2015
03.31

【再掲載】 シロイゼカマクラ

Category: その他
桜も開花し、だんだんと海辺で佇むのが心地よい季節になってきた。
そろそろ湘南の海に行こうかな……・。
今日は、そんな海がある、ボクを育ててくれた鎌倉の地の記事の再掲載です。

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先日鎌倉を訪れて、ふと思った。

あ!そう言えば!

何か?

看板。

店の看板。

看板がどうしたって?

看板が白い。

鎌倉市条例第16号「景観条例」というのがあり、「広告物等を表示し、又は設置しようとする者は、当該広告物等を周辺の景観と調和させるよう努めなければならない。」とされている。

要するに、古都鎌倉の景観をそこねるような色合いはダメと言っている。

確か、京都にも同じようなものがある。

さて、では、白い看板を見つけに行ってみよう!

先ずは鎌倉駅に降り立つ。

IZA KAMAKURA!

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ここからスタート!

えーと、お!あった!


先ず目につくのが、東口駅前ローターリーの向かって左手に隣接する「横浜銀行」。

これがノーマルバージョン。藤沢駅前の横浜銀行。

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これが鎌倉駅前の横浜銀行。

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なんか通り過ぎちゃいそう……。

続いて、横浜銀行の先、小町通り入口にある「ルノアール」と「和民」。

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うわ、しろ~!

さらに進みましょう。

今日は小町通りには入らずに、ロータリーの反対側にある「ケンタッキーフライドチキン」。

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なんか作りかけの看板ってカンジ。。。

では、鶴岡八幡宮から続く若宮大路に出てみましょう。

海に向かって歩いてすぐにある「ローソン」。

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どうだろう。

もともと青と白の組み合わせなのでまだ違和感がないかなあ???

ローソンを横目に海に向かってもっと進んで行きましょう。

いやあ、スリーエフも白い!

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お!ドコモ!

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あれ? こんなだっけ?

元をよく覚えていない……。

うわあ!ソフトバンクも白い!

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あ、ソフトバンクはもともと白いんだっけ。。。

いけない、いけない。

この勢いで海辺まで行ってみましょう!

おおお、またローソン!

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さっきのローソンとは微妙にデザインが違う。

しかも、しかも、タイムスも白いぞー!

なんか色あせちゃったようなカンジ。。。

塩害ですか???

うわああああ!!!!!!

三井のリパークもだああああ!!!!!

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いったい、どうなっちゃってるのおおお。。。

今日は行かれないけど、このまま海を江の島方面に行くと、「吉野家」も白い。

クルマのライトもしろい!

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あたりまえかあ。

なんかあたまのなかがまっしろ……。

あああ、かんじまでわすれてひらがなだああ。

おーばーひーとした、ぼーっとしたあたまをうみかぜでひやそう。

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……。

ふー。

何とか落ち着いてきた。

ああ、海風が気持ちいいなあ。。。

白い看板だけ注目してるとなんかおかしくなりそう。

景観条例かああああ。

いやあ、白い看板の世界。

シロイゼカマクラ!

みなさん、いかがでしょうか。

鎌倉に行ったときはぜひ見てみてください!


ん?

き、きみは!

3歳馬の「クロイゼリンチャン」では!

ガンバレよ~!

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最後は、白毛の「ユキチャン」も載せとこーかね。。

131104yukichan.png

ではでは!


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2015
03.30

作ってみた、納豆オムライス!

好きな食べ物。

オムライス、メロンパン、……。
不思議と、気があったり、似たような考えを持っていたりする人って、食べ物の好みもあったりする。

納豆。

好きか嫌いか分かれるこの食べ物。
ボクは好きでよく食べてるんだけど、先日、オムライス好きでメロンパン好きで納豆好きの方と会話していて話題になったのが納豆オムライス。

美味しいかも!
その場で頭の中にパッとイメージが浮かんだ。

ということで、作ってみた。

ご飯をちょっとフライパンで焼く(油は使わない)。
そのご飯を更によそり、に明太子とほうれん草or小松菜(ネギもいいかな)を入れ、醤油を少々入れて混ぜる。
その上に納豆を乗せる。

次に、軽く塩コショウを入れた卵をフライパンで焼く。
焼き方だけど、熱したフライパンに5秒程度卵を入れてかき混ぜ、一度器に戻す。
こうするとふわとろの部分が作りやすい。
器でもう一度かき混ぜ、再度フライパンで焼く。
これも時間はかけずに、上は半熟状態(と言うより生に近い状態)で引き上げる。

ご飯の上にフライパンの卵をひっくり返して乗せる。
(半熟の部分がたまごかけご飯のようにご飯にかかる)

これにたまごかけごはん用の醤油をかける。量はお好みで。
最後に刻みのりを乗せて完成!
形はうまくないけどご勘弁。

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で、食べてみたけど、結構行ける!
明太子がいい!

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和食の朝食で、「たまご納豆に明太子と海苔、それとほうれん草のお浸しの組み合わせを一緒にしちゃっただけだろ」なんて言われたら言葉に詰まっちゃうかもしれないけど、ま、美味しければいいでしょ。。

興味のある方は、是非食べてみてください。
ご飯が進みますよ!!

さてさて。
ご飯が進むと言えば……。

これ!

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熊本赤牛旨飯だれ
相模大野の伊勢丹で売っているので買ってみたけど、めっちゃ美味しい!!!

くまモン好きにはたまらない逸品!
あ、じゃなくて、ピリ辛の甘辛好きにはたまらない逸品!!
熊本にある「(株)菊池商店」が製造販売していて、嬉しいことに通販もある。

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阿蘇山jp ( ← リンク )で購入できる。
このサイトには、他にも美味しそうな商品がたくさんあるので、覗いてみてください!


さあ、3月も残りわずか。
出会いと別れの季節。
別れは寂しいけど、素敵な新しい出会いもある。

人との出会いはもちろん、「新しい自分」に出会えたら、それも素敵なことだと思う。
さあ、今週もはりきっていきましょう!


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2015
03.29

【再掲載】 日本語とヘブライ語

Category: その他
世界の歴史や文化を見ていると、不思議なつながりがあってとても興味深い。
今日は、そんな記事の再掲載です。


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以前、北海道の知床で、「地の涯(ちのはて)」というホテルに泊まった。
知床五胡を巡るには絶好の場所だし、近辺で野生の鹿や北キツネにお目にかかれることもある。

何よりも「ちのはて」という名前がすごい!
ホテルの方に伺ったところ、「知床」というのはアイヌ語で「ちのはて」を意味するとのこと。

なるほどねえ。知床ってそういう意味だったんだあ……。

ボクは何かと起源や元祖に関する話が好きなので、物知り博士になった気分で知床の意味を周囲に触れ回ったりした。

起源に関して勝手に類推するのも好きだ。
たとえば、アイヌ民族と沖縄民族ってともに縄文人っぽいから、元は一緒で、弥生人に追いやられて北と南にわかれたんじゃないのかなあ、とか。


さて今日は、そんな興味から見つけた「日本語とヘブライ語の関係」について。

日本語とヘブライ語が似ているというのは、眉唾ものかもしれないし信憑性はわからないが、「日ユ同祖論(日本とユダヤのもとが同じ)」に代表されるように、いろいろと言われている。

wikipedia「日ユ同祖論」← 詳しくはこちら(リンク)

例をみてみよう。

表記は、上から「日本語」「ヘブライ語」「訳」

君が代

君が代は
クムガヨワ
立ち上がれ

千代に八千代に
テヨニ ヤテヨニ
神に選ばれしシオンの民よ

さざれ石の
サッ(サ) サリード
喜べ!神の国を受け継ぐ残された民よ

いわおとなりて
イワオト ナリタァ
神の予言が成就する

苔のむすまで
コ(ル)カ ムーシュマッテ
全地で語り鳴り響け!


かごめかごめ

かごめかごめ
カゴ・メー カゴ・メー
誰が護る 誰が護る

かごの中の鳥は
カグ・ノェ・ナカノ・トリー
硬く安置された物(神輿・アーク)を取り出せ!

いついつでやる
イツィー・イツィー・ディユゥー
契約の箱に封じ込められた神器を取り出せ

夜明けの晩に
ヤーアカヴァニティー
神譜を取り 代わるお守りを作った

鶴と亀がすべった
ツル・カメ・スーベシタ  
未開の地にたくさん水をひいて

後ろの正面だあれ
ウッシラ・ショーメン・ダラ
水を溜め、その地を統治せよ!

その他、「ソーラン節」の意味とか、相撲の「はっきよい、のこった」は「やっつけろ。お前は敵を撃破した」だとか、いろいろと言われている。

言葉だけでなく、神社やお祭りも。

え~と、たとえば鳥居。

モーセが、「エジプト脱出(ヘブライ奴隷集団の脱出)」の際、ヘブライ人たちに“殺戮の天使”の害に合わないためにと、玄関口の二本の柱と鴨居に羊の血を塗らせ、“殺戮の天使”が静かに通り過ぎるまで家の中で待つように指示したとある。ちなみに「トリイ」はヘブライ語アラム方言で「門」という意味。

この「エジプト脱出」の前夜の話は「過越祭」となった。この祭を調べてみると、日本の正月によく似ている……。

それと、羊かあ……。

そういえば、「羊を神に捧げる」という話がある。

「犠牲」の「犠」は、牛と羊で我を隠している。

「羊」という漢字は羊を前から見た姿で、「美」は後ろ(上)から見た姿という。

羊は、人の代わりに犠牲となってくれる美しい生き物???


そう考えると、いろいろなものがつながってくる。

いやあ、世界はつながっているのかあ?????

興味がある方は調べてみたらいかが。。。

では最後に、世界をつなげた歌をどうぞ。

● 恋のマイアヒ





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2015
03.28

代々木公園付近の素敵なお店 その2 mid.(後編)

Category: その他
さてさて、mid.の前編を書いてから随分と間があいてしまった……。
えーと、前回は店内に入ったところだったよね。

もう一度、mid.のパノラマを見てみよう!
Tokyo cafe360° ( ← リンク )


こんなカンジのわくわく空間。

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時刻は14:30くらいだけど、ほぼ満席状態。
というか、2人掛けのテーブルがひとつ空いているだけ。
ようするに、最後の席を確保できた。
ラッキー!
これで座れなかったら「何しに来たのか」ってところだし。

腰を落ち着け、メーニューを拝見。

ん???
ランチメニュー?
本日の御膳
ハンバーグ御膳
サンドイッチ
スパゲティ
タコライス
……

あれ?
これだけ?

オムライス、は???

ガ~ン!!!
ランチの時間はないのかああ!!!!!

ショック。。
でも、3秒で立ち直り、タコライスチョリソー乗せ980円を選択!
これも美味しそうなのでいいかな。

タコライスの到着を待つ間に、ぐるりと店内を眺めまわす。
満席だけど、しゃべり声はあまり聞こえずとても静か。BGMが心地よい。
何だかクリエイティブな気分になってくる。
まわりを見ると、すごい確率でパソコンとにらめっこをしている人がいる。
えー、何人いるの?
ぱっと見だけでも6人は確認できる。
書き物をしている人もちらほら。
いやあ、なんだか刺激的!

そうこうしているうちにタコライスが運ばれてきた。

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うわっ!レタスばっかじゃん!
って思うけど、中にはチョリソーとたっぷりタコミートが。。

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ではいっただっきま~す!!!

最初は「けっこうあっさり」と感じるけれど、次第にピリ辛感が舌に伝わってくる。
チョリソーはパクっと行きましょう!

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うん、美味しい!!

まあでも、どちらかというと食事の美味しさよりも、時間や場所を楽しむカフェかな。。
何れにせよ、興味深い店であることは間違いない。

しばしmid.の雰囲気を楽しんみ、店を後にする。

この日、他にも行きたい店があった。
ドーナッツが評判の、ハリッツ( ← リンク )
残念ながら日曜日は定休日。
なので外観だけ。
ぱっと見は普通の家のようだし、細い路地にあるのでよく地図で場所を確認していかないと気がつかない。

この自動販売機のある角を曲がった右手にある。

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店のサイトに載っているドーナッツの写真。

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いやあ、めっちゃ美味しそう~!!

