2014
11.30

謎解きオムライス

いやあ、風邪が治らない。
喉が痛く、咳と鼻水が止まらない。
気管支炎かなあ???


今日はネットで見つけた面白い「謎解きオムライス」の紹介。

「暇な人、謎解きでもしませんか?」さんのブログにあったもの。

【問題】 

今回の謎の答えは漢字四文字です。
謎を作るのって難しいですね。
コツが重要ですからね。
思い切って作り方の順番を変えてみようか。
初心に戻ると何か見えてくかもしれませんよね。

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DOOR PACK
→7328561

漢字二文字で私を探して

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【ヒント】

1.数字を見て英字を並び替えてください。あるサイトの名前が出てきます。
2.漢字二文字のヒントは、「暇な人、謎解きでもしませんか?」
  この2文字で1.で出てきたサイト内を検索します

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上記で探しあてたサイトの記事、「〇〇風オムライス」にある謎を解いて、この問題の答え(漢字4文字)を出してください!!

ということで、この続きは次回!

ところで……。

あんなに苦労して探していた「メロンパンの皮焼いちゃいました。」が、巷に出回っている!

近所のコンビニにも普通にあるし、スーパーではこんな状態!

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増産したのか、はたまたひと段落ついたのか???
でもまあ、「手に入らないとなるとほしくなる」ことを実感できたので、それはそれでよし。

またまた話題は変わり……。

今日は競馬のジャパンカップ

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日本のトップがほぼそろった豪華メンバーでの一戦。
これからじっくりと予想してみたいと思います。
個人的な応援は1枠1番ジャスタウェイ。

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はたして結果やいかに!

ではでは!


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2014
11.27

お気に入りの店

Category: その他
みなさん、こんにちは!
今日めっちゃ嬉しいニュースから。

実践するアクション、「鬚禿観察日記ヒゲハゲカンサツニッキ ( ← リンク ) 」のケフコタカハシさんが、以前紹介した「オムライスとダイニングバーKURUMARI」に行ってくださいました!!!
やったあ!!!!!
11月22日の記事に掲載されていますので、ぜひご覧ください!

同居の家族:配偶者、犬、鳥鳥鳥鳥鳥鳥鳥鳥鳥鳥鳥鳥、別居の家族:娘娘、初恋の禿:ユル・ブリンナー、初恋の髭:デニス・ウィーバー、初恋の髯禿:ショーン・コネリー、現在の主な観察対象:山田孝之、ジェイソン・ステイサムのケフコタカハシさん、ありがとうございます!
またよろしくお願いしますね~♪


さて、だんだん寒くなって来たけど、今日はそんな寒さを吹き飛ばしてくれる店の紹介。

前にも一度紹介した、横浜にある串かつやさんの二度と来るよ

京浜急行の戸部駅、もしくは横浜市営地下鉄の高島町駅から歩いて数分のところにある。

4~5年前のことなんだけど、そもそもここの店との出会いは、大阪で串カツを食べてはまったところから始まる。
大阪の串カツってよく知らなくて、「串カツ」っていうと、ネギ、肉、ネギ(じゃまだなあ)、肉(ちっちぇーぞー!)っていうのしか思い浮かばなかった。
だから、あるとき、大阪に行く用があって大阪出身の同僚に「大阪でお薦めの食べ物って何?やっぱお好み焼き?」って聞いたところ、開口一番、「串カツ!」との返事を聞いたときは?マークのオンパレード。
その?マークをひとつひとつ丁寧に取り払うように、同僚には肉だけではなくいろいろな種類があること、壺に入ったソースにつけて食べること(二度づけ禁止)を教えてもらった。
「それで、中でも何の串カツがお薦め?」の問いに、これまた間髪入れずに答えが返ってきた。
「アスパラとトマト!」
「え……???」
せっかく減った?が再び増殖しはじめる。
「ア、アスパラ? それと、トマト???」
アスパラなんてマヨネーズの勢いで食べるもんだと思っていたし、トマトもなあ……。

でも、せっかくなので大阪で頼んでみた。
トマトは、まあそおそこかな。

でも、アスパラは違った。

なんじゃこりゃあああ
うめえええええええええええええ!!!!!!!!!!

とにかく、やわらかくて、大きくて、めっちゃ美味しい!

一発ではまりましたね。

なので、大阪から帰ってきて「近くに串カツを食べられる店がないかなあ」と探した。
結果見つけたのが「二度と来るよ」。

これはもう、運命的な出会い。
「二度と来るよ」の名の通り、この店はリピーターが多い。
決して大きな店ではない。
でも、味も、雰囲気も、マスターや店員さんの人柄も、何もかもが抜群!
ほんと、ほっとする店。

ちょっと忙しさにかまけて足が遠のいちゃっていたんだけど、先日、予約を入れて仲間と久しぶりに訪問。
扉を開け、中へ。
マスターのいしちゃんも、看板娘のりんちゃんも、店のみんなの変わらぬ笑顔が、ボクたちを暖かく迎えてくれた。
プロレス関係の方や芸能人もよく来る店なので、サインが所狭しとならんでいる。
ボクたちが来なかった間にモモクロも来たんだって。
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こちらは壁にはられたメニュー。

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でも、わがままを言ってコースのように見つくろってもらった。

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そして、これが例のアスパラ。

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もう少し近づいてみましょう!!

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もう最高!

気の合う仲間たちと、美味しい料理と、そして、アットホームな店中に広がる素敵な笑顔。
結局この日も終電一本前に飛び乗る事態になったんだけど、それもまた一興。

高橋舞さんの色紙に書かれた言葉。
「二度と来るよは私にとって第二のふるさとです」
この言葉が、妙にこころに響く。

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二度と来るよに出会えて、本当によかった。
心底、そう思う。

二度と来るよ 食べログ情報

二度と来るよ串揚げ / 高島町駅戸部駅平沼橋駅



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2014
11.25

辻堂海岸にて

Category: その他
初のTOEIC。

とにかく、いかに英語に慣れ親しんでいるかが問われる。

「Thank you!」って、「サンキュー!」でしょ。
訳さなくてもそのまま理解できるじゃん。
この感覚で全ての問題を捉えられないと全くもって時間が足りない。

単語を見て「あ、これ何だっけ?見たことあるなあ……」なんてレベルでは話にならない。
今回はそれがよくわかった。

では、まったく歯が立たないかというとそうでもなさそう。

語彙力と読解力(=文型を読める)がカギだと思う!
TOEICにはTOEICの勉強法がある。
どうしたら効率よくできるんだろう……。

「こんなのがいいよ!」ってお薦めがある方、ぜひぜひアドバイスください!

で、宣言します!

1年以内に900点とります!

うわうわ!
言っちまったよ……。
だ、大丈夫か?

大丈夫じゃない。

でも、それくらいの気持ちがないとできない。

ま、目指すのは自由ってことで。。。


話は変わって……。

試験会場は辻堂海岸の近くだったので、帰りにちょっと海を見に。

湘南っていうと、オシャレな店ばっかりのイメージがあるでしょ。

たとえば、以前記事に書いた江の島の「カフェ トビッチョ」とか。

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でも、そうでもないんだよ。

辻堂海岸をwikipediaで調べてみよう!
以下、引用

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もともと辻堂の海岸は広大な砂丘地帯であり、松林が形成されていた。
1728年(享保13年)、江戸幕府はこの一帯を相州炮術調練場として砲術鍛練場に定めた。
途中で時期は空くものの、明治と大正期には帝国海軍の演習場となっており、第二次大戦後は在日米軍の演習場として使用されていた。

辻堂海岸は1959年(昭和34年)に米軍から返還されて立ち入り自由となり、再び海水浴客が訪れるようになった。
現在、海岸から辻堂駅までの道路である昭和通りは「サーファー通り」と呼ばれ、多くのサーフショップが並ぶ。
一年を通してサーフィンの盛んな海岸で「辻堂」、「辻堂第二」と呼ばれるサーフスポットがある。
スポットの内「辻堂第二」は夏季には海水浴場となるため、浴場周辺のサーファーは注意が必要である。
また投げ釣り客も多くキスやカレイ、ボラ等が釣れる。

海岸近くには13軒のおでん屋が入った「湘南クッキングセンター」(通称「おでんセンター」)がある。
これは以前に江ノ島で営業していた複数の屋台が、1964年オリンピック開催を前にした1963年(昭和38年)に屋台は美観を損なうとして立ち退きを命じられ、現在の昭和通りに移転してきたものである。

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確かにサーフィンのメッカであり、サーフショップが多い。

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しかーし、注目は最後の方に書いてある「湘南クッキングセンター」。

国道134号線に出るすぐ手前、つまり海に出るすぐ手前にある長屋のような建物。
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これこれ!これがそう!
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すごくない?

今でも軒を連ねている。もともとは16軒あって、wikipediaには13軒って書いてあるけど現存するのは8軒らしい。

とことこ湘南 ( ← リンク )に建設当時の貴重な写真が出ているので、興味がある方はぜひご覧を。

では海に行ってみましょう!

松林の向こうに江の島を臨む。
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西に傾いた秋の陽光が眩い。
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休日の砂浜。どこまでも続く海を背に、無邪気に戯れる子供たち。
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平和なひととき。
何とも言えない、いい光景だ。

空を見上げる。
突き抜ける青に、一筋の飛行機雲。
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君住む街に向かって飛んで行くのかなあ……。
ああ、ボクのこころも乗せていっておくれ。

秋の海、秋の空に目をやっていると、何だか切なく、人恋しくなってくる。

こんなときには、この人たちの曲を。

古今東西いろいろな歌を聴いているけど、美しく切ない日本の秋にピッタリ。

では、トワエ・モアの曲を聴きながら、今日はこの辺でさようなら!

● 空よ




● 誰もいない海





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2014
11.24

更新が……

Category: その他
昨日は、はじめてのおつかい、じゃなくて、はじめてのTOEIC。

更新が滞っていますが、今晩書きます!
コメ返も、今しばらくお待ちくださいませ。。。

よろしくお願いします!!

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2014
11.22

You are my sunshine.

Category: その他
今日は、前々回の最後に書いた、「You are my sunshine」の続き。

「You are my sunshine」は1940年公開の映画「Take Me Back to Oklahoma」の挿入歌として使用され、ジミー・デイビスとチャールズ・ミッチェルが歌っていた歌。その後、多くの歌手がカバーし、日本でも戦後復興の時期に流行した。ジミー・デイビスは、後にルイジアナ州知事となり、この歌はルイジアナ州の州歌にもなっている。

で、よく知られている歌詞はこの部分。

You are my sunshine
My only sunshine
You make me happy when skies are gray

訳してみましょう。
Omunao意訳、かつ、男性目線で。


君はボクの、輝く陽光
かけがえのない太陽
こころが晴れないときだって、ボクをしあわせにしてくれる


曲調が明るいので、希望に満ちた、とても素敵な恋愛の歌に思える。
事実、ボクはずっとそう思っていた。

でも、実は違うんだよね。。。
歌詞の続きをみてみましょう。

You'll never know, dear, how much I love you
Please don't take my sunshine away

君にはわからないだろうね
どれだけボクが君を愛しているかって
ああ、ボクの太陽よ、行かないでおくれ


おっ、なんだか怪しくなってきたぞ……・。

更に見てみましょう。

The other night, dear
As I lay sleepin'
I dreamed I held you in my arms
When I awake, dear
I was mistaken
and I hung my head down and cried

ある晩、寝ている時にボクは夢を見たんだ
この腕で君を抱いている夢を
でも、目が覚めて、
違うんだってわかって、頭を抱えて泣き叫んだ


You told me once, dear
You really loved me
And no one else could come between
But now you've left me and love another
You have shattered all of my dream

君は言ってたよね
本当にボクのことが好きだって
誰もふたりのじゃまはできないって
でも君は、ボクを残して、別の彼のもとへと行ってしまった
君はボクの夢という夢を閉ざしたんだ


うおおおおおお!!!!
なんか、最後は情念だね。
明るく情念を歌う。

そこがいいのかも。

人によって、状況によって、この歌はいろいろな変化ができる。
歌い方によっても変わる。
暗く歌えば切ない恨み節。
明るく歌えば青春のい1ページの恋愛ソング。

そうそう、この歌にまつわるこんな記事が出ていた。

ロケットニュース24の2013年6月18日の記事。
以下、引用。

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死を覚悟した夫が66年間連れ添った妻に贈った「ひとつの歌」が世界で感動を呼ぶ!

愛する人へ贈ったひとつの歌が、現在世界中で感動を呼んでいる。
歌を贈った人物はジェームス・ピネガーさん(86歳)であり、贈った相手は66年間連れ添った妻のコリーンさん(85歳)である。

そして動画「You Are My Sunshine- 66 Years in Love Caught on Film」に映し出されている通り、ジェームスさんがコリーンさんに贈った歌は『You Are My Sunshine』(和訳:キミは僕の陽の光)である。しかしなぜこの歌のプレゼントが、世界の多くの人の心を震わせているのだろうか?

・死を覚悟したジェームスさん
ことの発端は、ジェームスさんがおこなった親切な行動にある。彼は氷の上で滑って転んでいた90歳の隣人を助けようとした。しかしジェームスさん自身も氷で転んでしまい、股関節置換という手術を受ける羽目に。

だが彼を襲った災難はこれだけではなかった。なんと入院中に血液感染にかかってしまったのだ。86歳という年齢なだけに、ジェームスさんは死を覚悟したらしく、3カ月間ずっとそばで看病してくれたコリーンさんに対して、ある想いを伝えることにしたのである。

・キミは僕の陽の光
その想いを伝える様子が現在話題の動画に収められているのだが、そこには「ちょっとそばに来てくれ!」と奥さんを近くに呼ぶジェームスさんの姿が映っている。

そして彼はカメラに向かって「これは私にとって、とても大切なことなんだ」と話すと、『You Are My Sunshine』を歌い始めた。するとコリーンさんも一緒に歌い始め、2人は美しいハーモニーを奏でながら、見事『You Are My Sunshine』を歌いきった。

ジェームスさんの娘さんによると、『You Are My Sunshine』はジェームスさんとコリーンさんにとって大切な歌らしく、長年2人で一緒に歌ってきたそうだ。

・2人の愛がネット上で感動を呼ぶ
そしてこの動画をYouTubeに投稿すると、たちまちネット上で大ヒット! 現在動画には「なんて美しい瞬間なんだ」「いつの日か、こんな大きな愛を感じられたらいいなあ!」など2人の愛を羨むコメントが多数寄せられている。

そしてそしてさらに嬉しいことに、ジェームスさんが無事に元気を取り戻したというニュースも舞い込んできた! しかしネット上でのあまりの反響の大きさに、ジェームスさんは恥ずかしがっているとのこと。

幸せとは何かをひとつの歌で示してくれたジェームスさん。これからも愛するコリーンさんと共に歩き、そして温かい陽の光をさんさんと浴びながら、2人で末永く、幸せに暮らしていってほしいものである。



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いい話だね。

年をとり、いつかは別れがくるんだけど、ずっとお互いのことを思い続けられるって素敵なことだよね。
「君に読む物語」を思い出した。
いつの日か、そんなストーリーが書けたらいいなあ。

では今日はこの辺で。。。


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2014
11.20

【再掲載】 おとこのたたかい

Category: ストーリー
うわうわうわ、時間がなーい!

