関係ありません。

でも、関連性はあります。
それは、登場人物。

自分で書いたストーリーをリンクさせるのが好きだったりします。
例えば、第9回「ラケル」に出てくる晴香は、第6回「ラプラタ」に出てくる晴香。

で、「ラケル」の主人公リョウは、今回掲載する「街角の小景」の冒頭にでてくる男で、リョウの台詞は別のストーリー(「無償」)での一場面でのもの。第9回「ラケル」は、実は「無償」の続き。

今回の主人公は電話ボックス。
公衆電話は、もう、何年も使ってないですねえ。。。

「モノ」にも、魂が宿っています……。


街角の小景

「もしもし。ごぶさた。……。突然だけど、明日の夜、会えるかな? よかったら、今度は、君が好きな場所にボクを連れていってほしいんだ……」
 電話を終えると、男は、電話ボックスをはなれ夜中の街へと消えていった。

 これが最後のお客さんかな……。

 12月の夜空は雲ひとつなく晴れわたり、オリオン座が鮮やかに輝いている。
 そんな空から、凛とした冷たい風が一団となって、一直線に街に吹き込む。

 彼は、とある街の、とある駅前に設置された電話ボックス。
 彼が設置されてから、もう随分と長い年月が経つ。

 かつてはこの街も活気にあふれていた。大きな企業の城下町で人の往来も激しかったのだが、その企業の業績が悪くなりこの街にあった工場が閉鎖されて以来、一気に人通りが減った。市が行う新たな企業誘致も隣街が中心で、世の中に取り残されたようなこの街全体を、重い空気が支配している。

 そんな重い空気は、彼にも押し寄せた
 彼の役目も今日で終わり。時代の流れには勝てず、明日の朝になったら撤去される予定だ。

 朝になったらお別れか。せめて、明日のクリスマスイブの景色くらいは見たかったなあ……。 

 思い返せば、いろいろな声を聞き、いろいろな話しをつないできた。
 入試合格を伝える喜びの声。
 つらい別れ話。
 駆け引きで手に汗を握る商談話。
 ……。

 彼の中を、思い出が駆け巡る。
 モデルガンをもった少年グループに襲撃されたこともあったっけ。あのときはBB弾で見事にガラスを割られた。
 そんなことも、今ではよき思い出。

 思い出にふける中、

「おい、この野郎! こんなところにボケーっと突っ立ってやがって」
 夜討ちのごとく、突然、初老の酔っ払いが、彼に向って突進してきた。
「なんでオレがクビなんだよ。えー? ふざけんなよ……ちくしょー……」
ドアをガンガンと叩くと、酔っ払いは片手に持っていた缶ビールを彼に浴びせた。
「なんとか言えよ。……くっそー……バカヤロー……」
ドアにもたれかかり、酔っ払いは続ける。
「どうせ、役立たずのおいぼれは用なしだよ。どいつもこいつも、つめて―よな」

 やれやれ、またか……

 最近、こういったことが、明らかに多くなった。
 最後ばかりは静かにすごしたかったけど、ま、しょうがないか……。
 そんなことをされても、今の彼には怒りもわいてこない。むしろ、微笑んであたたかく包んであげたくなる。
 オジサン、ボクも同じだよ! オジサン、ガンバんなよ! オジサンには明日があるよ!

 しばらくして、酔っ払いは彼のもとを去って行った。

 最終電車が終わり駅の明りが消えると、やがてタクシー乗り場の人影もなくなり、街は完全に眠りについた。
 
 くっきりと夜空に浮かぶ月の灯が、彼をぼんやりと照らしている。

 どうやら、先ほどかけられたビールの酔いが回ってきたらしい。
 いたたまれない悲しみと恐怖が、彼を襲う。

 やっぱり、壊されるのは、すごく怖い……。
 この街のみんなと別れるのは、とてもつらい……。
 だれか、だれかボクを助けてー!
 だいたいボクは、みんなの声や話をつたえてきたのに、ボクの話なんて誰も聞いてくれないじゃないか。ボクはまだここにいたいのに……。
 こんなに寂れちゃったけど、明日はこの街も賑やかなんだろうなあ。ボクがなくなったことなんて、誰も気がつかないんだろうなあ……。
 まったく損な役回りだ。でも、『おセンチな電話ボックス』なんて、ちゃんちゃらおかしいしなあ……。
 あー、月がきれいだ……。
 最期は『月見酒』か? それもいいな。
 おーい、お月さん、きみはボクのお友達かい?
 このまま寝てしまえば、楽かなあ。はい、今日の営業は終了で~す、ってね。ボクの営業は、これをもって、これをもって、……。

 そんな彼のもとにひとりの少女がやってきたのは、もう、時計の針も2時をまわった真夜中のころだ。

 少女は、電話ボックスに入り受話器をそっと手にとると、ゆっくりと話しはじめた。

「もしもし……」

 ん? おいおい、ちょっとまてよ。
 電話っていうのはね、カードか硬貨を入れて、それから電話番号を押してから話すもんですぜ、お嬢さん……。
 まったく、あきれてつきあっていられないね。
 ボクの眠りの邪魔をしないでおくれ。
 ボクはもう、すっかり寝ているんだ。
 お休み……。
 ……。

「もしもし、聞こえますか、電話さん。私は明日、彼と結婚します。この街をはなれ、彼の故郷に嫁いでいきます。3年前のクリスマスイブに、私の思いを伝えてくれたのは、電話さん、あなたでしたよね。ありがとう電話さん。いつまでも、いつまでも元気でここにいてくださいね……。ありがとう、私のサンタさん……」

 少女は受話器を両手で包みこみ、そっと胸にあてた。

 一陣の風に飛ばされた空き缶が、枯葉とともに音を立てて歩道を転がる。

 しばらく受話器をギュっと握りしめていた少女は、やがてドアを開け、別れを惜しむかのように、静かに閉めた。

 あと数時間もすれば、いつもと同じように新しい朝がやってくる……。

 少女が立ち去った街角では、先ほどよりも輝きを増した月明かりが、いつまでも電話ボックスを照らし続けていた。


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2014
03.19

心友 (再掲載)

またまた再掲載です。

しんゆう。

通常は親友だけど、新しい出会いでは「新友」。
そして、こころが通い合う友、「心友」……。

洋食屋 New wave in Fujisawa


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クリスマスも終わり街が2012年のゴールへのラストスパートをかける中、第1回で行きそびれたRestaurant SHIROへと向かう。

勝手知った我が庭、地元藤沢、南口駅前ロータリーを抜けイトーヨーカドー方面へ。
えーと、確かこの辺の角を……あれ?……この道沿いじゃなかったっけ……あれ??
勝手知った我が庭、地元藤沢、道に迷った!!
しかも先日店の前まで来たのに……。
ボケの始まりか??

通りから1本入ったところの、まあ、けっこうわかりにくい場所にあるのは確か。
1階が「萬福酒楼」という中華料理屋のビルの3階にある。
「へえー、こんなところにこんな店があったんだ」ってカンジ。

入口付近にランチの看板。うーん、ロゴからしてかなりお洒落。
第1回、第2回とは全く違う匂いを肌で感じながら、
レンガ風の階段をのぼり3階へ。
ガラス扉を開けると、白を基調としたお洒落な空間と
ギャルソンの格好をした美しい女性の笑顔が出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ。お好きなお席へどうぞ」
硬派の自分としては、素直に「は~い」……。

DSC_0119_convert_20130222083907.jpg

平日のランチタイム。
店には夫婦らしきお客さんがひと組だけ。
一番奥の席に陣取り、今回は脇目もふらずに「オムライス」を注文。
ただし、オムライスにも3種類ある。
メニューを見ると、先ず「クラシックデミグラスソース1,200円。ケチャップライスにとろとろ卵。昔ながらの定番」。
次に「海老とチーズのトマトソース1,300円。ケチャップライスにチーズの入ったとろとろ卵。自慢のトマトソースで」。
3つ目が「湘南しらすとあさりのかき揚げのせ 生のりソース1,300円。十五穀米ととろとろ卵。サクサクのかき揚げと一緒に」

かき揚げにも惹かれたけど、最初はオーソドックスにと迷わずクラシックを注文。
ちなみにランチはセットなので、サラダ、コーヒーor紅茶、デザートがついて来る。

料理の出来上がりを待つ間に夫婦らしきお客は食事を終えて帰り、入れ違いで4人のおばさん、いや、素敵なおねーさま方が来店。
ボクのとなりの席にお着きになられた。
世間話に花を咲かせる4人。
そのうち「大島渚って生きてたっけ???」(Aさん談)って話題に。
「え、もう死んじゃったんじゃなかった」と語るBさん。
「そうよそうよ」と相槌を打つCさん。
「え、そうだっけ」と自信なさげのDさん。
ついつい「大島渚さんはご存命でいらっしゃいますよ」と、Eさんになって口をはさんでしまった!
(その後の訃報、ショックでした。心よりご冥福をお祈り致します)

「あ、やっぱりそうですよね」とDさん。
「小山明子さん、駅付近で見ますよ」とも。
「私もそうだと思ったのよー」とCさん(Aさんかも。記憶が曖昧)。
ちなみに小山明子さんは大島渚さんの奥さんで、半身不随の夫の介護を続けている。
「そうですかあ。介護も大変ですよね」
そう言いながら、笑顔のまま全速力で会話から退散した。

さてオムライス。
その1、見た目で楽しめる!
う~ん、美しい!配色や盛り方は本格イタリアンかフレンチの装い。
その2、食感で楽しめる!
卵のとろとろ、ご飯のホクホク、上に乗ったポテトのカリカリ。
その3、味で楽しめる!
繊細な味。ダイナミックに食べたい人には物足りないかも。
ソースはコク、苦味、クリーミーな味がいい塩梅に調和している。

ボリュームは少ないかな。

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サラダ(前菜) → オムライス → コーヒー → デザートに溶け込んだオムライスって気がした。
それもありだと思う。

オーナーシェフのシローさん(お、カッコいいじゃん!)は片瀬山のPINYで腕を磨いた方。
とてもお若そうだし竹野内豊風(あくまでも主観)の顔立ちで、その点も女性にはおすすめ。
地元藤沢で開店との思いでこの場所を選択。一緒に働く女性は奥さんかな??
和風オムライスは旬の素材を使って季節によってメニューを変えるとのこと。次はこれだな。
老舗の伝統もいいけれど、こういった本格イタリアンorフレンチなオムライスというのも新しい時代を感じてとてもワクワクする。手作りデザートとコーヒーも美味しい!!

地元民としては応援しちゃいますよ~!

2012年12月28日

■ 店舗情報 ■
住所:神奈川県藤沢市鵠沼石上1-4-11 3F
電話:050-5816-3550
営業時間:【ランチ】11:30~14:30 【ディナー】17:30~22:00
定休日:火曜日

SHIRO 食べログ情報 

レストラン シロー洋食 / 藤沢駅石上駅


心友

「やっぱり、麻美はもっと肩の力を抜いたほうがいいよ」
 おしぼりの袋を開けながら玲子が言った。
 栗色の風が、穏やかな秋の街を包んでいる。
 
"SHIROのランチを食べながらだね"
 今は遠く離れた、高校時代のテニス部仲間の玲子のそんな提案で迎えた2年ぶりの再会。
「もっと明るく自由に遊び心をもってもいいんじゃあないかなあ。ピンと張り詰めて頑張ってるだけじゃあいつか切れちゃう。それに北海道に行こうがどこに行こうが、現実から逃げてたら何も変わらないし、変えられないよ」
「そうだよねえ……」
 麻美は頬杖をつきながら遠くの方にぼんやりと目をやる。
 しばらくの間、沈黙の時間が続いた。

 1週間前、麻美は何かから逃れたい衝動に駆られひとりで北海道に出かけてみたが、玲子の言うとおり結局は何も変わらなかったし、変えてくれなかった。

 バーンアウト――燃え尽き症候群。それと、現実逃避。

 自分でも「あれ私おかしいな」と思い始めたのは、夏休み中のカナダへの短期留学から帰ってきて就職の準備活動に入ってからだ。

「あなたはどんな仕事がしたいのですか?」
 いろいろな人に聞かれる度に、自信を持って
「はい、出版の企画をやりたいです」そう答えてきた。
 でも、本当にそうなの?
 休み中に1日1企画って目標たてたけど、できないじゃん。
 人が立てた企画にはあれこれ言うくせに、自分で企画なんて、できないじゃん。
 結局自分は批評しているだけで、クリエイティブなことなんて好きじゃないんじゃないの?
 本当に好きで目指している人に失礼だよ……。

「あなたは大学時代にどんな活動をしてきましたか?」
 そんな質問には、声高らかに
「はい、数カ国にステイして見聞を広めました。それと、英検1級、色彩2級を取得しました」、
 そう答えた。
 返ってきた言葉は
「そうですか。ところで、何か、団体でやったことはありませんか?あるいは中心になって団体をまとめたとか。社会人としてはそれが重要ですからねえ」

 大学に入ってからの3年間に将来の就職のためにと築き上げてきた価値観が、足元からガラガラと音を立てて崩れた。

 私は何に向かっていけばいいの?
 私はどこに行くの?
 何もやる気がおきない……。
 社会に出る前に自分を磨かなきゃあ、その一心で頑張って来たけれど、でも私がやってきたことって、何もかもが偽りだったってこと? 
 もうわからない……。

「ねえ麻美、覚えてる?」
 沈黙を破り玲子がつぶやいた。
「私が下手で、ダブルスでいつも私が麻美の足を引張ってたときに言ってくれた言葉」
 麻美は玲子の方に目をやった。

「大事なのは2人が協力して作戦を立ててそれに向かって行けたかどうかで、結果的にポイントがとれたかどうかは重要じゃあないって言ってくれたでしょ。あれはねえ、ほんと嬉しかったんだよ。それから気が楽になってミスも減ったし、試合で周りが見れるようになった」
 そう語る玲子の目は、あの時と何も変わっていない。
 インターハイ行きを決めた、ただ素直に嬉しさにあふれたあの時の目と、何も変わっていない。

 その瞬間、麻美には、玲子の目が麻美を催眠から解き放ってくれる魔法の目に見えた。

「あの時の麻美は毎日をすごく楽しんでたし、すごく輝いてた。でもね、麻美はシングルスも強くて、みんなには見せずにコートではいつもつらい思いもひとりで背負って頑張ってたから、実はちょっと心配してたんだ。高校卒業してから私もいろいろあったけど、麻美とはずっと心がつながってると思ってる。今の麻美は私の知ってる麻美じゃない! だから今度は私が麻美に言ってあげる。大事なのは2人が協力して作戦を立ててそれに向かって行くこと。麻美はひとりぼっちじゃあないよ。私たちは『心の友』、しんゆう、だよね。一緒に作戦考えよ……」

 こころの友。

 心友……。

 麻美は、大人になることばかりを気にして忘れかけていた大切なものを思い出せそうな気がした。

「そう言えばこの店、貸切でパーティーもできるんだよ!今度、みんな誘って女テニの同窓会やろっか?」
美味しそうにオムライスを頬張りながら玲子が笑う。
麻美も、笑顔でオムライスを頬張る。

 玲子の言葉のようにほろ苦くて、でもクリーミーで甘いソースが、じわーんと目にしみた。

「うん!」

 そう答える麻美の目は、確実に湘南中央高校女子テニス部キャプテンのそれを取り戻そうとしていた。

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2014
03.18

オムライス or チキンライス + ナポリタン = ???

オムライスが好きだ。

でも、カレーも好きだ。これは以前書いた。

で、ナポリタンも好きだ。
なので、食べレポ第1回の「くげぬめや」と第2回の「センターグリル」ではオムライスとナポリタンを両方頼んでしまった!