それと、代々木上原の駅前にあるdish( ← リンク )も良さ気。

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代々木上原周辺は、大都会渋谷、新宿に囲まれていながらも、とても静かな落ち着いた雰囲気を醸し出していて、とても居心地が良い。昨年、デング熱で代々木公園が閉鎖になることもあったけど、風の心地よいこの季節に散策するには最適だと思う。

さてと、次回はどの辺に行こうかな。
やっぱり、次はオムライスだな。
美味しいメロンパンもいいなあ。。
ゆっくりと考えてみよう。

ではでは!


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2015
03.25

Excel画つきの3つの記事

Category: Ecxel画
スミマセン、mid.の続きを書く時間がとれていません……。
今しばらくお待ちください。

「つなぎ」ではないのですが、今日はExcelで描いた絵付きの3つの記事を併せて再掲載。

ところで……。

一昨日、最初の記事の「第1回くげぬまや」から食べレポ&ストーリーをひとつひとつ読んでいただき拍手をくださった方。とても嬉しく思います。
どなたでしょうか? 
感謝感激。もしよろしかったら、鍵コメとかで「こそっと」でもよいので教えて頂けたら幸いです。


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ゆるキャラとオムライス

オムライス。

〇か☐か?

  〇である。

柔か剛か?

  柔である。

冷たいか優しいか?

  優しい。

そう、オムライスは、まるくて、やわらかくて、そしてやさしい。

ドラえもん、アンパンマン、トーマスの顔、みんな丸い。
子供が安心する。

地震と津波が街を襲い、ミサイルの恐怖が現実味を帯びる。

限られた牌を取り合う資本主義は限界を迎えようとしている。最終局面である企業のグローバル化が進み、効率化を追求した人員整理に拍車がかかり、就活組は日本人だけでなく他の民族も交えた競争にさらされている。

鋼の強さを求め突き進んできた時代は内包していた矛盾をさらけ出し、鋼自ら、硬いものは簡単に折れてしまうことを露呈しつつある。

幸せを、豊かな生活を夢見てきたはずでは?

でも、何が幸せで、何が豊かな生活?

精神的な充足は? 安らぎは?

前を向いて歩く。
幸福な未来を信じて歩く。

どんなフィルターを通して世の中を見ようか。
今ボクは、まるくて、やわらかくて、そしてやさしいオムライスに焦点を当てている。

オムライスは絵になる、と思っている(大好物だからひいきめもある)。
味噌カツが絵にならないとは言わない(何で比較対象が味噌カツ……単に頭に浮かんだから)。

でも、「味噌カツのある風景」はなんか違う(ゴメン、味噌カツ)。


ゆるキャラ「くまもん」をExcelで描いてみた。

「くまもん」もまた、まるくて、やわらかくて、そしてやさしい……。

ゆるキャラとオムライス。根底でつながっている気がする。

くまもん5


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自転車

桜の季節が終わったら 自転車を買いに行こう

サイクルショップで見つけた お気に入りの 真っ白いやつ

空の向こうまで どこまでも続く道

そいつで走れば きっと気分は最高

どこに行こうか

碧い海? 清流の山? 賑わう街?

それとも

ほら 新しい自転車を手に入れたんだよ!

ねえ 見て見て!

もう一度 きみの心の中を走れたらいいのにね 


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街角の小景

「もしもし。ごぶさた。……。突然だけど、明日の夜、会えるかな? よかったら、今度は、君が好きな場所にボクを連れていってほしいんだ……」
 電話を終えると、男は、電話ボックスをはなれ夜中の街へと消えていった。

 これが最後のお客さんかな……。

 12月の夜空は雲ひとつなく晴れわたり、オリオン座が鮮やかに輝いている。
 そんな空から、凛とした冷たい風が一団となって、一直線に街に吹き込む。

 彼は、とある街の、とある駅前に設置された電話ボックス。
 彼が設置されてから、もう随分と長い年月が経つ。

 かつてはこの街も活気にあふれていた。大きな企業の城下町で人の往来も激しかったのだが、その企業の業績が悪くなりこの街にあった工場が閉鎖されて以来、一気に人通りが減った。市が行う新たな企業誘致も隣街が中心で、世の中に取り残されたようなこの街全体を、重い空気が支配している。

 そんな重い空気は、彼にも押し寄せた
 彼の役目も今日で終わり。時代の流れには勝てず、明日の朝になったら撤去される予定だ。

 朝になったらお別れか。せめて、明日のクリスマスイブの景色くらいは見たかったなあ……。 

 思い返せば、いろいろな声を聞き、いろいろな話しをつないできた。
 入試合格を伝える喜びの声。
 つらい別れ話。
 駆け引きで手に汗を握る商談話。
 ……。

 彼の中を、思い出が駆け巡る。
 モデルガンをもった少年グループに襲撃されたこともあったっけ。あのときはBB弾で見事にガラスを割られた。
 そんなことも、今ではよき思い出。

 思い出にふける中、

「おい、この野郎! こんなところにボケーっと突っ立ってやがって」
 夜討ちのごとく、突然、初老の酔っ払いが、彼に向って突進してきた。
「なんでオレがクビなんだよ。えー? ふざけんなよ……ちくしょー……」
ドアをガンガンと叩くと、酔っ払いは片手に持っていた缶ビールを彼に浴びせた。
「なんとか言えよ。……くっそー……バカヤロー……」
ドアにもたれかかり、酔っ払いは続ける。
「どうせ、役立たずのおいぼれは用なしだよ。どいつもこいつも、つめて―よな」

 やれやれ、またか……

 最近、こういったことが、明らかに多くなった。
 最後ばかりは静かにすごしたかったけど、ま、しょうがないか……。
 そんなことをされても、今の彼には怒りもわいてこない。むしろ、微笑んであたたかく包んであげたくなる。
 オジサン、ボクも同じだよ! オジサン、ガンバんなよ! オジサンには明日があるよ!

 しばらくして、酔っ払いは彼のもとを去って行った。

 最終電車が終わり駅の明りが消えると、やがてタクシー乗り場の人影もなくなり、街は完全に眠りについた。
 
 くっきりと夜空に浮かぶ月の灯が、彼をぼんやりと照らしている。

 どうやら、先ほどかけられたビールの酔いが回ってきたらしい。
 いたたまれない悲しみと恐怖が、彼を襲う。

 やっぱり、壊されるのは、すごく怖い……。
 この街のみんなと別れるのは、とてもつらい……。
 だれか、だれかボクを助けてー!
 だいたいボクは、みんなの声や話をつたえてきたのに、ボクの話なんて誰も聞いてくれないじゃないか。ボクはまだここにいたいのに……。
 こんなに寂れちゃったけど、明日はこの街も賑やかなんだろうなあ。ボクがなくなったことなんて、誰も気がつかないんだろうなあ……。
 まったく損な役回りだ。でも、『おセンチな電話ボックス』なんて、ちゃんちゃらおかしいしなあ……。
 あー、月がきれいだ……。
 最期は『月見酒』か? それもいいな。
 おーい、お月さん、きみはボクのお友達かい?
 このまま寝てしまえば、楽かなあ。はい、今日の営業は終了で~す、ってね。ボクの営業は、これをもって、これをもって、……。

 そんな彼のもとにひとりの少女がやってきたのは、もう、時計の針も2時をまわった真夜中のころだ。

 少女は、電話ボックスに入り受話器をそっと手にとると、ゆっくりと話しはじめた。

「もしもし……」

 ん? おいおい、ちょっとまてよ。
 電話っていうのはね、カードか硬貨を入れて、それから電話番号を押してから話すもんですぜ、お嬢さん……。
 まったく、あきれてつきあっていられないね。
 ボクの眠りの邪魔をしないでおくれ。
 ボクはもう、すっかり寝ているんだ。
 お休み……。
 ……。

「もしもし、聞こえますか、電話さん。私は明日、彼と結婚します。この街をはなれ、彼の故郷に嫁いでいきます。3年前のクリスマスイブに、私の思いを伝えてくれたのは、電話さん、あなたでしたよね。ありがとう電話さん。いつまでも、いつまでも元気でここにいてくださいね……。ありがとう、私のサンタさん……」

 少女は受話器を両手で包みこみ、そっと胸にあてた。

 一陣の風に飛ばされた空き缶が、枯葉とともに音を立てて歩道を転がる。

 しばらく受話器をギュっと握りしめていた少女は、やがてドアを開け、別れを惜しむかのように、静かに閉めた。

 あと数時間もすれば、いつもと同じように新しい朝がやってくる……。

 少女が立ち去った街角では、先ほどよりも輝きを増した月明かりが、いつまでも電話ボックスを照らし続けていた。


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2015
03.23

代々木公園付近の素敵なお店 その2 mid.(前編)

Category: その他
この日は快晴。気温も20度近くにまで上昇。でも、なんとなく花粉症の症状は軽い。
お、いけるかな???

どこに?

そう、第1回で足踏みしていた、代々木公園付近の素敵なお店探し。

よし、行こう!!

ということで、小田急線に飛び乗り、一路、代々木上原へ。
13:00過ぎに出たのだけれど、ちょうど、快速急行があったので、14:00前には代々木上原駅に到着。

150323uehara1.png


落ち着けるカフェで美味しいオムライスを食べようと、目的の店を定める。
で、選んだのが、初台方面にある、mid.

最寄りの駅は代々木八幡だけど、散歩がてらに代々木上原の商店街を抜けて行いくのもよい。
駅の北口を出て山手通り方面に進む。
この辺りは街がきれいで、商店街でもごった返した雰囲気はなく、とても静か。

やがて代々木八幡が視界に入り、山手通りにぶつかる。
交差点を左折し、山手通りを新宿方面へ。

mid.は山手通り沿いにある。
代々木八幡からさほど遠くないところにあるようだけど、さて、どの辺かな???

と、ここで失敗!
あれ、新宿の高層ビルが随分近くに見えるぞ~???

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店の看板を見逃さないように歩いていたんだけど、通り越してしまったあ!
首都高速環状線の初台南ランプを目印にして、そこの先に店があると思い込んでいたのがいけなかったのかな……。

引き返し、無事に店を発見。
目印にするなら「初台坂下」信号かな。そのすぐそば。
三叉路になっていて交番が交差点にある。

150323uehara3.png


何となくクリエイティブなカンジの外観。
おー、この中にはどんな世界が広がっているんだろう???
何だかとてもわくわくする。。

気持の高ぶりを従えてドアを開け店内に。

うわああ!

説明するより、このページを見てもらった方がよくわかる。

Tokyo cafe360° ( ← リンク )

いやあ、これは面白い。
素敵な時間が待っているような、そんな予感が……。


つづく


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2015
03.22

【再掲載】 Pepita Lion

ここ数日、うぐいすのきれいな鳴き声が、爽やかな朝を演出してくれている。
う~ん、春だねえ。

ところで、振り返ると、去年もこの時期に再掲載シリーズをやってた。
どうやら、1年に1回、そんな気持ちになるようだ。

え?

「単なるサボり」だって!?

や、やばっ!

花粉症のせいかなあ???
(と、言い訳してみる)

ということで、今日は藤沢市の湘南台にあるペピタライオン (Pepita Lion)の記事の再掲載です。


北藤沢に佇む文化的癒しの空間


150322pepita1.png


この日は木曜日。
週始めに、なにげにネットでオムライス検索をしていたら、なんと、地元湘南台に美味しい店があるという情報が出ているではないか!
これは行くしかない!
では休みの日に行こう。そう考えていたのだが、お腹が許してくれなかった。
休みまで待つ? なんだそれ。ふざけるなよ。
まあ、自分のお腹とケンカしても仕方ないし、て言うかしたくもないし、て言うかできないし、ここはお腹に素直に従って食べに行こう!

ということで、会社の帰りに湘南台駅東口にあるPepita Lion(ペピタライオン)にGO。

ただし、ひとつだけ気がかりなことがある。
何かって?

それは花粉症。
この日は暖かい上に風が強く、街を歩いていて、「おい、今日はオレ達の好き勝手にさせてもらうぜ」って傍若無人に暴れまわる花粉軍団の姿を強く感じる……。
となると、「なにぬねの」が言えなくなるくらい鼻が詰まる可能性があるわけで、そうしたら味なんてわからない!