ということで、すみませんが得意の再掲載……。

頂いたコメ返、しばしお待ちくださいませ。。。


おとこのたたかい

「ハハハ、考えすぎだ。大切なのはハートだよハート。熱意ってやつだ。女性っていうのは、ちょっとくらい強引な方に惹かれるもんだ。一人暮らしの彼女の家に招待された意味なんて考えるまでもない」情熱が叫ぶ。

「そんなことはない。野獣じゃあるまいし。キラリと光る知性こそアピール度は高いはずだ」冷静が反論する。

「だからお前はいつもチャンスを逃すんだ。彼女だっていい加減しびれを切らしてるぜ」

「なにを言うかね。君には裏切られてばかりだ。彼女とのキスには情熱と冷静さが必要だとか言って一緒にさくらんぼを口の中で結ぶ練習を繰り返したのはいいが、肝心な本番でボクを無視して暴走したじゃないか。あの時の彼女のビンタは一生忘れない」

「ああ、ごめん、あれは悪かったと思っているさあ。まあでも、今でも付き合いは続いているわけだし……」

「君が何て言おうと、とにかくボクは反対だ」
 ちょっとだけ冷静さを欠いた冷静がそっぽを向く。

 おとこの中で、冷静と情熱の闘争が始まった。
 
 やれやれまたか。まったく肝心なときに……。
 情熱は一直線野郎だし、冷静も意外と頑固で言うことをきかない。両方とも自分であり自分ではない。

 制御不可能……。

 困惑の表情を浮かべるおとこ。
 そんな彼に遠くの方から、何ものかが話しかけた。
「君に呼ばれるのを待っていたよ。ここから先はまかせなさい」

 ん? 今度は誰? 救世主? それとも……?????

「冷静も情熱も極端だからいけない。冷たいに熱い。マイナス100とプラス100。冷たいも熱いも人は受け入れないだろ」

「誰だお前? いきなり出てきて偉そうに何言ってんだよ」情熱が熱くなる。

「あなたのお名前は?はじめに名乗るのが礼儀では?」冷静が冷静に言う。

「あ、失礼。私の名は無為自然」

「ムイ、シゼン、さん?」冷静が復唱する。

「そう、マイナスでもプラスでもない。冷静と情熱のあいだ。ゼロです」

「ゼロ? なんだそれ? 無為自然ってイニシャルで書いたらSMじゃねえか。あぶねーよ。そんな詐欺師に騙されるわけねーだろ!」情熱が血相を変えて言う。

「3人集まれば2対1で派閥ができるって言うけど、初登場の私を一緒になって攻撃するのですか?」
「あれ? 怒るんですか? ちっとも無為自然ではないですねえ……」冷静は冷静だ。 
 
 無為自然の顔色が見る見る赤くなって行く。
 どうやら無為自然も闘争に巻き込まれてしまったようである。

 なんだよ面倒くさいなあ。これではよけいに収集がつかない……。
 冷静も情熱も無為自然も、みんな大切なのはわかってる。でも、いい加減に自分の中で争うのはやめてくれ。

 そう思いつつも、おとこの頭の中で闘争の風船がどんどん膨らんでいく

 やがて限界が近づいてきた。もうだめだ! 

 おとこは頭を抱えた。
 誰かー。
 だめだ……。
 だ、誰か助けて!

 ……。

「バーン、バーン、バーン」

 と、そのとき突然、頭の中の風船が次々に破裂した。

 お?

 次の瞬間、争いは消え、何事もなかったような平穏がおとこに訪れた。

 同時に、

「どしたの?」彼女の笑顔が、おとこの目の前の景色を埋め尽くした。

「オムライスできたよ。さ、食べよ」

 目の前が、キラキラと光っている。
 ほっとするココロが笑顔に吸い込まれて行く。

 やがて、笑顔の中で、おとこのココロが口を開いた。

 助けてくれたんだね!

 どうしてだろう……。 
 男って常に戦い続ける生き物なのかなあ。
 自分でもよくわからないんだけど、自分の中でも戦っちゃうんだ。男の子は自分が大切に思う人を守るために生まれてくるから、持って生まれたものなのかも。
 冷静も情熱もいいやつだし必要なやつらなんだけど、いつも争ってる。こいつら役割分担とか一緒にやるっていうのが苦手で、どうやら自分の出番がよくわからないらしいんだ。
 
 だから君にも、あるときは「もっと熱くなって!」って思われるし、あるときは「ちょっとウザい」って思われちゃう。

 君の笑顔には助けてもらってばかりだし、あ、またやっちゃったってカンジだよね。
 だけどねえ、こいつら、「君の笑顔が見たくて」っていうのは共通してるんだよ。
 そのためにオレがオレがってガンバリすぎちゃう……。

 "わかってるよ、不器用さん"
 笑顔が、微笑む。

 おとこはやさしく笑顔を抱き寄せ、そっと目を閉じた。 

 笑顔の中で、戦いに疲れた冷静と情熱と無為自然がすやすやと眠っている。

 それは、戦うおとこの、しばしの休息の時間。



OTOKONATATAKAI2.png


 
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2014
11.19

冬の足音

Category: その他
みなさま、ご協力ありがとうございました!!

では早速ですが、ホイップクリームVSカスタードクリーム、結果発表です。

じゃ~ん!

5対4で、カスタードクリームの勝ち!

こちらが結果と、みなさまに頂いたコメントです。

141119kekka1.png


いやあ、大接戦。
甲乙つけがたいもんねえ。
正直、ボクは悩む。両方とも好きなので、両方入ってたら嬉しかったりする。
クリームといえばケーキ。
ケーキと言えばクリスマス。
今年のクリスマスにはどんなケーキを食べようかなあ……。
あと1ヶ月じゃん!
もう、冬が近いね。
このところ朝晩の冷え込みが厳しくなってきたし。
それにつれて空気も澄んできて、富士山がとてもきれいに見える。

街のイルミネーションも目につく。
仕事で行った吉祥寺の駅前には、とても綺麗な世界が広がっていた。

人々に紛れて家路を急ぐ道すがら、ふと、こころひかれてイルミネーションのもとへ。

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イルミネーションって、やっぱり冬のものだよなあ……。

寒いからなおさらぬくもりを求めるこころに、同調するように染み入ってくる。

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光がおりなす幻想の世界は、まるで宇宙にちりばめられた輝く星のごとく、時空を超えた安らぎを与えてくれる。

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冷たい静謐の中の輝き。確かなる、命の鼓動。
それは懐かしい太古の記憶。
救いの光に包まれて、こころは遠くの空へと導かれていく。

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こんなあたたかいひとときを、
黄味と一緒に、
過ごせたらいいのに……。

はい、カ~ット!

黄味じゃないでしょ、君でしょ!!

タマゴと一緒に過ごすんかい!
いくらオムライスが好きだとは言え。。。

あーあ、せっかく気持ちを込めてたのに……。
ま、いっか。

闇があるから光がある。
寂しいからぬくもりを求める。
辛いから、悲しいから喜びがある。

では、今日はこの歌を。

You are my Sunshine

この歌、最初の分部しか知らなくて、ずーっと、明るい歌だと思ってたんだけど、じっくりと聴くと違うんだね。
その辺については紙面の都合上、いや、時間の都合上また次回。

ではでは!

● You are my Sunshine





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2014
11.18

どっちが好き?

Category: お菓子
突然ですが、投票です!

昨日ちょこっと書いた、ホイップクリームとカスタードクリーム。

投票の受付は本日(11月18日)いっぱいです。
おひとりさま何回でもOKです!

では、みなさま、何卒よろしくお願いします!!






ところで、このキャラクター知ってる?

オムライスくん!

141118omurice1.png


そう、アンパンマンに出てくる!!!
ケチャップリンと一緒に。

数多くいるアンパンマンのキャラクター。
やっぱりいるんだね!オムライス!!!

今日の最後は久々に君に登場いただこう!
(時間がないときの頼み綱……)

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では、今日もはりきっていきましょう!


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2014
11.17

捜索隊はこんなのも見つけたのであった

Category: お菓子
ようやく「メロンパンの皮焼いちゃいました。」を見つけ、その任務を終えたOmunao捜索隊。
充実感に満ちた12名(※注)の隊員たちに、ほっと安堵のため息がもれる。
(※注)Omunao捜索隊では1名を12名と数える

さて、そんな隊員たちは、捜索中にこんなのも発見したのであった。

神戸屋の、たっぷりビスケットのホイップデニッシュ

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輝く24の瞳が釘づけになる。
やがて、見開かれたその目からはハートが飛び出し、口許に笑みが浮かぶ。
(キモっ!あぶねーなあ)

「メロンパンの皮焼いちゃいました。」よりかなり大きい。
持った感じもズッシリと重く、食べ応えがありそうである。

本部では、隊員たちが持ち帰った「ブツ」の分析が進む。

141117meron2.png


ふむふむ、ビスケット生地かあ。。。
こちらが神戸屋のホームページにある商品案内である。

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なるほど。
ポイントは二つ。

何と言っても、先ずは①。
こちらも「メロンパンの皮」なのだ!
もしかしたらこっちの方が先?????

しかも、「メロンパンの皮」にはみんなの夢が詰まっているということを百も承知と言っているがごとく発言が目につく。
「ひとくち食べるだけで、シアワセな気分になる懐かしい味です」と。
ここは、「幸せ」ではなく「シアワセ」というのがミソなのであろう。
「目からハート」にトランスした状態は、「シ・ア・ワ・セ」な状態であるのだから……。

ん? ちょっと待てよ。。。

もしかして、この状態って?????

以前、「オムライスとメロンパンって似てませんか」って記事を書いた。
ほら、オムライスも「ひとくち食べるだけで、シアワセな気分になる」食べ物じゃん!!!
そりゃあ美味しいものはみんなそうかもしれないけど、堂々と公言できる食べ物はそんなにない。
なぜ堂々と公言できるのか???
たぶんそれは、次に来ている「懐かしい味」だから。
この「懐かしい味」が「美味しさ」と相まって「シアワセ」になるのだ。

「メロンパンの皮焼いちゃいました。」がヒットするのも、メロンパンとい食べ物が、「シアワセになれ、かつ、無意識のうちに自己の深層にある懐かしさ(郷愁)を呼び覚ます存在であり、そして、そのコア部分を形成するのがメロンパンの皮だからなのであろう。

オムライスもまた然り。
もちろん、ケチャップライスだけでも美味しいが、それを包み込む卵があってはじめてオムライスになる。
しっかり焼こうがトロトロであろうが、卵の力は絶大だ。
とは言え、では卵を「オムライスの皮」として商品化してヒットするかと言うと、まあ、それはかなりビミョウではあるが……。

さて、次に行こう。
ふたつめのポイントは②。

「ホイップクリーム増量」である。
これは言わずもがな。ショートケーキのスポンジ部分とクリーム部分の比率で嬉しさ(シ・ア・ワ・セ)の度合いが変化するのとまったく同じである(人によってはこれにイチゴの比率が加わる)。
これにもおそらく、「黄金の比率」のようなものがあるのだろうが、収拾がつかなくなるのでそこに言及するのはやめておこう。
何れにせよ、次の公式が成り立つ。

シ・ア・ワ・セ = ホイップクリーム × (1+増量)

これを一般的に表すと、y=x(1+a) となり、xはいろいろなもので置き換え可能である。
たとえば、ホイップクリームからカスタードクリームに置き換えてみればわかりやすい。
あ、そうそう、みなさんは「カスタードクリーム」と「ホイップクリーム」のどっちが好き?
今度投票やろっかな。。。

ということで、①の「シ・ア・ワ・セ」と②の「シ・ア・ワ・セ」が合体した「シ・ア・ワ・セのかたまり」(そういうと美味しくなさそう)を食してみた!

141117meron3.png


最初はなかなかクリームが出てこない(ちょうど、チョココロネの先っちょから食べてなかなかチョコがでてこない感覚。そんなんでイライラしたことある人は手をあげて)。
が、しかし、一度出てきたらそれはもう大騒ぎさ!
ホイップホイップホイップ♪
ホイップ、ステップ、ジャンプ!
こころが躍り出す!!

いやあ、いいねえ。
「メロンパンの皮焼いちゃいました。」はどちらかと言うとクッキーを食べるおやつ感覚(つまり、いつでもどこでもの手軽さがある)だけれど、こちらは食べ応えがある。

それにしても、今回の捜索でメロンパンの皮の偉大さを実感することができた。
さあ、これからも美味しいメロンパンを探しに行こう!

あれ、オムライスは???

チッチッチッ。
そう、ボクの中では「メロンパン=オムライス」なのです!!!

では、たくさんの「シ・ア・ワ・セ」を胸に、今週もはりきっていきましょう!!


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2014
11.16

捜索隊、出動!

Category: お菓子
11月に入り、ある商品を店で目にした。
そのときは、「ふーん、こんなのもあるんだ」って思った程度で、後で後悔の嵐がやって来るなんて想像すらしていなかった。
だから、それをどこで見たのかさえも覚えていなかった。

その商品の名は、メロンパンの皮焼いちゃいました。

そして、それを見かけた数日後に、ボクの耳に情報が入って来た。

ヤマザキのメロンパンの皮焼いちゃいましたが美味しい!

おっ!
これ、見たやつじゃん。
じゃ、食べてみようかな。。。

ということで、気軽に近くのコンビニに行ったんだけど、売っていない。
仕方がないので足をのばしてスーパーや他のコンビニを巡ったんだけど、どこにもない。

えー、どういうこと……。
でもまあ、そのうち見つかるだろう。
そのときはまだその程度の気持ちだった。

それから数日後、ブロ友さんからも情報が入る。

ヤマザキのメロンパンの皮焼いちゃいましたってご存知ですか?
よかったら探してみてください!

おーーーー!!!!!!!!!!!!!
これは絶対に美味しいんだ!
そこで、ネットで評判を検索。

うわああああああああ
す、すごい話題じゃん!

・メロンパニスト待望の新商品「メロンパンの皮」
 (メロンパン好きはメロンパニストって言うんだあ)

・夢がかなった! ヤマザキパンから「メロンパンの皮」だけが発売され話題
 (ゆ、夢だったんだあ)

・ヤマザキが「メロンパンの皮」を発売 「夢のような商品」「これが欲しかった 」
 (やっぱ、みんなの夢が詰まってるんだあ)

・レポートなんかいい!買って 来よう!という人はお近くのデイリーヤマザキに走って下さい
 (え!走れって!)



もう、どうしても食べたい。
背を腹にかえてでも食べたい。

近所のスーパーやコンビニにはなかった。
これはデイリーヤマザキを狙い撃つしかないな。

ということで、自宅の近所にデイリーヤマザキがある会社のメンバーに「ちょっと覗いてみて」ってお願いしてみた。

期待を胸に朗報を待つ。
が、しかし。
「メロンパンの皮はなかった。ペヤングのガーリック醤油焼きそばはあった。デフォルトのメロンパンはめっちゃあった」
そのような報告が届いた。
ペヤングはお願いしていないが、う~む、これも美味しそうだ……。

デイリーヤマザキは店舗数が少ないので、ある場所も限られている。
なので、所在地を確認してピンポイントで行くしかない。

よし、次は本厚木駅前店で勝負!

でも、なかったらどうしよう。
努力しても努力しても報われないときもある。
そう、プレミアムうまい棒だって、結局見つかってないじゃん……。

こころの中の葛藤が続く。

いや、しかし、……。

141116meron3.png


そうだ、あきらめちゃいかん!

無駄な努力なんてないんだ!!!

現地に向かい、期待半分、あきらめ半分で店のドアを開ける。

141116meron2.png


パンコーナーはどこかな??
お、あったあった。

メロンパンの皮……。
メロンパンの皮……。

お願い!

……。

ダメか……。

……。

おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!

あったあああああああああああ

あったあった!
パンの販売コーナーに、ちょこんと、2個ほど鎮座ましましているではないか!

ということで、速攻で購入。

実物は……。

じゃーん!これです!!