東中野の風月堂も、ブログに掲載したのはオムライスだけだけど、次に訪問した時にはナポリタンを注文。
結局、「ケチャップ炒め」が好きなんだなあ。。。

ならば……。

オムライス&ナポリタン。

同時に楽しめるのはないか?
そう思って探してみることに。

今までの経験で言うと、世の中には奇特な方がいらして、「えー!そんなのあるかあ???」って思うのが必ずある。

「同じ言葉を連呼する歌」にしても、「タイトルが長い歌」にしても、ちゃんとランキングができていた。

そこで今回は、以下の2つのキーワードで検索。

ひとつめは「オムリタン」
オムライス+ナポリタン。イメージとしては玉子に包まれたナポリタン。
「オムリタン」って言葉の響きは可愛らしいようでもあり、キモイようでもある。
小さい子が「〇〇たん」って呼ぶのを想像すると可愛らしいが、オジサンが女の子を「〇〇たん」って呼ぶ姿を想像するとキモイ。
ま、どうでもいいことだけど。

もうひとつは、「ナポめし」
これは、同じ「ケチャップ炒め」の「チキンライス」と「ナポリタン」がワンプレートになっているイメージ。
「そばめし」の発展形。

では早速調べてみよう!

先ずは「オムリタン」。

どうかなあ??? あるかなあ?????

おおおおおお!!!!!!!!
あるじゃん!!!!!!!!!!!!!!

えーと、これは神戸のお店。
バンビーノコーヒーコウベ

JR元町駅から200m程度のところにある。

ランチメニューで用意されているのがこちら!
チーズ・オムリタン900円

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おー!いいねえ、オムリタン!
美味しそうじゃん!!!

バンビーノコーヒーコウベ 食べログ情報

バンビーノコーヒーコウベカフェ / 元町駅(阪神)元町駅(JR)旧居留地・大丸前駅


しかし、神戸だと遠いなあ。。。
近隣の方はぜひお試しください!

関東にはないのかなあ???

えーと……。

お! あったあった!
画像はないけれど、東京にも「オムリタン」がある店があるようだ。

とうきょうスカイツリー駅のそばにある、アランド

ふわとろ玉子にナポリタン。こちらは近いので訪問の視野に入れておこう!

アランド 食べログ情報

アランド洋食 / とうきょうスカイツリー駅押上駅本所吾妻橋駅


続いては「ナポめし」で検索!

あるかなあ????

ん?

え!

うわあああああ!!!!
なんだあ、たくさんあるぞー!

はてなキーワードによると、ナポめしは、「ナポリタンを具にしたトマトケチャップ味の炒めご飯」と定義されている。
どうやら「はなまるマーケット」で「注目の進化系パスタ」として紹介もされたらしい。

そうだったのかあ……。
知らなかったああ……。

いろいろな店でメニューにもあるようだし、クックパッドにも作り方が掲載されているようだ。

ここでは千葉県の五井駅のそばにある、炭焼わいん厨房 GOCCIをご紹介しよう!

オシャレで美味しいと評判のお店。

どれどれ。

じゃ~ん、ナポめしです!

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おー!こちらは目玉焼きかあ!!!
うん、これもいい!
いやあ、こういうの大好きなんだよなああ。。。
やばいなあ……。
ワインを楽しめる店らしいので、ついつい食べ過ぎ飲み過ぎちゃいそう。。。

どなたか「我こそは」という方は、ぜひ「ナポめし」を作ってみてください!
よろしくお願いしま~す!!

炭焼わいん厨房 GOCCI 食べログ情報

炭焼わいん厨房 GOCCI炭火焼き / 五井駅


では今日の最後はこの曲を……。

● 愛しのナポリタン トリオ・ザ・シャキーン





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2014
03.17

幸福行の列車

Category: ストーリー
今日もストーリーの再掲載です。
これは続きを書こうかなって考えてます……。


幸福行の列車

モノトーンで覆われた2月の海は、水平線の彼方で空と溶け合い、うねる波だけが自己主張を繰り返している。遠くには、白くかすみながら必死に飛沫を受け止める灯台が見える。

 季節外れの海辺のリゾート。人影はない。岬に向かって海沿いを走る通りも、クルマ数はまばらだ。

 北の海を引き連れた寒風がボクの体に突き刺さり、これでもかと、寄せては返す波の轟音が耳をつんざく。
 普段であれば、できればお目にかかりたくない辛辣な奴らだ。
 だけど今のボクには違う。大歓迎だ。

 なぜならば……。

 これから来るであろう幸せな時間を、とてもとても暖かいであろう時間を、より一層引き立ててくれる役者たちだから。

 Caffe POPPOⅡ

 白い平屋建ての店の壁に深緑でそう書かれた看板の前に、ボクは立った。

 あれから6年――。

「あれ、君、もしかしてポッポで働いてない? 喫茶店の」
「あ、はい。あー、いつも来ていただいてますよねえ!何かびっくりです!」

 彼女のことは良く知っていた。
 いや、正確に言うと、彼女の働く姿は良く知っていた、と言うべきだろう。

 その当時、地元の小さな出版社に勤務していたボクは、何軒かのお気に入りの喫茶店を作って、そこで企画を練ったり原稿の校正をしたりする日々を送っていた。
 ポッポはお気に入りのひとつであり、彼女はそこでウエイトレスをやっていた。その彼女に、出版関係の勉強会という全く意外な場所で会ったものだから、こちらも驚きだった。

「私、料理とデザインが好きで、料理関係の本とかのデザイナーになれたらいいなあって思うんです。なので、今、出版関係の勉強をしていて、今日は知り合いの人に誘ってもらったんですよぉ」
 ポッポでコーヒーを運んでくれるのとまったく変わらない、屈託のない目が笑う。

 休憩の合間のほんの10分程度の時間であったが、そのときボクたちは、ポッポのアイスコーヒーと小倉ホットケーキは秀逸であること、ポッポは彼女の自宅でお父さんが店主であること、ポッポという名前は汽車ポッポから来ていて、この列車(みせ)でお客さんに安らぎの時間を過ごしてもらいたいとの思いでつけた名前であることなどを話した。

 とてもきれいな目だった。
 今でもはっきりと覚えている。
 希望に満ちあふれた、とてもきれいな目だった。

 何気ない会話の中で、そんな彼女に惹かれていく。

 ポッポが牽引する列車に乗ったボク。
 その列車が、ゆっくりと、動き始めた。

 それからボクは、今までと同じように、週に2~3回ポッポに足を運んだ。
 ただひとつ違うのは、彼女の姿を見つけようとしていたこと。まだ学生で学業の合間に店の手伝いをしていた彼女は、いつも店にいるわけではなかった。それだけに彼女の姿があると、胸躍らせ、挨拶に加えて注文のたびに会話をつなごうとする自分がいた。

「もうすぐ夏休みだね。計画はバッチリ?」
「今、いろいろと考えてるんですよ。私、こういうときが一番好きなんです。もうすぐ何とかってときが。実際に始まっちゃうと、それはそれで楽しいんですけど、始まる前ってわくわくするじゃないですか!夢があるっていうか。そう思いませんか……?」

 純真。真摯。
 彼女も、少なからずボクに好意を持っていてくれていたと思う。飾ることなく、はぐらかすことなく、楽しげに、ボクと話をしてくれた。後に彼女が話してくれてわかったことだが、幼いころに母親と別れた彼女は、父娘ふたりで暮らしてきたという。そんな境遇が彼女を、母親のようにしっかりとしていて、人の気持ちがわかる優しい女性(ひと)に育てあげたのかもしれない。

「いつも出版の話を教えてくれてありがとうございます。活きた話っていうか、現実がよくわかって、すごく勉強になります!」
 会話をつなぐための作為でもあったのだが、出版関係の話はいろいろと彼女に聞かせてあげていた。
「私、本のデザインができるようになったら、その先に夢があるんです……」
「夢?」
「はい、夢です」
 両手で抱えたトレイを胸に、真っ直ぐにボクの目を見つめる透き通った瞳と、ちょっとハスキーがかった声が躍る。
「どんな夢? よかったら聞かせてくれる?」
「いつかこの店を継いだときに、メニューを本にしたいんです。店内も改装して、四季折々の店の風景写真も載せて、料理や飲み物ひとつひとつに自分で名前をつけて、ちょっとしたお話も書いちゃったりして……。お店全部を物語にしたいんです。お店にあるものすべてに感謝です。だって、私はそれで食べているんだし、それに、みんな可愛い私の仲間です。コーヒーだって、サンドイッチだって、一本のフォークだって……。と言っても、まだ、料理もデザインも、どっちも何にもできないんですけどね」

 大いなる彼女の夢は、ボクの心も和ませてくれた。
 今でもポッポという空間は充分に心を癒してくれる。それに加えてその夢が実現したら、客としてもどんなに素敵なことだろう。
 彼女の柔かい笑顔の向こうにある装い新たな店内を想像するだけでも、自然と顔がほころんだ。

 しかし……。

 喜びと悲しみ。そして、後悔。

 自分の人生での、唯一最大の後悔。
 それは、突然やってきた。

 売り物件。

 そう書かれたポッポの前で、ボクは茫然自失としていた。
 血の気が引くのを実感した。

 4か月ほど、ボクは取材のため南の方で缶詰になっていた。
 久しぶりに訪れたポッポ。
 自宅兼店舗の栗毛色の建物は静まり返り、剥がされた表札の跡だけが、転んで膝を擦りむいた子供のようにしくしくと泣いていた。

 どういうこと?
 彼女はどこに?

 連絡先は? 
 わからない。
 というよりも、名前すら聞いていない。
 
 頭から、すーっと寒いものが下に降りて行く。
 お土産を持った手と腰に、力が入らない……。

「ひとつ、お願いがあるんです」
 最後にポッポを訪れた日のことだ。
「今、料理の勉強をしているんですけど、父には内緒で実験してるんです。で、バターライスのオムライスを作ってるんですけど、味見してもらえませんか?」
「バターライスのオムライス?」
「はい。あ、知らないんですか?」
「う、うん。オムライスって言えば、中はケチャップのチキンライス……だよね……」
「あー、私の勝ちですね! オムライスにもいろいろとあるんですよ。バターライスも、カレー風味のも、十穀米のやつとかも」
「へえー、そうなんだ。いいよ、作ってみてよ。楽しみだなあ……」
「そんなあ!期待されちゃうと……」
「大丈夫、大丈夫。自信を持って。夢の実現には必要でしょ」

 しばらくして、彼女の両手に大事そうに抱えられた、ふわふわのタマゴとデミグラスソースに包まれたオムライスが運ばれてきた。
 目の前でホカホカの湯気が立ちのぼり、バターのほんわかとした香りが辺りに漂う。
 それはまるで、幸せの国からやってきた食べ物のようだった。

「どう、ですか? ホワイトソースの方がいいですかねえ? それ以前に、そもそもダメですか?」
不安が彼女を饒舌にさせる。

 しかしその不安は、30秒後に、とびぬけた笑顔に変わった。
 本当の笑顔は、周りの人をも幸せにしてくれる。学校でも、家庭でも、職場でもなく、彼女がボクに教えてくれたことだ--。

 海風は先ほどよりも強さを増している。
 空では、その強風にも負けずに、カモメが悠然と飛んでいる。
 POPPOⅡの文字の横に貼られた看板に、ボクは目をやった。

“いらっしゃいませ! バターライスのオムライスはいかがですか!名付けて……”

 運命の神様は、ときに残酷であり、ときに感動的なほど優しい。

 何でボクがこの地を訪れ、偶然にもこの店を見つけたのか?
 自分でもわからない。
 偶然?
 いや、もしかして……。

「いやあ、すごく美味しかった。このバターライスのオムライス、看板メニューで行ける!今度、感想を書いて持って来るよ」
「えー、本当ですか?楽しみです!あ、わがまま言っていいですか?」
「いいよ」
「本当ですか?いいんですか、そんな安請け合いして」
「いいよ。男に二言はないから」
「じゃあ、メニューに載せるバターライスのオムライスの物語も書いてください!」
「……」
「男に二言はないんですよね!」
「う、うん……。よし、わかった。約束する。素敵な物語を書くぞー!」

 あのときの宿題、まだ渡してなかったもんね……。
 随分と遅くなっちゃったけど、今日、持ってきたよ。

「私、ポッポのトレードマークは、ずっと大切に守っていきたいんです」
 何時ぞやの彼女の声が、頭の中を駆け巡る。

 四つ葉のクローバーと、愛国から幸福行きの切符を模した看板。
 ピカピカに磨かれたポッポのトレードマークは、バターライスのオムライスの看板の横に、しっかりと貼られている。

 さあ、ボクも新しいポッポに乗せておくれ。
 ポッポがPOPPOⅡになり、今、新しい旅が始まろうとしている。

 改札(ドア)を抜けたら、はじめに何て言おうかな……。

 上空のカモメが、笑っている――。


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2014
03.15

必見!あなたはご存知? youtubeに隠された……

ネットって、ホントに便利だと思う。
気になることはすぐに調べられるし、いろいろな方と会話ができる。

当然、このブログをやっていられるのもブログのおかげ。
多くの素敵な方々と知り合えたことには感謝してもしきれない。
ネット、様様!!

動画だって見られる。
ニコ動やyoutube。

いやあ、すごいよねえ。。。

さて、そのyoutubeだけど、こんなのがあったのでご紹介。
キューピー3分間クッキングの「大きなオムライス」。

140316youtube1.png


へえ、この番組でこういうのもとりあげていたんだあ……。

なるほどなるほど。

玉子を下に敷いてその上にチキンライスを乗せる。
で、端を整えて……。

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えい!
結構重いと思うんだけど、先生、笑顔を絶やさずにガンバってる!

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うおおおおお!パチパチパチ!!!!!!

140316youtube4.png


全編はこちら!




ところで、youtubeだけど、いろいろと便利な機能がある。
ボクがよく使うのは繰り返し再生。

URLのhttp://www.youtubeのyoutubeの後にrepeatを入れる
→ http://www.youtuberepeat

で、おもしろいコマンドがこれ!

1980コマンド。
知ってますか?

youtube動画を再生して、再生中に1980と打つ。

ではやってみよう!

たとえば、杉山清貴さんの「さよならのオーシャン」を再生。
(基本的にどの動画でもいいんだと思うけど、うまくいくのといかないのがある……)

140316youtube5.png


1980とキーボード入力。

すると……

うわあ!画面が変ったあ!!
(うまくいかない場合は一度動画の左の余白をクリックしてから1980と入力してみてください)

140316youtube6.png


ミサイルコマンド???

この状態でクリックするとゲーム開始!

140316youtube7.png


ミサイルが飛んでくるので、それを迎撃する。

ミサイルが着弾すると画面が壊れて行き、やがてGAME over。

140316youtube8.png


おもしろいので、ぜひ、試してみてください!

では杉山清貴さんの「さよならのオーシャン」をどうぞ!





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2014
03.15

「あけぼの」との別れ、そして……

Category: その他
子供の頃、寝台列車に憧れた。
夜通し走る神秘的な旅。
何も考えずに、寝台からただただボーっと眺める、寝静まった街。
無人の駅を通り過ぎ、列車は、線路の継ぎ目が奏でるリズミカルな音にあわせて闇夜を走り抜けていく。
それはまるで、非日常に包まれたお伽の国の乗り物のようだった。

そんな寝台列車も、時の流れの中で居場所を失い、次第に姿を消しつつある。
2014年3月14日。またひとつ、永年に渡って多くの旅人を運んで来た寝台列車がその歴史に終止符を打った。

上野~青森を結ぶ、寝台特急「あけぼの」。

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(wikipediaより)

あけぼのが運行を始めたのは、昭和45年(1970年)10月。東北地方の出稼ぎ労働者や集団就職の若者を乗せてきた。
高度経済成長期に東北から上京した若者が、後に出世して誇らしげにあけぼのに乗って帰省したため、「出世列車」とも呼ばれていたという。
残念ながら、近年は乗車率が約6割に下がり、車両の老朽化も進んだために廃止が決まった。

午後9時16分。夢、希望、涙、……思い出を詰め込んだ列車は、「ありがとう」「よくがんばった」といった歓声や拍手に見送られ、上野駅13番線ホームから最後の旅へと走り始めた。

さよなら、あけぼの。


さて、寝台列車といえば食堂車。
そうだ!食堂車のオムライスって???