“どうか鼻が詰まりませんように”
そう祈りながら駅から店への道を進む。

やがて店に到着。どうやら春の神様が花粉軍団を押さえ込んでくれた。
OK、鼻は大丈夫だ。

大きな窓に囲まれた店から溢れる暖かい光が街路を照らす。
う~ん、間違いなくひかれますね、この光……。
外観もシンプルなお洒落を演出していて好感がもてる。

数人の女性客と入れ違いに店内に入る。
客はだれもいない。落ち着いて食べられそうだ。

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早速メニューを拝見。
えーと、オムライスは・・・。

わーお、いっぱいある!
トマトソース880円。
デミグラスソース880円。
チキントマトソース950円
チキンクリームソース950円。
きのこクリームソース950円
きのこデミグラスソース950円。
それに、各々プラス100円でとろーりチーズ入にすることもできる。

さてどれにしようか?

注文を取りに来た店員さんにおすすめを聞くと、デミグラスソースとの応え。
ではと、ここはオーソドックスにデミグラスソースのオムライスを注文。

しばらくしてお待ちかねのオムライスが登場した。

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すごい湯気。
ほっかほっかのオムライス。

ボリュームはちょっと少ないかな。

さて味の方は……。
いっただきま~す!!!

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おっ、結構あっさり。
もしや花粉が……。
いや違う。ソースもご飯もあっさりしている。
でもいくら食べても飽きが来ない味だし、こくがある。
それに、できたてのホカホカ感とご飯のホクホク感。
加えてふわふわ卵がいい塩梅にソースとマッチする。

う~ん、他のも食べてみたいな……。
でも今日はガマン。また今度にしよう。

Pepita Lionは湘南台文化センターのすぐ近くにある。新しい街の湘南台にあって、喫茶店からスタートして29年営業しているらしい。
今日は平日の夕飯時に訪れたけれど、付近を走る467号線の向こうには公園もあるし、休日の散歩ついでや文化センターで遊んだ帰りなどにゆったりとした時間を過ごすのもよいかもしれない。

パスタをはじめ、他の料理もかなり美味しそうだ。
地元のこんな近いところにいい空間を見つけられて、ホントよかった!
それに、西口に姉妹店のニューオリンズもある。こちらも興味津津。
今後ともよろしくお願いしま~す!

2013年3月7日

■ 店舗情報 ■
・住所:神奈川県藤沢市湘南台1-5-10
・電話:0466-43-0878
・営業時間:[月~土]11:00~22:00 [日]11:00~21:30
・定休日:無休

Pepita Lion 食べログ情報 

ペピタライオンパスタ / 湘南台駅

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NOZOMI

 湘南台駅からバスで20分ほどの緑豊かな大学の入口に来ると、背筋をピンとさせ、希美は大きくひとつ伸びをした。
 
 新学期が始まる前なので、まだ学生の姿はなく、辺りは閑散としている。それでも気持ちが高揚している希美には、楽しげにキャンパスに入っていく大勢の学生たちの姿がはっきりと見える。

 みんなとはちょっと年が離れているけど、いいお姉さんになればいいんだもんね。
「みんさ~ん、来週からよろしくね!」
 誰もいない門に向って、大きな声で挨拶をする。
“こちらこそ!”
 春を待ちわびた目の前に広がる森の木々が、元気に応えてくれる。

 ふと空を見上げる。 
 青く突き抜ける空を、鳶が、悠然と旋回している。

 さあ、いよいよ始まるわ、新しい生活が。夢の、第一歩が……。

 4年ほど前。

 希美を、突然異変が襲った。
 激しいめまいと吐き気、それに頭痛がとれない。

 もともと頭痛もちの希美は、最初は「またいつものことか」程度に受け止めていたのだが、いつまでたっても症状が変わらない。
 おかしい。
 どういうこと?
 私、いったいどうしたの?

 脳腫瘍。
 それが希美に伝えらえた診断結果だった。

 希美なんて皮肉な名前よね……。
“世の中の不正を許したくないの”
 そんな強い思いから弁護士の夢をめざして大学の法学部に通っていた希美から、正義感あふれる美しい希望が消えて行く。

 おまけに高校生の時に、姉妹のように仲がよかった母親を病気で亡くした。
 何で私だけこんなにつらい思いをしないといけないの。
 何で、何で私だけ……。

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 大学の正門の横に腰かけた希美は、カバンから小さなスケッチブックを取り出した。
 しばらくの間じっと辺りの風景を見つめ、それをしっかりと目に焼き付ける。
 やがて希美は、鉛筆でしなやかな線を描きはじめた。
 一本、また一本。
 自分の中にある心のフィルターを通し、感じたままを描く。
 絵を描くのは昔から好きだった。
 写実的な絵を描いていた希美の画風が変わったのは、腫瘍の手術後からだ。
 目に焼き付けた、瞬間の景色を、心象風景に昇華させて描いていく。私を表現したい。みんなを表現したい。思い切り。今この瞬間を生きて在る、私を、みんなを……。

 その日は、今でもはっきりと思い出せるくらい夕焼けがきれいな日だった。
「あれ? のぞみ、ちゃん?」
 手術の手続きを終え、病室の窓からぼんやりと夕景色を眺める希美の耳に、聞き覚えのある女性の透き通った声が響いた。
「あー、岩崎さん!」
「やっぱり希美ちゃんだったのね!」

 思いがけないところでの3年ぶりの再会だった。
 高校の帰りに、毎日、母親のお見舞いに病室に来ては明るく楽しげに学校での出来事を母親に話す希美。岩崎多恵は、そのときの担当看護師だった。

 絶望に押しつぶされそうな小さな体をふるい立たせ、気丈に母親を励まし続けた希美。そんな希美を、多恵は励まし続けてくれた。

「岩崎さん、この病院に移ってたんですか?」
「そう、3か月前にここに来たの。びっくりよね、こんな偶然があるなんて」

 偶然なのか、それとも必然なのか、人生にはときどき何かに操られているかのような不思議な出来事がある。

「私の担当看護師が岩崎さんで、ホントよかった。なんだか私、ついてるわ」
 手術の不安と闘う希美の心に、多恵は、安心をたたえた柔らかい風を送り込んでくれた。
「大丈夫よ希美ちゃん。何の心配もないわよ。あんなにお母さんのことを思って頑張ってた希美ちゃんのことを、神様が見放すはずないわ。それに、天国のお母さんが力をくれる」

 多恵の言葉の通り、無事、手術は終わった。

 病室で術後の養生をする希美に、多恵はいろいろな話を聞かせてくれた。
「希美ちゃんが美しい希望なら、私は恵みが多いようにってつけられた名前でしょ。う~ん、でも、そんなに多くの恵みはないかなあ……。あ、だけどね、この仕事をしていて思ったの。もしかして、多くの患者さんと話ができて、その人の人生に関わることができて、それこそ天が与えてくれた恵みなのかなって。心や体に傷を負っていても、一所懸命に今を生きようとしている患者さんに勇気づけられることも沢山あるわ。希美ちゃんは美しい希望を持ち続けて生きて行くのよ。自分の身に起きたことを恨んだりはしないで、今日を精一杯生きるの。お母さんもそれを望んでいるし、遠くて近いところでずっと見守っていてくれているのよ」

 改めてまじまじと見ると、岩崎さんって、本当に綺麗な目をしている。
 こんなに綺麗な目をした人、見たことがない。

 母親になりかわるように、優しい口調で、まるでオムライスのたまごのようにふんわりと包み込んでくれる多恵に、いつしか大きく引き込まれて行く自分がいた。

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 人の人生に関わる。
 弁護士を目指していた希美にとっては、心から共感できることだった。

 患者さんの人生に関わる。それこそが恵み……。
 多恵の言葉を反芻し、希美は自分の気持ちを落ち着いて振り返った。

 私が目指してきたのは、もしかしたら机上の世界のことばかりだったのかもしれない。
 法律を勉強し、それを武器に不正のない世の中を作る。それはそれで立派なことだとは自分でも思う。だけど、本当に喜ばれることって何だろう。人と人とのふれあいって何だろう。

 そして、

 今を生きるって何だろう。
 生きていること。私も、みんなも。
 今、この瞬間を生きていること。

 生きて、在ること。

「退院おめでとう!」
 多恵はお祝いに"希"の字を型どったネックレスをプレゼントしてくれた。
「ありがとうございます! 私、岩崎さんみたいになりたいって、本気で思います!」
「ありがとう。なんか照れるわねえ。今度は外で紅茶でも飲みながら話ましょ」

 スケッチは、間もなく完成をむかえようとしている。

 新緑のキャンパスを颯爽と歩く学生たち。
 どこまでも広がる空を自由に飛びまわる鳥たち。
 その中を駆け巡る、ちょっといたずら好きのそよ風。

 そう希美、このキャンパスで明るく、前向きに、今日を、今を生きるの。
 そして夢をかなえるの。
 このスケッチは、あなたが今を生きている証だから。
 スケッチは、希美にそんなことを話しかけてくれる。

 この辺だと、夜は星空もきれいなのかなあ……。
 そういえば、最近、星空なんて全然みてないや。

 そうだ、帰りに湘南台文化センターのプラネタリウムに寄って帰ろう!昔、家族でよく遊んだもんなあ……。
 それと、Pepita Lionでオムライスを食べよう!あそこのオムライス、お母さん、大好きだったよなあ……。

 弁護士改め看護師の夢に向かって歩き始めた、みんなよりちょっと年上の看護医療学部1年生、沖田希美。

 脳腫瘍がいつ再発するかはわからない。今でも、夜になるとひどい頭痛に悩まされることがある。再発したら、最悪失明するかもしれない。
 でも、それも自分。自分を支えてくれる、かわいい自分の体。
 この目にしっかりと、今を焼き付けるんだ。

 最後の一筆を描き終わると、希美は、スケッチに2Bの鉛筆で力強くサインを書き込んだ。

 NOZOMI

 今、一枚のスケッチに、永遠の命が吹き込まれた。


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2015
03.20

【再掲載】 Indah Bali

球春到来。
オープン戦たけなわ、プロ野球の開幕ももうすぐ。
その前に、春の選抜高校野球がもうすぐ始まります。

今日は、パセラ横浜関内店にあるIndah Baliを舞台とした野球関係のストーリーの再掲載です。

子供たちに、夢を……。

横浜でバリ島気分でオムライス


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さて、どこに行こうかな。
うん、オムライスの写真を見て、「お、美味そう!」って直感で反応したところにしよう。
そんなルーレット気分でネットを検索。

検索すればするほど次から次へと現れるオムライス。
すげー、改めてオムライスの多さにびっくり。
いくら行ってもきりがないよ~、って、もぐらたたきじゃないんだから……。

ということで、いくつかピックアップしたうちのひとつに決めた。
今回は、羽衣町3丁目の交差点のすぐそばにあるIndah Bali(インダバリ)を訪問。
駅からの距離で言うと、関内駅と伊勢佐木長者町駅から、ともに5分くらいかな。

Indah Baliは、パセラ横浜 関内店の1階にある。
1階がインドネシア雑貨売り場と今回の目的の、カフェIndah Bali。
2階がレストラン。
3~4階が貸切パーティー会場。
5~6階がカラオケ。
7階がビリヤード&ダーツバー。

入口を入ると総合案内があり、そこにいらっしゃるきれいなお姉さまに「お好きな席にどうぞ」と誘導され、窓際の席を選択。

さてさて、メニューを……。

ん? あれ? オムライスは……?