141116meron1.png


では、食べてみましょう。。。

ふむふむ。

うん、しつこくない甘さで美味しい!

パクパク。

141116meron4.png


口の中が妙な感覚になる。
でかいクッキー???
いや、ちょっと違う。
じゃあ、メロンパン?
いや、それも違う。
一言で言うと、「食べたことがあるけれど食べたことのない」、そんなわけのわからない感覚。
これはまがいもないメロンパンの皮である。
メロンパンの皮以外の何物でもない。
何かと聞かれたら、「メロンパンの皮です」としか答えようがない。
でも、はじめてのこの感覚……。

メロンパンは、両輪と言うべき「中のふんわりしたパン」と「外のカリッとしたクッキー生地」が相まってはじめてメロンパンになる。その片論がないのだ!
「タッキー&翼」のタッキーしかいない状態のようなものか(翼さん、一日も早い回復を)
いや、そうじゃないな。
「マナカナ」のマナしかいない状態か?
いや、それもちょっと違う。
「指原莉乃 with アンリレ」のwith アンリレがない状態?
いや、もともとなかったし。
じゃあ「叶姉妹」の、あるいは「まえだまえだ」の……。

もうどうでもいい!

とにかく、これはメロンパンの皮である。
味は美味しい。Omunaoが保証する!
(お前に保障されても……)

みなさまも、ぜひ探してみてください!!

● あなたとメロンパン  山本かおり





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2014
11.15

〇〇好きな人

Category: その他
久々の更新。
ご心配頂いた皆さま、お心遣いありがとうございます。

さて。

食欲の秋。
今は、秋の味覚を堪能でき、食に関する興味が増す季節である。
そんな季節にあって、ちょっと、「食」に関する嗜好に思考を巡らせてみよう。

「食」に関する嗜好。
それは人それぞれ様々であり好みが分かれるところではある。
が、しかし、いろいろとある中でも、「好んでそれを食する人」が多数おり一定の人気を誇る場合、特定の名前をつけて呼ばれる。たとえば、典型的なのは「マヨネーズ好き」。そう、言わずと知れたマヨラーである。

他にはどのようなものがあるのだろう。

ジンジャラー
神社好きの人のことではない。
チューブ入りのおろしショウガを持ち歩く人々のことだ。
ショウガは「身体が温まる」と昔から言われてきたが、近年の研究で代謝を活発にする効果も明らかになった。冷え性改善や風邪を引きにくくする効果、太りにくい身体にする効果などから人気が高まった結果、ジンジャラーが誕生した。

それから……。

ケチャップ好きはケチャラーと呼ばれ、そして、な、なんと、オムライス好きもある!
どうやらオムライス好きをオムライサーと呼ぶらしい。
同様に、カレー好きはカレーライサーである。

なるほど。では以上を参考に〇〇好きを変換してみることにしよう。

醤油好きは?
ショウユラー
うーん、ちょっとカッコ悪い。
ソイソーサーの方がいいかな???

ソース好きは、ソーサー
シンプルだなあ。。。

塩好き。ソルター

うどんは?
そうだなあ???
ウドンナー

そば。えーと、ソバタリアン
パスタ。パスタン
豆腐。トーファー
トースト。トースター
チ~ン。焼けたよ~!!

中華に行ってみよう。
エビチリ。エビチリアン
未知との遭遇!
青椒肉絲。チンジャオローサー
香港映画に出てきそう。
棒棒鶏。バンバンジー
まんまだなあ……。
あ、「エンプロイヤー(雇う人)とエンプロイー(雇われる人)」や「トレイナー(指導する人)とトレイニー(指導される人)」のように考えればいっか。イー(ee)ではなくヤー(er)で。
ということで、バンバンジャー
ピータン。ピータンタン
「アグネスチャンちゃん」の派生形。
担々麺。これは意見がわかれるところだろう。
そもそもラーメン好きを何て呼ぶかだ。
タンタンメンタン
タンタンメンラー
ここは読者の判断にお任せしよう。
鶏肉とカシューナッツ炒め。
うおっ!
えー!!!!!!!!!!!!!!
トリニクトカシューナッツイタメン
こんなイケメングループがいたらどうかな。
回鍋肉。ホイコーラー
ローラースケートとか得意そう。
ふかひれスープ。フカヒレスーパー
いらっしゃいませ。どんなスーパー???
餃子。ギョーザー
酢豚。スブタン
あ、これはピッタリかな!
酢。
うっ……。
す?
す、す、……。
わからん!

果物。
バナナ。バナナン
バナナマンの短縮形?
りんご。アップラー
リンゴーかも。
みかん。ミカタン
なんかかわいいなあ。
なし。ナッシー
フナッシー系だな。
かき。カッキー
ガッキー系だな。
もも。モマー
適当。

お菓子。
クッキー。クッキャー
せんべい。センビャー
綿菓子。ワタガッシー
ふ菓子。フガッシー
このふたつもフナッシー系。
クラッカー。
えっ。困った。ま、いっか。クラッカーカー
みつまめ。ミツマメン
チョコ。チョコタン
ポッキー。ポッキニスト
これは派生形がたくさんある。冬の口どけポッキニストとか……。
キットカット。キットカッター
切れ味よさげ。
さくさくぱんだ。サクパンダリアン
安倍川餅。アベカワモッチー
みたらし団子。ミタラシダンゴン
ふ。
うっ、また来やがった一文字野郎!!
ふ、ふ、……。。フッサー
願いを結んで思いを結んでひとを結んでお遍路さん四国霊場八十八ヵ所暑熱厳寒山々踏みこえ 巡り巡ってうれしや上がり三ヵ寺 嗚呼生きててよかったと 幸せ味わう創作和菓子 呼ばれたし名は大結願。 
はああ!
なんじゃそりゃあ???

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日本一長い、「四国霊場八十八ヵ所」にちなんだ八十八文字の名前のお菓子。
えーと、ネガイヲムスンデオモイヲムスンデヒトヲ……


ということで、あなたは何好き???

ではでは!!


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2014
11.11

秋、それは大人の季節、そして新たなる……

Category: お菓子
職員室の灯りを消し、学校を後にする。
すっかりと夜の帳が降りた街角。
11月も中旬に近づくと、風が冬の予感を連れてくる。
肩をすぼめ、ふと空を見上げる。
星も寒さが身に沁みるのか、瞬きが震えに思える。

いけない、挨拶が遅れた。

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オレの名はomu。
オムライスとnaoとバーボンをこよなく愛する熱血教師だ。
おっとあぶない!
naoとオムライスとバーボンをこよなく愛する、だった。
順番を間違えて、あやうくnaoにおしりペンペンされてしまうところだった。
ふー。

さて……。

今は秋。
それは、オレが一番好きな季節。
ガキのような夏に終わりを告げたしっとりとした大人の季節。

そんな季節にピッタリなのは、仕事で疲れた心身を癒してくれる数々の大人の味。

見よ、チョコレート菓子も大人の世界に突入だ!

大人のたけのこの里。
もちろん、大人のきのこの山だってある。

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チョコボールまでもが、大人に贅沢と。

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更には、pockyも、大人のミルクだ。

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どれから頂こうか……。

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ん?

何かが今、目の前を通り過ぎたような気がする。
しかも、さっきから端にちょろちょろと……。

ん?

んん?

うわあああああああああ!
またお前らかあああああ!!!!!!

お前らを連れて帰ったら、naoに何て言われるか……。
10月5日の「さくっといきましょう!」で怒られたばかりじゃないか!

しかも、オレは今、大人の季節と大人の味を楽しもうとしているんだ。

何?
キャラメル味できたよ!だと!!!

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ああ、しかもお前ら、オレの学校の生徒たちだな。
ひと夏を越して、茶髪にそめて、まったく色気づきやがって。。。

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こ、こらあああああああ!!!!!

うまい棒倒しはやめろーーーーーーー
優等生のノーマルさくぱんまでもが入り乱れるんじゃなーーーーい!!!

141111sakupan4.png


おーーーーーーい!!!!!!!
オレのチョコボールでラグビーするなあああああああ!!!

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……?

おいテメー、ガキの分際で一服してんじゃねーよ!!!!!

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隠れんじゃねえええええ!!!!!
え? 保護色?
バレバレなんだよーーーー!!!

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うわあああああ
変顔してニコニコと近づいて来るなああああああ!!!!!

141111sakupan1.png


まったくどいつもこいつも……

「がらがらがら」

ふすまを開ける音が、オレの耳に響く。
今度はどいつだ?

あっ!

141111sakupan12.png


「あああああ!!! また買ってきたのお!!!」

や、やばい……。

……。

おしり……ペンペン……。

長~い秋の夜は、こうしてゆっくりと更けて行くのであった。。。


P.S.

さくぱんキャラメル味、おいしいよ!!


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2014
11.09

【再掲載】 無償 【4】 & 関連ストーリー

Category: ストーリー
          7

 午後1時。リョウは営業部門の優秀賞受賞者の事例発表会に列席した。
 発表会場の会議室の壁一面には、個人ごとに目標と実績が対比されたグラフが並んでいる。そして、目標をクリアした担当者の名前の上には、選挙の当選時につけられるような赤いバラがつけられている。
「今年度も残り3ヶ月です。厳しい状況が続きますが、どうか皆さん、力をあわせ、一丸となってガンバっていきましょう!」
 社長の挨拶を皮切りに事例発表会は始まった。

「私は、どうやってお客様の信用を得るかが一番のポイントだと考えています。そこで重要になるのが説得力です。私が常日頃心がけているのは、『これこれこう思います』ではなく『これこれこう考えます』という言い方をすることです。『思う』という言い方は非常に曖昧で思考や論理が感じられません。なのでお客様を不安にさせます……」
 最初の発表者が、熱く語る。
 熱心にメモをとる者。ライバル心むきだしのギラギラした目で聴き入る者。あくびをこらえる者。そこにあるのは、動物園の猿山よりも面白い光景かもしれない。

 ちなみに、最優秀賞は、もう何年もトップセールスを維持しているオジサンが受賞した。この社員は、見るからに頼りなく、しゃべりも下手で一見うだつがあがらなそうなのだが、なぜか顧客のハートをつかんでいる。とても不思議に思えていたが、リョウはその理由がちょっとわかってきたような気がした。

          8

 彼女がボクにくれたもの。
 彼女と過ごした時間。
 琥珀がボクにくれたもの。
 琥珀と過ごした時間。

 彼女がボクにくれた『おくすり』って、一体何だろう。
 彼女がいる『無償の星』。
 彼女の純真で真摯な姿。
 『おくすり』って、『無償』って?

 一体、『無償』って何だろう、どういうことだろう……。
 それはきっと、かけがえのないとても大切なもの。

 あの日以来、リョウは考えをめぐらせた。

 与えること。
 与え続けること。
 与えあうこと。

 求めること。
 求め続けること。
 求めあうこと。

 求めないこと。
 見返りを期待しないこと。

 ボクにとっての彼女。
 彼女にとってのボク。
 ボクにとっての琥珀。
 琥珀にとってのボク。

 企業人のボク。
 一人の人間のボク。

 流れ行くもの。流行。
 変わらないもの。不易。

 うわべの気持ち。
 真心。

 ……。

 そしてひと月ほど前、リョウの中で何かがはじけた。

 突然、リョウは考えることをやめた。

 『無償』とは思うものであって考えるものではない。
 リョウの中の何者かがそうつぶやく。

 それを境に、リョウを襲っていた息苦しさも影をひそめた。

 損得とは無縁の自然な発露。
 自分の存在理由。
 時空を超えた思い。
 心の障壁を溶かしてくれるもの。

 彼女は今、どうしているのだろう?
 何を思っているのだろう?
 ボクは彼女に何をしてあげられるのだろう?

 ふつふつと沸き立つ思いが、リョウの体を駆け巡る。

 彼女に、会いたい。
 どうしようもなく、会いたい。
 本当の意味で、彼女とわかり合いたい。
 今のボクにとって、最も必要でしかも最高に効く『おくすり』を処方してくれた彼女に、ボクにできる精一杯の感謝を伝えたい。それは決して彼女のボクに対する思いや行為に応えるといった気持ちからではなく、ボクの心の底から自然とあふれ出る素直な気持ちの現れとして。
 そしてボクは、その中を彼女が自在に飛びまわれるべく、ボクの魂を彼女に開放する。

 昨日の夜、駅前の電話ボックスから、リョウは彼女に電話をかけた。
 なぜ駅前の電話ボックスからかけたのか、リョウにもわからない。
 何番にかけたのかも全く覚えていない。
 受話器をとり、ボタンを押す。
 呼び出し音の向こうに、ボロボロになったタイガースの帽子をかぶった彼女の姿が、はっきりと見える。
 ほどなくして電話はつながった。

「もしもし。ごぶさた。……。突然だけど、明日の夜、会えるかな?」

 受話器の向こうは黙ったまま。何も聞こえない。

「よかったら、今度は君が好きな場所にボクを連れていってほしいんだ……」

 もうそれ以上『言葉』はいらない。

 午後6時。仕事を終えたリョウは、彼女との約束の場所へと向かう。
 街にはジングルベルの軽快な曲が流れ、クリスマスプレゼントを抱えた人々が家路を急ぐ。
 昨日はオリオン座がはっきりと見えていた冬の夜空が、今日は雲に覆われ、いつしか真っ白い雪が舞い始めた。

 遠くから、かすかに、線路を走る列車の音が聞こえる。

 ボクにとって大切なこと……。
 ボクにとっての無償……。

 リョウは、ケーキ屋の看板に目をやりながら、首に巻いたネックレスを外すと、そっとポケットにしまった。

 クリスマスケーキより、やっぱりこっちだよな……。

「レアチーズケーキ、ふたつください」

 彼女との約束の時間まで、あと1時間――。

  < おわり >

-------------------------------------------

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ところで……。

自分で書いたストーリーとストーリーをリンクさせるのが好きだったりする。
例えば、第9回「ラケル:The garden of Rachel」に出てくる晴香は、第6回「ラプラタ:天使の忘れ物」に出てくる晴香。
で、「ラケル」の主人公リョウは今回の「無償」のリョウ。
そう、「ラケル」は「無償」の続編。
そして「街角の小景」の冒頭にでてくる男はリョウで、その台詞は「無償」の一場面でのもの。

では、上記のストーリーを一挙に掲載します!
全部再掲載なので、すでに読んで頂いている方はスミマセン。。。


街角の小景


「もしもし。ごぶさた。……。突然だけど、明日の夜、会えるかな? よかったら、今度は、君が好きな場所にボクを連れていってほしいんだ……」
 電話を終えると、男は、電話ボックスをはなれ夜中の街へと消えていった。

 これが最後のお客さんかな……。

 12月の夜空は雲ひとつなく晴れわたり、オリオン座が鮮やかに輝いている。
 そんな空から、凛とした冷たい風が一団となって、一直線に街に吹き込む。

 彼は、とある街の、とある駅前に設置された電話ボックス。
 彼が設置されてから、もう随分と長い年月が経つ。

 かつてはこの街も活気にあふれていた。大きな企業の城下町で人の往来も激しかったのだが、その企業の業績が悪くなりこの街にあった工場が閉鎖されて以来、一気に人通りが減った。市が行う新たな企業誘致も隣街が中心で、世の中に取り残されたようなこの街全体を、重い空気が支配している。

 そんな重い空気は、彼にも押し寄せた
 彼の役目も今日で終わり。時代の流れには勝てず、明日の朝になったら撤去される予定だ。

 朝になったらお別れか。せめて、明日のクリスマスイブの景色くらいは見たかったなあ……。 

 思い返せば、いろいろな声を聞き、いろいろな話しをつないできた。
 入試合格を伝える喜びの声。
 つらい別れ話。
 駆け引きで手に汗を握る商談話。
 ……。

 彼の中を、思い出が駆け巡る。
 モデルガンをもった少年グループに襲撃されたこともあったっけ。あのときはBB弾で見事にガラスを割られた。
 そんなことも、今ではよき思い出。

 思い出にふける中、

「おい、この野郎! こんなところにボケーっと突っ立ってやがって」
 夜討ちのごとく、突然、初老の酔っ払いが、彼に向って突進してきた。
「なんでオレがクビなんだよ。えー? ふざけんなよ……ちくしょー……」
ドアをガンガンと叩くと、酔っ払いは片手に持っていた缶ビールを彼に浴びせた。
「なんとか言えよ。……くっそー……バカヤロー……」
ドアにもたれかかり、酔っ払いは続ける。
「どうせ、役立たずのおいぼれは用なしだよ。どいつもこいつも、つめて―よな」

 やれやれ、またか……

 最近、こういったことが、明らかに多くなった。
 最後ばかりは静かにすごしたかったけど、ま、しょうがないか……。
 そんなことをされても、今の彼には怒りもわいてこない。むしろ、微笑んであたたかく包んであげたくなる。
 オジサン、ボクも同じだよ! オジサン、ガンバんなよ! オジサンには明日があるよ!