「あけぼの」は廃止されたけど、こちらは健在!
大阪~札幌間を走る豪華寝台特急、「トワイライトエクスプレス」

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(wikipediaより)

トワイライトエクスプレスの3号車にはレストランカー「ダイナープレヤデス」が連結されている。
夕食サービスは時間指定制で、メニューは季節ごとの入れ替わり。また大阪発は正午前の発車なので、13時から16時まで「ランチタイム」としてランチメニューを提供。メニューはオムライス・カレーライスなどが中心。札幌発は発車が14時台と遅いため、14時40分から16時まで「ティータイム」としてスイーツとコーヒー・紅茶程度のみを提供している。

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(wikipediaより)

さてさて、メニューを見てみましょうかね。。。

ディナーはこちら!

ディナーコース12,000円

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(トワイライトエクスプレスホームページより)

・2種類のジュレとフヌイユ、菜の花のピューレ
・レンズ豆のスープ カプチーノ仕立て
・真鯛のシャンパンソースオレンジ風味のホワイトアスパラ添え
・黒毛和牛のステーキ ロッシーニ風
・春の赤いフルーツ淡雪仕立てキャラメルソースとバニラのアイスクリーム添え
・コーヒー又は紅茶

うわああああ、いいなあ!!
「素敵な方と一緒に素敵な会話を楽しみながら素敵な料理を楽しみたい」ってカンジ!

和食党の方はこちら。
日本海会席御膳6,000円。

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(トワイライトエクスプレスホームページより)

これも美味しそう!!!!!!!!!

ランチはどうかな???
お目当てのオムライス……。

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(トワイライトエクスプレスホームページより)

ビーフカレー1,050円は、トワイライトの仕込み厨房で100%手作りのカレーソース。
カレー粉に更に10種類以上のスパイスを加え3日間煮込んでおり、リンゴやバナナ、チャツネなどのフルーティーな味わいが特徴。

オムライス950円は、トワイライトの人気№1ランチメニュー!
オムライスはトマトソースで味付けし、上から仕上げに自家製トマトケチャップをかけている。


ランチタイムは大阪を出発して間もなくかあ……。

車窓に流れる景色。
この旅の先に何があるのだろう??
素敵な旅路を思い描き、踊る心。

う~ん。たまらない!
うわあああ、いいなあ!!!!!!!!!!!!

といったところで、さ、現実に戻って今日もガンバろ!

最後に……。

台湾鉄道の食堂車の紹介。
どうやら、注目されている食堂車があるという。

え? どんなの?????

これだ!!!!!!!!

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(ロケットニュース24より)

うわあああああ!!!!!!

痛車!!!
痛電車!!!!!

おい! 何やってんだよ、台湾!

台湾鉄道少女という台湾鉄道のオリジナルキャラクタらしい……。
台湾鉄道少女のFacebookページによると、2012年12月に幾度もの会議を経て台湾鉄道管理局は鉄道少女を正式に新しい食堂車のデザインに採用することを決定したとのこと。2014年2月現在、まだ運行されていないが、この3月には運行される見込みのようだ。

台湾のネットユーザーからは
「イラストだけかと思ったら本当に走っててビビった」
「食堂車をメイド喫茶にしてほしい」
「台鉄がついに本気を出した!」
といった声が上がっていると言う。

さよなら、あけぼの。
こんにちは、痛電車……。

うおおおお、今日もまた、時は流れ行く。。。



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2014
03.14

Heads or Tails? (再掲載)

もう、今週はこのまま再掲載特集!
今日は大和駅のすぐそばにあるCafe & Bar COIN TOSS(コイントス)を舞台としたストーリーです!
食べレポも載せます!!!


Which? Eat or Drink?

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オムライスにもいろいろある。
洋食屋のオムライス、喫茶店のオムライス、チェーン店のオムライス。
そして、バーのオムライス。
さて、バーのオムライスって、どんななのだろう……。

ということで、この日は大和駅のすぐそばにあるCafe&Barコイントスを訪問。
営業時間は19:00~翌朝4:00。
開始の19:00に合わせて店に行く。
ドアを開けて中に……あれ???
どういうこと?
ドアがない……。
中の様子はわかるのだけれど入り口がわからない。

一瞬とまどう。
が、すぐに発見!
な~んだ、壁かと思ったら、そこが入り口だった。
よかったあ。
このままうろうろしていたら、ボケor不審者だ。

間口はそんな広くないけれど、開放的な作りと奥行きが広さを感じさせる。
そして、大型の液晶と、サインやらフラッグやら壁に飾られた数々のサッカー関係グッズ。
いやがおうでも気分が高揚する。
う~ん、これは代表戦のときなんか「さあ、盛り上がってください」と言わんばかりだね。

さて、オムライスはどこかな……。
写真が盛りだくさんのメニューをめくる。

おー、バーだけあってメニューのトップを飾るのは様々な種類のドリンク。
先ずはワールドカップのように並ぶ各国のビール。日本代表はキリン。
ちなみに、この日も当然の如くビール(黒生)を頼んでしまった……。
それから焼酎、ウイスキー。
ウイスキーは数々のスコッチ、バーボン。
カクテルにワイン。
「ワインには、マンU公式ワイン。飲んで香川選手を応援しよう」なんていうのや、「イニエスタコラソンロコ。FCバルセロナのイニエスタが所有するワイナリーのワイン。コラソンロコは熱狂的な心の意味」なんていうのもある。

そんな中、メニューの中ほどのページにオムライス1,000円を発見。
チキンライスにふわふわタマゴ、デミグラスソースの文字。
さて、どんなオムライスなんだろう。
写真はないので、返ってわくわく。
期待が膨らむ。

オムライスのできあがりまで黒生をゆっくりと飲む。
やがて、デミグラスソースがたっぷりとかかったオムライスが到着。
おー、美味そう!
色の派手さはないオーソドックスな見た目。
だけど自然と「美味しそう」という言葉が口をついた。
実際のお味はいかがでしょう……。

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う~ん、美味しいじゃん!
酒に負けないように、味は濃い目。
おつまみとしても成り立つ味だ。
ちょっとご飯が柔らかい感じ。
だけどチキンの食感がよく、また卵とソースとの相性もよい。
味が濃いと、チキンライスのケチャップとデミグラスソースが主張し合ってまとまりがつかなくなるのではと思いきや、そういうことはなく、お互いがお互いを引き立てている。
うん、これは酒がすすむなあ……。
ボリュームは普通かな。
でも、いろいろとおつまみを食べることを踏まえると充分だと思う。

この店は夫婦でやっているのかな?
気さくな奥さんが料理やお酒を運んできて聞かれた。
「ブログやってるんですか?」
「あ、ブログじゃないんですけど、オムライスが好きでレポート書いてます」
(2014/3/14追記:このころはまだブログはやってませんでした……)
「オムライスマニアですか!!」
マ、マニア……。
マニアではなくファン位だと思うんだけど、まあ、似たようなモノかもしれない。
お客さんは男性が多いらしい。
なので、夜食感覚で結構食べるのだろう。

ホント、お酒もいいのがあるし、料理はご飯もおつまみもとても美味しい。
(オムライスの後、スコッチとおつまみでのんびりしちゃいましたよ……)。
これで代表戦の勝ち試合をみんなで盛り上がって見られたら、最高に幸せな時間を過ごせるんだろうなあ……。

2013年2月9日

■ 店舗情報 ■
・住所:神奈川県大和市大和南1丁目4-12 大塚ビル1F
・電話:046-262-1554
・営業時間:19:00~4:00
・定休日:木曜日(1/1~1/3は休業)


Heads or Tails?

「お疲れ!カンパ~イ!」
 Cafe & Bar COIN TOSSのテーブル席に着いた正樹と美穂は、はじける笑顔でビールのグラスを重ねた。
「いやー、準優勝は嬉しいけど、でも悔しいよなあ」
 半分ほど一気に飲んだ正樹が唇をかむ。
「でも、私ラケットバックなんかよりもウェアの方がほしかったから、よかったわ」
 慰めか本気か、弟をなだめるお姉さんのような美穂の目が、正樹の顔を覗き込む。
「それはよかった。でもさあ」苦笑いの正樹が続ける。
「あのスマッシュミスはホント恥ずかしいよ。肝心なときに空振りなんてさ」
「しょうがないじゃない、太陽が目に入っちゃったんだから」
「いやあ、ジュニアのときにコーチに言われてたんだ。いいか、晴れた日にコイントスで勝ったら4-4のときに太陽が背になるようにコートを選べって。なのに、すっかり忘れてて、せっかく選択権がとれたのにサーブ権をとっちゃって。まあ、まさか本当に4-4でそんな場面に遭遇するなんて思ってもいなかったけどね」
「いいのいいの、ポジティブ、ポジティブ。『ダブルフォルトしない、じゃなくて、ファーストを入れるだよね』」
 お通しを箸でつまみながら、おどけた表情の美穂が正樹の口まねをしながら笑う。

 正樹と美穂が町田のテニススクールで知り合ったのは5ヶ月ほど前のことだ。
 お互いレベルも同じようで、その上なぜか初めて会ったきから不思議とリラックスして話ができ、美穂の積極的な誘いもあってすぐにミックスダブルスを組むようになっていた。

「だってさあ、準優勝2回とベスト4が3回。7大会出てこれって、すごくない?」
「それはすごいって思うよ。でも逆に言うと、5回もベスト4以上に行っているのにまだ一度も優勝できないなんてさあ。あー、今日はチャンスだったのになあ。ごめんね……」
正樹は残りのビールを飲み干し、同じものをもう一杯注文した。
「う~ん」
 遠くに目をやりながら美穂がつぶやく。
「そこなんじゃないかなあ」
「え?何が?」

 土曜日の夕飯時だが、店内はまだすいており、ふたり以外に客はいない。ひと呼吸おいて美穂が続けた。

「あなたの弱さ。遠慮なくずばり言うけど。まだジュニアのときのトラウマを引きずってるでしょ」
「そうかな。そう、思う?」
 出来たてのカマンベールチーズ揚げを口に放り込むと、正樹は右手で鼻をこすった。困惑した正樹が無意識のうちにする仕草だ。
「うん。そう思う。でも、あなたはあなたなんだし、どこかでふっきってチャレンジしないといけないと思うし、あなたならできると思うわ」

 準優勝が5回、ベスト4が3回。
 小学3年から中学3年まで、大きなテニスクラブのジュニア育成チームに所属していたときの正樹の成績だ。

 優秀な選手が集まる所属チームの中で、正樹の成績は決して誇れるものではなかった。
 そんな正樹に父親の怒号が飛んだ。
「なんでそんな簡単なミスをするんだ。自分から負けに行っているようなものじゃないか。お前には勝ちたい気持ちが全く見えない。テニスは相手にエースを決められても自分がミスしても同じ1ポイントなんだぞ。自分からミスするバカがどこにいるか。よくそんなんでプロになりたいなんて言うよな。よし、今から家まで走って帰れ」

 人間は成長する。プラス方向にも、そして残念ながらマイナス方向にも。
 父親の怒号のおかげでミスは格段に減り、そこそこの成績を残せるようにはなった。
 が、しかし、その大きな代償として、いつしか正樹はミスを恐れる人間になっていた。
 肝心なときに、ミスをしてはいけない恐怖心が体を固くさせる。
 この呪縛からのがれられない。いや、のがれようとすればするほど逆の結果に陥ってしまう……。

「中学3年の夏までに公式戦で優勝できなかったら、この先の望みはないからテニスはやめよう」
 父親とのそんな約束に従い、正樹は中学3年の途中でテニスチームを離れた。
 それから7年。5ヶ月前にふと、もう一度テニスやりたいな。しかも今度は楽しいテニスを。そう思ってスクールに通い出すまでは、正樹は一切テニスに触れようとはしなかった。

「ねえねえ、見て見て、オムライスがあるよ!」
 スクリーンに映るミュージックビデオにぼんやりと目をやっていた正樹の肩を、宝物をみつけたような表情の美穂が叩く。
「オムライス?」
「うん、頼もう!どっちもオムライス好きじゃん!いっぱい飲んで、いっぱい食べよ」
 正樹を見つめ、いいよね、と首をかしげる美穂。
 その小悪魔的な仕草に、黙ってうなずく正樹。

 そうか……。

 そんな美穂を見て、正樹の第六感が、ピンと反応した。

「ねえ、ミーちゃんさあ、ダブルス組んでて、オレのプレーってどう思う?」
「そうねえ。よく言えば正確。悪く言うとマシンみたい。なんか、ボールに気迫がないと言うか、魂がこもっていないと言うか。マーくんは自分の可能性を自分で仕舞い込んじゃっている気がする。大きな可能性を持っているのに。きっとジュニアのときも、ちょっと考え方を変えていたらすごい選手になっていたと思うなあ。でもそれは過去の話だし。生きているのは今だし。それと……。あ、すみませ~ん、オムライスふたつください!」
 美穂は明るく手を挙げると、話を続けた。
「それと……」
「それと?」
「何て言うのかなあ、なんか、プレッシャーがかかる肝心なところになると、萎縮して周りが見えなくなっちゃうって言うのかなあ。ほら、テニスって対戦相手がいるでしょ。ダブルスだったらパートナーもいる。マーくんはそれが見えなくなっちゃって、ひとりでミスしないことだけに必死になっちゃうの」

 ドンマイ、気にしない気にしない。次のポイントとって行こう!
 大丈夫、今日のマーくんは調子いいから!
 試合では、いつも美穂が励ましてくれる。

 3つ年上だから。
 そんなことを理由に当たり前だと思っていたけど、それだけではない。
 一見自分勝手で奔放な言動に隠れて全然気がつかなかったけど、彼女はいつもボクの動きを見ていてくれている。いや、動きだけじゃない。ボクの心理状態も、打ち破るべきボクの壁も……。

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 しばらくして、デミグラスソースがたっぷりとかかったオムライスが運ばれてきた。

「美味しそう!マーくん、この店のメニューにオムライスがあるなんて思いもよらなかったでしょ」
 スプーンを利き手の左手でぶらぶらさせながら美穂が言う。
「周りを見ずに凝り固まった判断でものごとを決めつけちゃう。だから冒険もできない」
 美穂の言葉を受け、正樹が自虐的につぶやく。
「そのくせ優勝には人一倍こだわっちゃう。どこかで勇気を出して冒険しないと優勝なんてできないのに」
 小悪魔の目が追い打ちをかける。

 ミュージックビデオの音が壁に吸い込まれていく。

 静寂が時を刻む。
 黙々とオムライスを食べるふたり。

 黙々と、黙々と。

 やがて、小悪魔が、口を開いた。

「ねえ、私にかけてみない。私ならできるわ。本当のあなたを引き出してあげる」
 正樹は食べる手を止め、自信にみなぎる美穂に目を向けた。

 何もかもが吸い込まれていく。
 過去も、未来も、今も。

「私のカンだと、私たちもうすぐ優勝できるような気がするの。しかも大きな大会で」

 自分の気持ちに正直になりなさい。
 肝心なときこそ、自分の中に閉じこもらないで相手を見なさい。
 小悪魔の目が、そう言っている。

 もしかしたら彼女は運命の女性(ひと)なのかもしれない。
 なんで、何の気なしにもう一度テニスをやろうって思ったのだろう。
 そこで、なんで彼女に出会ったのだろう。
 神の見えざる手?

 テニスでは今まで何度もやり過ごしていたチャンスボールが、今、自分の目の前に来ているのかもしれない。

 この出会いは、本物なのか、にせものなのか。

 素直に自分を出しなさい。
 あなたのことはあなたの心が決めるの。
 自分を信じればきっとあなたが望む結果が訪れるわ。
 さあ、決めるのはあなたよ。

 小悪魔のささやきが、正樹の心の中を自由に泳ぎ回る。
 そしてそのささやきは、正樹の心のシグナルを青色に変えた。

「ミーちゃん、お願いがあるんだ」
 笑みをたたえた美穂の目が、なんでもどうぞ、と言っている。
「コイントスしてくれる。オレ、それを当てるから。で、当たったら、オレの願いをきいてほしい」

 コートにいるときのような、真剣なふたりの目が交錯する。

「うん、わかった」
 美穂は、まるでこの時が来ることを予測して、待ってましたとばかりにそう言うと、財布から百円硬貨を取り出した。

「勝負は1回よ」

 さあ、相手の動きを見るのよ。
 そして、自分は勝つって信じるの。
 美穂の心の声が、正樹の中でこだまする。

 美穂は、硬貨を、左手の親指で高々とはじいた。

 照明の光を浴びてキラキラと光ながら、明日を乗せた銀色がゆっくりと宙を舞う。

 Heads or Tails?