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「すみません、オムライスありますか?」
「あ、大丈夫ですよ。メニューにはないんですけど」
どうやら、食事を作っているのは2階のレストランで、レストランの営業は17:00から。
逆に1階の喫茶は17:00までで、オムライスはメニューにはないけど食べられるらしい。
う~ん、ネット検索で知っててよかった。

土曜の昼下がりだけど、店内はすいている。
席もゆったりとしていて、全体的に開放的な作りで落ち着ける。
水槽の熱帯魚も癒してくれるし、この店はとてもいい雰囲気かもしれない……。

しばらくして、もうひとりのきれいなお姉さまがオムライスを運んできてくれた。
うんうん、この店はとてもとてもとてもいい雰囲気かもしれない。

さて、オムライス。
とろとろ玉子のデミグラスオムライス830円。

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カレーのように、ご飯とソースが分かれている。これはこれで美しい。
それと、チキンライスの中には、緑、赤、黄色のピーマンがまぶされていて、これもトロピカルっぽくてきれい。

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味も美味しい。
しゃきしゃきのご飯がチキンとマッチしていい感じ。卵がちょっと少ないかなあ……。
ボリュームは普通だけど、チキンの歯ごたえが満腹感を与えてくれる。

Indah Baliがあるパセラリゾーツは、「癒し」と「寛ぎ」をテーマとしたエンターテイメント施設として銀座、六本木、赤坂、渋谷など、都内を中心に展開している。
横浜はここの関内店と、もうひとつ横浜駅西口にある。

いろいろと遊べそうだし、休日、伊勢佐木町での買い物の帰りなどに「とっても近場のバリ島気分」でゆったりと過ごすのも楽しいかもしれない。

トゥリマ カスィ バニャッ ( どうもありがとう )!

2013年2月16日

■ 店舗情報 ■
・住所:神奈川県横浜市中区末広町3-95 パセラリゾーツ
・電話:0120-911-753
・営業時間:11:30~翌朝8:00
・定休日:なし

Indah Bali 食べログ情報 

Indah Bali 横浜関内店タイ料理 / 伊勢佐木長者町駅関内駅日ノ出町駅




白球は海をこえて

「バリってどこだっけ?」
 パセラリゾーツ関内の入口を抜けると、バリの雑貨が並ぶ一角を見ながら変声期をむかえたクオンがつぶやいた。
「バリはね、インドネシアだよ」
 息子の健司と、息子の少年野球仲間の翔とクオンの3人の少年を引き連れた正夫が呼応する。
「首都のジャカルタがあるジャワ島の隣りにある小さな島。クオンの故郷のベトナムよりもっと南にあるんだ」
「へえー、めちゃくちゃ暑そー」そう言う健司に
「甲子園の方が暑いよ」翔が真顔で反応する。
「ははは、そうだよな。身も心も甲子園はアツイところだ。3人で行くんだもんな、甲子園!」
 正夫は3人の肩を抱き寄せ、大声で笑った。


「はじめまして、グエン ティン クオンです。ベトナム人です。でも、ベトナム語は話せません」
 3年前、クオンは正夫がコーチとして携わる地域の少年野球チームに入団した。正夫が勤務する町工場の同僚の息子で、彼の類希なるバネの効いた走りに一目惚れした正夫が入団を奨めたのだった。

 きっとこの子は、ものすごい選手になる。
 ただし、致命傷になりかねない弱点を克服できれば……。
 永年少年野球に携わってきた直感がささやく。

 正夫の読み通り、クオンはすぐに頭角を現した。
 もともと器用な上に、もの覚えも早い。小学6年にして175センチを超えたしなやかな体から繰り出される速球は、とても小学生では打てるものではない。
 硬式少年野球チームからの誘いもかかり、中学からは地元神奈川の強豪、浜南ボーイズへの入団も決まっている。
 いや、正確には、決まっていたと言うべきかもしれない。

 順調に育ってきている、そう思っていた。
 この子なら、全国制覇も夢ではない、そう確信していた。

 が、その矢先、2ヶ月ほど前。
 恐れていたことが、現実になった。

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 全日本学童軟式野球大会神奈川県予選の決勝戦。
 クオンの速球が冴えまくり、3-0で最終回をむかえた。ここまで内野安打2本。ほぼ完ぺきに近い。
「よし、クオン、意識しないでいつも通りに行こう」
 キャッチャーの健司が声をかける。
「うん、大丈夫」
 そう頷くクオンの表情(かお)は、自信に満ちあふれている。

 最初のバッターは、簡単に三振に打ち取った。
 あとふたり。OK、もう間違いない!
 みんながそう思った。

 インコース高めのストレート。
 健司のサインに頷き、クオンはゆっくりと振りかぶる。
 土を蹴った長い脚が高々と上がり、獲物をしとめる目が、ぶれることなくまっすぐに健司の構えるミットを見据える。
 そして、全身の力をためたムチのような腕が、大きくしなる。

 と、そのとき……。

「きやがれ、ベトナム野郎!」
 バッターが、突然、大きな雄叫びをあげた。

 流れるようなフォームを演出するクオンの体が、一瞬で凍りつく。

 ベトナム野郎。
 ベトナム野郎。

 トラウマが……。

 消し去ったはずのトラウマが、眠りから覚めた野獣のごとく牙をむく。

「来るんじゃねーよ、ベトナム野郎。難民は帰れ! 汚いのがうつるだろ」
 幼児の頃は、自分が日本人ではないことなんかまったく気にならなかったクオンだが、大きくなるにつれ、心無い言葉を浴びせられることが多くなった。
 昔は仲よく遊んでいた友達も、いつのまにか離れて行く。
 なぜ?
 ボクのどこがいけないの?
 なんでボクは日本人じゃないの?
 ベトナム人ならベトナムに引っ越そうよ。
 親を問い詰めもした。

 ベトナム難民の血を引く両親は、そんなクオンに、
「私たちはここで生きるしかないの、強くなって、クオン」
 ただただ同じ言葉を繰り返すしかすべがなかった。

 クオン ―― 日本語にすると”強い”を意味する。
「強い男に」との思いでつけられた名前だ。

 しかし、その名前とは裏腹に、もともと引っ込み思案な性格がクオンの弱さを増長させて行く。
 日々、ひとりでぽつんと過ごすクオン。
 このままでは本当にまずいことになる。そう考えた両親は、仕事も変え、ベトナム人が多く住む横浜の一角に移り住むことを決断した。
 正夫から野球の誘いがかかったのはそんなときだった。

 チームワークを教え込まれたメンバーは、何の違和感もなくクオンを温かく受け入れてくれた。
 これには、最初は入団をためらっていたクオンも驚いた。

 もう、トラウマも甦ることはないだろう。
 この日まで、この日のこの瞬間まで、みんながそう信じていた。

 きやがれ、ベトナム野郎!

 クオンの投じたボールは、バッターへと向かって飛んで行く。
 あっ、と思った瞬間、ボールはバッターの脇腹に当たった。
「デッドボール!」
 審判が試合を止める。
「ううう……」
 苦しそうに顔をしかめるバッター。
 クオンの顔から、見る見る血の気が引いていく。

「くそー、わざと当てやがったな。きたねーぞ、ベトナム野郎」
 バッターボックスでうずくまるしかめっ面が、クオンをにらむ。

 違う、わざとじゃない。
 ベトナム野郎。
 きたない。

「すみません」とバッターにお辞儀をした健司が、あわててクオンの元に駆け寄ってくるのがぼんやりと見える。

 わざとじゃない。
 ベトナム野郎。

「クオン、落ち着け。大丈夫だ。点差もある」
 健司の言葉が、そよ風のように耳を通り抜けて行く。
「大丈夫、クオン、自分を信じろ!」

 それから後のことを、クオンはよく覚えていない。
 気が付いたら、スコア―ボードの7回表に刻まれた”8”の文字を、ベンチの椅子でぼんやりと眺める自分がいた。

 そして、それ以来、クオンはボールを投げられなくなった。

「イップスですね」
 医者の人工的な声が平然と残酷な言葉を発した。
 イップスとは、精神的な原因で思うような動作ができなくなる運動障害だ。
 よりによって……。
 恐れていたクオンの精神的な弱さが、最悪の形になって表れた。

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「2階のレストランは17時からなんだ。1階で食べられるので、ここで食べよう」
 正夫は子供たちをインダバリのテーブル席に着くように促した。
「さあ、思い切り大きな声で応援できるように、美味しいオムライスを食べてそれから横浜スタジアムに行こう!」
「え、ここでもオムライス食べられるの?」
 オムライスに目がないクオンの目が、真ん丸になった。
「インドネシアの食べ物しかないのかと思ってた!」
「びっくりだろ。ここではいろいろな国の料理が食べられるんだ。ベトナム料理もあるんだぞ。日本の料理もベトナムの料理も一緒に食べられる。日本人だろうがベトナム人だろうが一緒だ。命あるひとりの人間なんだ」
 正夫は総合案内と給仕を兼ねる女性を呼び、オムライスを4つ注文した。

 店内の水槽では、熱帯魚が悠然と泳いでいる。
 切り出すタイミングは今かな……。
 その姿をながめながら、正夫は優しくクオンに話しかけた。

「なあクオン、もう一度チャレンジしてみないか、野球?」
「やろうよ、クオン」
「大丈夫だよ。お前はすげーんだから」
 事前の打ち合わせ通りに、健司と翔が追従する。

 これから多感な時期を迎える少年には、辛いこともきっと沢山出てくるだろう。でもそれは、何の因果か、クオンが神様に与えられた試練だ。
 それに、そういった辛い経験をすればするほど、大きく成長する。
 逆に、ここで逃げたらお終いだ。
 早いうちに障害にぶつかったのも、前向きに捉えれば良かったのかもしれない。
 持って生まれた才能を生かすも殺すも、まだこれからだ。
 両親以外でこの子を成長させてあげられるのは自分しかいない。
 ぼんやりと窓の外に目をやるクオンを見ながら、正夫はそんなことを思っていた。

「ボクさあ、一度ベトナムに行ってみたいなあ」
 クオンがぽつりとつぶやいた。
「ベトナム人なのに、ベトナム語も話せないし、ベトナムに行ったこともない。でも、みんなはぼくのことをベトナム人って目でしか見ない。だから一度、ベトナムに行ってみたい。そうしたら、何かが変わるような気がする……」

「そうだよな……。ねえ、みんなで行ってみようよ」
 健司が同意を促す。
「オレも行ってみたいな。クオンの故郷を見てみたい。ベトナムでも野球やってるのかなあ?」
 うきうきした表情を浮かべた翔が尋ねる。
「うん、正式な団体はないけど、日本人もベトナムに行って普及させているようだよ」
「え、そうなの?」
 クオンの目が輝く。
「クオン、ベトナムに行ってみよう。大勢のベトナム人にお前の速球を見せてあげよう! 君と翔のお父さんお母さんには話をしてみるよ」
 ここぞとばかりに、正夫が畳み掛ける。

「おまたせいたしました」
 やがて出来たてのオムライスが到着した。
「わー、美味しそう!」
「すげー、なんかソースとご飯が分かれててカレーみたい!」
 子供たちがうれしそうにはしゃぐ。

 よし、行ける!正夫の直感がささやく。

「みんなで誓った約束を実現させようじゃないか。甲子園に行ってプロになる。な!」
「もちろん!」
「その前にベトナムだよね」
「いや、その前に今日の横浜DeNA VS 巨人だよ」
「そりゃそうだ」
「なんかすごく美味しいんだけど」
「お前のお母さんのオムライスの次くらいかな」
「やっぱ、オムライスを食べると元気が出るなあ!」

 笑顔を取り戻したおだやかな午後の時間が、ゆっくりと過ぎて行く。

「ボク、明日からまた練習するよ。で、ベトナムでみんなにボクのボールを見せるんだ。うん、今なら投げられるような気がする」
「久しぶりなんだから、最初から飛ばすなよ!」

 野球に国境はない。
 差別もない。
 白球は世界をつなぐ共通言語だ。

 みんなの心の中に、夢を乗せたけがれなき同じひとつの白球が、高々と舞いあがった――。

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2015
03.18

【再掲載】 SAMOVAR

花粉症との戦いの日は続く。
ネットで調べたら、花粉症の人の割合は都道府県によって違い、北海道や沖縄にはほとんどいないらしい。
いやあ、うらやましい。。

さて今日は、センターグリルに続き、大好きな横浜の店の記事の再掲載です!

これは横浜の馬車道にあるサモアールで思いついたストーリー。
横浜は中学高校時代を過ごしたので、思い入れもある。

サモアールのオムライスはとても美味しいし、今度は紅茶も飲んでみたい。

こういう落ち着く店で、春を感じながらのんびりと過ごすのもいいですよ!


