ある雪の日の、真夜中の羽田空港 - 2014.03.02 Sun
バイトするならフロムメ~♪
「パン田くん!」
「先輩かわいいなあ……」
じゃなくて、今回は学生時代のアルバイトの話。
セブンイレブン
道路工事の警備員
クルマの陸送
etc
いろいろやったなあ……。
なかでも、これはあまりやったことある人はいないんじゃないのってのが「飛行機洗い」!
羽田空港での仕事。大学が休みの2~3月にやってた。
深夜の仕事なので割と給料がよい!
しかも、雨の日は待機なので、出勤して寝ているだけで給料がもらえる!
うん、いい仕事だあ!!!
ところで、飛行機ってどうやって洗うかご存知ですか?
えーとですねえ。
なが~いモップに洗浄剤をつけて、大勢の人でゴシゴシこすって洗うんですよ!
胴体も、翼も。みんなで一所懸命ゴシゴシ、ゴシゴシって。
いわゆる人海戦術。
今も同じかわからないけれど、このyoutube動画を見ると同じなんだろう。
モップにつけていた洗浄剤が入っている一斗缶には「ケロシン」って書かれていたので、当時は「ほー、ケロシンって薬で洗ってるんだあ」って思っていたけど、後でケロシンって何だろうと思って調べてみたら「ジェット燃料」のことだと判明。
え! そんなので洗ったら何かの拍子で引火したら大変じゃん!と……。
だから今では、きっと、ケロシンが入っていた一斗缶に洗浄剤を入れていたのだろうと思っている。
実際はどうなんだろう???
さて、そんなある日のこと。
いつも通りに職場に到着。窓から見上げる夜空には、天気予報の言う通り、白いものが舞っている。
このまま降り続くだろうし、ラッキー! 今日は完ぺきに休みだね!
自由な時間を過ごせる夜中をどう楽しもうか??
バイト仲間の顔も、みな緩んでいる。
案の定、雪の中では飛行機は洗えず、「待機」の号令のもとボク達はその後自由な時間を過ごすことに。
大好きなクルマの話に花を咲かせる者。
ゆっくりと読書を楽しむ者。
ボクは友人とたわいもない話で盛り上がっていた。
深々と降る雪。
あたたかい部屋。
ぬくぬくでゆったりとした時間が過ぎて行く……。
後は朝になってちゃんと帰れることを祈るだけ。
と、突然。
電話のベルの音が鳴り響いた。
何だようるせーなあ。
人間っていうのは勝手なもので、バイトに来てるのに「今日は休みだ!」と思ってしまうと、心のスイッチは自動的にOFFモードになってしまう。
通常なら職場に鳴り響く電話のベルは当たり前の音なのだけど、妙にうるさく感じる。
そんな状況だから、リーダーがそこで交わしている会話の内容に聞き耳を立てるなんてことは誰も思いもつかなかった。
「今から仕事だ!」
受話器を置いたリーダーが、大きな声をあげる。
????????????
きょとんとしたみんなの頭の中には、?マークしか浮かばない。
「今から滑走路の雪かきをする!」
????????????????????
ええーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
絶句!
天国から地獄。
このとき、真夜中の滑走路の雪かきがどれほど大変なのか、ボクたちは全くわかっていなかった。
白いツナギの上にドカジャンを着てバスに乗り込む。
まっ白い大平原のような空港の中をバスが進んで行く。
そして、その大平原のど真ん中でバスは停車し、ボクたちは滑走路に降り立った。
と、待ってましたとばかりに寒風が襲いかかってくる。
風をさえぎるものなど何もない。
ボクたちはライオンに見つかった生まれたてのガゼルよろしく、風の餌食にされた。
寒い……、というか、痛い。
耳が痛い。
頬が痛い。
つま先が痛い。
それから先のことはよく覚えていない。
とにかく、必死に雪をかいた。
スイッチを入れられたロボットのように、ただひたすら、かいてかいてかきまくった。
「はい、では終了! ご苦労さん!」
リーダーの声とともに作業は終了した。
ほっとひといきつき、ボクはヘルメットを脱い……、
あれ?