 さあ、どっちだ……。

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2014
03.13

さよならの向う側 (再掲載)

またまたまたまた再掲載。
しかも、図に乗って、本来のスタイルである「食べレポ+ストーリー」フルセットで……。

今回は「横浜そごう」にあるFELICE(フェリーチェ)でのストーリーです。


オープンスペースで気ままなひとときを


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新春第一弾!
気分一新、さて、どこに行きませうか???
やっぱり好きな街からだよね……ってことで横浜。
あれ? また横浜? どこが気分一新?
第1回から、藤沢 → 横浜 → 藤沢 → 横浜 って……。
なんか同じところをグルグル回っているだけじゃん。あれ、おかしいなあ。
でも、ハンマー投げみたいにサークル内でグルグル回って勢いをつけているのだから、きっと室伏広治選手のように金メダルが手に入るのさ、なんて必要もないのに訳のわからない言い訳を頭に浮かべつつ、いざ横浜へ!

当初は馬車道、関内方面を狙っていたのだけど、三が日はまだ営業していない。
ランドマークプラザも混んでいそうなので、横浜駅周辺で探すことに。
結局、9階と10階にオムライスを提供している店がある「そごう」に決めた。
ビルの中は人、人、人でごった返している。
上の階に行っても、一向に人の減る気配はない。
いやーな予感がよぎる。まさか……。

先ずは10階の「ダイニングパーク」にある「丸の内DINDON」を覗くと、15:00を回ってすでに食事時が過ぎているにもかかわらず、かなりの待ち状態。
えー、やばいじゃん!?

さて、9階はいかに。
不安を抱きつつエスカレーターで9階へ向かう。
ん? なんか人だかりと優雅な音色が……。
この階にあるイベント空間で、綺麗な着物に身を包んだ、小学生から高校生くらいの女の子達が舞を披露している。
「おっ、可愛い~(両目からハート×8)」と思いつつも、「自分に厳しくあらねばならん。ロリコンではないし、ロリコンではないし」と自分に言い聞かせ(冗談)、一目散に目的の店へ。
(今思うと、せっかくなので優雅な舞を見てゆったりとした気分になればよかった。ちょっと後悔)

目的の店は「FELICE(フェリーチェ)」。
ここにしかないオープンカフェだ。
う~ん、結構混んでいるし、ショーウィンドウにはケーキばっか。
謳い文句は「ケーキと紅茶の店」。
なんとか席を確保し、オムライスセット1,470円を注文。
なんかオムライスがあるのが場違いなカンジで、
「カフェでオムライスって食べて後悔するのかなあ。でもサラダとコーヒーor紅茶が付くとはいえ1,470円は
意外と高いし、給仕さんもちゃんとした格好をしているし」なんて期待と不安を抱きつつ出来上がりを待つことに。

やがて給仕さんの「大変お待たせ致しました」の丁寧な言葉とともにオムライスが運ばれてきた。

おおーー、美味しそ~!!

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うん、結構美味しい!
食べる前は「カフェのオムライスってどうなの?」って思っていたけれど、いけるじゃん。
うん、美味しい美味しい、パクパクパク。
チキンライスはちょっとパサっとしたカンジだけど卵はとろとろ。デミソースも美味しく食べやすい。で、すぐに食べ終わっちゃったんだけど、何となく物足りない気がする……。美味しいし、上にパセリがかかっていて綺麗なんだけど、何でだろう??
良くできているんだけど特徴がないのかな? 
ボリュームも少なめ(?)で、オムライスそのものを楽しむというより、会話を楽しみながらオムライスも楽しむっていうのが合っているカンジ。ホント美味しいんだけどね……。

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そごうの9階は、実はそごうではなく「新都市ホール」なので他のフロアのように買い物客がいない。だから静かだし、フェリーチェはオープンカフェなので開放感もある。まあ、この日は結構混んでいたけれど、それでも10階のように待ち状態ではなかったし。
それに店の雰囲気がお洒落。ゆっくりとおしゃべりしながらお茶や食事を楽しむにはとてもいい空間だと思う。給仕さんの対応もとても丁寧で、好感が持てる。
意外と穴場かもしれない。
「ケーキと紅茶」のお店での「オムライスとコーヒー」だったけど、ケーキと紅茶はどうなのかなあ?? それも興味津津……。

2013年1月3日

■ 店舗情報 ■
・住所:神奈川県横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店 9F
・電話:045-451-6788
・営業時間:10:00~20:00
・定休日:不定休(そごうに準ずる)

FELICE 食べログ情報 

フェリーチェカフェ / 横浜駅新高島駅神奈川駅


さよならの向う側

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「ごめんなさい。おまちどうさま」
 そごうの大時計が約束の4時を10分ほど過ぎた頃、人ごみの中から真理は現れた。
 1年ぶりの真理の姿を目にすると、達也は、“やあ”という言葉にならない言葉とともに、油の切れたロボットのような仕草で軽く右手をあげた。

「どこか希望の店はある?」宙に目をさまよわせ、達也が言う。
「いえ、どこでも」
「おなかは?おなか、すいてない?」
「大丈夫」
「じゃあ、9階のカフェに行こう」
 事務的でぎこちない会話を交わすと、二人は無言でそごうの9階にあるカフェ「フェリーチェ」へと向かった。

「顔色いいね」オープンカフェの奥のテーブルに着くと、達也は言った。
「そうね。このところ調子はいいわ」荷物を椅子に置きながら真理が答える。
「ネイルサロンは順調?」
「おかげさまで。友達も宣伝してくれて、お客様も増えてきてる。あなたの方は?」
「うん、仕事は今まで通りかな。それと、炊事、洗濯、みんな君にまかせていたこともできるようになった。これでも、今更ながらちょっとは成長しているかな」
 達也はおどけた仕草をしてみせた。
「それはよかったわ」口許を隠しながら、真理が笑う。
「笑顔が見れてよかったよ」
 達也は笑顔を返しつつも、真理の笑顔が、夢の中の、手の届かない物語の世界のもののように思えた。

 二人で会うのは……。
 達也はぼんやりと天井を見つめた。
 二人で会うのは、これが最後かな……。
 ――。

「お待たせいたしました」
 手持ち無沙汰でやるせないしばしの沈黙の時間を、給仕が破ってくれた。

「何でこの店にしたの?」運ばれてきたアールグレイを口にしながら真理が尋ねた。
「いや、特に。強いて言えばオムライスがあるからかな」
「そうなんだ・・・」あたりをキョロキョロと見回しながら真理は続ける。
「ねえ、この店の名前の『フェリーチェ』の意味知ってる?」
 きょとんとした顔で首を横に振る達也。
 その達也を、穏やかな眼差しで見る真理。
「イタリア語で『幸せな』の意味。あなたにひとつだけ言っておくわ。女はいつも愛の前では臆病なものよ。愛を確かめないと不安で仕方がないの。だから、もしあなたに愛する女性(ひと)ができたら、どんなことでもいいからそのひとが安心するようなことをしてあげてね。例えばこの店に連れてきてあげて、連れてきた理由とフェリーチェの意味を教えてあげるの。それが幸せになる秘訣よ」
 真理は、口許に笑みを浮かべた。その笑みは、まるで静かな湖の底でゆらゆらとゆらめく藻のように柔らかいものだった。
 一瞬、達也の中で、そんな真理の笑顔が ”私ねえ、小さい時、いつも家の中の階段の真ん中で、ひとりで『みんな早く帰って来ないかなあ』なんて待ってる子だったんだよ” 甘えた声でそんな話をする出会った頃の真理の笑顔と重なった。

 幸せになるために、お互いが選んだ道――。
 それぞれが歩む、別々の道――。

「ご忠告ありがとう。ねえ、せっかくだからオムライス食べない? 昔みたいに」
「いいわ、じゃあいただくわ。オムライスを食べると幸せになれるって、誰かさん言ってたわよね」

 何千人、何万人もの人が往来する都市空間の中、静かなオープンカフェで、二人の時間が、最後の二人だけの時間が、ゆっくりと、でも確実に過ぎ去って行く。

「じゃあ、これ、あとの手続きはよろしくお願いしますね」
 食事を終えると、真理は達也に書類の入った封筒を手渡した。

 それから二人は地下に降りると、キラキラときらめくイルミネーションで飾られたエスカレーターで横浜駅に向かい、「それじゃあ」とどちらともなく別れの挨拶を交わした。

 達也は、西口方面に消えて行く真理の後ろ姿を追い続けた。
 真理の姿が、だんだんと小さくなっていく。
 心の中で、達也はつぶやく。
 ねえ、「大好き」と「愛してる」の違いって何だと思う?
 本当に君を愛しているのなら、ボクから開放してあげるのが愛だよね……。
 人は記憶の呪縛から逃れられないものなのかなあ?
 二人で作った幸せな時間が多いほど、思い出はつらい傷になるのかなあ……。

 真理にあったら話そうと思っていたことはたくさんあった。
 本当は男のほうが弱くておセンチかもしれない。
 だけど、そんなものはいらない。
 幸せになるためにお互いが選んで決めた道。
 君に負けないくらい、ボクも幸せになるよ。
 そして、もしどこかで君とばったり会うことがあったら、今度は大きな声で、笑顔で、ちゃんと「やあ」って言える人間になるから。

 やがて真理の姿は、大海原に吸い込まれる水滴のように都会の雑踏に溶け込み、すっかり見えなくなった。

 ありがとう。
 さようなら。

 それからしばらくして、真理が去っていった方をぼんやりと見ていた達也は、向きを変えピンと背筋を伸ばすと改札を通り抜けていった。

 そう、幸せな明日行きの電車に乗るために……。
  
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2014
03.12

一輪の真心 (再掲載)

Category: ストーリー
今日はデニーズのオムライスを食べながらのストーリーの再掲載。
(今週は再掲載ばっかだなあ……)

ファミレスのオムライスなんて美味しいの???
食べる前はそんな疑問を持っていたけど、食べてみたらこれが美味しい!
いやあ、ファミレスおそるべし。

企業が競争を勝ち抜くべ、食材選定から配送から味つけ、接客まで一連をとことん追求する。
その結果、ちょっと前までの常識が変わりつつあるのでは???

ファミレスや冷凍食品なんかはその典型だと思う。

何が本物の味だとか偽物の味だとか、そういうのは変化していくのかもしれない。

チキンライスが好きです。
照り焼きソースが好きです。
卵かけご飯が好きです。

デニーズのオムライスは、そんな味覚の人気のポイントを、しっかりとおさえてオムライスに反映させていると思う。

ではどうぞ。


一輪の真心

「いらっしゃいませ!デニーズへようこそ」
 ドアを開けた武井健一を、弾ける笑顔が出迎えた。
 自然と笑みがこぼれる。健一は指を2本立て、"ふたり"と合図を送った。

 会社からたっぷり2時間半はかかる地方都市にある和菓子店との商談。
 早めに現地に行って15時からの商談に備えよう。そんな考えで、昼食がてら和菓子店がある商店街のデニーズに飛び込んだ。

 笑顔の案内に従い、入社2年目の神山真吾とともに窓際の席につく。
 昼のピーク時間を過ぎたせいか、比較的すいている店内にはゆったりとした空気が漂っている。

「すみませんが、先にちょっとトイレに行ってきます」
 真吾の言葉に、遠慮するなと頷きパソコンを取り出す。

 デニーズへようこそ、か……。
 さて、どうやってお店の特徴を出そう……。
 和菓子のネット販売。他との差別化を図るために何か訴えるものがほしい。
 送料無料? 翌日配送?
 いや、どれもありきたりだ。画龍点睛を欠く。どうしたものか……。

「すみません、おまたせしました」
 ぺこりとお辞儀をすると、トイレから戻った真吾は静かに椅子を引いて健一の向かいに腰かけた。

「早く食べたいだろ」
「はい、もう、お腹がすいちゃって……」
「ここはおごるから、好きなものを頼め」
 そう言いながらメニューをめくる健一。その目に、”オムライス”の5文字が微笑みかける。
「どうしたんですか?」
 思わず「あっ」と漏れた声に、真吾が反応した。
「いやあ、あるんだな、デニーズにも。オムライスが」
「あ、知ってますよ。武井さんがオムライスに目がないって。今度美味しい店に連れてってくださいよ」
 真吾もメニューのオムライスのページを開き、それに見入った。
「美味しそうだなあ……。ボクもオムライスにしようかなあ……」
「別に合わせなくてもいいぞ」
「いや、そういうわけではなくてですねえ……」
 真吾の目を見やる。どことなく遠い目が、5月の午後に揺れている。

「もう何年も食べてないんですけどね……」
「じゃあ、呼ぶよ」
「あ、はい、お願いします」
 健一はテーブルの呼び鈴を押した。

「子供の頃、母親がよく作ってくれたんです。オムライス」
 頬杖をつきながら、真吾はぼんやりと天井に目を向けた。
「それがすごく美味しくて。大好きで。大体は休みの日の昼飯だったんですけどね」

「そう言えば君のおかあさんは……」

「はい。女手ひとつでボクを育ててくれまして。大学まで出してくれて。きっと、神様が休めって言ってくれていたんだと、今はそう思うようにしています」

 それからしばらく、沈黙の時間が続いた。

 注文を終え、やがて出来たてのふわふわオムライスがふたつ、ふたりのもとに運ばれてきた。

「いやー、本当に美味しそうですね!武井さんがオムライスにはまるのもわかる気がします!」
「そうか」
「うん、美味しい!チーズとタマゴがいい感じですね!」
「おー、うまいうまい。意外だな、デニーズのオムライスは盲点だったな。眼中になかった。ところで、君のお母さんはどんなオムライスを作ってくれたんだい?」
「はい、典型的な家庭のオムライスです。こどもに生のタマゴはよくないって、しっかり焼いた玉子焼きに包まれていて、その上にケチャップでいろいろな言葉が書かれていまして。あるときは『おかあさんスペシャル』とか、またあるときは『HAPPY!』とか」

“ こどもの頃から母親似って言われるんです ”
 健一は、幸せそうにオムライスを口にする姿を見て、真吾のそんな言葉を思い出していた。
 どことなく中性的な顔立ちの真吾の瞳の中で、思い出が駆け巡っている。
 こいつの優しさときめ細かさ、それと人懐っこさは母親譲りだな……。
 苦労にもめげず、うらみもせず。
 こういうやつは、本当に報われてほしい……。
 年の離れた弟を見るような、そんな眼差しが真吾を見守る。

 おかあさんのオムライスか……。
 オレもよく作ってもらったっけ。
 デパートのレストランにも連れて行ってもらって、国旗の立ったお子様ランチのオムライスを食べたよなあ……。

「今日は母の日ですね……」
 真吾につられて思い出にふける健一の耳に、何気ないつぶやきがこだました。

 母の日。

 そう言えば、小学校の時に学校からカーネーションを持って帰って以来、この日を意識したことなんてなかった。

 孝行のしたい時分に親はなし。
 よく言ったものだ。

 母親の笑顔が脳裡に浮かぶ。

 と、そのとき、

 健一の中で、母親の顔と、和菓子店の女将の顔がオーバーラップした。

「そうだ神山!」
 健一の目が輝く。

「それで行こう!和菓子のネット販売。カーネーションの絵をあしらった便箋に、女将さんに手紙を書いてもらって入れよう。一言でいい。君のおかあさんがオムライスにケチャップで書いてくれたように。店売りの方も女将さんの人柄が人気でリピーターが増えている。あの人の人柄や真心は、きっとネットを通じてでも伝わるはずだ」
「それ、いいですねえ!」
 真吾が身を乗り出す。
「15:00までにはまだ時間がある。よし、企画を詰めるぞ、神山!」
「はい!」