ハイカラな街のハイカラなお店


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第5回は、またもや横浜。
とは言え今回は馬車道。
桜木町から海を左手に関内方面へと向かう。
馬車道までは電車でも来れるのだけれど、せっかくなのでハマ風と街並みを楽しみたい。
だから桜木町から歩くのがおすすめ。

う~ん、やっぱり好きだなあ、この街並み。
文明開化の香りに乗せられて、ちょっと遠回りしたくなる。
左手に海の気配を感じながら海岸通りを象の鼻公園方面に進む。
大桟橋の方から「ヴォーン、ヴォーン」と響く汽笛の音。
1月の風は辛辣だけれど、心は温まる。
そういえば、もう少し行くと第2回:センターグリルで登場した影山さんが貿易商を営んでいた日本大通りだなあ……、って、物語と現実を一緒にするなあ!

いけないいけない。
このままでは目的を忘れて山下公園から元町を抜けて山手まで行ってしまい、あれ、何しに来たんだっけってことになってしまう。

ということで、横浜税関前で折り返して今回の目的地である馬車道のSAMOVAL(サモアール)へ。
外観は、さすが馬車道にある店。
「ヨコハマ風お洒落」ってカンジ(何それ?)。
店外には「オリジナルオムライス」の看板。
う~ん、期待しちゃいますねえ……。

自動扉を開け、店内に。
中は結構広く、テーブル席とバーカウンターのような丸椅子が並べられている。
古い調度、SAMOVAR(ロシアの茶器らしい)が置かれ、照明もいい感じでムーディーな雰囲気(そういえば、ムーディー勝山はどうしちゃったんだろう……)。

さてさてオムライスは。お、結構種類がある。
きのこのオムライス(ガーリック入り)。
チキンのオムライス(ピリ辛ケチャップ味)。
シーフードのオムライス(イカ、エビ、ホタテ入り)。
ほうれん草のオムライス(ベーコン、ガーリック入り)。
イカスミのオムライス(イカ、ガーリック入り)。
この5種類で、値段はすべて850円。

今回は「ピリ辛」にひかれ、この中からチキンのオムライスを選択。
出来上がりを待っている間に、結構お客さんが入ってきた。
しかも家族連れが多い。
給仕をつとめる女性が気さくに話しているところを見ると、どうやら、休日は一家で来る常連が多いようだ。

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そうこうしているうちにオムライスが席に到着。
ふーん。
見た目は何の変哲もないケチャップが添えられたオムライス。

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味はどうだろう……。

では、いっただっきま~す!!

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うわっ!

う、う……。

うまーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!!!!!!!

これは美味しい!
小細工なしの直球勝負。
ご飯の中には鶏肉、玉ねぎ、ピーマン。
すごく丁寧に作られた感じで香ばしく、卵とピリ辛のケチャップ味が絶妙にマッチする。
ホント、目からウロコ。
なんて素敵な出会い。
残り4種類のオムライスも食べてみたい!
ボリュームは普通なんだろうけど、味付けのせいなのか、多いように感じさせてくれた。

サモアールは1974年に横浜駅西口に紅茶専門店として開店したのがはじめらしい。
今は横浜駅西口の相鉄ジョイナス本店、ここ馬車道店、弥生台店の3店舗。
ただし、本店は紅茶専門店、弥生台は洋菓子店なので、オムライスが食べられるのは馬車道店のみ。
各種類のオムライスが食べられるのは、平日は14:00から(ランチタイムは1種類)。
休日は11:00から。

とても心落ち着ける雰囲気で、ついつい長居してしまいそうな店。
注文時に「お飲み物はいかがですか?」と給仕さんに聞かれたけれど、今回はオムライスのみに。
帰り際にレジでとても美味しかった旨を伝えると「お近くですか? 今度は紅茶も召し上がってみてください」と。
そういえば、前回に続いてまたまた紅茶の店だった。
は~い、今度はゆっくりと紅茶もいただきま~す!

2013年1月5日

■ 店舗情報 ■
住所:神奈川県横浜市中区弁天通4-67-1
電話:045-201-3050
営業時間:11:00~22:00
定休日:年中無休(年末年始休み)

SAMOVAR 食べログ情報 

サモアール 馬車道店喫茶店 / 馬車道駅関内駅桜木町駅



永遠の明日

 5月が終わってじっとりとした梅雨の季節が来るというのに、まったく世の中のカップルというものはよくもそんなにべったりとくっついていられるもんだ。
 しかも、ヨコハマっていうのがまたよくない。
 みなとみらい地区から赤レンガ倉庫、山下公園にかけて、満員電車から降りる乗客のようにと言うか、コンベアに乗って運ばれる回転寿司のようにと言うか、次から次へとカップルが現れ、犬も歩けばカップルに当たるって状態だ。
 それに引き換え、オレの姿って何?
 生まれてこのかた17年間、ヨコハマに住んでいるのに女の子と手をつないでヨコハマを歩いたことなんて一度だってありやしない。
 にもかかわらず、そう、にもかかわらずだ。
 せっかくの休みの日に、何でオレがおばあちゃんと二人で、しかもおばあちゃんの手を引いて海岸通りや馬車道を歩かなきゃあいけないの。世の中っていうのは不公平にできてるって、つくづく思うよ。

 ふてくされを押し殺した表情(かお)で歩く185cmの少年と、その少年に手を引かれてにこにこと歩く背中の丸まった145cmの老婆。昼下がりの馬車道の空は、青く澄み渡っている。

 それは一週間前の、1本の電話から始まった。

「おかあさんが、どうしても元気なうちに一度横浜に行きたいんだって」
静岡に住む伯母から浩一の母親への電話だった。
「まあ、元気って言っても、もうだいぶボケが進んじゃってるし足腰も弱くなってきているから、多分ラストチャンスのような気がするのよ。なんとかお願いできないかしら」
 伯母、つまりは祖母の面倒を見ている浩一の母親の姉(しかも長女)の懇願に、妹(しかも末っ子)である母親は、最後は押し切られる形になった。

「で、なんでオレなの?」電話を終え、 “お願い!”と手を合わせる母親に向かって浩一が言う。
「おばあちゃんのご指名なのよ。ほら、孫の中でも、何かとコウちゃんコウちゃんって可愛がってくれていたでしょ。」

 最後に押し切られるのは親譲りかもしれない。浩一は渋々、首を縦に振った。

「コウちゃんは今何年だっけ?」本町4丁目の交差点を過ぎ、県立歴史博物館に差し掛かる手前で、145cmの老婆が見上げて尋ねる。
「高校2年だよ」
「そうかい、もう立派な大人だねえ。頼もしい、頼もしい」
さっきも聞かれたよなあ、大丈夫かなあ……そんなことを思いつつも、県立歴史博物館をやり過ごし次の交差点に着くと、185cmの少年は腰をかがめ優しく老婆の左耳に向かって声を発した。
「おばあちゃん、もうすぐオムライスの店につくよ」

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 母親の頼みに浩一が承諾すると、次の瞬間、待ってましたとばかりに母親が畳み掛けてきた。
「それでね、おばあちゃんはねえ、あの、何だっけ? 前にみんなでオムライス食べに行ったお店。ほら、馬車道の……」
「もしかして、サモアール?」
「あ、そうそう、そこのオムライスが食べたいんだって」
 それから母親は、ベテランのツアーガイドよろしく山下公園から海岸通りを抜け、海岸通四丁目の交差点を左折して馬車道方面に行き、最後はサモアールでオムライスを食べる当日の行程を浩一に指示した。
 そしてツアーは、その指示に忠実に従い、無事に最終行程へとたどり着いた。

「おー、そうかね。もうつくかね」
 浩一は祖母をエスコートし、サモアールの奥のテーブル席に座った。
「おばあちゃん、何がいい」
「あたしゃオムライスにするよ」
「あ、そうなんだけど、いくつか種類があってさあ……」
「いいよ、コウちゃんが選んでよ」
「そう……、うーん、……じゃあ、シーフードなんてどう?イカ、エビ、ホタテ入りの」
「うん、それにするよ」

 しばらくしてオムライスが運ばれて来ると、
「まあ美味しそう。じゃあ、いただこうかな」
 祖母のくしゃくしゃの顔が、より一層くしゃくしゃになった。
「ところで、これはなんていうオムライスだっけ?」
「あー、シーフードのオムライス。イカとかエビとかホタテが入ってるやつ」
「そうかいそうかい、美味しそうだね」そう言いながら、祖母はオムライスを口に運んだ。
「美味しい。うんうん」
 そうつぶやく祖母の満足そうな顔に浩一もほっとする。
 幸せそうに食べる人を見ていると、こちらまでも幸せな気分になれるもんなんだなあ、そんなことを感じながら浩一は祖母の笑顔を見ていた。
「美味しいねえ。うんうん。本当に美味しい……。ね、おとうさん」

 え?……おとうさん?……

「美味しい美味しい」
 それから祖母は、一口食べるごとに、笑顔で同じ言葉を繰り返した。
 結局二人は、ゆっくりと、40分ほどかけてオムライスを完食した。
 もっとも、浩一にとってそのうちの30分は、祖母の笑顔を見ているだけの時間であったが。


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 その日の夕方、祖母は満足げに迎えの車に乗って静岡へと帰って行った。
「ありがとうね。おばあちゃん本当に喜んでたよ」母親が浩一にねぎらいの言葉をかける。
 浩一は、あれやこれや、祖母との会話がちんぷんかんぷんだったことを母親に報告した。
「しかもさあ、オムライス食べているときに『美味しいね、おとうさん』とか言い出しちゃうし」

 祖母の表情をまねて話す浩一のその言葉に、面白おかしく話を聞いていた母親から笑顔が消えた。

「……おとうさん、って言ってたの?……」
 天井を見上げ、ひとつ大きく深呼吸をすると、母親は続けた。

「浩一、今日って何の日だと思う?」
 突然の質問に、きょとんとする浩一。
「命日。今日はねえ、ひいおじいちゃんの命日」
「ひいおじいちゃんって、おばあちゃんのおとうさんってこと?」
「そう。今日、5月29日は横浜大空襲の日でねえ・・・」

 それから母親は浩一に、横浜大空襲の話を聞かせてくれた。

 昭和20年5月29日。午前9時30分頃。B29爆撃機517機とP51戦闘機101機の編隊が横浜に襲いかかった。
 焼夷弾の絨毯爆撃により一気に火の手があがる。
 当時17歳だった祖母は馬車道にある銀行にその年の4月から勤めていて、そこで空襲にあった。
 幸い祖母は火傷を負いながらも逃げ延びることができたが、本牧で郵便局長をしていた曽祖父は「よそ様のお金を預かっている。現金輸送車が来るまで自分はここを離れるわけにはいかない」そう言って郵便局から逃げることなく、直撃弾を受けて亡くなったと言う。

 初めて聞く話だった。

 その日も、いつもと同じ朝だった。
「行ってきま-す」
 昨日とかわらない、同じ朝だった。
 そして、
「ただいま」
「おかえり」
 そんな夜を迎えるはずだった。

「おばあちゃん、浩一のことをひいおじいちゃんによく似てるって言ってたよね。だからきっと、あの日の夜におとうさんと一緒に食べるはずだった夕飯を、今日食べてたんだよ。おとうさん、美味しいねっ……。おとうさん、本当に美味しいねって……」
 それから先はもう、母親の言葉は言葉になっていなかった。

 浩一は自室に行くと、ぼんやりと窓の外を眺めた。
 暮れなずむ空の向こうから、かすかに船の汽笛の音が聞こえる。

 オレと同い年の時に、時のいたずらに翻弄され一瞬にしておとうさんも住むところもなくしたおばあちゃん。
 それでも苦労のかけらなんてこれっぽっちも見せずに、オレのことを可愛がってくれる。

 おばあちゃんの中では、ある意味、あの日に馬車道で空襲にあった時から時間が止まっている。
 来るはずの夜が、来るはずの明日が、来ていない――。

 それに比べて、オレって何?
 女の子と手をつないでヨコハマを歩いたことがないだと。世の中不公平にできているだと。とんだ甘ったれ小僧じゃないか。

 開け放った窓から、夏色の準備を始めた風が部屋を駆け抜けていった。

 おばあちゃん、夏は暑いから、8月15日に戦争が終わってしばらくして秋になったら、またサモアールにオムライスを食べに行こうよ。ほら、まだいろいろな種類があるからさ。

 オレも頑張るって約束するよ。だって、オレにはおばあちゃんとひいおじいちゃんの血が流れているんだから。

 ちょっと海を走ってこようかな、そうつぶやくと浩一は、ぽんぽんと軽く両膝をたたき、夜の帳が降りた街へと飛び出して行った。

 だからおばあちゃんも約束して。
 それまで元気でいるって。

 いい、おばあちゃん、約束だよ……。

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2015
03.16

オムライスの郷

「とりばかにっき」、「オムにっき」をのとりさんの記事に、オムライスの発祥の店「北極星」に行かれたとあった。
やっぱ、ルーツを訪ねるのはいいよね。

で、北極星と言えば……。

かつて、ネット検索をしていて、あるひとつのブログに出会った。いや、気持ちとしては、例え常用漢字になくても、"出逢った" 、だ!