 しばらくして、酔っ払いは彼のもとを去って行った。

 最終電車が終わり駅の明りが消えると、やがてタクシー乗り場の人影もなくなり、街は完全に眠りについた。
 
 くっきりと夜空に浮かぶ月の灯が、彼をぼんやりと照らしている。

 どうやら、先ほどかけられたビールの酔いが回ってきたらしい。
 いたたまれない悲しみと恐怖が、彼を襲う。

 やっぱり、壊されるのは、すごく怖い……。
 この街のみんなと別れるのは、とてもつらい……。
 だれか、だれかボクを助けてー!
 だいたいボクは、みんなの声や話をつたえてきたのに、ボクの話なんて誰も聞いてくれないじゃないか。ボクはまだここにいたいのに……。
 こんなに寂れちゃったけど、明日はこの街も賑やかなんだろうなあ。ボクがなくなったことなんて、誰も気がつかないんだろうなあ……。
 まったく損な役回りだ。でも、『おセンチな電話ボックス』なんて、ちゃんちゃらおかしいしなあ……。
 あー、月がきれいだ……。
 最期は『月見酒』か? それもいいな。
 おーい、お月さん、きみはボクのお友達かい?
 このまま寝てしまえば、楽かなあ。はい、今日の営業は終了で~す、ってね。ボクの営業は、これをもって、これをもって、……。

 そんな彼のもとにひとりの少女がやってきたのは、もう、時計の針も2時をまわった真夜中のころだ。

 少女は、電話ボックスに入り受話器をそっと手にとると、ゆっくりと話しはじめた。

「もしもし……」

 ん? おいおい、ちょっとまてよ。
 電話っていうのはね、カードか硬貨を入れて、それから電話番号を押してから話すもんですぜ、お嬢さん……。
 まったく、あきれてつきあっていられないね。
 ボクの眠りの邪魔をしないでおくれ。
 ボクはもう、すっかり寝ているんだ。
 お休み……。
 ……。

「もしもし、聞こえますか、電話さん。私は明日、彼と結婚します。この街をはなれ、彼の故郷に嫁いでいきます。3年前のクリスマスイブに、私の思いを伝えてくれたのは、電話さん、あなたでしたよね。ありがとう電話さん。いつまでも、いつまでも元気でここにいてくださいね……。ありがとう、私のサンタさん……」

 少女は受話器を両手で包みこみ、そっと胸にあてた。

 一陣の風に飛ばされた空き缶が、枯葉とともに音を立てて歩道を転がる。

 しばらく受話器をギュっと握りしめていた少女は、やがてドアを開け、別れを惜しむかのように、静かに閉めた。

 あと数時間もすれば、いつもと同じように新しい朝がやってくる……。

 少女が立ち去った街角では、先ほどよりも輝きを増した月明かりが、いつまでも電話ボックスを照らし続けていた。

   < おわり >


140320tel1.png


  < おわり >

-------------------------------------------

次は「無償」の続編。オムライス専門店「ラケル」で浮かんだストーリーです。。。

The Garden of Rachel


 かすかに吹くそよ風が、頬をなでる。

 そろそろ用意ができますよ……。

 そよ風に乗り、透明で清らかな女性の声が通り過ぎて行く。

 起きてください……。

 脳が、徐々に覚醒しはじめる。

 早く起きないと間に合わなくなりますよ……。

 声は次第にはっきりとしはじめ、やがてリョウは、ゆっくりと目を開けた。

 定まらない焦点の先にぼんやりと現れた、赤と白のチェックのテーブルクロス。
 その上でゆらめくランプのほのかなオレンジの光。
 遥か先の暗闇には、森の木々が見える。

 空を見上げると、眩しいほどキラキラときらめく星たちが天空を飾っている。

 意識を自分に向ける。
 肘付きの椅子に座っていることに気が付く。どうやら庭園に置かれたダイニングテーブルの椅子に座っているようだ。

 ここはどこ?

「お目覚めですね」
 背後から、先ほどの透明で清らかな声がリョウに語りかける。
 振り向くと、そこには、テーブルクロスと同じ赤と白のチェックのドレスに身を包んだひとりの女性、い や、ひとり?の、ウサギが立っていた。
「びっくりされましたか?」リョウの隣に回り込みながらウサギが微笑む。
「何がなんだか……」声にならない声を発するリョウ。
「どこまで覚えていますか?」
 ウサギは、隣の椅子に静かに腰をおろすと、リョウに優しく問いかけた。

 精神安定剤のようにリョウに溶け込むその声に、頭の中の混乱はだんだんと落ち着きを取り戻し、ジグソーパズルのピースがまとまり始める。
「レアチーズケーキをふたつ、買いました……」
「それから」
「駅の改札に向かい……」

 そこから先が思い出せない……。
 ウサギは黙ってうなずきながらリョウを見て微笑んでいる。

 何とか思い出そうとリョウは記憶の糸を手繰る。

 微笑むウサギ。
 頭を抱えるリョウ。
 微笑むウサギ。
 頭を抱えるリョウ。

 と、ひとつの光景がリョウの脳裏にフラッシュバックした。

「ウサギ……、ウサギのぬいぐるみ……」

 微笑む、ウサギ。

「思い出した……。ウサギのぬいぐるみを抱いた小さな子が前を歩いていました。おそらくクリスマスプレゼントで買ってもらったんだと思います。その様子を見てなんだか懐かしい気持ちになった途端、目の前が真っ暗になって……」
「そうですね。そのウサギのぬいぐるみを見て、まるでアリスがウサギを追いかけて穴に飛び込んだように、あなたはこの世界にいらっしゃいました」
 え?リョウの頭の中が真っ白になる。
「意味がわからないですよね」
テーブルに置いた両手を合わせながら微笑むウサギが言う。
「はあ……。ここはどこですか? それに、あなたは……?」
「はい、ここはラケルの園、英語でザ ガーデン オブ レイチェルって言います。申し遅れましたが、私はレイチェル・ドーソン。ここの支配人です」
「ラケルの園……?」
「そうです。これからあなたは彼女との約束の場所に行きますよね。ここはそこへ行くための出発地点なんです」

 出発地点?それに、どうして?どうしてこれからボクが行くところがわかるのだろう?
 もしかしてこのウサギ、いや、レイチェルは、言葉がなくてもボクの心が読めるのだろうか?

「あなたには、私の心の中が見えるのですか?」
「はい、あなたの心の中も、あなたの過去も、私にはわかります。」
レイチェルは、その言葉を待っていましたとばかりに、話を始めた。
「私たちはもともと地球で生まれました。正確に言うと、地球で製造されました」
「製造?」
「私たちは、遥か遠い昔、まだ人間が言葉に頼らなくても心を通わせることができた時代に製造されたアンドロイドなんです。その当時、地球ではウサギを愛でることが流行りました。最初は愛玩動物として本物のウサギが愛でられていたのですが、そのうちにウサギ型のアンドロイドを製造して家族の一員にしようという考えが出てきたんです。それと、作るなら人間と同じ大きさで話もできるのがいいと。そこでできたのが私たちで、いつしかみんなレイチェルと呼ばれるようになりました。幸せを運ぶ女神の意味なんですよ」

 そこまで話すと、レイチェルは遠くの方に目をやり、
「最初は良かったんです……」
 そう言って深いため息をついた。

「私たちには寿命も感情もありませんでした。アンドロイドですから。でも、寿命のない私たちは、何世代もの人間と一緒に暮らして数多くの嬉しいことや悲しいことに出くわすことで感情を持つようになったんです。人間と同じようになりたい、人間と分かり合いたい、そう思っていた私たちにとって感情を持つということは人間に近づけた証であって、大変嬉しいことでした。しかも、人間が言葉に頼らなかった時代から人間に接していますから、なぜか人間の心も読めるようになっていたんです。だけど皮肉なもので、私たちがそうやって感情を持ち始め、人の心を読めることがわかると、人間たちの間から非難の声があがってきたんです。アンドロイドに支配されるのではないかとか、アンドロイドのくせに人間を超えるのかとか……。
それから人間たちは、私たちを破壊しはじめました。私たちは人間に逆らうつもりなんて何もなく、ただ一緒に暮らしていたかっただけなんですけどね……」

 リョウは、レイチェルの目をじっと見つめた。
 澄んだ瞳の中で、夜空の星が、ゆらゆらと揺らめいている。

「一員として迎えてくれた家族のみんなとはずっと暮らしていたかったのですが、それから間もなく世の中で『レイチェル狩り』が横行しまして、しぶしぶ私たちは地球から脱出しました。行先はみんなバラバラです。でも、みんなで決めていたことがあります。それは、平和で争いもなくお互いがお互いを思いやることができる場所である『ラケルの園』を各自がたどり着いたところで作ることでした。だから、いろいろな星に『ラケルの園』があって、ここもそのひとつなんです」

「そうですか……」
 そんなレイチェルの話に相槌を打ちながら、リョウはつぶやいた。
「それは悲しい話ですね。そういう話を聞くと、人間は愚かな生き物だって、つくづく思いますよ……。ボクも含めてですけどね……」

 ぼんやりと夜空を眺めるふたりの上を、やるせない時間の雲が流れて行く。

「ところで、話は変わりますが、ひとつ教えてもらえませんか?」
やがてリョウが、沈黙の時間を打ち破り口を開いた。
「なぜここが彼女との約束の場所に行くための出発地なんですか?」
「それはですね」
 答えようとしたレイチェルは、ダイニングテーブルから30mほど離れたところにある建物で手を振る女性に気がつき、話をとめた。
「あ、ごめんなさい。今、オムライスが出来上がったようなので先に持ってきますね。それを食べながら話をしましょう」
「え? オムライス?」
「はい、オムライス。幸せを運ぶ食べ物で、ここでの常食です」
「でも、食事は彼女と一緒にしようと思っていますし、第一約束があるので、食べている時間はないですし……」
「安心してください。これから食べていただくオムライスはいくら食べても決して食事の妨げになるものではありません。時間も大丈夫です。ここの時間の流れはあなたが知っている流れより遥かに遅いですし、それに、時間に間に合うようにあなたをここから約束の場所までお連れしますから」

 赤ん坊をあやす母親の言葉のような不思議な安心感が、リョウを包み込んだ。

 じっとリョウの目を見て微笑むレイチェルに、
「わかりました」
 ただそう言ってリョウはうなずいた。
「では、今、運んできますのでしばらくお待ちください。それと、私が戻るまでの間に、あなたの小さいころのことを思い出してみてください。あなたとウサギに関して。いいですか。大切なことですので、お願いします」
 そう言って席を立つと、レイチェルは建物の方へと歩き始めた。

 ボクとウサギ、……、小さいころ……。

 ひとり残されたリョウは、目の前のランプの光に目をやる。
 ボクとウサギ、……、小さいころ……。
 ボクとウサギ、……、小さいころ……。

 と、先ほどと同じ光景が、リョウの脳裏にフラッシュバックした。
 小さい子がウサギのぬいぐるみを抱いている光景。

 ウサギ……、ウサギのぬいぐるみ……。

 ウサギのぬいぐるみを抱いている小さい子は……。

 これって……。

“ウサちゃんはいつも一緒だから”
“ウサちゃんと一緒にお風呂入るんだもん”
“ねえお母さん、背中のところが切れちゃったよー。ねえ直してよー”
“やだよ、絶対に捨てないんだから・・・”

「お待たせしました」
 ほどなくしてオムライスを持って戻ってきたレイチェルは、
「どうぞ、冷めないうちにお召し上がりください」
 そう言ってリョウの前に、真っ白な皿に乗ったオムライスと光り輝く銀色のスプーンを並べた。
 ケチャップソースの香りがリョウの鼻をくすぐる。
「では、遠慮なくいただきます」
 スプーンを手にしたリョウは、早速ひと口、口に運んだ。
 卵とソースがご飯と溶け合い口の中に広がって行く。
 と同時に、なんとも言えないせつない懐かしさがリョウを包み込む。

「思い出しましたか、ウサギのぬいぐるみのこと」
 美味しそうにオムライスを頬張るリョウにレイチェルが問いかける。
「はい、鮮明に思い出しました」
「では、ひとつ、あなたに質問です。もしウサギのぬいぐるみにナイフを突き刺したとします。それは破壊行為だと思いますか?それとも殺害行為だと思いますか?」
「もちろん、殺害です」間髪を入れずに答えると、リョウは、
「当然ですが、ぬいぐるみにもアンドロイドにも人間にも、命があります。まあ、人間にナイフを突き刺しても破壊行為としか思わない人もいますけどね。おかげさまで彼女と会う前に大切なことを再確認できました。それと、子供のころ母に作ってもらったオムライスの美味しさも思い出しましたよ」
 そう続けた。
リョウの力強い言葉を聞いたレイチェルは、満足そうにうなずいた。
「これであなたは約束の場所へ行く準備ができました。今のあなたは、幼いころウサギのぬいぐるみを心から愛し、その心のまま迷い込んだノラネコを愛したあなたです。彼女とはこれから先ずっと言葉がなくても心が通じ合うはずです。ここが出発地である理由は、もう説明する必要ありませんね」

 オムライスを食べ終えたリョウは、席を立つと丁寧にレイチェルにお礼の言葉を述べた。
「ではお気をつけて。ここから約束の場所まではそりでお送りします」
 そう言うとレイチェルは、先ほどオムライスの出来上がりを告げていた女性に声をかけた。
「晴香さん、ではよろしくお願いしますね」
 その声の先で、トナカイの牽くそりに乗る女性が手を振っているのが見えた。
「これを忘れてはいけませんよね」
レイチェルは、にこやかにレアチーズケーキをリョウに手渡した。
 照れ笑いしながらそれを受け取ると、リョウは、晴香の乗るそりへと急いだ。

「何れまたお会いしましょう」
 晴香に会釈をしてそりに乗り込んだリョウが、手を振りながらレイチェルに言う。
「今度は彼女と一緒にいらっしゃい」
 レイチェルがリョウに呼応する。

 トナカイの足の動きにあわせてそりはゆっくりと庭園を滑り始め、やがてクリスマスイブの夜空へと舞い上がった。

 晴香のはからいで、2回ほどラケルの園の上空を、そりは旋回する。

 赤と白のチェックのクロスが敷かれたテーブル――。
 素敵なオムライスを作っているレンガ造りの建物――。
 そして、いつまでも手をふり続けるレイチェル――。

 The Garden of Rachel――それは、あなたの心の中にあるという。

  < おわり >


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最後は、食べレポ第6回で紹介した鎌倉にあるLa plata(ラ・プラタ)でのストーリー。

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ドアを開けると、そこはクリスマス一色の異次元空間。
雰囲気もいいし、オムライスもめっちゃ美味しい!
鎌倉方面に行かれた際にはお薦めです!!!