 ブラインド越しに降り注ぐ夏への準備を進める午後の穏やかな陽光が、テーブルに満ちあふれる。

「武井さん、女将さんにカーネーションを買って行きましょうよ」
「おー、ナイスアイデア」
「何の疑いもなく、あなた方に全部任せるからって、女将さんはボクたちにとってはおかあさんみたいなもんですもんね」
「さすが神山。その通り」

 健一はパソコンの企画書ファイルを開くと、一文字一文字、力強くキーを叩いた。

“ カーネーションプロジェクト   ~ 一輪の真心を和菓子に添えて ~ “

 まるで、ほっぺたにご飯粒をつけながらおかあさんのオムライスを頬張る子供のように、パソコンの画面に食い入るふたり。

 生命を吹き込まれた文字が言霊となり、パソコンから飛び出す。

 一輪のカーネーションが宙を舞い、リインカーネーションと溶け合う。

 健一の母も、真吾の母も、真心の文字の中で楽しげに踊っている。

 輪廻に宿る永遠の真実。

 真心が、時空を超えて、伝播する――。

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2014
03.11

明日への時間旅行 (再掲載)

Category: ストーリー
人生の転機。
それは突然にやってくるものかもしれない。

若いときの転機。歳をとってからの転機。
喜びに包まれた転機。悲しみに包まれた転機。

今日は、鎌倉の小町通りにある喫茶、MORE(モア)を舞台としたストーリーの再掲載です。

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明日への時間旅行

「3勝10敗だな……」
 スプーンを片手にモアの2階の窓から小町通りを行き交う人々をぼんやりと眺めていた守が、祐二の方に目線を移しつぶやいた。
「……何が?」
 アイスコーヒーを口に運ぼうとしていた祐二が、守の方を見やる。
「何だと思う?」
「そうだな、小町通りを歩いているイケてる女の子」
「バーカ」
「お前ならあり得る」
「30年前ならな」
 守は苦笑いを浮かべ、オムライスを一口食べると続けた。
「オレたちが行っていた茶店(サテン)。今も残っているのはここも含めて3ヶ所だけ。大船の薔薇館も西鎌倉のコロンもない。藤沢のマタリとドルチェは、今は食べ物屋だ」
「そういうことかあ……」
 祐二はアイスコーヒーのグラスに映る自分の顔の輪郭を目でなぞりながら、ため息交じりにうなずいた。

 モアの店内にはシャカタクのNight Birdsが流れている。
 1982年のスマッシュヒットナンバーだ。

 あのころ……。
 祐二と守の大学時代……。

「おじゃましまーす……」
 家には誰もいないと知りつつ、それでも玄関で一応挨拶の言葉を言って、祐二達の仲間は毎日のように守の家に集まっていた。
 バイブルはポパイと片岡義男、それとカーグラフィック。1階の冷蔵庫からよく冷えた缶ビールを取り出し、真昼間から水代わりに飲みながらアルディメオラやリーリトナーのギターをコピーしまくっていた。
 夜になれば海沿いの134号を西へと向かい、箱根の大観山に向けて走り出す。守のRX-7、祐二のケンメリ、その他仲間の117クーペやトレノ。
“すべての四足動物は後ろ足で大地を蹴る”そんな桜井眞一郎氏の言葉に陶酔し、”FF(前輪駆動)なんてクルマじゃねえ。やっぱりFR(後輪駆動)だよな”なんてこだわる硬派なクルマ好きの集まりと思いきや、ハートカクテルのような恋愛に憧れ、仲良しの女の子たちと逗子マリーナでテニスに明け暮れたりもした。
 就職や家族のことなんか考えずに、ただ今日を楽しみ、明日も幸せな日が来ることを疑うことなく生きていた。

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 曲がTOTOのRosannaに変わった。
「あのころは、毎日が楽しかったよなあ……。」
 手にしたアイスコーヒーのグラスを見つめたまま、祐二は独り言のような口調でそういうと、話を続けた。
「人ってさあ、いつまで夢に生きて、いつから思い出に生きるのかなあ?オレさあ、思い出に生きたくないんだ。そうなったら人生も終わりだって思う。常に前向きに、夢を忘れることなく。お前と『一緒の会社に入ろう。で、オレたちでいい会社に育てよう』って夢見て入社しただろ。今でもその思いは変わらないし、変えたくはない。でもなあ、どうしても前向きになれずに楽しかったときに逃げてしまう……」

 11月の小町通りの西の空が、ほのかにオレンジ色に染まろうとしている。
「ほら」
 ぼんやりと天井の方に目をやる祐二に、守がマールボロの箱を差し出した。
「吸えよ、いいだろ今日くらい」
 軽く会釈をして箱から1本抜き取り口にくわえた祐二に、守が火をつける。
 石がすれボッと炎が上がると、ZIPPOのオイルの香りが広がった。
「ありがとう」そういうと、祐二は18年ぶりのタバコを深く吸い込んだ。

「夢と思い出に線を引く必要なんてないんじゃないかなあ。いいんじゃないか、思い出に生きたって。お前とはお互い励ましあって今日まで来たし、それは大切な思い出だと思ってる。思い出に生きたくてもそんな思い出さえない人だっているわけだし、素晴らしい思い出を見つめて生きて行っても、何も悪くはないと思う。いやむしろ、思い出があるからこそ頑張れるんじゃないかなあ……」

 そんな守の言葉のあと、二人はしばらくの間無言で、ぼんやりと暮れゆく景色を眺めていた。

 良き思い出。それは自分が生きてきた、確かな証。

“なあ、オレたち将来どっちが稼ぐと思う”
“オレたちのS採用ってさあ、特別扱いのスペシャル採用だと思ってたら、ソルジャー採用のSなんだってよ。チクショウ、でも関係ねーよな。よし、お前と一緒ならできる!”
祐二の中で、目の前に座るスーツの守の姿が、30年前のGジャンの姿と重なる。

 やがて、吸い終わったタバコを灰皿に押し付けて消しながら、裕二は口を開いた。
「今までありがとうな。オレたちの中では、今でも13勝0敗だよな」
 守は祐二の目をじっと見ながら大きくうなずくと、
「これからもな」
 そう言って右手を差し出す。
「人事部長が言うことに間違いはないかな。もしかして、これがオレの面談?」
裕二の言葉に守は軽く笑を浮かべ、二人はがっちりと握手を交わした。

「あとの選択はオレ次第だな……」
「ああ、例えお前が社命のどちらを選択しても、オレたちの思い出は変わることはないし、決して色あせることもない」
「人事部長がお前でよかったよ。オレに手続きで戸惑わせるなよ」

 秋の空はすっかりと夜に向かう準備を終え、窓の外が街明かりに変わろうとしている。

「じゃあ、今日は朝まで行くか」
 守が問いかける。
「おー、先ずは大観山だな。お前の自称フェラーリで」
 祐二の声が弾ける。
「OK! その後は茅ヶ崎のインザチップスに行って、鎌倉山のロイヤルホストにしよう」
「残念ながらロイヤルホストは24時までだ」
「11敗目か。ま、クルマの中で作戦を考えよう」
「おー!」

 会計を済ませると、二人はさっそうと小町通りへと消えて行った。

 さあ、今日は守の自称フェラーリで、Back to the Future!!

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2014
03.10

白球は海を超えて (再掲載)

Category: ストーリー
球春到来。
3月になり、プロ野球のオープン戦が始まりました。
春の選抜高校野球ももうすぐです。

今日は、パセラ横浜関内店にあるIndah Baliを舞台とした野球関係のストーリーの再掲載です。

子供たちに、夢を……。


白球は海を超えて

「バリってどこだっけ?」
 パセラリゾーツ関内の入口を抜けると、バリの雑貨が並ぶ一角を見ながら変声期をむかえたクオンがつぶやいた。
「バリはね、インドネシアだよ」
 息子の健司と、息子の少年野球仲間の翔とクオンの3人の少年を引き連れた正夫が呼応する。
「首都のジャカルタがあるジャワ島の隣りにある小さな島。クオンの故郷のベトナムよりもっと南にあるんだ」
「へえー、めちゃくちゃ暑そー」そう言う健司に
「甲子園の方が暑いよ」翔が真顔で反応する。
「ははは、そうだよな。身も心も甲子園はアツイところだ。3人で行くんだもんな、甲子園!」
 正夫は3人の肩を抱き寄せ、大声で笑った。

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「はじめまして、グエン ティン クオンです。ベトナム人です。でも、ベトナム語は話せません」
 3年前、クオンは正夫がコーチとして携わる地域の少年野球チームに入団した。正夫が勤務する町工場の同僚の息子で、彼の類希なるバネの効いた走りに一目惚れした正夫が入団を奨めたのだった。

 きっとこの子は、ものすごい選手になる。
 ただし、致命傷になりかねない弱点を克服できれば……。

 永年少年野球に携わってきた直感がささやく。

 正夫の読み通り、クオンはすぐに頭角を現した。
 もともと器用な上に、もの覚えも早い。小学6年にして175センチを超えたしなやかな体から繰り出される速球は、とても小学生では打てるものではない。
 硬式少年野球チームからの誘いもかかり、中学からは地元神奈川の強豪、浜南ボーイズへの入団も決まっている。
 いや、正確には、決まっていたと言うべきかもしれない。

 順調に育ってきている、そう思っていた。
 この子なら、全国制覇も夢ではない、そう確信していた。

 が、その矢先、2ヶ月ほど前。
 恐れていたことが、現実になった。

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 全日本学童軟式野球大会神奈川県予選の決勝戦。
 クオンの速球が冴えまくり、3-0で最終回をむかえた。ここまで内野安打2本。ほぼ完ぺきに近い。
「よし、クオン、意識しないでいつも通りに行こう」
 キャッチャーの健司が声をかける。
「うん、大丈夫」
 そう頷くクオンの表情(かお)は、自信に満ちあふれている。

 最初のバッターは、簡単に三振に打ち取った。
 あとふたり。OK、もう間違いない!
 みんながそう思った。

 インコース高めのストレート。
 健司のサインに頷き、クオンはゆっくりと振りかぶる。
 土を蹴った長い脚が高々と上がり、獲物をしとめる目が、ぶれることなくまっすぐに健司の構えるミットを見据える。
 そして、全身の力をためたムチのような腕が、大きくしなる。

 と、そのとき……。

「きやがれ、ベトナム野郎!」
 バッターが、突然、大きな雄叫びをあげた。

 流れるようなフォームを演出するクオンの体が、一瞬で凍りつく。

 ベトナム野郎。
 ベトナム野郎。

 トラウマが……。

 消し去ったはずのトラウマが、眠りから覚めた野獣のごとく牙をむく。

「来るんじゃねーよ、ベトナム野郎。難民は帰れ! 汚いのがうつるだろ」
 幼児の頃は、自分が日本人ではないことなんかまったく気にならなかったクオンだが、大きくなるにつれ、心無い言葉を浴びせられることが多くなった。
 昔は仲よく遊んでいた友達も、いつのまにか離れて行く。
 なぜ?
 ボクのどこがいけないの?
 なんでボクは日本人じゃないの?
 ベトナム人ならベトナムに引っ越そうよ。
 親を問い詰めもした。

 ベトナム難民の血を引く両親は、そんなクオンに、
「私たちはここで生きるしかないの、強くなって、クオン」
 ただただ同じ言葉を繰り返すしかすべがなかった。

 クオン ―― 日本語にすると”強い”を意味する。
「強い男に」との思いでつけられた名前だ。

 しかし、その名前とは裏腹に、もともと引っ込み思案な性格がクオンの弱さを増長させて行く。
 日々、ひとりでぽつんと過ごすクオン。
 このままでは本当にまずいことになる。そう考えた両親は、仕事も変え、ベトナム人が多く住む横浜の一角に移り住むことを決断した。
 正夫から野球の誘いがかかったのはそんなときだった。

 チームワークを教え込まれたメンバーは、何の違和感もなくクオンを温かく受け入れてくれた。
 これには、最初は入団をためらっていたクオンも驚いた。

 もう、トラウマも甦ることはないだろう。
 この日まで、この日のこの瞬間まで、みんながそう信じていた。

 きやがれ、ベトナム野郎!

 クオンの投じたボールは、バッターへと向かって飛んで行く。
 あっ、と思った瞬間、ボールはバッターの脇腹に当たった。
「デッドボール!」
 審判が試合を止める。
「ううう……」
 苦しそうに顔をしかめるバッター。
 クオンの顔から、見る見る血の気が引いていく。

「くそー、わざと当てやがったな。きたねーぞ、ベトナム野郎」
 バッターボックスでうずくまるしかめっ面が、クオンをにらむ。

 違う、わざとじゃない。
 ベトナム野郎。
 きたない。

「すみません」とバッターにお辞儀をした健司が、あわててクオンの元に駆け寄ってくるのがぼんやりと見える。

 わざとじゃない。
 ベトナム野郎。

「クオン、落ち着け。大丈夫だ。点差もある」
 健司の言葉が、そよ風のように耳を通り抜けて行く。
「大丈夫、クオン、自分を信じろ!」

 それから後のことを、クオンはよく覚えていない。
 気が付いたら、スコア―ボードの7回表に刻まれた”8”の文字を、ベンチの椅子でぼんやりと眺める自分がいた。

 そして、それ以来、クオンはボールを投げられなくなった。

「イップスですね」
 医者の人工的な声が平然と残酷な言葉を発した。
 イップスとは、精神的な原因で思うような動作ができなくなる運動障害だ。
 よりによって……。
 恐れていたクオンの精神的な弱さが、最悪の形になって表れた。

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「2階のレストランは17時からなんだ。1階で食べられるので、ここで食べよう」
 正夫は子供たちをインダバリのテーブル席に着くように促した。
「さあ、思い切り大きな声で応援できるように、美味しいオムライスを食べてそれから横浜スタジアムに行こう!」
「え、ここでもオムライス食べられるの?」
 オムライスに目がないクオンの目が、真ん丸になった。
「インドネシアの食べ物しかないのかと思ってた!」
「びっくりだろ。ここではいろいろな国の料理が食べられるんだ。ベトナム料理もあるんだぞ。日本の料理もベトナムの料理も一緒に食べられる。日本人だろうがベトナム人だろうが一緒だ。命あるひとりの人間なんだ」
 正夫は総合案内と給仕を兼ねる女性を呼び、オムライスを4つ注文した。

 店内の水槽では、熱帯魚が悠然と泳いでいる。
 切り出すタイミングは今かな……。
 その姿をながめながら、正夫は優しくクオンに話しかけた。

「なあクオン、もう一度チャレンジしてみないか、野球?」
「やろうよ、クオン」
「大丈夫だよ。お前はすげーんだから」
 事前の打ち合わせ通りに、健司と翔が追従する。

 これから多感な時期を迎える少年には、辛いこともきっと沢山出てくるだろう。でもそれは、何の因果か、クオンが神様に与えられた試練だ。
 それに、そういった辛い経験をすればするほど、大きく成長する。
 逆に、ここで逃げたらお終いだ。
 早いうちに障害にぶつかったのも、前向きに捉えれば良かったのかもしれない。
 持って生まれた才能を生かすも殺すも、まだこれからだ。
 両親以外でこの子を成長させてあげられるのは自分しかいない。
 ぼんやりと窓の外に目をやるクオンを見ながら、正夫はそんなことを思っていた。

「ボクさあ、一度ベトナムに行ってみたいなあ」
 クオンがぽつりとつぶやいた。
「ベトナム人なのに、ベトナム語も話せないし、ベトナムに行ったこともない。でも、みんなはぼくのことをベトナム人って目でしか見ない。だから一度、ベトナムに行ってみたい。そうしたら、何かが変わるような気がする……」

「そうだよな……。ねえ、みんなで行ってみようよ」
 健司が同意を促す。
「オレも行ってみたいな。クオンの故郷を見てみたい。ベトナムでも野球やってるのかなあ?」
 うきうきした表情を浮かべた翔が尋ねる。
「うん、正式な団体はないけど、日本人もベトナムに行って普及させているようだよ」
「え、そうなの?」
 クオンの目が輝く。
「クオン、ベトナムに行ってみよう。大勢のベトナム人にお前の速球を見せてあげよう! 君と翔のお父さんお母さんには話をしてみるよ」
 ここぞとばかりに、正夫が畳み掛ける。

「おまたせいたしました」
 やがて出来たてのオムライスが到着した。
「わー、美味しそう!」
「すげー、なんかソースとご飯が分かれててカレーみたい!」
 子供たちがうれしそうにはしゃぐ。

 よし、行ける!正夫の直感がささやく。

「みんなで誓った約束を実現させようじゃないか。甲子園に行ってプロになる。な!」
「もちろん!」
「その前にベトナムだよね」
「いや、その前に今日の横浜DeNA VS 巨人だよ」
「そりゃそうだ」
「なんかすごく美味しいんだけど」
「お前のお母さんのオムライスの次くらいかな」
「やっぱ、オムライスを食べると元気が出るなあ!」

 笑顔を取り戻したおだやかな午後の時間が、ゆっくりと過ぎて行く。

「ボク、明日からまた練習するよ。で、ベトナムでみんなにボクのボールを見せるんだ。うん、今なら投げられるような気がする」
「久しぶりなんだから、最初から飛ばすなよ!」

 野球に国境はない。
 差別もない。
 白球は世界をつなぐ共通言語だ。

 みんなの心の中に、夢を乗せたけがれなき同じひとつの白球が、高々と舞いあがった――。

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2014
03.09

音のスケッチブック

Category: その他
今日は、素敵な音楽とブログで楽しませてくださる方のご紹介。

その前に……。

「オムライスのある風景」

人生の一コマを切り取り、ほんわかとした、スケッチのようなと言うか、大人の絵本のようなと言うか、そんなものを表現できたらと思ってつけたタイトル。

もともとストーリーを書くのは好きだったけど、飽きっぽいせいか長篇が書けない。
それと、長篇になると辻褄とか組立を考えちゃってついつい説明文っぽくなってしまう。

なので「何か書きたいけど書けない」状態が続いていて、しばらくストーリーを書くことから離れていたのだけれど、2つのヒントが重なってストーリーを書き始め、このブログの誕生に至った!