”宝達志水オムライス ブログ ”( リンク → http://blog.goo.ne.jp/omu_rice )

石川県宝達志水町(ほうだつしみずちょう)のまちづくり「オムライスの郷プロジェクト」と書いてある……。

?????

プロフィールを見る。

オムライスを生み出した料理人の生まれ故郷から美味しい情報をお届けします♪http://omurice.info

え????

プロフィールの横にあるURLにアクセスしてみる。

えーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ものすごい出逢いをしてしまった!
これぞまさに神様のお導き。何という運命的な……。

赤い糸ならぬ、幸せの黄色い糸で結ばれていたんだなあと、勝手な妄想が、まあるくてほかほかのオムライスのように膨らむ。

やはり、偶然ではなく必然、そう思ってしまう。

出逢ったのは、これ!

「オムライスの郷」

オムライスの郷



「オムライスのある風景」を書いていて「オムライスの郷」ときたら、もうそれは「ズバリそのものでしょう!」。
あ、すみません、日曜日なのでちびまる子ちゃんの丸尾くんが入ってきてしまいました……。

更に読み進める。

な、なんと、歌もあるではないか!

「恋するオムライス」

作詞:滝山瑞代 作曲:米澤正昭

ふわふわたまごの その下に
かくしたものって な?んだ?
フライパンが ダンスする
私の手のなか ダンスする
チキン オニオン ライスに ピーマン
ほんのり赤くて 甘酸っぱいのは
ケチャップだけの せいじゃない

ふわふわたまごの その下に
かくしたものって な?んだ?
フライパンが ハグをする
とろけるたまごで ハグをする
チキン オニオン ライスに ピーマン
ほんのり赤くて 甘酸っぱいのは
ケチャップだけの せいじゃない

ふわふわたまごの その下に
かくしたものって な?んだ?
LOVE & KISS ふりかけて
たっぷりぷりぷり ふりかけて
チキン オニオン ライスに ピーマン
ほんのり赤くて 甘酸っぱいのは
切ないキモチ 炒めちゃった

ふわふわたまごの その下に
かくしたものって な?んだ?

ふわふわたまごの その上に
おおきな ハート かこうな…



さて、オムライスの歌を味わったところで、そもそもオムライスの郷プロジェクトとは何? 
なぜできたのだろう?????

素朴な疑問に、頭の中の?マークが勢いよく踊り出す……。

?マークを落ち着かせるべく、すぐさま宝達志水町オムライスの郷プロジェクトのページを開いてみる。

と、そこには、現代にタイムスリップして来た1枚のモノクロ写真が……。

しばし写真が繰り広げる古き良き時代に浸った後、記事に目を通す。

ふむふむ……。

なるほど……、


えーーーー!!!!! そうなんだあ!!!!!

以下はその記事の抜粋。

2011年、宝達志水町で「オムライスの郷」プロジェクトが始動しました。
一体なぜ、能登のこの地でオムライスなのか?
ヒントは、町内のとある広大な園地に佇む銅像に隠されています。

天空で夜空の道しるべのように輝く北極星に向かって、
まっすぐに指をさし示すこの人物、それは?

銅像


オムライス誕生!

子どもさんからお年寄りまで、日本人が大好きなオムライス。
広辞苑にだって載っている、洋食の定番ともいえる代表メニューです。
でも実はこれ、日本生まれの料理であることをご存知ですか?

今をさかのぼること80年、大阪の一角で
記念すべき瞬間がやってきます。

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パンヤの食堂


これはもう、感動もの!

付き合いはじめた相手のおいたちを知って、愛する気持ちに深みが加わったような……。

続いてプロジェクト参加店のページを見てみよう!!

詳しくはこちらを! → http://omurice.info/restaurant.html

☆聖蔵 ひじりぐら

「オムライス聖蔵」
  サラダ付 700円
  サラダ、コーヒー付 850円
  サラダ、コーヒー、デザート付 950円
「ちびオムライス」
  コーヒー付 650円

オムライス聖蔵


☆居酒屋 味好

「オムキャベツ」 480円 ビールやお酒のお供にも。
「オムそば」 600円
「オムライス」 650円

オムキャベツ

味好


☆志お食堂

「ポークソテーオムライス」
味噌汁付 1,000円
「オムライス」 550円

ポークソテーオムライス


☆ホテルウェルネス能登路

「のとじオムライス」味噌汁付 840円

のとじオムライス


☆千里浜カントリークラブ

「昔ながらのオムライス」
味噌汁+サラダ付 880円

昔ながらのオムライス


☆ハートフル千里浜

「とろとろ角煮のオムライス」
スープ付 750円

とろとろ角煮のオムライス


☆ラーメン昇竜

「天津焼めし」スープ付 750円
「オムライス」スープ付 650円

天津焼めし


☆酒菜食 栄太

「カルボナーラオムライス」 700円
「オムライス」 680円

カルボナーラオムライス


☆焼肉・旬彩 牛太郎

「石焼ビビンバオムライス」 780円
 ランチタイムセット(サラダ・汁物・コーヒー付)
「肉巻きオムライス」 1,010円

石焼ビビンバオムライス


☆能登カントリークラブ

「特製オムハヤシ」サラダ付 850円

特製オムハヤシ


☆粉もんや もりまる

「オム平焼き」
明太子/580円+税
チーズ味、キムチ味/各500円
プレーン/300円

盛りまる


☆コミュニティカフェ オムライスの郷

町の特産品を活かした特製オムライス
「やわらぎオムライス」 770円
  (サラダ・スープ付)
「ホワイトオムライス」 770円
  (サラダ・スープ付)
「あんかけオム★鶏ちゃん丼」 770円

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いやあ、すごい!

どれもみんな工夫がされていて美味しそ~!

徳川埋蔵金、宝の山、山、山!

こころワクワクウキウキ。

まさに、光輝く宝達が、美しきを胸に、透き通ったの如く清らかに息づく町……。

全部食べるのにどれくらいかかるかな???
それぞれのお店のストーリーを考えたら面白いだろうなあ……。

最後に家庭で味わえる宝達志水のオムライスの紹介。

その名を「やわらぎオムライス」と言う。

「北極星」さんが宝達志水町のためにオリジナルレシピを考案したもので、レシピが公開されている。

リンク → http://omurice.info/recipe.html#naming

エコで提唱されている「地産地消」の考えに沿った、地元の産品を活用した特別なオムライス!!

もう決まりですね!

さあ、早速今週のメニューに加えましょう!!

ではでは!


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2015
03.13

地方大会出場店が次々に決定!

カゴメオムライススタジアムの地方大会出場店が次第に決まりつつある。

以下が地方大会の日程。

北海道大会 : 3月18日(水)
東北大会 : 3月29日(日)
首都圏・関東大会 : 3月26日(木)
北陸大会 : 3月25日(水)
東海大会 : 4月5日(日)
近畿大会 : 3月22日(日)
中国大会 : 3月31日(火)
四国大会 : 3月16日(月)
九州大会 : 3月30日(月)

近畿大会は先日のWEB投票の上位店で地方大会の本戦が行われるようだ。

そんな地方大会だけど、予選に参加できるのかと思いきや、「地方大会各会場へは一般の方のご来場は出来ません」だって。。
何だよ!残念!!

ま、全国大会を楽しみにしますかね。。。

ところで、地元の「首都圏・関東」はどこがエントリーしてるんだろう???

えーと……。


神奈川県横浜市
センターグリル
特製オムライス

東京都杉並区
季節料理すっぽん料理 とらさんのみせ
Wa!!チョフソースオムライス

東京都豊島区
洋食のひいき屋 エチカ池袋店
マジックオムライス Wソース

埼玉県富士見市
3Little Eggs ららぽーと富士見
クラシックトマトソースのオムライス

ん?

4店しか出てないの???
ふーん、そうなんだあ。。
ちょっと寂しいけど、大好きなセンターグリルも出ているので応援しよう!

ということで、今日はセンターグリルの記事の再掲載です!!


**********************************


戦後の日本を支えてきた力
    

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やはり「日本一美味しいオムライス」のキーワード検索でヒットした店には行かないと。
では「近場でかつ好きな街」の横浜にある店に行こう!

ターゲットは野毛所在のセンターグリル。
形から入る性格としては、ここはハードボイルドチックにトレンチコートにレイバンのサングラスだな。
で、コートのえりを立てて、くわえタバコ。
銘柄はラッキーストライク。
って、レイバンのサングラスなんて持ってないじゃん!
トレンチコートは誰かにあげちゃったじゃん!
タバコはやめちゃったし……。
ということで、ありきたりの服装で野毛に向かう。

JR桜木町駅で降り、海側のみなとみらいに向かう人の流れに逆らい反対側へ。
今の時代、桜木町で降りる人のきっと7割程度はみなとみらい方面に向かうのだろう。
特に素敵な女性の皆様は9割以上はそうだと思う。
自分と一緒に野毛方面に向かうのは、なんかグレー系か紺系のジャンバーを着ている面々が多い気がする。
そう、場外馬券場に向かうオジサンたち。

老舗と新しい店が混在する野毛の商店街を進むと、大岡川に近い商店街の外れにセンターグリルはある。

青地に白抜きで「米国風洋食 CENTER GRILL」の文字。
何とも味わいのあるレトロな雰囲気。
11:30。中央のドアを開け、ランチタイムで賑わう前の店内に。

あれ、誰もいない。
第1回の「くげぬまや」しかり、洋食屋さんは誰もいないのがトレンドなのかよ-!
と、一瞬呆然としたボクの左で「2階へおあがりください」の看板が「落ち着いてよく見ろよ」と諭してくれた。

階段を上がり2階へ。
ちょうどのぼりきったところでご主人の「いらっしゃいませ」の声が響いた。
うーん、すごく暖かそうな初老のご主人。
2階には4人がけのテーブルが6つと、階段の右手に貸切パーティーができそうな部屋がある。
ともに落ち着いた雰囲気なのだが、強烈な印象なのが多くの絵とともにかけられた壁のしまうまちゃん!
え? これ、毛皮??