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天使の忘れもの

 小さい頃の記憶は現実なのか夢の中のことなのか境界があいまいで、夢で見たことを本当にあったことと思い込み、大人になってもそれを実際の出来事だと信じ込んでいることがある。
 
 でもそれは、小さい頃に限ったことではないのでは。
 
 夢のような本当の話。本当のような夢の話。
 もしかしたら現実と夢の世界に境界なんてなく、気がつかないうちに人はそこを行き来しながら生きているのかもしれない。


「ほら、この店」
 夏の夕方が日の入りを躊躇する頃、慎司は、真っ白いワンピースと麦わら帽子を身にまとった晴香と一緒にラ・プラタに向かう階段の前に立った。
「きっと要望に合うはずだよ」


「松橋くん?」
 2週間ほど前の朝、いつもと同じ通勤電車のいつもと同じ席に座った慎司の前に、ミュールを履いた透き通った足が現れた。
 寝ぼけ眼で、ゆっくりと頭を上げ、足の持ち主の顔を見上げる。
 慎司を見ながら微笑む女性。
 ビデオカメラの焦点が合うように、やがて慎司の記憶の焦点が定まった。
「あ、えっ、なんで……」
 微笑みながら黙ってうなずくと、女性は
「隣、座ってもいい?」
 そう言いながら慎司の隣に腰掛けた。

 10年ぶりの再会だった。

「戻って来てたの?」
 中学の途中で日本を離れた晴香に向かって、慎司が言う。
「うん、たまたまね。またすぐ帰るんだけどね」

 初めて付き合った相手との、再会。

 偶然というのは突然にやってくる。たまたまわずかしか帰ってきていない晴香に、この時間のこの車輌のこの席で会うなんて。
 再会を喜ぶ黒目がちの大きな目。
 さらさらとした長い髪。
 きちんと両膝に置かれた小さな手。
 品のある落ち着いた声。大人になった晴香をちらちらと見やる慎司の中から、美しい思い出が堰を切ったようにあふれ出す。

 あふれ出すのは思い出だけではなかった。
 嫌いで別れたわけではない。物理的な距離は、まだ幼い二人には遠すぎた。
 満員電車の空間が、隣に座る晴香と二人しかいない観覧車の中のような錯覚に陥る。
 思いが、10年前に飛び込んでいく……。

「もしよかったら、連絡先とか教えてもらえない?」
 そんな慎司の言葉に戸惑いの表情を浮かべると、晴香は
「ごめんなさい。私、携帯持ってないし、連絡先はちょっと……」
 申し訳なさそうにそう答えた。
「そうなんだ。わかった。じゃあ、ボクは毎日この席に座っているから、時間があったらまた会いたいな」
 やがて慎司の降りる駅が近づいてきた。
 しばしの沈黙ののち、晴香がつぶやく。
「私も会いたい……」
 どこか憂いをたたえた声だった。
「ねえ、ひとつお願いがあるの」
 席を立とうとする慎司に向かって、意を決したような表情(かお)で晴香が言う。
「どこかで、あのときのクリスマスの続きがしたいなあ。私、2週間後にまたこの電車に乗る用があるから……そのときに会えたら」


 ラ・プラタの前に立った慎司は、優しく晴香の手を取り、階段をのぼった。
「なんかわくわくする」晴香の嬉しそうな声が壁に響く。
「じゃあ、入ろうか」そう言いながらドアを開ける慎司。

 その瞬間、一面クリスマスの世界が飛び込んで来た。

「すごーい」大きな目を更に大きくしつつ、それ以上は声にならない晴香。

 お客さんのいない静かな店内は、優しく暖かい雰囲気に包まれている。
 奥のテーブルに着くと、二人はグラスワインと天使のオムライスを注文した。
「これ、そっちに置いといて」
 甘えた声で麦わら帽子を差し出す晴香。それを受け取りながら思わず笑がこぼれる慎司の前を、晴香のつややかな髪の香りと温もりが通り過ぎる。
「こんなとこあったんだあ……」キラキラと輝く晴香の目は、あたりを見回した。
「探したよ、夏にクリスマスができるところ」
「ごめんね、わがまま言って」
「ううん」慎司はゆっくりと首を横に振って続けた。
「神様はボク達を見捨てなかったね。だって、ボクもあの時の続きがしたかったんだから……」

 中学2年のクリスマスイブ。この日、慎司と晴香は、近所の教会のクリスマスパーティーにクラスの仲間と参加していた。照明は落とされ、ほのかなキャンドルの踊りでパーティーは進んでいく。キリスト教のことはわからないが、パイプオルガンの音色にあわせてみんなで歌う賛美歌に、二人は厳かなものを感じていた。
 そんな中、キャンドルの向こうから晴香が慎司に耳打ちをする。
「ねえ慎司、結婚式ごっこしない。ほら、汝はこの者を妻としてって言うでしょ。あれやろうよ……」
「いいよ」一瞬とまどったが、慎司は頷いた。
 と、その時
「ではみなさん、席を変えて他の方々とお話しましょう」
 主催者の声が響いた。

 結局そのとき、晴香の要望が実現することはなかった。

「では、カンパーイ」
 ワイングラスを重ねる二人。
「あの時はりんごジュースだったね」
 二人の笑顔があふれる。
「そうだったね……。ねえ、続きをしようか」

 ♫ Silent night, holy night! All is calm, all is bright.……

「きよしこの夜」が流れる店内は、静粛な空気に包まれている。

「じゃあ私からね。松橋慎司。汝はこの者を妻とし、健やかなるときも病める時も、生涯変わらぬ愛を誓いますか」

「……はい、誓います……。じゃあ、次はボク。青山晴香。汝はこの者を夫とし、健やかなるときも病める時も、彼を愛し、彼を助け、生涯変わらぬ愛を捧げ続けることを誓いますか」

「・・・はい、誓います」

 粛々と、二人の時間は流れて行く。

 ♫ I‘m dreaming of a white Christmas ……

「うそでもいいから、慎司には一度言ってほしかったんだ。ずっとそれを思ってたの。それと、ここって、なんかお母さんのお腹の中にいるみたいですごく安心する……」
 曲が「ホワイトクリスマス」に変わった頃、天使のオムライスを口にしながら晴香が言う。
「ありがとう、慎司、私のために。これで思い残すことなく帰れるわ。私、すごく幸せよ……」
「今度はいつ戻って来られるの?また会えるよね」
 黙って首を横に振る晴香。笑をたたえた潤んだ瞳の中で、照明がゆらゆらと揺れている。

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 その夜、眠りについた慎司は、遠くから聞こえる晴香の声を耳にした。

「さよなら、慎司」

 ふと、窓の外を眺める。

 トナカイが牽くそりが、澄み渡る天空に向かって駆け上がって行く。
 そこには、まるでウェディングドレスか羽のついた天使の服のような真っ白いワンピースに包まれ、麦わら帽子が飛ばないように片手で頭をおさえながら、一方の手を大きく振る晴香の姿があった。

 それを優しく見守り、手を振り返す慎司。

 ラ・プラタのときと同じ麦わら帽子からのつややかな髪の香りが、そよ風に乗って慎司の元に届く。

 ありがとう、晴香。君は遠いところから、わざわざボクに会いに来てくれたんだね。

 あ、忘れ物……。
 慎司は天使のオムライスを前に二人で撮った写真を取り出し、紙飛行機にして飛ばした。
 紙飛行機は、スローモーションのようにゆっくりと、でも確実に、晴香の元へと飛んで行く。

 また出会ったら、今度こそ一緒になろうね。

 やがて小さくなったそりはひとつの光になり、ベガ、デネブ、アルタイルの夏の大三角形の中に吸い込まれ、静かに消えて行った。

  < おわり >


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2014
11.08

【再掲載】 無償 【3】

Category: ストーリー
暖かいのか寒いのか、コーヒーはアイス? それともホット?
微妙な秋の深まりを感じる日々。
さて、今日はどんな一日が待っているのかな……。
では続きです。

---------------------------------------------------- 


         5

 午前11時30分。マーケティング部とのミーティングが終了した。
 執務室に戻る廊下で、憮然とするリョウにアシカ顔をした上司が語りかける。
「君の言いたいことはよくわかる。でもね、プライベートと仕事の人間関係は違うよ。好きな人ばかりまわりに集めても仕方がない。あえて反対意見の人間も集めるんだ。マーケティング部長が気に入らなくても、今度のプロジェクトに彼は必要なんだよ。それと上司との関係については自分と合わないときにどう対応するかが重要で、彼をリーダーとしてその下で君がどう振舞えるかがポイントだ。今度、管理職も全員を並べて評価点による順位をつけようと考えている。その時のためにも今回の経験は貴重だよ。君は期待されているのだから、ガンバレ」

 利益追求。目標管理。業績評価。成果主義。
 幸福になるためには、すなわち不自由のない生活を送るためには、つまりお金をかせぐためには、利益率を向上すべく売上をあげコストを下げる。「お客様のためです」と冷酷な営業スマイルで市場の限られた牌を取り合い売上を伸ばす。新入社員採用や設備投資は極力せず、退職不補充さらには不要とされた従業員にニコニコと契約解除を告げて固定費を削減する。そういった活動を目標にして管理し、結果の数字で業績評価を行い、成果の報酬として賃金が決まる。
 企業活動の理屈など、小学生でもわかる簡単なものだ。残念ながら、小学校では教えてくれないが。

          6

 その後彼女は、2週間おきにリョウのもとに『おくすり』を届けにやって来た。
 リョウの『お疲れ度合い』も順調に減っている。
 そして、『お疲れ度合い』が減るのと反比例するように、リョウの中で彼女の占める割合が増えていく。

 彼女にとってボクはどういう存在なのだろう。何でボクの担当? 
 逆もまたしかり。ボクにとって、彼女はどういう存在なのだろう?。
 月並みな言い方だけど、彼女は若くてきれいで間違いなくボクの好みで、スタイルもよく聡明だ。
 ボクは彼女に好意をよせている。信頼もしている。
 だけど不思議だ。
 彼女とつきあいたいとか、彼女を抱きたいとか、そういった男と女の感情のようなものは一切わいてこない。ボクの『お疲れ度合い』が問題なくなり『おくすり』のお届けが終わったら彼女と会うこともなくなる。でもそれでいいと思っている自分がいる……。

 そんな自問自答をするリョウを異変が襲ったのは、夏の真っ白なTシャツの香りが街をつつみはじめたころだった。

 それは奇妙な夢から始まった。
 闇夜を走るリョウ。何者かに追いかけられている。必死に走ろうとするが、足がなかなか前に進まない。背後に何者かが迫る。そしてそいつは背後からリョウをつかまえると、「このネックレスがお前の命とりさ」そう言いながらリョウが首に巻いているネックレスで首をしめる。苦しい。息ができない。……。
 あぶら汗にまみれ、そこで目がさめた。心臓の早い鼓動が体をかけめぐる。
 リョウは上体を起こし、首に手をやった。氷のように冷たいネックレスの感触が手に伝わる。
 それからときどき、奇妙な息苦しさがリョウを襲うようになった。

 そして、その日が訪れた。

 いつものように、2週間おきの笑顔が届いた。
「髪、切ったんだ」
 これまたいつものように紅茶とチーズケーキを用意しながら、リョウが言う。
「そうなんですよ。暑いですし、面倒で。変、ですか?」
 彼女は、上目遣いにショートボブの髪に手をやった。
「いや、よく似合うよ」
 彼女は肩をすぼめ、嬉しそうに微笑んだ。
「すごくよくなっていますよ。『お疲れ度合い』の数値も、ほとんど1に近い感じです」
 分析結果を印刷した紙を取り出しながら彼女が言う。
「はい、見てください」
 リョウは、彼女から紙を受け取った。

 微笑む彼女。
 ホホ笑む、彼ジョ。
 ホホエム、カノジョ……。

 なんとなく、いつもと違う。
 リョウは、彼女の笑顔に、どことなくいつもと違うぎこちなさを感じた。
 「どこが」と言われるとわからない。あくまでも直感的に、そう感じた。

「ありがとう、きみが届けてくれる『おくすり』はホント効くよね!」
「ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです……」
「もうそろそろ、『おくすり』もおわりかな?」リョウは、何気なく言った。

 微笑む彼女。
 ホホ笑む、彼ジョ。
 ホホエム……。

 と、そのとき、彼女は急に顔を歪め、その場に座り込んだ。
「……息が……」
 過呼吸症候群のような症状が彼女を襲った。息が吸えない様子で、両方の手足が微かに痙攣している。
「どうした。大丈夫?」
 動転したリョウは、わけもわからずとにかく彼女の背中をさすった。
「大丈夫です……すぐ……治るので……」

 それからしばらくして、言葉通りに、彼女は平静にもどった。
「最近たまにあるんです」
 首をなでながら彼女が言った。
 今まで気がつかなかったが、そこには、リョウと同じ銀色のネックレスが光っている。
「あれ、君も同じネックレスをしていたんだ」
「はい、あ、そうですよね。襟付きの服ばかり着てきていたのでわかりませんでしたよね」
 そう言いながら、彼女は首元のネックレスを握りしめた。
「ちょっと横になって休みなよ」
「あ、ホントにもう大丈夫です。どうぞお気づかいなく」
 ぎこちない笑顔が、何かに操られた人形のような仕草で手を振る。
「いいよ遠慮しなくて。ボクも君に助けてもらっているんだし……」
「ありがとうございます……」
 消え入りそうな声が、目の前のテーブルに吸い込まれる。

「ところで、実はボクもさっきの君と同じように息苦しくなることがあるんだ。最近の熱帯雨林気候みたいな猛暑のせいじゃないかな。こう暑いとネックレスも外したくなっちゃったりして。あ、でも外さないよ。おかげさまで『おくすり』効果があるわけだから。ね! ありがとう!」
 その場を和まそうと、茶化すように冗談ぽくリョウが笑う。
 瞬間、時間が凍りついた。
 エアコンにより快適な温度に設定されていた部屋に緊張が走る。
 リョウを見つめたまま、じっと真剣なまなざしの彼女。
「本当、……ですか?」
「え?」
「私みたいなことがあるって、本当ですか?」
「う、うん」リョウはうなずく。
 彼女の大きな目が見る見る潤み、一筋の涙が白い頬を伝う。
「……ごめんなさい……ごめんなさい……」
 彼女は泣き崩れた。
「私が未熟なばっかりに、……ご迷惑を……ごめんなさい……」
 突然どうしたの? 
 取りつく島がないリョウは、何も言えずに、ただただ時の流れに身をゆだねる。

 やがて、ひとしきり泣くと、
「……お話し、しますね……びっくりすると思いますが……」
 彼女は重い口を開いた。
「これ以上あなたにご迷惑をかけることはできません……・」
 彼女は姿勢を正すと、決意の目で言った。

「私、生まれ変わりなんです。」

 リビングの壁が世界中の音を吸収してしまったような、そんな静寂が辺りを包む。

 不思議と、リョウに驚きはなかった。
 そう言う彼女の言葉は、すーっとリョウの中に溶け込んだ。
 いや、むしろ、始めからその言葉が出るのがわかっていて、それを聞くことでより一層落ち着いて彼女の話を聞ける、そんな気がした。