ひとつめは、大好きなオムライスの食べレポとストーリーを一体化させたらどうだろうという考え。
はじめは食べレポしか考えていなかったのだけれど、最初に行った「くげぬまや」で食べた帰りに「なんか、オムライスって絵になるなあ」って思った途端、ストーリーが浮かんできた。

もうひとつは、このとき同時に作詞家の松本隆さんの言葉を思い出したこと。

好きな歌は何百回も繰り返し繰り返し聴くけれど、好きな映画はそう何度も見ることはしない。

なるほど。
小説も同じ。
大抵は何回も読み返したりはしない。

そうだ!
ふと思った。何回も読み返してもらえるような、そう、「お気に入りの歌」にしてもらえるようなストーリーを書きたい!
舞台は人々が集う素敵な店。内容は食べレポ+ストーリー。

そしてボクの中で、「歌」と「ストーリー」が一体化した。
歌の世界のようなストーリーがいい!

「歌は3分間のドラマである」という言葉を聞いたこともあるけれど、素敵な歌はこころを癒してくれるとともに、明日への活力をくれ、創作意欲をわかせてくれる。
だから、素敵な歌にもっとっもっと巡りあいたい! 
そんな気持ちがより一層強くなった。

そして……。

巡りあったのが、今日ご紹介するシャンソン歌手・訳詞家の別府葉子さん!

別府葉子公式ブログ ~葉子通信 ( ← リンク)

Beppu Yoko offcial website ( ← リンク)

別府さんは香川県高松市生まれで、大阪市在住。
小中学校での合唱から高校・大学時代のクラシックギター、ロックバンドに至る音楽活動と、大学で学ばれたフランス語を活かしてフランスのトゥール市に親善留学生として派遣されたことをきっかけにシャンソン歌手・講師へと。

内容は勿論、リズミカルで軽快な文章が躍るブログは読んでいてとても快適。その明瞭さに魅了される!

歌も同じ。
一回聴いたら決して忘れることのない圧倒的な声(量、質ともに)。
人間的な大きさ、包容力を感じる……。
ちなみにyoutubeにも多くの曲をupされているので、そちらも楽しませて頂いている。

これは別府さんの3rdアルバム「スケッチブック」。

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"時代を超えた人生のさまざまなシーンを切り取った音のスケッチブック"

この言葉を見た瞬間、ボクの手は、組み立て工場のロボットよろしく「ごく当たり前に」購入手続きに移っていた。
なのせ「オムライスのある風景」に込めた思いそのものなのだから!

そして、この「素敵なアルバム」は、届いた日からボクの夜の酒に付き合ってくれる「大切な友だち」になってくれた。

さらに、単位を取るのに四苦八苦したフランス語も、何気に聞いていたシャンソンも、身近な存在になった。
シャンソン=フランス語で「歌」の意味。
みなさんは「シャンソン」をどう捉えていますか???

え? 早口言葉?
「新進シャンソン歌手総出演新春シャンソンショー」

別府さんのご紹介を今日させて頂いた理由はここにもある。
前々からご紹介させて頂くタイミングをどうしようかって思っていたのだけど、「今でしょ!」って思った。

別府さんは今、ブログで「別府の考え ~ションソンとは~」を連載されている。
とてもわかり易いしシャンソンに対する理解が深まる!
それに、読んでいて人生に深みが増すのも実感できる。
是非ご覧ください!

では最後に、別府葉子さんの素敵な歌声を。
聴きたい歌はたくさんあるのだけど、ここではボクが以前から大好きな曲を2曲ほど別府さんのyoutubeより。

別府葉子さん、ちょっと遠いのでライブにはなかなか行かれませんが、これからも歌とブログでみんなのこころを豊かにし続けてください!
よろしくお願いします!!

● リリーマルレーン




● ラストワルツ





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2014
03.08

真白き富士の嶺

Category: その他
みなさん、目をつぶって富士山を思い浮かべてみてください。

……。

想像したのはどんな富士山?

大半の方はこういったカンジの雪を抱いた姿ではないかな?

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写真提供「FUJIYAMA DAYS」 http://shikinofuji.com/

「オー、フジヤマ、ビューチフォー!」って思われるのも冠雪した富士山だからでしょう。

夏の富士山はこのように雪がないのだけど、雪のない富士山を思い浮かべた方はいますか?

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写真提供「FUJIYAMA DAYS」 http://shikinofuji.com/

ある夏、電車に乗っていたときに目の当たりにした光景。
おかあさんが小さいこどもに「ほら、富士山だよ!」と。
怪訝そうな表情の子供が応える。
「え?違うよ。だって雪がないじゃん」

そうだよね。
こどもの中ではテレビや本で見た冠雪した富士山が富士山なのだから仕方がない。
初めて見るリアル富士山が富士山に思えない!

ボクも初めて雪のない富士山を見たときは、「あれ?」と思うと同時に、なんか見てはいけないものを見てしまったような感覚に陥った。
それはまるで、初めてすっぴんの彼女に会ったときのような……。

あれ? こんな目だったっけ?
カラコンとつけまつ毛の威力?

自分の中で作り上げた(あるいはマスコミ等で作られた)一種の虚構と現実のギャップ。
世の中、いたるところにあるよね。

数々の虚構の中にちりばめられた現実。そして、真実。

「普通にしなさい!」
小さいころからよくそう言われたボクは、「普通って何?」って疑問を持ったまま学生時代を過ごした。

普通って何?
常識って何?
慣習って何?
社会秩序って何?
共同幻想って何?
暗黙知って何?
……etc

答えを見つけようと、こういった本を読み漁ってた。

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いい機会なので、今一度読み直してみようかな……。
新しい発見があるかもしれない。

雪のない富士山 ― みなさんはどう受けとめますか???

では、ショパンの調べを……。

● 幻想即興曲 ショパン




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2014
03.06

The Garden of Rachel  (再掲載)

Category: ストーリー
またまたストーリーの再掲載!
今日は、オムライス専門店としてチェーン展開している、RAKERU(ラケル)での話。

ラケル(Rachel=レイチェル)は旧約聖書の『創世記』に登場する女性で、今でも欧米の女性の名につけられている。
今回の主人公の「リョウ」は「無償」の主人公であり、そりを操る晴香は「天使の忘れ物」の主人公。
そして、このストーリーでリョウを迎え入れるレイチェルはアンドロイドなのですが、レイチェル、アンドロイドと言ば……?????
そう、あの映画ですね!

ではどうぞ!


The Garden of Rachel

 かすかに吹くそよ風が、頬をなでる。

 そろそろ用意ができますよ……。

 そよ風に乗り、透明で清らかな女性の声が通り過ぎて行く。

 起きてください……。

 脳が、徐々に覚醒しはじめる。

 早く起きないと間に合わなくなりますよ……。

 声は次第にはっきりとしはじめ、やがてリョウは、ゆっくりと目を開けた。

 定まらない焦点の先にぼんやりと現れた、赤と白のチェックのテーブルクロス。
 その上でゆらめくランプのほのかなオレンジの光。
 遥か先の暗闇には、森の木々が見える。

 空を見上げると、眩しいほどキラキラときらめく星たちが天空を飾っている。

 意識を自分に向ける。
 肘付きの椅子に座っていることに気が付く。どうやら庭園に置かれたダイニングテーブルの椅子に座っているようだ。

 ここはどこ?

「お目覚めですね」
 背後から、先ほどの透明で清らかな声がリョウに語りかける。
 振り向くと、そこには、テーブルクロスと同じ赤と白のチェックのドレスに身を包んだひとりの女性、い や、ひとり?の、ウサギが立っていた。
「びっくりされましたか?」リョウの隣に回り込みながらウサギが微笑む。
「何がなんだか……」声にならない声を発するリョウ。
「どこまで覚えていますか?」
 ウサギは、隣の椅子に静かに腰をおろすと、リョウに優しく問いかけた。

 精神安定剤のようにリョウに溶け込むその声に、頭の中の混乱はだんだんと落ち着きを取り戻し、ジグソーパズルのピースがまとまり始める。
「レアチーズケーキをふたつ、買いました……」
「それから」
「駅の改札に向かい……」

 そこから先が思い出せない……。
 ウサギは黙ってうなずきながらリョウを見て微笑んでいる。

 何とか思い出そうとリョウは記憶の糸を手繰る。

 微笑むウサギ。
 頭を抱えるリョウ。
 微笑むウサギ。
 頭を抱えるリョウ。

 と、ひとつの光景がリョウの脳裏にフラッシュバックした。

「ウサギ……、ウサギのぬいぐるみ……」

 微笑む、ウサギ。

「思い出した……。ウサギのぬいぐるみを抱いた小さな子が前を歩いていました。おそらくクリスマスプレゼントで買ってもらったんだと思います。その様子を見てなんだか懐かしい気持ちになった途端、目の前が真っ暗になって……」
「そうですね。そのウサギのぬいぐるみを見て、まるでアリスがウサギを追いかけて穴に飛び込んだように、あなたはこの世界にいらっしゃいました」
 え?リョウの頭の中が真っ白になる。
「意味がわからないですよね」
テーブルに置いた両手を合わせながら微笑むウサギが言う。
「はあ……。ここはどこですか? それに、あなたは……?」
「はい、ここはラケルの園、英語でザ ガーデン オブ レイチェルって言います。申し遅れましたが、私はレイチェル・ドーソン。ここの支配人です」
「ラケルの園……?」
「そうです。これからあなたは彼女との約束の場所に行きますよね。ここはそこへ行くための出発地点なんです」

 出発地点?それに、どうして?どうしてこれからボクが行くところがわかるのだろう?
 もしかしてこのウサギ、いや、レイチェルは、言葉がなくてもボクの心が読めるのだろうか?

「あなたには、私の心の中が見えるのですか?」
「はい、あなたの心の中も、あなたの過去も、私にはわかります。」
レイチェルは、その言葉を待っていましたとばかりに、話を始めた。
「私たちはもともと地球で生まれました。正確に言うと、地球で製造されました」
「製造?」
「私たちは、遥か遠い昔、まだ人間が言葉に頼らなくても心を通わせることができた時代に製造されたアンドロイドなんです。その当時、地球ではウサギを愛でることが流行りました。最初は愛玩動物として本物のウサギが愛でられていたのですが、そのうちにウサギ型のアンドロイドを製造して家族の一員にしようという考えが出てきたんです。それと、作るなら人間と同じ大きさで話もできるのがいいと。そこでできたのが私たちで、いつしかみんなレイチェルと呼ばれるようになりました。幸せを運ぶ女神の意味なんですよ」

 そこまで話すと、レイチェルは遠くの方に目をやり、
「最初は良かったんです……」
 そう言って深いため息をついた。

「私たちには寿命も感情もありませんでした。アンドロイドですから。でも、寿命のない私たちは、何世代もの人間と一緒に暮らして数多くの嬉しいことや悲しいことに出くわすことで感情を持つようになったんです。人間と同じようになりたい、人間と分かり合いたい、そう思っていた私たちにとって感情を持つということは人間に近づけた証であって、大変嬉しいことでした。しかも、人間が言葉に頼らなかった時代から人間に接していますから、なぜか人間の心も読めるようになっていたんです。だけど皮肉なもので、私たちがそうやって感情を持ち始め、人の心を読めることがわかると、人間たちの間から非難の声があがってきたんです。アンドロイドに支配されるのではないかとか、アンドロイドのくせに人間を超えるのかとか……。
それから人間たちは、私たちを破壊しはじめました。私たちは人間に逆らうつもりなんて何もなく、ただ一緒に暮らしていたかっただけなんですけどね……」

 リョウは、レイチェルの目をじっと見つめた。
 澄んだ瞳の中で、夜空の星が、ゆらゆらと揺らめいている。

「一員として迎えてくれた家族のみんなとはずっと暮らしていたかったのですが、それから間もなく世の中で『レイチェル狩り』が横行しまして、しぶしぶ私たちは地球から脱出しました。行先はみんなバラバラです。でも、みんなで決めていたことがあります。それは、平和で争いもなくお互いがお互いを思いやることができる場所である『ラケルの園』を各自がたどり着いたところで作ることでした。だから、いろいろな星に『ラケルの園』があって、ここもそのひとつなんです」

「そうですか……」
 そんなレイチェルの話に相槌を打ちながら、リョウはつぶやいた。
「それは悲しい話ですね。そういう話を聞くと、人間は愚かな生き物だって、つくづく思いますよ……。ボクも含めてですけどね……」

 ぼんやりと夜空を眺めるふたりの上を、やるせない時間の雲が流れて行く。

「ところで、話は変わりますが、ひとつ教えてもらえませんか?」
やがてリョウが、沈黙の時間を打ち破り口を開いた。
「なぜここが彼女との約束の場所に行くための出発地なんですか?」
「それはですね」
 答えようとしたレイチェルは、ダイニングテーブルから30mほど離れたところにある建物で手を振る女性に気がつき、話をとめた。
「あ、ごめんなさい。今、オムライスが出来上がったようなので先に持ってきますね。それを食べながら話をしましょう」
「え? オムライス?」
「はい、オムライス。幸せを運ぶ食べ物で、ここでの常食です」
「でも、食事は彼女と一緒にしようと思っていますし、第一約束があるので、食べている時間はないですし……」
「安心してください。これから食べていただくオムライスはいくら食べても決して食事の妨げになるものではありません。時間も大丈夫です。ここの時間の流れはあなたが知っている流れより遥かに遅いですし、それに、時間に間に合うようにあなたをここから約束の場所までお連れしますから」

 赤ん坊をあやす母親の言葉のような不思議な安心感が、リョウを包み込んだ。

 じっとリョウの目を見て微笑むレイチェルに、
「わかりました」
 ただそう言ってリョウはうなずいた。
「では、今、運んできますのでしばらくお待ちください。それと、私が戻るまでの間に、あなたの小さいころのことを思い出してみてください。あなたとウサギに関して。いいですか。大切なことですので、お願いします」
 そう言って席を立つと、レイチェルは建物の方へと歩き始めた。