店にはまだ夫婦らしきお客さんがひと組いるだけ。
奥の席に陣取り、メニューを拝見。

えーと、オムライスは・・・。
ん? オムライスと特製オムライスがある。
なになに。オムライスは中が白いライス。
で、特製オムライスがケチャップチキンライス。
え、白いライスのオムライスなんてあるんだあ……。

興味はあるけど、やっぱ大好きなケチャップ味は落とせない。
それと、例によってここでも大好きなナポリタン。
なにせ、ナポリタンは戦後、山下公園のホテルニューグランドで生まれ、世の中に普及しているケチャップ味のナポリタンの発祥の地は、ここセンターグリル! 
ホテルの客層とは違うので、トマトソースではなく庶民的なケチャップで味付けし、彩にピーマンを入れることを考案したようだ。そりゃあ食べるっきゃあないでしょう。

結局、特製オムライスサラダ付き1、070円とナポリタン700円を注文。

で、肝心な味。
ナポリタンはコメントをひかえるけどめっちゃ美味しい! やばいかも。
味が濃いので先にオムライスを食べないとオムライスの味がわからなくなってしまう。

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さて、オムライス。

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うまい!
ソースは濃厚ではないけど卵とケチャップとのバランスがよい。
それと、卵の具合がいい。
鶏肉を入れて卵を焼き、裏がよく焼けていて、表がトロッとしている。
ボリュームは多めだけど、オムライスにチキンカツとサラダが一緒についている浜ランチ1、050円(特製は1、250円)だとかなりのボリュームで更にお得。
あと、オムライスにはグリーンピースが乗り、サイドに福神漬がついている。

センターグリルの創業は昭和21年。
今日まで日本の発展を食で支えてきた店だ。
戦後のものがない時代に、「強い国(アメリカ)に習って強い国のものを食べよう。栄養とボリュームのある料理を皆様に」との思いでできた店。
白いライスのオムライスがあるのも、「少しでも早く食事を出せるように」という考えでできたようだ。

「昔は白いライスのオムライスの方が多くでていましたが、今はケチャップライスの方が多いですねえ」とご主人。
とても美味しかった旨を伝えると「オムライスとナポリタンだと結構ボリュームあったでしょう!50種類以上のメニューがあるので、そちらも食べてみてください」との丁寧な対応を頂いた。
とても気分がよい。
ちなみに「福神漬の意味は?」と問うたら一笑にふされた。

野毛はかつての輝きを失ってしまっている気がする。
戦後の日本を支えてきた男の文化は、失礼な言い方だが女子供の消費文化にとって変わられた。
ブランドイメージを確立し観光地料金で集客する海側に負けないよう、頑張ってもらいたいものだ(節操のない自分は海側も好きなんだけどね……)。

2012年12月22日

■ 店舗情報 ■
住所:神奈川県横浜市中区花咲町1‐9
電話:045-241-7327
営業時間:11:00~21:45
定休日:月曜日

センターグリル 食べログ情報 

センターグリルオムライス / 桜木町駅日ノ出町駅馬車道駅



Forever 


 JR桜木町駅を出ると、祐也は、みなとみらい方面に向かうお洒落な人波に逆らい、妻の涼子とともに平戸桜木道路を抜け野毛柳通りに足を踏み入れた。
 18年ぶりの場末の香りが体に染み渡る。と同時にそれと連動するように自然と顔がほころぶ。
 オーストラリアで貿易商を営む祐也が、大学の4年間を過ごした街だ。
「大学は人生の目的を探す場」と考えていた祐也は、この街には自分が求める何かがあるのではないか、そんな漠然とした思いでこの地を生活の場に選んだ。

 その日に稼いだバイト代をGパンのポケットにねじ込み、安酒の酔いに身を任せて街を闊歩する。
 一流企業への就職を目指す同級生や、すりごまが背広を着たようなサラリーマンを「飼いならされた豚ども」と卑下しつつも、何れ「大学」という温室生活を終え別世界へと身を委ねることになる自分が何者かわからず、文学青年を気取って大岡川の水面をぼんやりと眺めながら「自分の存在理由」に頭を悩ませていた時期でもある。

 野毛柳通りの外れまで来ると、祐也は青い看板の店の前で足を止めた。
 どこまでも突き抜ける晴れ渡った冬空を仰ぎ、大きくひとつ深呼吸をする。
「米国風洋食 センターグリル」
 祐也が足繁く通った店。
 祐也を育ててくれた店。
 そして、祐也を育ててくれた大切な人と出会った店――。

「ご一緒してもよろしいですか」
 大学3年の秋、センターグリルのテーブルで料理の出来上がりを待つ祐也に、柔和な笑顔の老人が話しかけた。
「あ、はい、どうぞ」
 一瞬とまどいながらも、何か得体の知らない、周りをほっとさせるようなオーラが祐也を包み込み、自然と快諾の言葉が口をついた。
「あなたの食べっぷりはよく拝見させていただいていましたよ」
 オックスフォード地の水色のボタンダウンシャツに、濃紺のシングル三つボタンのブレザー。綺麗にプレスされたグレーのスラックスに足元はコインローファー。
 典型的なIVYに身を固めたその紳士然とした老人は、丁寧にブレザーを脱ぐと、祐也の前の席に腰掛けた。
「学生さんですか?」
「はい、今大学3年です」
 この老人、どこかで会ったことがあるような……、祐也は記憶をたどる。

 ふと、記憶の線がつながった。

 数ヶ月前まで、毎週のようにこの店の一番奥の席で、品の良さそうな老婦人と楽しげに食事をしていた姿が祐也の脳裏に蘇る。
「我々には子供がいなかったもので、あなたの食べている姿を見て、家内とよく『孫がいたらこのくらいの年かなあ』なんて楽しませてもらってたんですよ」
 それから老人は、自分が影山治夫という名であること、日本大通り方面で貿易商を営んでいること、そして、2ヶ月前に突然奥さんを失ったことを祐也に聞かせてくれた。
「私のほうが病弱で、そんな私を支えてくれた家内にまさか先立たれるなんて思いもよりませんでした。やはり、男やもめはよくない。格好つけても、男なんてひとりでは何もできやしないちっぽけな生き物ですよ」
 運ばれたナポリタンをフォークに巻きながら、老人はぼんやりと壁に目をやった。
 その目を、祐也は見つめた。
 頬の皺の上のくぼんで濁った白目、でも、そのとなりにある黒目は決して輝きを失っていない。こんな目は見たことがない。それに引き換え、オレのガラス玉のおもちゃのような目は何なんだ……。
 男の年輪と生き様を感じた瞬間だった。

 やがてランチタイムで賑わい始めた店内で、老人と祐也はそれぞれの自己紹介や趣味などをおり混ぜながら会話に花を咲かせた。
「今日はありがとう。おかげさまで久しぶりに充実した時間をすごせました。今日は私がご馳走しますよ。それと、もしよかったらまたご一緒にいかがですか?」
 老人の言葉に祐也はお礼を述べ、握手を交わして二人は別れた。

 その後しばしば、この店で老人と祐也は食事を共にした。
 老人は今後の人生に悩む祐也の相談に真摯にのってくれ、経営する貿易会社でのアルバイトも勧めてくれた。
「男っていうのは悩んでいたらいけない。机上の勉強で頭でっかちになってもいけない。自分の進む道を見つけ、しっかり地に足をつけ、それに向かって生きていくもんだ。その道が正しいか正しくないかなんて関係ない。ただ自分を信じて、周りを信じて。そして感謝の気持ちを持つ。それと、君は彼女はいるのかい?」
「いえ、……」
「何れ君も人生の良き伴侶に巡り合うだろう。でも本当に素敵な巡り合いがあるかどうかは、君が自分をしっかり持てるかにかかっている。幸い私は最高の伴侶に出会えた。将来の君の伴侶も、きっと今頃どこかで君の成長を待ち望んでいることだろう」

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 祐也は18年ぶりの扉を開け、涼子をエスコートしながらセンターグリルの2階へと上がった。

 変わらない景色が眼前に広がる。
 奥の席で、笑顔の若いカップルが美味しそうにオムライスをほおばっているのが見てとれた。
 老夫婦が決まって食事をしていた席だ。その若いカップルの姿が、祐也には若き日の影山夫妻の姿に見えた。
 影山さん、今頃天国で毎日奥さんと楽しい食事の時間を過ごしているんだろうなあ……。
 祐也は、あの日老人がしたような仕草をまねて、裏地に「H・Kageyama」と刺繍された濃紺のブレザーを丁寧に脱いだ。
 影山さん、オレ、少しはあなたに近づけたかなあ……。

「特製オムライスを二つください」

 18年前よりちょっと年輪を重ねた声が、店内に響き渡った。

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2015
03.11

【再掲載】 デニーズ

今日はデニーズのオムライスを食べながらのストーリーの再掲載。
ファミレスのオムライスなんて美味しいの???
食べる前はそんな疑問を持っていたけど、食べてみたらこれが美味しい!
いやあ、ファミレスおそるべし……。


*****************************************


ファミリーレストランレボリューション

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「デニーズのオムライスって、すっごく美味しいから」
洋食好きの方に教えてもらった。

デニーズ?

Out of 眼中だっただけに、一瞬戸惑ったものの、串カツで人を信用することを叩き込まれた頭と体は、躊躇することなく素直に従う。

行きましたよ、デニーズ。オムライス目的で。

「いらっしゃいませ!デニーズへようこそ」
聞きなれた明るい挨拶が出迎えてくれた。
いや~、さわやかだよね。

禁煙席に通され、メニューを拝見。

おー、あったあった、オムライス。
その名も、とろ~り卵とチーズのオムライス。価格は880円。
写真の卵とチーズの塩梅がとても美味しそう……。

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以前、ラケルに行ったときに、もしチェーン店のオムライスが洋食屋や喫茶店の上を行っていたらどうしようという一抹の不安を抱いたけれど、この日も同じ、いや、それ以上の不安を抱いた。

もし、ファミリーレストランのオムライスが一番美味しかったら……。

「おまたせいたしました」
まあ、それならそれで、なんてことを思っているうちに笑顔と一緒にオムライスが到着!

わー、美味しそう!!

名前の通り、見た目も、とろ~りがあふれている!

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ほんと、きれいにできあがっている。
さてさて、味はどうだろう……。

えーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!

美味しいんですけどーーーーーーーーー!!!!!!!

チーズがいい感じで入っていてモチモチ。
チキンライスには、食べ応えのある鶏がしっかりと入っている。
ご飯の味付けもよいよい。

ソースも、ほら、ちょっと「さらっ」というより「どろん」とした感じ。
わかりますか?

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で、なんというか、デミに照り焼きソースの甘さみたいなものが混ざっている。
これが美味しい。


卵は、乗っている部分はわりとしっかり焼いている感があり、下の方はたまごかけご飯のような味わい。

いいじゃん。。

どうすんの、これ……。

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いやあ、ファミレスおそるべし。

企業が競争を勝ち抜くべ、食材選定から配送から味つけ、接客まで一連をとことん追求する。
その結果、ちょっと前までの常識が変わりつつあるのでは???

ファミレスや冷凍食品なんかはその典型だと思う。

何が本物の味だとか偽物の味だとか、そういうのは変化していくのかもしれない。

「デニーズのオムライスって、すっごく美味しいから」
その一言をいただいて食したのだけれど、うん、確かに洋食好きの心をつかむのはわかるような気がする。

チキンライスが好きです。
照り焼きソースが好きです。
卵かけご飯が好きです。

そんな味覚の人気のポイントを、しっかりとおさえてオムライスに反映させていると思う。


今回はデニーズなので、お店情報はありません。
みなさんの身近にありますから。

デニーズ、侮りがたし。恐るべし。

機会がありましたら、ぜひ一度デニーズのオムライスを食べてみてください。

※よっちママさんに頂いたコメントで、北海道にはデニーズがないことを初めて知りました。そうなんですね……。残念!