「私はかつて、命を落としました。それから長い間、私の魂は銀河系をさまよい続けたんですが、さまよっている間にいろいろな星でいろいろな人に出会いました。そんな私がたどりついたのが『無償の星』です」
「無償の星?」
「はい。その星にあるのは『与えること』だけで、『見返り』や『対価』といったものが一切ありません。なので、お金も、もっと言うと経済活動もありません。人々の心の中にも『人からこうされたい』といった気持ちは何もないんです。何て言うんでしょう、自分や他人といった概念がないんです。みんな気持ちが通じあっていて、争いとかも起きません。第一、『言葉』がありません。『言葉』って、何のためにあると思いますか?」
「そりゃあ、意思疎通のために必要だよね。『言葉』がなければ何もできない。人間が高度なコミュニケーションをとるために作り上げたものなんじゃないの」
「それはですね……」
 話を整理するように、彼女は天井を見上げた。
「その昔、人間には『言葉』なんてありませんでした。気持ちが通じ合っていれば、お互いの心が読めれば『言葉』はいりません。でも、人間が文明を手に入れるとともに争いごとも生じるようになり、いつしか人間は、自分の心を読まれることを避けるようになりました。自分を守るためには、人に勝つためには、人に自分の気持ちや行動を知られたくないって。そうやって人間は心を閉ざし、代わりに『言葉』で接するようになったんです。『言葉』だったら気持ちを隠して、心と裏腹のことでも言えますよね。だから、うそをつかれてもわからなかったりします。これは私が銀河系をさまよっていたときに学んだことです」
「『言葉』に頼っていないから、だから君はボクの言いたいこととかがわかる、ってこと」
「はい、『無償の星』での生活で学んでいます。なかなか元からの住人のようにはできないんですけどね。気持ちが通じ合えるので、『言葉』もなく、だから本当は『おくすり』も『お疲れ度合い測定』も『お疲れモード分析』もないんです……」
 恥ずかしそうに、ちょっとうつむき、彼女は続ける。
「それで、ネックレスですけど……。実はこれは、『求めること』を防止する装置なんです。私は『無償の星』で今の体をもらって生まれ変わりました。でも体をもらうときに約束をしたんです。それは、決して見返りを求めないこと。もし私が打算的に何かを求めたら、そのときはまた命を失うと。あなたのお役に立つことだけを気持ちに込めるのが私の役目です。役目というか、私の生きる証です。でも、まだまだ未熟な私にはどうしても求める気持ちが顔をのぞかせることがあります。このネックレスは、そういった気持ちをおこさせないための制御装置なんです。無償の星を出発して大切に思っている人のところに行くときには、まだあなたにはこれが必要だと。あなたが接する相手にもつけてもらわないといけないと言われて。……でも、……」

 また、彼女の目が潤みはじめた

「息苦しい症状は、求める気持ちが強くなってきて、ネックレスの力とぶつかりあっているときに起きるんです。だから、……私が未熟だから……あなたにまでも……でも、ホントにお礼が言いたくて……、ありがとうって言いたくて、お返しがしたくて……、ごめんなさい……私、何を言っているのか……あの優しい腕のぬくもりに……、タイガースの帽子をかぶせてくれた、あの優しい腕のぬくもりに……、もう一度会いたくて……」

「えっ……」
 リョウの中で、思い出が、走馬灯のように駆け巡る。
「きみ……」

 泣きじゃくる彼女は、黙って下を向いている。

 学校から帰るリョウを待ち構えるように、毎日、そのノラネコはどこからともなくやってきて、リョウにすりよった。チャトラの体にグリーンがかった人なつこそうな目。カギっ子でひとりっ子のリョウにとって、寂しさを吹き飛ばしてくれる格好の遊び相手だった。
 リョウはそのネコを「琥珀」と名付けた。
 むさぼるようにご飯にありつく琥珀。
 リョウの膝の上で一緒にテレビを見る琥珀。
 やさしくなでると、目を閉じ、ゴロゴロとのどを鳴らす琥珀。
 野球帽でじゃらすと、獲物をとる目でネコパンチを喰らわす琥珀。
 そして、リョウの腕の中で、気持ち良さそうに眠る琥珀。
 
 だが、別れは突然やって来る。
 
 とある日曜日。
「さっき琥珀が来たわよ。すごい勢いで網戸にのぼってニャーニャー言ってたけど、そのうちいなくなっちゃった」
 遊びから帰ったリョウに母親が言う。
 以来、琥珀は来なくなった。
 そして、裏山でじっと目をつぶり横たわる琥珀をリョウが見つけたのは、3日後のことだった。
 気が動転し、何が何だか全く理解できなかった。
 リョウは、冷たくなった琥珀を抱きしめ、夜通し海を眺めた。
 いつまでも涙がとまらなかった。
 翌日、琥珀をじゃらしていた阪神タイガースの帽子を添えて、リョウは琥珀に別れを告げた。

「私、本当にうれしかったんです……こんな私に優しくしてくれて。純真な愛情を私にくれて……でも……、でも、もう終わりです……」
 そう言うと、彼女は両手で顔を覆った。
 何言っているんだ。お礼を言いたいのはこっちだよ。
 彼女の肩に手をかけようとするリョウ。
「あ、ダメです」
 そう叫ぶ彼女の体は、おびえた小ネコのように、小刻みに震えている。

 それからはしばらく無言の時間が続き、結局その日はろくな会話もしないままリョウは彼女と別れた。
 それから今日まで、彼女とは、一度も会っていない。

  < つづく >


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2014
11.07

【再掲載】 無償 【2】

Category: ストーリー
         3

 今晩は雪景色のクリスマスイブになりそうです。都心でも雪がちらつくでしょう。厳しい寒さなので暖かい服装でお出かけください。
 午前7時5分。支度を終え天気予報をチェックしたリョウは、いつもの電車に乗るべく家を出る。
 今日は長めの傘を持って行ったほうがいいな。
 
 電車の中にはいつもの顔ぶれが並んでいる。黒のきれいめ系できめ、じっと眼をつぶった兄ちゃん。眉間にしわをよせて給食管理学の問題集と格闘する女子大生。立ち飲み屋の常連客にいそうなオジサン2人組。「パンに入ってるのってなんだっけ? イース、イースト」「それって方角っぽくない」「イーストって西だっけ。あれ東?」10秒に30回はケラケラと笑っている女子高生3人組。
 みんな赤の他人、でも顔は知っている。
 不思議な空間は、今日もまた、それぞれの人生を乗せて走って行く。

         4

「おはようございます!」
 インターホンの向こうから明るい声が響く。
 太陽が高くのぼりはじめた5月の遅い朝、約束通りに彼女はやってきた。
 玄関をあけると、オレンジのギンガムチェックとサブリナ丈のホワイトデニムに身をつつんだ彼女が、満面の笑みを浮かべ、ぺこりとおじぎをした。
「いらっしゃい」
 部屋に通すとリョウは、さきほど買ってきたレアチーズケーキと紅茶で彼女を出迎えた。
「わー、ありがとうございます! 私、チーズケーキ大好きなんです!」
「やっぱり。なぜか、なんとなくそんな気がしたんだ」
 リョウは笑顔を返す。
「いただきます!」
 うれしそうにケーキにフォークを入れると彼女は、
「おいしい!」
 キラキラした目でリョウを見つめて微笑んだ。
 微笑みから飛んできたほんわかとした充実感が、リョウに舞い込む。
 それからふたりは、アシカとアザラシとセイウチとトドとオットセイの違いやら、好きなスウィーツベスト10やら、他愛もない話に花を咲かせた。

 時は過ぎ――。

「そろそろお昼ですね」
 壁の時計に目をやり彼女が言った。
「外に食べに行こうか?」
「いいですねえ! どこか行きたいところってありますか?」
「そうだなあ……」
「たとえば、昔好きでよく行っていたところとか」
「好きだったところ?」
 リョウは頭の中の検索エンジンをフル回転させる。そんなリョウを、優しい微笑みで見守る彼女。
 なぜだろう。彼女とはこの前はじめて会ったばかりだが、もう何年も前から知っているような感覚に陥る。一緒にいると不思議とリラックスできて、頭の中がクリアになるような気がする。
「そうだ!」
 リョウの頭の中に鮮明な景色が浮かび上がった。
「海を見に行こう! 七里ガ浜の海を見に行こう」

 嬉しいとき、悲しいとき、心が滅入ったとき。
 何かがあると、いつも海を見ていた。
 高台から、七里ガ浜の海を、リョウは見ていた。
 リョウの好きな場所。リョウを育ててくれた場所。リョウを見守ってくれた場所。
 そう言えば、もう十年来、海すら見ていない。

 リョウたちは目的地に向けてクルマを走らせた。鎌倉山のロータリーを越え、棟方版画美術館を横目に小路を進む。
 やがて道は行き止まり、木漏れ日あふれる木々の向こうに住宅地とその先に広がる青い海が顔をのぞかせた。
クルマを停め、降りると、リョウは大きくひとつ深呼吸をする。
「こんなところ、あったんですね」
 クルマの屋根をテーブル代わりに両手で頬杖をつきながら彼女がつぶやく。
「ここは、ホントによく来たんだ」
 リョウは彼女の隣に並び海の方に目をやった。
「ほら、家並の向こうに海が見えるだろ。こうやって見てると、海の大きさに比べて人間の営みなんてちっぽけなものだなって思えるんだ。やれ隣の家との境界線がどうとか、些細なことでいがみあったり、名声と富を手に入れるために躍起になったり、そんなものはどうでもいいんじゃないかと」
 そうしゃべりながら、なぜか心がすっとしていく気がした。自分で自分に言い聞かせているような。もしかして、これが彼女の『おくすり』の効果?
 リョウは住宅地に降りる階段に腰をおろした。彼女が隣に座ろうとする。
「あ、ちょっと待って」
 リョウはポケットから紺色のバンダナを取り出し階段に広げた。
「ありがとうございます。やっぱり優しいんですね」
 彼女が微笑みかける。

 それからふたりは、ぼんやりと海を眺めた。
 ゆったりとした時間が流れていく。
「でも、海って、すごいですよねぇ。広くて大きくて、見た目も心を開放してくれて、潮騒の音も、磯の香りも、みんな安らぎを与えてくれて。でも、時にすごくこわかったりして……」
 海からの風がそう言う彼女の髪を優しくゆらしている。
 そしてその風は、ほのかに香るつややかな髪の香りとともに、彼女の柔らかい温もりをリョウの心に運んでくれる。

 思い返すと、ここに来るときはいつもひとりだった。
 海を見やるリョウの目に思い出がよぎる。
 いつもひとりで来てた場所。
 正確に言うと、一度だけ、ひとりではなかったことがある。
 そう、たった一度だけ。

 琥珀と一緒、だったとき。
 動かなくなった琥珀を連れてきたとき。

「なんだかすごく懐かしい気がします。不思議なんですけど、前にも来たことがあるような……デジャビュ、みたいな……」
 沈黙を破り彼女がつぶやく。
 彼女の言葉が、時空をまたぎリョウの中を通り過ぎて行く。
 なんだろうこの感覚……。
 そのときなぜか、言葉では言い表せない妙な感じがリョウを包みこんだ。
 懐かしさ? せつなさ? 
 胸がしめつけられるような、遠い昔に置き去りにした大切な忘れものを見つけたような……。
 
 時間が、とまっている。 

  < つづく >


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2014
11.06

【再掲載】 無償 【1】

Category: ストーリー
いやあ、ホントに時間がとれない。。
ということで、連日の再掲載でお茶を濁すOmunao。

お茶を濁すって、どう濁しちゃうんだろうねえ???
気になる……。

どうやら、茶道の作法をよく知らない者が程よく茶を濁らせて、それらしい抹茶に見えるよう 取り繕うことがこの言葉の由来らしい。

本日から、昨年の7月に掲載したストーリー、「無償」(全4回)を再掲載します。
これは「無償って何だろう」って考えていたときに浮かんだストーリーです。
すでにお読みいただいている方、すみません。。

「無償」、「無償の愛」……何なのでしょうね???

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         1

 午前6時。小鳥のさえずりがスマホから勢いよく飛び出した。
「爽やかな朝を演出するアラームです!」
 そんなうたい文句につられて購入したアプリだが、朝のリョウには不快音以外の何ものでもない。
 いや、"何ものでもなかった"、そう言うべきだろう。
 それはあくまでも昨日までのリョウにとってのこと。今日は爽快な目覚めだ。
 アラームをとめ、師走の冷気を鋭い刃で切り裂くように勢いよくベッドから飛び起きると、オフィス到着時間から逆算された行動手順に従いリョウは朝の支度をはじめた。

         2

 リョウが初めて彼女に会ったのは、淡いグリーンのそよ風が舞う4月半ばの頃だった。
 
 新年度から経営企画部門に移ったリョウは、経営戦略の実現に向け課題の整理に明け暮れていた。グローバル化を進める企業の一員として、円高リスク対策の策定が重く肩にのしかかる。 
 日本から海外への事業シフトを検討せよ!
 優秀な課題解決力を買われ会社の中枢部門に抜擢されたリョウだったが、日増しに大きくなる自分と企業の価値観のズレがリョウの心を蝕んでいく。
 震災、円高、産業の空洞化、就職難。
 この国は一体どうなってしまうのだろう。自分はこんなことをしていてよいのだろうか? 果たして自分は何のために、誰のために生きているのか……。
 社会人と企業人の狭間で叫ぶそんな小石の戯言は、いとも簡単に大波にさらわれ、岸壁で飛沫とともに砕け散る。

 その日もまた、歪んだ解答用紙には答えが書けないまま帰路についた。
 そんな夕暮れ時、角を曲がったリョウの目に、ちょこんと佇む若い女性のシルエットが飛び込んだ。
 濃紺のカチューシャでまとめられた長い黒髪。白いブラウスにベージュのカーディガン。それと水色のロングスカート。全身から品の良さを漂わせる見ず知らずのその女性は、リョウを見ると嬉しそうに微笑みかけた。

「おかえりなさいませ。お待ちしておりました」
「失礼ですが、どちらさま?」
「はじめまして。私、こういうものです」
 初々しい白い手が名刺を差し出す。
「私どもは、お疲れになっている方に『おくすり』をお届けするのが役目です。あ、ご心配なさらないでください。お金は一切かかりません。新手のキャッチセールスでも、宗教の勧誘でも、こわい人がバックについている風俗営業とかでもないですから。……そんなの頼んだ覚えはない、っておっしゃりたい……ですよね」
 戸惑うリョウを見透かすように、透明で、なぜかそこはかとなく安らぎとせつなさを感じさせる声が親しげに尋ねる。
「まあ、とにかく、中へどうぞ」
 頭の中に?マークが並んだままリョウは彼女をリビングに通し、温かい紅茶を入れて出した。
 ぺこりとお辞儀をしてソファーに腰掛けると、彼女はゆっくりと話しはじめた。
「信じてもらえないかもしれませんが、私たちは『おくすり』のお届け先の方が発信する『お疲れメッセージ』を受信することができるんです。で、その方のお疲れ状況に応じて『おくすり』を処方させていただきます。でも、処方する相手が誰でもいいわけではないんですよ。ひとりひとりどなたに『おくすり』をお届けするかは決まっていまして」
「それで君の届け先がボク、ってこと?」
「そうなんです。私はあなたの『お疲れメッセージ』を受信することができます。まだ未熟者で、やっと研修を終えたところなんですけどね」
 肩をすぼめた黒目がちの大きな目が、ちょっと照れくさそうに悪戯っぽく笑う。
「研修期間中は、お届け先の方の『お疲れメッセージ』受信と『お疲れモード分析』の訓練を集中して行うんです。すごく難しくて、最初は全然できなかったんですよお。でも、毎日毎日『できるようになる』って信じてやっていると、これが不思議とできちゃったりするんです」
「ふーん。あの、そもそもの疑問なんだけど、何でボクのことがわかるの? お疲れメッセージって言われても、からくりが全く想像できない」
 突然の珍客の言葉に、戸惑うリョウが言う。
「何のしかけもないですよ。その方のお疲れ状況把握にただ意識を集中するだけです。それでわかります。……『超能力者でもあるまいし』、って思ってますよね」