 ボクとウサギ、……、小さいころ……。

 ひとり残されたリョウは、目の前のランプの光に目をやる。
 ボクとウサギ、……、小さいころ……。
 ボクとウサギ、……、小さいころ……。

 と、先ほどと同じ光景が、リョウの脳裏にフラッシュバックした。
 小さい子がウサギのぬいぐるみを抱いている光景。

 ウサギ……、ウサギのぬいぐるみ……。

 ウサギのぬいぐるみを抱いている小さい子は……。

 これって……。

“ウサちゃんはいつも一緒だから”
“ウサちゃんと一緒にお風呂入るんだもん”
“ねえお母さん、背中のところが切れちゃったよー。ねえ直してよー”
“やだよ、絶対に捨てないんだから・・・”

「お待たせしました」
 ほどなくしてオムライスを持って戻ってきたレイチェルは、
「どうぞ、冷めないうちにお召し上がりください」
 そう言ってリョウの前に、真っ白な皿に乗ったオムライスと光り輝く銀色のスプーンを並べた。
 ケチャップソースの香りがリョウの鼻をくすぐる。
「では、遠慮なくいただきます」
 スプーンを手にしたリョウは、早速ひと口、口に運んだ。
 卵とソースがご飯と溶け合い口の中に広がって行く。
 と同時に、なんとも言えないせつない懐かしさがリョウを包み込む。

「思い出しましたか、ウサギのぬいぐるみのこと」
 美味しそうにオムライスを頬張るリョウにレイチェルが問いかける。
「はい、鮮明に思い出しました」
「では、ひとつ、あなたに質問です。もしウサギのぬいぐるみにナイフを突き刺したとします。それは破壊行為だと思いますか?それとも殺害行為だと思いますか?」
「もちろん、殺害です」間髪を入れずに答えると、リョウは、
「当然ですが、ぬいぐるみにもアンドロイドにも人間にも、命があります。まあ、人間にナイフを突き刺しても破壊行為としか思わない人もいますけどね。おかげさまで彼女と会う前に大切なことを再確認できました。それと、子供のころ母に作ってもらったオムライスの美味しさも思い出しましたよ」
 そう続けた。
リョウの力強い言葉を聞いたレイチェルは、満足そうにうなずいた。
「これであなたは約束の場所へ行く準備ができました。今のあなたは、幼いころウサギのぬいぐるみを心から愛し、その心のまま迷い込んだノラネコを愛したあなたです。彼女とはこれから先ずっと言葉がなくても心が通じ合うはずです。ここが出発地である理由は、もう説明する必要ありませんね」

 オムライスを食べ終えたリョウは、席を立つと丁寧にレイチェルにお礼の言葉を述べた。
「ではお気をつけて。ここから約束の場所まではそりでお送りします」
 そう言うとレイチェルは、先ほどオムライスの出来上がりを告げていた女性に声をかけた。
「晴香さん、ではよろしくお願いしますね」
 その声の先で、トナカイの牽くそりに乗る女性が手を振っているのが見えた。
「これを忘れてはいけませんよね」
レイチェルは、にこやかにレアチーズケーキをリョウに手渡した。
 照れ笑いしながらそれを受け取ると、リョウは、晴香の乗るそりへと急いだ。

「何れまたお会いしましょう」
 晴香に会釈をしてそりに乗り込んだリョウが、手を振りながらレイチェルに言う。
「今度は彼女と一緒にいらっしゃい」
 レイチェルがリョウに呼応する。

 トナカイの足の動きにあわせてそりはゆっくりと庭園を滑り始め、やがてクリスマスイブの夜空へと舞い上がった。

 晴香のはからいで、2回ほどラケルの園の上空を、そりは旋回する。

 赤と白のチェックのクロスが敷かれたテーブル――。
 素敵なオムライスを作っているレンガ造りの建物――。
 そして、いつまでも手をふり続けるレイチェル――。

 The Garden of Rachel――それは、あなたの心の中にあるという。

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2014
03.05

北の大地のオムライス、実食!

では、伊勢丹で購入した冷凍オムライス、その名も「北の大地のオムライス」を食べてみましょう!

電子レンジなら5分、蒸し器なら15分、ボイルなら20分で出来上がり。

ということで、はい、出来上がりました!(はやっ)

こんなカンジ。

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なんか、トゥルンってしてる。
250gなのでそんなに大きくはないな。

販売員は市販のハヤシをかけると美味しいって言ってたけど、今日はオーソドックスにケチャップでいってみよう!

OMU

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これだけではちょっとケチャップが足りなそうだなあ……

じゃあ、下に1本、線を入れてみよう。。

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OMU + underscore

ほう、オムライスっぽくなてきたぞ!!!

ではいただきま~す!

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ふむふむ。

玉子はオムシートかな???
中のライスはちょっとパサついているかな
でも、なんかちょっと複雑な味がする……

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えーと、材料は???

米、鶏卵、トマトケチャップ、たまねぎ、にんじん、鶏肉、チキンエキス、こんぶエキス、しいたけエキス、魚介エキス、etc

なるほど!
いろいろと入ってるんですね!
うん、これはこれで面白いんじゃないかな。

なのよりも、大いなる大地の恩恵にあずかれるのが素晴らしい!

感謝の気持ちを込めてもうひと口行こう。

ちょっと薄味なのでケチャップもつけて……。

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そっと目を閉じ……。

ここは北海道。

大自然に囲まれ、

新鮮な空気を思いきり吸い込んで。

大好きなオムライスをパクリ!

活力が体中に染み渡る。

さあ、明日もガンバろう!


● 大空と大地の中で / 松山千春




 
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2014
03.04

Forever (再掲載)

Category: ストーリー
調子に乗って、今日はまたまたストーリーの再掲載。
これはナポリタンの発祥の店、横浜の野毛にあるセンターグリルを舞台とした話。
ではどうぞ。

Forever 


 JR桜木町駅を出ると、祐也は、みなとみらい方面に向かうお洒落な人波に逆らい、妻の涼子とともに平戸桜木道路を抜け野毛柳通りに足を踏み入れた。
 18年ぶりの場末の香りが体に染み渡る。と同時にそれと連動するように自然と顔がほころぶ。
 オーストラリアで貿易商を営む祐也が、大学の4年間を過ごした街だ。
「大学は人生の目的を探す場」と考えていた祐也は、この街には自分が求める何かがあるのではないか、そんな漠然とした思いでこの地を生活の場に選んだ。

 その日に稼いだバイト代をGパンのポケットにねじ込み、安酒の酔いに身を任せて街を闊歩する。
 一流企業への就職を目指す同級生や、すりごまが背広を着たようなサラリーマンを「飼いならされた豚ども」と卑下しつつも、何れ「大学」という温室生活を終え別世界へと身を委ねることになる自分が何者かわからず、文学青年を気取って大岡川の水面をぼんやりと眺めながら「自分の存在理由」に頭を悩ませていた時期でもある。

 野毛柳通りの外れまで来ると、祐也は青い看板の店の前で足を止めた。
 どこまでも突き抜ける晴れ渡った冬空を仰ぎ、大きくひとつ深呼吸をする。
「米国風洋食 センターグリル」
 祐也が足繁く通った店。
 祐也を育ててくれた店。
 そして、祐也を育ててくれた大切な人と出会った店――。

「ご一緒してもよろしいですか」
 大学3年の秋、センターグリルのテーブルで料理の出来上がりを待つ祐也に、柔和な笑顔の老人が話しかけた。
「あ、はい、どうぞ」
 一瞬とまどいながらも、何か得体の知らない、周りをほっとさせるようなオーラが祐也を包み込み、自然と快諾の言葉が口をついた。
「あなたの食べっぷりはよく拝見させていただいていましたよ」
 オックスフォード地の水色のボタンダウンシャツに、濃紺のシングル三つボタンのブレザー。綺麗にプレスされたグレーのスラックスに足元はコインローファー。
 典型的なIVYに身を固めたその紳士然とした老人は、丁寧にブレザーを脱ぐと、祐也の前の席に腰掛けた。
「学生さんですか?」
「はい、今大学3年です」
 この老人、どこかで会ったことがあるような……、祐也は記憶をたどる。

 ふと、記憶の線がつながった。

 数ヶ月前まで、毎週のようにこの店の一番奥の席で、品の良さそうな老婦人と楽しげに食事をしていた姿が祐也の脳裏に蘇る。
「我々には子供がいなかったもので、あなたの食べている姿を見て、家内とよく『孫がいたらこのくらいの年かなあ』なんて楽しませてもらってたんですよ」
 それから老人は、自分が影山治夫という名であること、日本大通り方面で貿易商を営んでいること、そして、2ヶ月前に突然奥さんを失ったことを祐也に聞かせてくれた。
「私のほうが病弱で、そんな私を支えてくれた家内にまさか先立たれるなんて思いもよりませんでした。やはり、男やもめはよくない。格好つけても、男なんてひとりでは何もできやしないちっぽけな生き物ですよ」
 運ばれたナポリタンをフォークに巻きながら、老人はぼんやりと壁に目をやった。
 その目を、祐也は見つめた。
 頬の皺の上のくぼんで濁った白目、でも、そのとなりにある黒目は決して輝きを失っていない。こんな目は見たことがない。それに引き換え、オレのガラス玉のおもちゃのような目は何なんだ……。
 男の年輪と生き様を感じた瞬間だった。

 やがてランチタイムで賑わい始めた店内で、老人と祐也はそれぞれの自己紹介や趣味などをおり混ぜながら会話に花を咲かせた。
「今日はありがとう。おかげさまで久しぶりに充実した時間をすごせました。今日は私がご馳走しますよ。それと、もしよかったらまたご一緒にいかがですか?」
 老人の言葉に祐也はお礼を述べ、握手を交わして二人は別れた。

 その後しばしば、この店で老人と祐也は食事を共にした。
 老人は今後の人生に悩む祐也の相談に真摯にのってくれ、経営する貿易会社でのアルバイトも勧めてくれた。
「男っていうのは悩んでいたらいけない。机上の勉強で頭でっかちになってもいけない。自分の進む道を見つけ、しっかり地に足をつけ、それに向かって生きていくもんだ。その道が正しいか正しくないかなんて関係ない。ただ自分を信じて、周りを信じて。そして感謝の気持ちを持つ。それと、君は彼女はいるのかい?」
「いえ、……」
「何れ君も人生の良き伴侶に巡り合うだろう。でも本当に素敵な巡り合いがあるかどうかは、君が自分をしっかり持てるかにかかっている。幸い私は最高の伴侶に出会えた。将来の君の伴侶も、きっと今頃どこかで君の成長を待ち望んでいることだろう」

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 祐也は18年ぶりの扉を開け、涼子をエスコートしながらセンターグリルの2階へと上がった。

 変わらない景色が眼前に広がる。
 奥の席で、笑顔の若いカップルが美味しそうにオムライスをほおばっているのが見てとれた。
 老夫婦が決まって食事をしていた席だ。その若いカップルの姿が、祐也には若き日の影山夫妻の姿に見えた。
 影山さん、今頃天国で毎日奥さんと楽しい食事の時間を過ごしているんだろうなあ……。
 祐也は、あの日老人がしたような仕草をまねて、裏地に「H・Kageyama」と刺繍された濃紺のブレザーを丁寧に脱いだ。
 影山さん、オレ、少しはあなたに近づけたかなあ……。

「特製オムライスを二つください」

 18年前よりちょっと年輪を重ねた声が、店内に響き渡った。

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2014
03.03

北の恵みを堪能!

何気なくネットを見ていて、相模大野の伊勢丹で北海道物産展をやっているとの情報を入手した。

いいなあ……。

もう、誰もとめることはできない。
雨が気になる微妙な天気だけど、そんなの関係ねー!(時代遅れ)

ということで、相模大野に突撃!!

5階の催事会場でやってたんだけど、結構な賑わい。
これでもか、これでもかというくらいに美味しそうなものが売っている。

う~ん、あれもほしいし、これもほしい。
そこはぐっとこらえて、結局買ったのはこんなカンジ。

先ずは好物の六花亭( ← リンク )のマルセイバターサンド。これは定番。

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ホームページにはどう書かれているのかな?

当社専用の小麦粉でつくったビスケットで、ホワイトチョコレートとレーズン、北海道産生乳100%のバターをあわせたクリームをサンドしたロングセラー商品です。
パッケージには、明治30年代に十勝開拓の祖、依田勉三翁経営の牧場で作られたバターのラベルを複製しています。

ほー! ラベルのデザインをよく見ると、「パ成タ」とか、「マルセイバタ」とか書いてあるんだねえ。。
「バ成タ」って何だろう???
将棋の「三三歩成る」みたいなもんかなあ???
あ! 丸成(マルセイ)か!
〇の中に「成」が入ってた。。

これは後でゆっくり食べましょうね。。

続いては北菓楼( ←リンク )の「北海道開拓おかき」

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こちらもホームページを見てみると……。

大泉洋さん主演の「探偵はBARにいる」で登場。
TBS「ぴったんこカンカン」でもご紹介されました。
北海道の素材が活きた通販で人気のおかき「北海道開拓おかき」厳選されたもち米、北海道産の塩を使用。
良質な素材にこだわり、米研ぎから、蒸し、餅つき、熟成、乾燥、揚げ、味付けまで、昔ながらの製法で、約七日間もの時間をかけ心を込めておつくりしています。
「えりも昆布味」は「えりもの昆布」、 「帆立味」は「オホーツク枝幸の帆立」、「秋鮭味」は「標津の秋鮭」、「松前いか味」は「松前の真いか」、「北海シマエビ味」は「野付尾岱沼の北海シマエビ」、「甘エビ味」は「増毛の甘エビ」を混ぜ、お餅に各々の海の幸を練りこみ、味わい豊かに香ばしく仕上げた通販で人気のあるおかきです。


買ったのは「帆立味」

うん、帆立の貝ひもも入っていて、味も見た目も帆立色満載!
もちろん、美味しい!!!!!

次はこれ!

インスタントラーメン投票のときに知り、「美味しいよ」と聞いていたラーメン。
札幌円山動物園白クマラーメン( ← リンク )。

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白は塩味で、ピンクは醤油味。
さてさて、こちらもホームページの記事を見てみよう!

ラーメン即席斎曰く、「見た目のおふざけ感に対して、いかに中身がしっかりしているか。」
可愛いパッケージとは裏腹に、ラーメンは生ラーメンを48時間かけて乾燥させた本格めん。
添付のシンプルながらに味わい深いこだわりの塩スープとの相性もバツグン。
パッケージの可愛さに惹かれて、興味本位で購入後「また食べたくなる味」とリピーターファンが急増中。

こちらも日持ちするので今度食べてみよう!

で、次だけど、見た途端に速攻食べたくなったのがこれ!
美味いよこれ! もう、試食した瞬間に購入!

小樽飯櫃(おたるぼんき)( ← リンク )のたこザンギ!

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ホームページには……。

新鮮なタコを鱈のすり身で包んで揚げました。
食感豊かな海鮮から揚げです。

ふむふむ。では実食!!!!!

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これ、生姜が効いていて、たこが「お!たこだっ!」ってカンジ(しっかりとたこが入ったたこ焼きっぽいカンジ)で、薫りも食感もよい!

ちょうどお昼時だったこともあってパクパクいっちゃいましたね!
ホントこれは美味しい!

さて、最後に。

最もボク視線を釘づけにした商品。

何だろう???

ま、これは何も北海道でなくてもいいのかもしれない。
でも、北海道だから尚更いいのかもしれない。

え? そんなもったいぶるなって?

そだね。
ではご披露!
これです!

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アクティブフーズの、北の大地のオムライス!
冷凍オムライス!!
アクティブフーズは残念ながらホームページはないようだ。

しかし、世の中にはこういう市販の冷凍オムライスがあるんだあ!
これは近々に食べレポをしましょう!

ということで、お腹いっぱい!

やっぱ北海道はいいな!


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2014
03.02

ある雪の日の、真夜中の羽田空港

Category: その他
バイトするならフロムメ~♪

「パン田くん!」
「先輩かわいいなあ……」

じゃなくて、今回は学生時代のアルバイトの話。

セブンイレブン
道路工事の警備員
クルマの陸送
etc

いろいろやったなあ……。

なかでも、これはあまりやったことある人はいないんじゃないのってのが「飛行機洗い」!
羽田空港での仕事。大学が休みの2~3月にやってた。

深夜の仕事なので割と給料がよい!
しかも、雨の日は待機なので、出勤して寝ているだけで給料がもらえる!
うん、いい仕事だあ!!!