ヘルメットを……
うわああああああああ!!!!!!!!!
ヘルメットが脱げない!!!!!!!!!!
髪の毛が凍りつき、ヘルメットにくっついて離れない。
脱ごうとすると「バリバリ」という気色悪い音が……。
どうしよう、どうしよう、どうじよぉ~……。
このまま一生ヘルメットとともに生き続けないといけないのだろうか???
冷静に考えれば、暖かいところに行けば溶けて簡単に脱げるってわかる。
でも、このときは、「アロンアルファでくっついてしまったような頭皮感覚」と、頭皮の下に位置する「寒さで思考が停止してしまった脳」とで、半ばパニック状態!
いやあ、あのときはホント焦ったなあ。
まあ、とは言え、飛行場の雪かきをして、なおかつヘルメットが脱げなくなるなんて経験はなかなかできないから、今では楽しい思い出になっているのは確かではある。
でも、ひとつだけ、今だに疑問が残ることがあるんだなあ。
それは……。
ボク達は必死に、それは必死に雪かきをしたんだけど、あの広い空港の中で、たかだか数十人がスコップで雪かきをしたところで一体どれくらいの効果があったのだろう???
焼け石に水。
じゃないよね!
それは悲しすぎる。。
うん、絶大なる効果があったんだ!
ボク達は大いなる力を発揮したんだ!
だからこそ、翌日はちゃんと飛行機が飛べたんだ!
ということにしておこう……。
さて。
3月になり、季節は春。
飛行機かあ……。
あー、どこかのんびりできるところに飛んで行きたいなあ。。。
南の島で、日がな一日、自然に身をゆだねて……。
そうそう、南の島への旅をご予定の方もいらっしゃるようで。
時間があったら、大自然の写真とオムライスの感想をお願いしますね!
楽しみに待ってますよ!

「パン田くん!」
「先輩かわいいなあ……」
じゃなくて、今回は学生時代のアルバイトの話。
セブンイレブン
道路工事の警備員
クルマの陸送
etc
いろいろやったなあ……。
なかでも、これはあまりやったことある人はいないんじゃないのってのが「飛行機洗い」!
羽田空港での仕事。大学が休みの2~3月にやってた。
深夜の仕事なので割と給料がよい!
しかも、雨の日は待機なので、出勤して寝ているだけで給料がもらえる!
うん、いい仕事だあ!!!
ところで、飛行機ってどうやって洗うかご存知ですか?
えーとですねえ。
なが~いモップに洗浄剤をつけて、大勢の人でゴシゴシこすって洗うんですよ!
胴体も、翼も。みんなで一所懸命ゴシゴシ、ゴシゴシって。
いわゆる人海戦術。
今も同じかわからないけれど、このyoutube動画を見ると同じなんだろう。
モップにつけていた洗浄剤が入っている一斗缶には「ケロシン」って書かれていたので、当時は「ほー、ケロシンって薬で洗ってるんだあ」って思っていたけど、後でケロシンって何だろうと思って調べてみたら「ジェット燃料」のことだと判明。
え! そんなので洗ったら何かの拍子で引火したら大変じゃん!と……。
だから今では、きっと、ケロシンが入っていた一斗缶に洗浄剤を入れていたのだろうと思っている。
実際はどうなんだろう???
さて、そんなある日のこと。
いつも通りに職場に到着。窓から見上げる夜空には、天気予報の言う通り、白いものが舞っている。
このまま降り続くだろうし、ラッキー! 今日は完ぺきに休みだね!
自由な時間を過ごせる夜中をどう楽しもうか??