 図星……。

 微笑みながらリョウの目を真っ直ぐに見つめる彼女。まるで赤子を諭す母親のようだ。
 一呼吸入れるとリョウは質問を続けた。
「それで、その状況把握ってやつはどうやったらできるの?」
「はい、あなたの『お疲れメッセージ』を受信すると、私の体内にある『お疲れ度合い測定器』が反応して数値でわかります。これは体内時計のようなもので、私の中の測定器の数値は私だけが感覚的に把握できます。数値は5段階で、1は『まだ大丈夫』、2は『様子見』、3だと『ちょっとキケン』、4だと『けっこうキケン』、5だと『かなりキケン』って。で、受信したメッセージと数値をもとに分析してお届けする『おくすり』を決めるんです。」
「まあ百歩譲って君の話が本当だとしても、お金がかからないって、それじゃあビジネスとして成り立たないよねえ? 無償提供など、そんなことはありえない」
 紅茶をひとくち飲むと、彼女は言った。
「ビジネス……ではありませんから……」
 あきれたリョウは、矢継ぎ早に質問をあびせる。
「報酬は?」
「ありません」
「服装は?」
「自由です」
「拘束時間は?」
「ありません」
「上司は?」
「いません」
「君の届け先の数とノルマは?」
「他にはありません」
 リョウは天井を見上げ、大きくひとつため息をついた。そして、首を横に振りながら言う。

「全くもってばかばかしい!」
 
 そう叫ぶふたりの声が、見事にラップした。

「え?????……」
 
 肩をすぼめた大きな目が、リョウを見つめてまた照れ笑いをしている。
 もしかしたら今、自分の中にある既成概念を根底から覆すような不思議な世界を経験しているのかもしれない。
 彼女は、本当にボクの心が読める……。
 何か得体のしれないとてつもなく大きなものに吸い込まれていく、そんな感覚がリョウをつつみこむ。
 何だろう、この感覚は……。
 邪心のかけらさえも見当たらない彼女の眼差しが追い打ちをかける。
 うそと誠。うわべと本心。人を見抜く感覚は今までの人生経験で養ってきたつもりでいる。
 彼女の目から、目がはなせない。
 真摯、真剣、真心。彼女に惹き込まれていく、自分がいる。 

 動揺をかくせないリョウは、咳払いをして彼女に尋ねた。
「それで、ボクはどんな状態なの?」
「ご自分の価値観とお仕事の内容にギャップが出てきていまして、それが疲れを生んでいます。新しいお仕事になって更にそのギャップが大きくなっています。現在の数値は3です」
「なるほど。では、君がボクの担当なのはどうして? あ、悪いって言っているのではなくて……」
「それは……」
 うつむきかげんに彼女がつぶやく。
「それは……言えません……。正確に言うと、担当ってわけではなくて……。」
 彼女の困惑の表情を従え、しばらくの間、沈黙が時を支配した。
「ま、いいや。ところで、薬って?」
「薬ではありません。『おくすり』です。飲み薬とか貼り薬とか、そういうのじゃあないんです」
彼女は姿勢を正すと、胸の前でキュっと手を握った。
「分析結果に基づいて私の心が思った処方をするのが『おくすり』です。なので、すべて私にお任せください!」
 無意識のうちにリョウは無言でうなずく。いつの間にか「疑う」という文字はリョウの辞書から完全に消え去っていた。
「でも、今日はこれで帰りますね」
「え、どうして?」
「今日はあなたに理解していただくところで終わりです。ゴールデンウィーク中になりますが、2週間後にまたおじゃまさせていただきますね。あと、ひとつだけお願いです。すみませんが、今日からはいつもこのネックレスを身につけていてください。そうしないと『おくすり』が効かないので……」
 彼女は何の変哲もない銀色のネックレスをリョウに手渡すと、いそいそと帰り支度をはじめた。
「では2週間後の朝の10時に参ります。よろしくお願いしますね!」

 玄関でさよならの挨拶を交わし、ふたりは別れた。
 夜道に消えて行く彼女の後姿を、リョウはぼんやりと見送った。
 そして、街灯に照らされて手の中でキラキラときらめくネックレスに目をやると、ゆっくりと、それを首に巻いた。

  < つづく >


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2014
11.05

【再掲載】 くげぬまや

連日の寝坊により、すみません、今日は再掲載です。

出たあああああ!!!!!得意技!!

技じゃないけど。。

今日は、このブログの第1回の記事です。
「食べレポ&ストーリー」の組み合わせをやろうと思ってから最初に訪れた店「くげぬまや」。

ボクの住む藤沢にある、いつまでもあり続けていてほしい洋食屋さんです……。


ホッとする時間が、ゆっくりと過ぎていく

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先ずは、やはり地元、藤沢からスタートしよう!
ということで、藤沢駅南口近辺でオムライスが評判の「SHIRO」に行くと、「本日貸切。またのご来店をお待ちしております」の文字……。

なにー!
仕方がないので、北口にある洋食屋さん「グーテ」を目指す。

と、「あれ?」

あるはずの場所にグーテがない。
えーー! 潰れちゃったのおおお!
こりゃ前途多難だ……どうしよう。
このまま帰るのもむなしいし。

しばし呆然としつつも、転んでもタダで起きたくない性格が頭の検索エンジンをフル回転させる。
「確か本鵠沼に洋食屋さんがあったよなあ……」
そんな頼りない記憶を頼りに、小田急線で本鵠沼に向かった。

「くげぬまや」は小田急線本鵠沼駅の改札を出て30秒程度のところにある。
4人がけのテーブルが5つ程度のお店。
白と茶を基調とした店内は、シンプルだが落ち着いた雰囲気。
寒い夜に訪れたせいか、適度な大きさと店に漂う空気が冷え切った体を暖かく包み込んでくれるようだ。

だけど、店員がいない。

しばらくして、厨房からご主人登場。

「いらっしゃいませ」
白髪交じりに眼鏡の優しそうなご主人。メニューをおいて去っていく。
今日の目的はオムライスなので、数あるメニューから「オムライスA」を選択。
オムライスAは500円。サラダ付きのBは650円。大盛りは+150円。
ついでなので、これまた好物のナポリタンも注文。ナポリタンはサイズを選べる。

「オムライスのAとナポリタン小盛、それとウーロン茶をください」
ボクの注文に怪訝そううなご主人、メニューを持って去って行く。
頭の中で「なぜ」の後に?が5つ並ぶ……。

メニューは壁にも貼られていて、それを撮影していると、再びご主人が登場。
「撮るならこっちの方がいいよ」
持ち帰ったメニューをまた持ってきてくれた。
「ありがとうございます!」
「宣伝しておいてよ」眼鏡の奥で柔和な眼が微笑んでいる。
「よかったら、今度はハンバーグを食べてみてくださいよ。30年もやってるから美味しいですよ」
柔和な眼の向こうは、優しさだけでなく、自信にも満ち溢れている。
そうかあ、売りはハンバーグなんだなあ……。

しばらくしてオムライスとナポリタンがテーブルに運ばれてきた。

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オムライスは見た目も味もオーソドックスの一言。
ふわとろでもなく、昔ながらの「安心して食べられる」味。
手作り感まんてん。ちょっとご飯が柔らかめだけど、それはそれで愛情たっぷりで、好みの問題。
最初、素朴な味にちょっとした物足りなさを感じたのだが、それは自分の舌が化学調味料に毒されているせいだ。
添加物で作られた味は途中で飽きるが、自然の味は飽きがこない。
(中の写真も撮っておけばよかった……)

ご主人が鵠沼に店を構えたのは13年前のこと。
洋食屋で修行し、自分の店を持ってからは、ひとりで店をきりもりしている。
(どうやら、最初は別の場所で店を開いていたらしい)
最近、洋食屋がどんどん閉店して行く。
「ホテルのレストランとも違うし、修行する洋食屋がないから人も育たないですねえ。開店資金もものすごくかかりますし、難しいですよ」と語るご主人。
「今度はハンバーグを楽しみにしてますね」
「後継もいないし、私ができなくなったらこの店も終わりですけど、あと10年はガンバりますよ!」
眼鏡の奥で、優しい眼がキラメいている。

店を出たときは、すっかり夜も更け寒風が身にしみる。
でも心の中では、ホッとする暖かい時間が、ゆっくりと過ぎていく……。
人生の中で、とても大切な時間だ。

2012年12月15日

■ 店舗情報 ■
住所:神奈川県藤沢市本鵠沼2-13-16
電話:0466-27-9696
営業時間:11:30~14:30 17:00~22:00
定休日:火曜日

くげぬまや 食べログ情報 

くげぬまや定食・食堂 / 本鵠沼駅石上駅柳小路駅




おかえり


「次は本鵠沼です」小田急線の社内に、車掌の軽快なアナウンスが流れる。
 アナウンスを聞いた耳が、あふれる思いを全身に運ぶ。
 次だあ。早くつかないかなあ……。
 片瀬江ノ島行きの電車の窓から、流れる夜景にぼんやりと目をやりながら、紗智子は3年前に初めて雅人と食事に来た日のことを思い返していた。

「くげぬまや」と入口の上に大きく書かれたその洋食屋の中には、4人がけのテーブルが所狭しと5つほど並べられている。白と茶を基調とした壁にはメニューが貼られ、入口の側でがなり立てるテレビが「庶民の店」を主張しているようだ。
「へえ、鎌倉のボンボンサーファーが最初に連れてきてくれる店がこういう店とはね」
 水の入ったコップを手にとり、店内を眺めまわしながら紗智子が言う。
「それはいい意味で?」笑顔の雅人が問いかける。
「うーん……。意外って言うか」
「また勝手な思い込み? だいたい、ボクはサーファーではないし」
「しょうがないじゃない、見た目がサーファーっぽいんだし、海のそばで生まれ育ったって言ったらサーファーしか頭に浮かんでこないんだから」
 紗智子は、頬をぷーっとふくらませた。
 きっとこのじゃじゃ馬は、自分が同級生だったら相手できなかったんだろうなあ。4歳差くらいがちょうどいいのかな……そんなことを思いつつも、雅人が紗智子を愛おしく感じる瞬間でもあった。
「ところで、ここはハンバーグがおすすめなんだ」
"当店自慢のハンバーグステーキ"と書かれたメニューを指差しながら雅人は
「よかったら、最初はそれにしてみない?」そう言いながら紗智子の目を覗き込んだ。
「嫌といってもあなたは聞かないんでしょ。まあ、そこがあなたの魅力だけどね」
紗智子が雅人の目を見つめ返した。
「OK。じゃあ、ボクはチーズ焼きにする。君は?」
「そうね、ベーコン焼きにしようかな。それと、オムライス!」
「お、食べるねえ!」
「だって昔からオムライス好きなんだもん」
「いいよいいよ、どんどん食べよう! 食べる前にビールで乾杯しよっか?」
「いいわよ」
 それから二人は、心のこもった手作り料理に舌鼓を打ち、たわいもない話に花を咲かせた。

 やがて食事を終え店を出るころには、冬の星座が鵠沼の空に明るく輝いていた。
「すごくおいしかったわ。ねえ、でも何でこの店を選んだの?」酔いも手伝い、ちょっぴり大胆になった紗智子は雅人の腕に手を絡ませ、甘えるような声でたずねた。
「初めてのデートには全く似合わない店、そう思うよね」雅人が優しい声で応える。
「この店はさあ、時間が止まっているというか、ずーっと変わらないんだよ。時代が変わっても、この店は変わらない。流行りに迎合しようとか、受け狙いで行こうとか、そんなのが全くない。若い頃から洋食一筋で、ひとりで店を切り盛りしているご主人の思いが店を包み込んでいるような気がして、ほっとできて大好きなんだ。いつまでも変わらずにほっとできる場所ってすごく大切だし、そういった宝物が見つかったら自分の中で大事にしたいって思う」
「ふーん」
「だから……」
「だから?」
「うん、だから」
「……?」
 ひとつ咳払いをすると、足を止め、雅人は紗智子の肩を抱き寄せた。
「だから、好きな人とはずっと変わらずにいつまでもいつまでも一緒にいたいって気持ちを伝えるのはこの店に来て、って決めていたんだ」
 一陣の木枯らしが吹く中、踏切の警報器が静寂を突き破る。紗智子は雅人をギュッと抱きしめ、広い胸にそっと顔をうずめた。

 その1年後、雅人は海外へ転勤になった。
 期間は2年間。そして、今日、任務を終えて日本に帰ってくる。
 そんな雅人が紗智子との再会の場所に指定したのが「くげぬまや」だった。もちろん紗智子も、雅人との再会の場所はこの店以外にありえない、そう思っていた。

 ひと気のない閑散とした本鵠沼駅の改札を抜けると、3年前と同じように、真冬の夜の北風が紗智子の頬につきささった。
 コートのえりに首をすくめ、紗智子は足早に店がある路地へと向かう。
 もう来てるかな? 最初はなんて言おうかな、やっぱり「おかえりなさい」かな……。

 角を曲がり裏の路地に入ると、店からにじみ出る灯りが目に飛び込んできた。

 暖かい……。
 
 できたてのオムライスのふわふわのタマゴのような灯りが、優しく紗智子を包み込む。それはまるで、紗智子が雅人に言うよりも先に、紗智子に向かって「おかえりなさい」と言っているように、紗智子には思えた。

おわり

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2014
11.04

包む文化 その8

Category: その他
うわあ、nebouだあ!
すみません、頂きましたコメントへの返信はゆっくりと書かせていただきます。。。

極東の地であり、民族抗争や宗教戦争のない閉鎖された島国である、日出国、日本。
文化の行きつく果てにして、何でも受け止めることのできる土壌。
鞄や洋服に代表される欧米の「形にあわせて詰め込む(自己顕示)文化」に対して、日本は風呂敷や着物に代表される「もの(相手)に合わせて包み込む文化」。
そんな日本は、単一民族でありながら、もしかしたらいろいろな世界の集合体なのかもしれない。

「もしかしたら本当に世界の集合体なんじゃないの???」って感じさせるのが今日の話。

え? どんな話?

それは、「日本地図は世界地図の縮図である」って話。

小さい頃、「四国とオーストラリアは似てる」って思わなかった?
(ボクは育った場所柄、神奈川県も似ていると思ってたけど)

それが記載されているのが、出口王仁三郎氏の「大本神歌」。
出口王仁三郎氏は「大本神歌」の中で、次のように述べている。

詳しくは下記ページを参照ください。
http://blogs.yahoo.co.jp/taimasa1/81983.html


日出る国の日の本は、全く世界のひな型ぞ、わが九州はアフリカに、北海道は北米に、
台湾島は南米に、四国の島は豪州に、わが本州は広くして欧亜大陸そのままの、地形を
とどむるも千早ぶる、神代の古き昔より、深き神誓の在(いま)すなり。

整理するとこういうこと。

九州 = アフリカ          
四国 = オーストラリア      
本州 = ユーラシア
北海道 = 北アメリカ                  
台湾  = 南アメリカ 

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さらに。

列島だけでなく、富士山はヒマラヤに、琵琶湖はカスピ海にといったように、山や河や湖の場所や形も似ている。

富士山 = ヒマラヤ(日本一の山=世界一の山)
琵琶湖 = カスピ海(日本最大=世界最大の湖)
下関海峡 = ジブラルタル海峡
津軽海峡 = ベーリング海峡

まだまだある!