ところで、飛行機ってどうやって洗うかご存知ですか?

えーとですねえ。
なが~いモップに洗浄剤をつけて、大勢の人でゴシゴシこすって洗うんですよ!
胴体も、翼も。みんなで一所懸命ゴシゴシ、ゴシゴシって。
いわゆる人海戦術。

今も同じかわからないけれど、このyoutube動画を見ると同じなんだろう。




モップにつけていた洗浄剤が入っている一斗缶には「ケロシン」って書かれていたので、当時は「ほー、ケロシンって薬で洗ってるんだあ」って思っていたけど、後でケロシンって何だろうと思って調べてみたら「ジェット燃料」のことだと判明。

え! そんなので洗ったら何かの拍子で引火したら大変じゃん!と……。
だから今では、きっと、ケロシンが入っていた一斗缶に洗浄剤を入れていたのだろうと思っている。
実際はどうなんだろう???

さて、そんなある日のこと。

いつも通りに職場に到着。窓から見上げる夜空には、天気予報の言う通り、白いものが舞っている。

このまま降り続くだろうし、ラッキー! 今日は完ぺきに休みだね!

自由な時間を過ごせる夜中をどう楽しもうか??
バイト仲間の顔も、みな緩んでいる。
案の定、雪の中では飛行機は洗えず、「待機」の号令のもとボク達はその後自由な時間を過ごすことに。
大好きなクルマの話に花を咲かせる者。
ゆっくりと読書を楽しむ者。
ボクは友人とたわいもない話で盛り上がっていた。

深々と降る雪。
あたたかい部屋。
ぬくぬくでゆったりとした時間が過ぎて行く……。

後は朝になってちゃんと帰れることを祈るだけ。

と、突然。
電話のベルの音が鳴り響いた。

何だようるせーなあ。

人間っていうのは勝手なもので、バイトに来てるのに「今日は休みだ!」と思ってしまうと、心のスイッチは自動的にOFFモードになってしまう。
通常なら職場に鳴り響く電話のベルは当たり前の音なのだけど、妙にうるさく感じる。

そんな状況だから、リーダーがそこで交わしている会話の内容に聞き耳を立てるなんてことは誰も思いもつかなかった。

「今から仕事だ!」
受話器を置いたリーダーが、大きな声をあげる。

????????????

きょとんとしたみんなの頭の中には、?マークしか浮かばない。

「今から滑走路の雪かきをする!」

????????????????????

ええーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

絶句!

天国から地獄。

このとき、真夜中の滑走路の雪かきがどれほど大変なのか、ボクたちは全くわかっていなかった。

白いツナギの上にドカジャンを着てバスに乗り込む。
まっ白い大平原のような空港の中をバスが進んで行く。

そして、その大平原のど真ん中でバスは停車し、ボクたちは滑走路に降り立った。
と、待ってましたとばかりに寒風が襲いかかってくる。
風をさえぎるものなど何もない。
ボクたちはライオンに見つかった生まれたてのガゼルよろしく、風の餌食にされた。

寒い……、というか、痛い。

耳が痛い。
頬が痛い。
つま先が痛い。

それから先のことはよく覚えていない。

とにかく、必死に雪をかいた。
スイッチを入れられたロボットのように、ただひたすら、かいてかいてかきまくった。

「はい、では終了! ご苦労さん!」
リーダーの声とともに作業は終了した。

ほっとひといきつき、ボクはヘルメットを脱い……、

あれ?

ヘルメットを……

うわああああああああ!!!!!!!!!

ヘルメットが脱げない!!!!!!!!!!

髪の毛が凍りつき、ヘルメットにくっついて離れない。

脱ごうとすると「バリバリ」という気色悪い音が……。

どうしよう、どうしよう、どうじよぉ~……。
このまま一生ヘルメットとともに生き続けないといけないのだろうか???

冷静に考えれば、暖かいところに行けば溶けて簡単に脱げるってわかる。
でも、このときは、「アロンアルファでくっついてしまったような頭皮感覚」と、頭皮の下に位置する「寒さで思考が停止してしまった脳」とで、半ばパニック状態!

いやあ、あのときはホント焦ったなあ。

まあ、とは言え、飛行場の雪かきをして、なおかつヘルメットが脱げなくなるなんて経験はなかなかできないから、今では楽しい思い出になっているのは確かではある。

でも、ひとつだけ、今だに疑問が残ることがあるんだなあ。

それは……。

ボク達は必死に、それは必死に雪かきをしたんだけど、あの広い空港の中で、たかだか数十人がスコップで雪かきをしたところで一体どれくらいの効果があったのだろう???

焼け石に水。

じゃないよね!
それは悲しすぎる。。

うん、絶大なる効果があったんだ!
ボク達は大いなる力を発揮したんだ!
だからこそ、翌日はちゃんと飛行機が飛べたんだ!

ということにしておこう……。


さて。

3月になり、季節は春。

飛行機かあ……。

あー、どこかのんびりできるところに飛んで行きたいなあ。。。
南の島で、日がな一日、自然に身をゆだねて……。

そうそう、南の島への旅をご予定の方もいらっしゃるようで。
時間があったら、大自然の写真とオムライスの感想をお願いしますね!
楽しみに待ってますよ!

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2014
03.01

怒られ屋(再掲載)

Category: ストーリー
ブログ開始1周年記念特集。
今日もブログ開始時のストーリーを再掲載します。

え? 単なるて・ぬ・き?
うわっ!
いやいや、そ、そんなことは(汗)

今日は藤沢市にあるポポロを舞台としたストーリー。

ボクも日々、ビジネスマンとして働いている。
資本主義の中で、いかに成果を出すか?
責任のある立場でもあるので、それはシビアに考えている。

とは言え、「自分にとって大切なことは何か?」といったことを考えた場合、ビジネスの世界で接するものや学ぶものが全てが自分の考えと一致しているわけではない。
いや、資本主義の限界さえ感じる。

これからどんな時代になるのだろう……。

他力本願ではなく、ボクは自力で生きて行く。


怒られ屋

「はい、大丈夫です。……。今回の件を反省して、次回の納品のときはくれぐれも気をつけてくれとのことです。……。そうですね、最後はにこやかな表情でしたので問題ないと思います。……。では今日はこれで直帰します。……。お疲れ様でした。……。はい、失礼します」

 上司への報告の電話を切ると、美喜男はメニューを片手に「Restaurant & Pub ポポロ」と書かれた窓の外に目をやった。
 天気予報に反して突然降り出した横殴りの雨が、4月の夕方を飲み込んでいる。
 この分だと、しばらくはやみそうにないな。
 みんなとのこの店での約束の時間には、まだ1時間以上ある。何も考えずに入っちゃったけど、豪雨の中を歩き回る気にもなれないし、先に軽く飲んでようかな……。
 そう思った途端、仕事の緊張感から解き放たれた。

 ビールを注文し、三分の一ほど一気に飲み干す。
 と、同時に、最近口癖になっているいつもの言葉が、無意識のうちに口をつく。

 あー、疲れた。

 ビールを片手に、美喜男の目はぼんやりと宙を泳ぐ。

 あー、疲れた……。……。

 ため息のシャボン玉が、リフレインの列を作ってふわふわと飛んで行く。

“いやー、本当に君がいて助かるよ……”
“突然で悪いんだけど、すぐに対応に行ってほしいんだ……”
“お願い!どうにかならないかなあ……”
“悪いとは思っているんだけどさ……”

 上司や同僚の声を乗せたシャボン玉が、浮かんでは消える。

 怒られ屋のミッキー。
 それが社内で美喜男についたニックネームだ。
 どんなに怒っているお客でも、最後は円満に収めてしまう。
その不思議な手腕を上司に買われ、クレームやトラブルが発生するとお呼びがかかる。営業の総括職なので、職務と言えばそれまでだが、そんな役割が定着するとさすがに自分の価値というものがわからなくなってくる。
 おまけに、あまり下が入って来ない環境のせいか、入社以来もう10年も若手扱いされている。
 確かに童顔で草食系のイメージがあり、頼まれれば断れない性格であると自分でも思う。人を蹴落としてまでも上に行きたいとも思わないし、喧嘩をせず下手に出て、にこやかに生きていくのが性にあっているのかもしれない。
 だけど、それでいいのだろうか?
 競争社会に取り残され、男の威厳がないまま年を重ねる。
 怒られ屋なんて呼ばれて、たとえそれがいい意味で言われているとしても何も嬉しくはないし、便利屋かパシリ以外の何者でもないではないか……。
 あー、疲れた。
 こんな人生で満足か?
 とは言え、だからと言って何ができるわけでもない。
 何なんだこのオレは……。

 軽く飲むはずのビールが、4杯目からは焼酎のロックになり、やがてバーボンになった。

 そうだ、いい機会じゃないか。
 みんなが来たら言ってやろう。何が怒られ屋だ。
 オレはそんなことをするために生きてんじゃねえよ。
 そうだよ、今日言えばいいんだよ。
 そうだよ……。
 そうだよ……。
 ……。

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 そんなつぶやきは、いつの間にか寝息に変わっていた。

 それからどれくらい経ったのだろう。

「松下さん……。松下美喜男さん」
 呼びかける男の声がする。
 ボーッとする頭で、声に反応する。
「……はい」
「まだ宴会が始まる前だと言うのに、随分と飲んでいますね」
 声の主は、しょうもない人ですねといった口調で話を続けた。
「どうしたんですか一体。だいぶお疲れのようで」
 美喜男は焦点が合わない目で、顔をあげた。
 見ず知らずの、美喜男と同年輩くらいと思われる男の姿が目の前に現れた。
 ぼんやりとした視界の先にある顔は、美喜男に勝るとも劣らぬおとなしそうな童顔で、柔和な笑みを浮かべている。
 誰だっけ?
 美喜男は記憶の糸を手繰る。
 全く思い出せない……。
 知っているふりをして、あっ、久しぶり、なんてしらじらしい演技は自分にはできない。
「すみません、ちょっと記憶が不確かで……、どちら様でしたっけ?」
「あ、全然気にしないでください。そうですよね、覚えていらっしゃらないでしょう。お会いしたのは、なにせまだ幼少の頃ですし」
 男は笑みをたたえたまま続けた。
「申し遅れました。ヒジカタタイガと言います。名前負け、してますよね」

 名前を聞いてもとんと思い出せないのだが、美喜男の嗅覚は、ヒジカタタイガと名乗るその男にどことなく自分と似た匂いを感じとった。
 酔いも手伝い、すぐさま意気投合した様子で男の話に耳を傾ける。
 どうやら、彼も会社でいいように使われているようだ。
 お互いの社内での話に花が咲く。
「同じです、同じです。そうなんですよね、まったく。面倒なことは全部押し付けですよね」
美喜男が大きく相槌を打つ。
「こんな話で盛り上がれるのは他にないですね」
 笑顔の男が追従する。
 男がトイレに立つまで、そんな会話がしばらく続いた。

 トイレから戻ると、このタイミングを待っていたかのように、男は真面目な顔で美喜男に話し始めた。
「ところで松下さん。僕はそれでもいいと思っているんですよ」
 え、どうして?
 男は続ける。
「何て言うんですかねえ。僕の信念と言うか。戦っていないようで、実はすごく戦っていて……」
 バーボンのグラスにやろうとしていた美喜男の手がとまる。
「そういう自分をボクは褒めてやりたいと思っています。誠実に生きる、誠実に対応するのが僕の信念ですし、ボクの取り柄です。だから、みんながどういうつもりで僕に接しているかなんて全く気になりませんし、どうでもいいんです。会社は利害関係が働く場ですから確かに本当の仲間は作りにくいとは思うのですが、何事にも誠実で、誰に対しても誠実で、自分にも誠実であれば、きっと周りの信用も得られ、いいように使われているように見えても実はとても頼りにされていて、本当の仲間ができるし、そういう人たちを信じたいと。たとえテクニックを磨いても、偽りの心には誰も振り向いてくれないのではないでしょうか……」

 決してそらすことのない堂々とした澄んだ瞳が、じっと美喜男の目を見つめている。
「松下さんも、そうなんじゃないですか。いつも誠実であろうと思うからこそ、決して逃げることなく自分を精一杯ぶつけるからこそ、仕事仲間もお客さんも、みんなが認めてくれる。誠実であり続けるのは大変で立派なことです。そのことに、もっと自信と誇りを持っていいんじゃないですか……」

 誠実であること。何事にも。誰にも。自分にも。そして、仲間を信じる……。

“松下さんも、そうなんじゃないですか”
“もっと、自信と誇りを持っていいんじゃないですか”

 男の言葉が、頭の中で、何度も何度もこだまする。

 誠実、仲間、自分の信念……。

 ……。

「松下さん……。松下美喜男さん」
 呼びかける男の声がする。
「……はい」
 ボーッとする頭で、声に反応する。
「まだ宴会が始まる前だと言うのに、随分と飲んでいますね」
 声の主は、しょうもない人ですねといった口調で言う。
 美喜男は焦点が合わない目で、顔をあげた。
「……ヒジカタさん……」
 寝ぼけ眼で周りに目をやりながら美喜男が言う。
「ヒジカタさん?」
 見ず知らずの……、いや、後輩の山岡の、ちょっと心配そうな表情(かお)が目の前に現れた。

「あ、山岡。いや、ほら、ここに座っていた人、いただろ」
 え?首をかしげ、キョトンとした表情を浮かべ山岡が言う。
「誰もいませんでしたよ。松下さん一人でテーブルに突っ伏して……」
 いやいや、ほら、一緒に飲んでた彼のバーボンのグラスがテーブルの上に、あれ?
「松下さん夢でも見てたんじゃないですか。目を覚まして見てくださいよー」
 山岡に促され見渡すと、店には同じ部署の同僚や先ほど報告の電話をした上司、加えて他部署のメンバーの顔がずらりと並んでいる。
 あれ、今日は3~4人での飲み会じゃなかったっけ……。
「ミッキー、後ろ、後ろ」
 面食らう美喜男に、同僚の吉田が後ろを見ろと促す。

“ミッキー、入社10周年&誕生日おめでとー”

 いつの間にか、美喜男が座っている後ろの壁に横断幕がはられている。
「みんなの意見で、びっくりさせてやろうってことになってな」笑顔の上司が言う。
「オレたちの感謝の気持ち。お前の大好きなオムライスもたくさんあるぞ」吉田が握手を求める。
「松下さんのお祝いだったら、是非私たちも参加させてくださいってお願いしちゃいました」隣の部署の女性社員たちが言う。

 誠実であること。何事にも。誰にも。自分にも。そして、仲間を信じる……。

 彼は誰だったんだろう……。

 ふと、美喜男の頭に忘れかけていた記憶が蘇る。

 ヒジカタタイガ……ヒジカタ? タイガ?

 あっ!

 子供心に好きだった新撰組の土方歳三と、「愛と誠」の太賀誠。
 「誠」の隊旗を掲げ幕府軍に仕えた新撰組。
 その副長として、幕府軍最後の砦五稜郭にて一人敵地に飛び込んだ土方歳三。
優しさゆえに冷徹な鬼となった男は、最期まで仲間を裏切ることなく誠実を貫いた。
 そして、早乙女愛を守るべく命を賭して戦い抜いた太賀誠。
 心優しき悪は、やっと素直になれた最期の瞬間までは、”愛”のために無愛想でつっぱった鎧を着続けた。

「さあさあ、カンパイしよー」仲間の楽しそうな笑顔がはじける。
 そんな笑顔を見ながら、美喜男は思った。
 オレは、鬼になることも無愛想の鎧を着ることもなく誠実な自分を貫けるではないか。
 怒られ屋ミッキー ――そう呼ばれるのは世の中で自分ひとりだけ。何が悪いんだ。

 猛威を振るっていた横殴りの雨はいつしかやみ、晴れ渡る夜空に満月が浮かんでいる。

「カンパーイ!おめでとう、ミッキー!」

 今、美喜男の11年目のスタートが切られた。

 心に、「誠」の確かな一文字を刻み込んで……。

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