バイト仲間の顔も、みな緩んでいる。
案の定、雪の中では飛行機は洗えず、「待機」の号令のもとボク達はその後自由な時間を過ごすことに。
大好きなクルマの話に花を咲かせる者。
ゆっくりと読書を楽しむ者。
ボクは友人とたわいもない話で盛り上がっていた。
深々と降る雪。
あたたかい部屋。
ぬくぬくでゆったりとした時間が過ぎて行く……。
後は朝になってちゃんと帰れることを祈るだけ。
と、突然。
電話のベルの音が鳴り響いた。
何だようるせーなあ。
人間っていうのは勝手なもので、バイトに来てるのに「今日は休みだ!」と思ってしまうと、心のスイッチは自動的にOFFモードになってしまう。
通常なら職場に鳴り響く電話のベルは当たり前の音なのだけど、妙にうるさく感じる。
そんな状況だから、リーダーがそこで交わしている会話の内容に聞き耳を立てるなんてことは誰も思いもつかなかった。
「今から仕事だ!」
受話器を置いたリーダーが、大きな声をあげる。
????????????
きょとんとしたみんなの頭の中には、?マークしか浮かばない。
「今から滑走路の雪かきをする!」
????????????????????
ええーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
絶句!
天国から地獄。
このとき、真夜中の滑走路の雪かきがどれほど大変なのか、ボクたちは全くわかっていなかった。
白いツナギの上にドカジャンを着てバスに乗り込む。
まっ白い大平原のような空港の中をバスが進んで行く。
そして、その大平原のど真ん中でバスは停車し、ボクたちは滑走路に降り立った。
と、待ってましたとばかりに寒風が襲いかかってくる。
風をさえぎるものなど何もない。
ボクたちはライオンに見つかった生まれたてのガゼルよろしく、風の餌食にされた。
寒い……、というか、痛い。
耳が痛い。
頬が痛い。
つま先が痛い。
それから先のことはよく覚えていない。
とにかく、必死に雪をかいた。
スイッチを入れられたロボットのように、ただひたすら、かいてかいてかきまくった。
「はい、では終了! ご苦労さん!」
リーダーの声とともに作業は終了した。
ほっとひといきつき、ボクはヘルメットを脱い……、
あれ?
ヘルメットを……
うわああああああああ!!!!!!!!!
ヘルメットが脱げない!!!!!!!!!!
髪の毛が凍りつき、ヘルメットにくっついて離れない。
脱ごうとすると「バリバリ」という気色悪い音が……。
どうしよう、どうしよう、どうじよぉ~……。
このまま一生ヘルメットとともに生き続けないといけないのだろうか???
冷静に考えれば、暖かいところに行けば溶けて簡単に脱げるってわかる。
でも、このときは、「アロンアルファでくっついてしまったような頭皮感覚」と、頭皮の下に位置する「寒さで思考が停止してしまった脳」とで、半ばパニック状態!
いやあ、あのときはホント焦ったなあ。
まあ、とは言え、飛行場の雪かきをして、なおかつヘルメットが脱げなくなるなんて経験はなかなかできないから、今では楽しい思い出になっているのは確かではある。
でも、ひとつだけ、今だに疑問が残ることがあるんだなあ。
それは……。
ボク達は必死に、それは必死に雪かきをしたんだけど、あの広い空港の中で、たかだか数十人がスコップで雪かきをしたところで一体どれくらいの効果があったのだろう???
焼け石に水。
じゃないよね!
それは悲しすぎる。。
うん、絶大なる効果があったんだ!
ボク達は大いなる力を発揮したんだ!
だからこそ、翌日はちゃんと飛行機が飛べたんだ!
ということにしておこう……。
さて。
3月になり、季節は春。
飛行機かあ……。
あー、どこかのんびりできるところに飛んで行きたいなあ。。。
南の島で、日がな一日、自然に身をゆだねて……。
そうそう、南の島への旅をご予定の方もいらっしゃるようで。
時間があったら、大自然の写真とオムライスの感想をお願いしますね!
楽しみに待ってますよ!