開拓の地である北アメリカは、同じく開拓の地である北海道。

アラビア半島は紀伊半島かな。聖地エルサレムは京都の辺?

オレンジとオリーブ栽培が盛んな地中海にあたる場所は、みかんや梅の栽培が盛んな和歌山県が近い。

アフリカ大陸方面では、ジブラルタル海峡の下側にあるのが栄えた国のモロッコで、この位置は福岡県にあたる。
エジプトは大分県、南アフリカ共和国は鹿児島県。

偶然なんだか必然なんだか、でも、すごい!!

以前、千賀一生氏著の「ガイアの法則」を紹介した(2014/1/18の記事)。
これによると、「これからは日本を中心とした精神文明の時代となる」のだが、なんだかそれがわかるような気がする。

いやあ、ますます、「日本てすごいなあ」って思えてきた……。

では今日はこの辺で。。。


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2014
11.03

包む文化 その7

Category: その他
日本語には真名と仮名があり、日本人は、世界中のいろいろなものを受け入れ、吸収する。

では、日本語の「包む」というのはどういう意味なんだろう?

先ず、「包」という字形。
己が何かの中に入ってるのかなあ???

この字形は、どうやら、女性が身籠って胎内に胎児が宿っている形が元になっているらしい。
おー、母親の胎内に入って守られている状態だあ!

「守られた胎内」から外界に接した瞬間、人は母親から分離される。
そして、「おぎゃー」と力の限り泣き叫ぶ。
泣くのは肺を活発にして呼吸をするためなんだろうけど、もしかしたら別の意味もあるんじゃないかって思ったりもする。
独立した一人の人間としてポンと外界に出され、もう不安で不安で仕方がない状態なのかも、とか。
まったく覚えてないけどね。

では、「包む=つつむ=くるむ」の意味は何だろう?????

goo辞書によると……。

1 物を、紙や布などの中に入れてすっかりおおう。「風呂敷で―・む」
2 (多く受け身の形で)物をすっかり取り囲むようにする。
 「山中で霧に―・まれる」「火に―・まれた家」「事件はなぞに―・まれている」
3 心の中にしまっておいて外へ出さない。秘める。隠す。
 「―・まず話す」「悲しみを胸に―・む」
4 慶弔のためやお礼として、金を紙などにくるんで渡す。
 「車代を―・む」
5 堤を築いて水が外に流れ出ないようにする。〈新撰字鏡〉

併せて「慎む(つつむ・つつしむ)」をgoo辞書で調べてみると……。

《「包む」と同語源》

1 気がねする。遠慮する。
 「人目も今は―・み給はず泣き給ふ」〈竹取〉
2 気後れする。
 「例いとよく書く人も、あぢきなうみな―・まれて」

うおおおおおお!!!!!
「包む」と「慎む」は同じ語源なんだあ!!!!!
「慎ましい」=「表に出ないようにする」=「包む」ってカンジ???
心や気持ちを包み込むんだね。
お香典を小さい風呂敷で包んで持っていったりするのはそのためなのかな。

それと、包まれた物には、そのもの以上の価値やパワーが宿ると信じられてきたようだ。
「衣(ころも)」の語源も「包む(くるむ)」のようだし、人は衣に包まれてパワーアップしているのかな?
「おくるみ」に包れた赤ちゃんは可愛いし。

あ、そうかあ!

だからかあ!!

だからクルム伊達公子さんはあんなに活躍できるんだあ!

それはさておき。
身近なもので「包んでパワーアップ」に該当するのはどんなおがあるんだろう???????

では、今日は11月3日なので、出席番号29番の……。
もう、このパターンは飽きたね。学校休みだし。

おむすび・おにぎり!

「おむすび」と「おにぎり」の語源には諸説がある。

代表的なので言うと、「おむすび」は古事記に登場する三柱の神「天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)」と「高御産巣日神(たかみむすびのかみ)」と「神産巣日神(かみむすびのかみ)」のうち、「高御産巣日神」と「神産巣日神」に共通する言葉の「産巣日(むすび)」から名づけられたというもの。
「むすび」は神様であり、この神様の霊力をご飯の中にギュッと入れて食べる。
そして、形は三角形(山型)。当時の日本人は山を神格化していたので、山型には神の力があるということでこの形に。

一方の「おにぎり」。
こちらは「鬼切り」といった説もあるけど、一般的に「握飯」(にぎりいい)から「握り飯」(にぎりめし)そして「おにぎり」へと変化したものと言われている。

おむすびにしてもおにぎりにしても、何れにせよ作り手が両手でご飯を包み込むように作るのには変わりない。

手で、ギュッギュッと。
そこに梅干しや鮭、それと、たくさんの愛情を詰め込んで……。

なるほど。
もしかしたら、遠足などで何の気なしに食べていたお母さんのお手製のおにぎりが一番美味しいのかもしれない……。

おっと、そろそろタイムリミットだ(何の?)。

では今日の最後はお店の紹介。

新宿御苑のある、こころむすび ( ← リンク )

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こちらの店の名前の由来がいい!

ホームページにある案内にはこう書いてある。

修業時代に、親方は私にたくさんの事を教えていただきました。
料理はもちろん、包丁技術、食の知識、商売の心構え、商売に対する姿勢、そして遊びなどです。
おむすびの語源が「米と米を結ぶ」だということも親方に教えていただいたことのひとつです。
おむすびの語源は色々な説があるそうですが、この話を聞いたときに、何故か心温まる思いがしました。
それから10年の月日が流れ、「米と米を結ぶ」は僕の中で「心と心を結ぶ」に変わりました。
「あの心温まる、ほんわかおむすび、一口食べたらなぜかホッとするおむすび、そんなお店があったらいいな!」
そんな店があれば、人はもっと明るくなり、笑顔に溢れ、優しくなれるのでないかと思いました。
そんなお店を作りたいと思い当店を開店しました。
「一人でも多くの人と心と心で結ばれたい」
こころむすびはこの想いがたくさん詰まったお店です。

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素敵なコンセプトだよね!
店主自ら選ぶ食材で作った美味しい料理と、それを引き立てる美味しい日本酒。
いやあ、これからの季節、たまらないね。

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では今日はこの辺で!!

こころむすび 食べログ情報

こころむすび日本酒 / 新宿御苑前駅新宿三丁目駅新宿駅


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2014
11.02

包む文化 その6

Category: その他
日本語は「まな」と「かな」の組み合わせ。

まなかな。

141102manakana1.png


違うでしょ!

真名(漢字)と仮名。

この組み合わせや使い分けで臨場感のある表現ができる。
たとえば……。

「我々は、宇宙人である」

これでは「ふーん」ってカンジ。

「われわれは うちゅうじんである」

これもしっくりこない。

でも、

「ワレワレハ ウチュウジンデアル」

こう書くと、人間じゃない姿かたちの生命体がしゃべっている光景か、もしくは、のどを手でトントンしながら、ちょっと口を横に開き気味にして、抑揚のない声で「ワレワレハ……」ってしゃべってる光景が目に浮かぶ。

片仮名って便利だよね。
自分の範疇外のものを表現する(受け入れる)ときはみんなカタカナにしちゃう。
外人が片言の日本語をしゃべってるのを表現するときも片仮名を使うし。

「すみません、駅はどちらですか?」

「スミマセン エキハ ドチラデスカ?」

日本人の識字率が世界的に&歴史的に見てもとても高いのは、「漢字がわからなきゃあとりあえず聞いたままを仮名で書いちゃえ!」のようなところも理由にあるんだろうなあ。
徐々に漢字を覚え、仮名に加えて行くことで、いや、漢字と仮名を使いわけることで(たとえば、「心」と「こころ」)、感情を言葉に埋め込み、「言霊」が形成されていく……。
すげーなあ、日本語。

余談だけど(余談ばっか)、文章に占める漢字の割合は減っているらしい。

安田美典さんが発表した「漢字の将来」という論文が、多くの反響を呼んでいるという。
この論文の結論は「漢字はいずれなくなる」というもの。
安田さんは小説の文中で使用されている漢字の割合を調査。結果、50年ごとに62字の割合で漢字使用が減少していて、このままこの割合が直線的に進むとすると、西暦2190年ごろには文章はかななど表音文字ばかりで書かれることになると言うのだ。
 
そんなバナナ!
ありえねーよ!
と思いつつ、でも……、

「すみません、クライアントからクレームのメールがありまして……」
なんて会話を日ごろしてるのを思い返すと、「もしかしたら……」って思ってしまう。
「縦書き」から「横書き」に移行しているのも漢字の減少を促進するかも、とも思う。
横書きだといろいろな文字を受け入れる多様性は広がるからね。

嬉しい ⇒ うれピー ⇒  (●⌒∇⌒●)わーい  











(





)





まあ、とにかく、洋の東西を問わず、いろいろなものを吸収する文化は「日本語」という言語にも組み込まれている。

極東であり、日出国である日本。
優しく、柔かく、優柔で、八百万の神が存在する日本は、世界を寛容に受け止めて包み込んでいるのか???
もしや、和の文化、包む文化の真骨頂はここにあるのか???

では、今日の最後は真名仮名で。

あ、茉奈佳奈で!
(ざーとらしいんだよー!)
(それ、ふるー!!)

141102manakana2.png


● 夢の画用紙




● 泣いて笑って




● いのちの歌





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2014
11.01

包む文化 その5

Category: その他
八百万の神が君臨し、多くの人称表現が存在する日本。
その日本では、婉曲的な表現が好んで使われる。

「森羅万象に八百万の神が宿る」というのは「神道」の考え。
いろいろなものを否定することなく認めて受け入れる多様性や価値観を日本人が持っているのは、この「神道」の魂がDNAに埋め込まれているからではないだろうか。

以和為貴。

「和を以って貴しとなす(わをもってよしとなす)」

はい、これは誰の言葉でしょう???
では、今日は11月1日なので、出席番号29番のOmunaoくん!

えー!いきなし!!
出席番号と関係ないじゃん!!!

えーと、えーと……。
和かあ、貴かあ……。
えーと、えーと……。

わかったああ!!!

原田貴和子!

ブッブー!!!!!

bubu.png

違います。

「和を以って貴しとなす」は、西暦604年に聖徳太子が制定した日本最初の成文法「十七条憲法」の最初の言葉。
仏教が伝来し、欽明天皇より仏像を賜り熱心に礼拝する蘇我氏。一方、それに敵対する、神祇崇拝を重んじてきた物部氏。この争いに聖徳太子は、仏教を尊びつつも宗教的熱狂の危険を察知し、支配原理でなく「寛容」の精神を説いた。
まさに「八百万の神」の魂。信仰や政治の原理を説くよりも先に、いろいろな価値の容認と平和共存を優先したんだよね。

世界の宗教は唯一神への信仰を求める。キリスト教徒やユダヤ教徒にとっての信仰の基盤であるモーセの十戒は「わたしのほかに、なにものも神としてはならない」を第1条としている。
う~ん、八百万の神とは対照的。
「唯一神」の教えで生まれ育った(その考えがDNAに刻まれている)人から見ると、八百万的な考えは「主体性(己)がない」とか「八方美人」に思えたりもするんだろうねえ……。

でも、「唯一神」と「唯一神」のぶつかりあいでは、宗教的熱狂者が他者を激しく排除し、争いが絶えることはない。
地中海方面では今もキリスト教、ユダヤ教、イスラム教が猛烈な争いを続けているし、イスラム教は同じ宗教でもスンニ派とシーア派に分かれて激突している。

一神教の世界では、神の敵は容赦なく地獄に落とす。
たとえば、「サタン」。
聖書中でサタンは、かつては神に仕える天使でありながら、神に反逆した地獄の長とされている。

だから、白黒はっきりつけるし、一人称の「I」はいつなんどきでも「I」なんだろうね。
西欧人が「おれっちねえ」とか「あたいさあ」とか「うちかて」とか「おいどんは」とか言うのって想像つかないし。

ここに見え隠れするのが、「多民族の中の唯一性」と「単一民族の中の多様性」の違い。

単一民族である日本人。「大和民族」って呼ばれる。
大いなる和の民族。
いろいろな価値観を受け入れて柔軟に対応することが身についている(しようとする)民族なのかな……。
前回の神さん、神田さん、神村さん、神谷さん、じゃないけど、……、名字の種類が多いのも、いろいろなものや人を認め共生し、受け入れていった結果なんだと思う。
謙譲語、尊敬語、丁寧語、階級用語、男女用語、感情用語、方言……。
言葉も、相手や自分の態度・位・場所・性別・性格などに合わせて細かく使い分ける。
相手の気持ちを優先し、または争いになるのを避けて、あるいは自分が嫌われないように、曖昧な表現で丸く収める。
その裏には、単一民族がゆえに、「日本村の村八分になりたくない。嫌われたくない」の思いもあり、「相手を受け入れる」につながっているとも思う。
だから、その思いが、「優しさ」や「柔かさ」として表出することもあれば、「優柔不断」として表出することもある。

そもそも、日本語ってすごいよね。
(話が飛ぶけど)

優しいし、柔かし、優柔不断だよね。

漢字に平仮名に片仮名にローマ字。

アルファベットが表音文字で各々の文字に意味をなさないのに対し、日本語は表音文字の平仮名や片仮名に表意文字の漢字が混ざり合っている。

アルファベット「おい、表音文字なのか表意文字なのかハッキリしろよ!」
日本語「えー、だって……」
アフファベット「だってもへったくりもない!」
日本語「でもさあ……・。両方あった方がわかりやすいじゃん!」
アルファベット「いい加減なやつだなあ」
日本語「てめー、下手に出てやってたらいい気になりやがって」
アルファベット「うわっ!な、なんだこの豹変ぶり……」

普段は温厚で、相手を重視して自分を隠す。
でも、怒って自分を出した時のギャップがまたすごい。
日本人って、キレると怖いかも。
太平洋戦争中に欧米が最も恐れたのは日本人の「大和魂」。
侍。ハラキリジャップ。
お国のためと、特攻隊になって自らの命を捧げる。
戦後の日本のいろいろな動きは、これを封印させるために作られたもの。
余談だけど、戦勝国は、A級戦犯だった人間をCIAのエージェントとし日本を統治させた。以前にも書いたけどね。
政治は岸信介。
興行は読売の正力松太郎。
フィクサーは児玉誉士夫に公営ギャンブル(ボートレース)の笹川良一。

おっといけない。話を戻そう。

「自分を隠す」

これはキーワードかもしれない。

いろいろある日本語の一人称の代表が、「我」。

さて、「我」って象形文字なんだけど、これ、何を現しているんだろうか???

では、今日は土曜日なので、出席番号29番のOmunaoくん!

おい、またかよ~!
どして???

えーと、えーと……。
さっき出て来た「蘇我氏」の我だよなあ。。。
仏教か???
えーと、えーと……。

あっ、わかった!

蛾だ!

ブッブー!!!!!

bubu.png

違います。

正解は、矛(ほこ)と、戈(ほこ)。
ともに武器。「我」という武器を持つことで戦いになる。
つまり、自「我」へのこだわりで争いや争いになるってこと。
「我(自分)を隠す」というのは、「争いになる武器を隠す」ってことなんだろうね。
そうすると、蛾はめっちゃ武器を持った虫なのかなあ???
 
あ、そろそろタイムリミットだ。
(何の?)

続きは次回。

ではでは!

● 11月の雨  T-SQUARE





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