一輪の真心

「いらっしゃいませ!デニーズへようこそ」
 ドアを開けた武井健一を、弾ける笑顔が出迎えた。
 自然と笑みがこぼれる。健一は指を2本立て、"ふたり"と合図を送った。

 会社からたっぷり2時間半はかかる地方都市にある和菓子店との商談。
 早めに現地に行って15時からの商談に備えよう。そんな考えで、昼食がてら和菓子店がある商店街のデニーズに飛び込んだ。

 笑顔の案内に従い、入社2年目の神山真吾とともに窓際の席につく。
 昼のピーク時間を過ぎたせいか、比較的すいている店内にはゆったりとした空気が漂っている。

「すみませんが、先にちょっとトイレに行ってきます」
 真吾の言葉に、遠慮するなと頷きパソコンを取り出す。

 デニーズへようこそ、か……。
 さて、どうやってお店の特徴を出そう……。
 和菓子のネット販売。他との差別化を図るために何か訴えるものがほしい。
 送料無料? 翌日配送?
 いや、どれもありきたりだ。画龍点睛を欠く。どうしたものか……。

「すみません、おまたせしました」
 ぺこりとお辞儀をすると、トイレから戻った真吾は静かに椅子を引いて健一の向かいに腰かけた。

「早く食べたいだろ」
「はい、もう、お腹がすいちゃって……」
「ここはおごるから、好きなものを頼め」
 そう言いながらメニューをめくる健一。その目に、”オムライス”の5文字が微笑みかける。
「どうしたんですか?」
 思わず「あっ」と漏れた声に、真吾が反応した。
「いやあ、あるんだな、デニーズにも。オムライスが」
「あ、知ってますよ。武井さんがオムライスに目がないって。今度美味しい店に連れてってくださいよ」
 真吾もメニューのオムライスのページを開き、それに見入った。
「美味しそうだなあ……。ボクもオムライスにしようかなあ……」
「別に合わせなくてもいいぞ」
「いや、そういうわけではなくてですねえ……」
 真吾の目を見やる。どことなく遠い目が、5月の午後に揺れている。

「もう何年も食べてないんですけどね……」
「じゃあ、呼ぶよ」
「あ、はい、お願いします」
 健一はテーブルの呼び鈴を押した。

「子供の頃、母親がよく作ってくれたんです。オムライス」
 頬杖をつきながら、真吾はぼんやりと天井に目を向けた。
「それがすごく美味しくて。大好きで。大体は休みの日の昼飯だったんですけどね」

「そう言えば君のおかあさんは……」

「はい。女手ひとつでボクを育ててくれまして。大学まで出してくれて。きっと、神様が休めって言ってくれていたんだと、今はそう思うようにしています」

 それからしばらく、沈黙の時間が続いた。

 注文を終え、やがて出来たてのふわふわオムライスがふたつ、ふたりのもとに運ばれてきた。

「いやー、本当に美味しそうですね!武井さんがオムライスにはまるのもわかる気がします!」
「そうか」
「うん、美味しい!チーズとタマゴがいい感じですね!」
「おー、うまいうまい。意外だな、デニーズのオムライスは盲点だったな。眼中になかった。ところで、君のお母さんはどんなオムライスを作ってくれたんだい?」
「はい、典型的な家庭のオムライスです。こどもに生のタマゴはよくないって、しっかり焼いた玉子焼きに包まれていて、その上にケチャップでいろいろな言葉が書かれていまして。あるときは『おかあさんスペシャル』とか、またあるときは『HAPPY!』とか」

“ こどもの頃から母親似って言われるんです ”
 健一は、幸せそうにオムライスを口にする姿を見て、真吾のそんな言葉を思い出していた。
 どことなく中性的な顔立ちの真吾の瞳の中で、思い出が駆け巡っている。
 こいつの優しさときめ細かさ、それと人懐っこさは母親譲りだな……。
 苦労にもめげず、うらみもせず。
 こういうやつは、本当に報われてほしい……。
 年の離れた弟を見るような、そんな眼差しが真吾を見守る。

 おかあさんのオムライスか……。
 オレもよく作ってもらったっけ。
 デパートのレストランにも連れて行ってもらって、国旗の立ったお子様ランチのオムライスを食べたよなあ……。

「今日は母の日ですね……」
 真吾につられて思い出にふける健一の耳に、何気ないつぶやきがこだました。

 母の日。

 そう言えば、小学校の時に学校からカーネーションを持って帰って以来、この日を意識したことなんてなかった。

 孝行のしたい時分に親はなし。
 よく言ったものだ。

 母親の笑顔が脳裡に浮かぶ。

 と、そのとき、

 健一の中で、母親の顔と、和菓子店の女将の顔がオーバーラップした。

「そうだ神山!」
 健一の目が輝く。

「それで行こう!和菓子のネット販売。カーネーションの絵をあしらった便箋に、女将さんに手紙を書いてもらって入れよう。一言でいい。君のおかあさんがオムライスにケチャップで書いてくれたように。店売りの方も女将さんの人柄が人気でリピーターが増えている。あの人の人柄や真心は、きっとネットを通じてでも伝わるはずだ」
「それ、いいですねえ!」
 真吾が身を乗り出す。
「15:00までにはまだ時間がある。よし、企画を詰めるぞ、神山!」
「はい!」

 ブラインド越しに降り注ぐ夏への準備を進める午後の穏やかな陽光が、テーブルに満ちあふれる。

「武井さん、女将さんにカーネーションを買って行きましょうよ」
「おー、ナイスアイデア」
「何の疑いもなく、あなた方に全部任せるからって、女将さんはボクたちにとってはおかあさんみたいなもんですもんね」
「さすが神山。その通り」

 健一はパソコンの企画書ファイルを開くと、一文字一文字、力強くキーを叩いた。

“ カーネーションプロジェクト   ~ 一輪の真心を和菓子に添えて ~ “

 まるで、ほっぺたにご飯粒をつけながらおかあさんのオムライスを頬張る子供のように、パソコンの画面に食い入るふたり。

 生命を吹き込まれた文字が言霊となり、パソコンから飛び出す。

 一輪のカーネーションが宙を舞い、リインカーネーションと溶け合う。

 健一の母も、真吾の母も、真心の文字の中で楽しげに踊っている。

 輪廻に宿る永遠の真実。

 真心が、時空を超えて、伝播する――。

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2015
03.09

【再掲載】 うまい棒のある風景

Category: お菓子
小腹がすいたとき、その欲求を満たしてくれる安価な商品がある。
チロルチョコ、よっちゃんの酢漬けいか……。
(要するに駄菓子)

そんな駄菓子界にあって、不動の1位(ボクの中で)をキープし続けているが、「うまい棒」!
2014年の4月にプレミアムが発売され、当時は何とか手に入れたいと東奔西走したものだが、結局見つけることはできなかった。
まだ売ってるのかなあ、プレミアムうまい棒。

今日は、そんな「うまい棒」に敬意を表し、一昨年の秋に書いたうまい棒の記事の再掲載です!!


****************************************


うまい棒。

1本9円か10円のうまい棒。

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1979年7月に発売が開始された。

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一体、どれくらいの種類があるのだろう???

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これはめんたい味。

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チーズ味は結構濃厚。おいしさアップ!

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エビマヨネーズ味はネット上のオフィシャルサイトでの投票の結果作られたらしい。

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で、これは……。△※☆◎???

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おいコラー!
なにしてんだよ~!!

失礼しました。

で、これはコーンポタージュ味。

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スーパーやコンビニで見かけるのはこの4種類くらいかなあ???

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でも、もっといろいろと種類がある。

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コーンポタージュ味を袋から出すとこんなカンジ。

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ビフォー、アフター。日焼け前と日焼け後。

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うまい棒倒し。

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男女7匹夏物語。男女7匹秋物語へと続く。

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パンダのある風景。

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そして、芸術の秋。

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「あなたはどのうまい棒が好きですか?」
短期投票、やってみようかな……。


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2015
03.08

カゴメオムライススタジアム 関西大会開催中

5月16日~17日に、東京スカイツリーで「オムライス日本一」を決める全国大会が行われる「カゴメオムライススタジアム」。
全国10エリア(北海道、東北、関東甲信越1、関東甲信越2、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州)で地方大会を順次開催し、各エリアを勝ち上がった店舗が全国大会に出場するのだけれど……。

おいおい!!
もう始まってるじゃん!
関西大会 WEB予選。WEBにて投票受付中って。。
しかも、締切が3月9日。

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食べログのこちらのサイトで受け付けている。

http://tabelog.com/tieup/kagome_kansai2014 

エントリーした店舗は以下の通り。

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大阪府八尾市 
ライラック
八尾若ごぼうと牛そぼろのオムライス

大阪府大阪市北区
長屋オムライス 大阪駅前第一ビル店
ベーコンオムライス

京都府向日市
我炉煮
オムライス

京都府京都市中京区
ルフ
ルフオムライス

兵庫県神戸市北区
有馬食堂
オムライス

大阪府大阪市中央区
浪花オムライス
浪花オムライス

大阪府大阪市北区
レストラン・カフェ クイーン
ハヤシオムライス

兵庫県神戸市中央区
グリル金プラ
カツオムライス

大阪府大阪市北区
農かふぇ
トマトケチャップとアルフレッドソースのオムライス

大阪府大阪市西区
ファンスペースカフェ
オムライス

大阪府大阪市西区
MOTO
オムライス

兵庫県神戸市中央区
ロイン 三宮店
チーズと小海老のトマトソースのオムライス

大阪府高石市
高石あかせ
柔らか煮にした明石ダコとオクラのオムライス

****************************

すでにかなりの票が集まっている。
大阪勢が強い。
「浪花オムライス」と「長屋オムライス 大阪駅前第一ビル店」は強すぎ!

どれにしようかなあ???
さっそく投票しよ~っと。

みなさまもぜひ、好きな、あるいは食べてみたいオムライスにご投票を!!

ではでは!!


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2015
03.07

やったね! 同士、現る!! 

昨年の2月28日に、「おかしなオムライス」というタイトルの記事を書いた。

名古屋にある、お菓子屋 レニエ

ここで売っている、「お菓子な?オムライス」の記事。

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記事の一部を再現してみよう。

*************************************

うおーーーー!!!!!!!!!
なんだこれ!!!!!!

たくさんのフルーツをサンドして、クレープの生地で包み込んだオムライスのようなお菓子。

オムライスの後にこれが出てきたらどうする?
中が見れないのが残念なんだけど、でも、なんかそそられるなあ……。

うん、やっぱ美味しそう。。。

もちろん、「お菓子な?オムライス」以外にもいろいろなのがある。

たとえば……。

これは果物のシャルロット。

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こちらは特製モンブラン。

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やばいやばい、もう完全にパブロフの犬状態。

ワオ~ン!

名古屋近郊の方がいらしたら、ぜひ、レポをお願いします!

お菓子屋 レニエ 本店 食べログ情報

お菓子屋 レニエ 本店ケーキ / 小田井駅庄内緑地公園駅上小田井駅


*************************************

さてさて。

この記事の中には、ボクの「思い」が書かれている箇所が2つある。

ひとつは、中が見れないのが残念なんだけど

もうひとつは、名古屋近郊の方がいらしたら、ぜひ、レポをお願いします!

この記事を書いてから苦節1年(どこが苦節なんじゃい!)、ボクのもとに、この記事で書いた「思い」に応えてくださるコメントが!

「夢じゃないよね。。」
にやけるほっぺたを心の中でつねってみた。
(M的趣味はないし、痛いから実際にはつねっていない)

以下、頂いたコメントの抜粋。

このレニエさんのケーキ、昨日初めて見つけて即購入し(そして食べ)ネットでほかの方の感想調べていたらここにたどり着きました。 見かけ倒しかと思いきや、甘さ控えめでとっても美味しかったです。中身はクリームにイチゴ、キウイなどが入っておりました。ケチャップのところはベリーソース。 ちなみに、小さいサイズで1080円、大2000円弱くらいでした(もちろん小さいほうしか買えませんでした…) Omunaoさんの見つけられた画像は大きいサイズの方かなあと思われます。 オムライスのブログされている方を発見し、何やら嬉しい気持ちです。
私も始めて見ようかな…なんて思いました。(飼っている鳥のブログしかやってませんので…)

コメントをくださったのは、とりばかにっき ( ←リンク )を書かれているトリさん。

コザクラインコの「ぴっちゃん」、「福ちゃん」。
ワカケホンセイインコの「はっち」。
オカメインコの「ココア」。
かわいい4羽との生活を綴っていらっしゃる。
残念ながら福ちゃんは、先日、弟妹の待つ大空へと旅立たれた。
コザクラインコはパートナーへの愛情が深いことから「ラブバード」って呼ばれるそうだけど、トリさんの鳥たちへの愛情はラブバードそのもの。「トリあえズ」の活動名でポストカードを販売したり、デザインフェスタ等への参加もされている。

そんなトリさんがくださったレニエの「お菓子な?オムライス」の写真がこちら!!


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レポに加えて念願の「お菓子な?オムライス」のめっちゃ美味しそうな中を見ることができた嬉しさばかりではなく、ほのぼの感に満ちた「コザクラなオムライスの風景」が、ジ~ンとこころに響く。
ちなみに、写真に登場するコザクラは「コザクさん」というお名前とのこと。

トリさん、ホント、素敵な写真をありがとうございます!

と、これで完結かと思いきや……。

更にボクのこころにつきささる出来事が。。

もう一度、トリさんのコメントの最後を見てみることにしよう。

>オムライスのブログされている方を発見し、何やら嬉しい気持ちです。
>私も始めて見ようかな…なんて思いました。

私も始めて見ようかな

私も始めて見ようかな

私も始めて見ようかな

ボクの頭の中で、トリさんの言葉がリフレインする。

そして、ついにその時はやってきた。

福ちゃんが天に召されてからしばらく「とりばかにっき」の更新がないと思いきや……。

トリさんはもうひとつのブログを立ち上げられた!

その名も……、

オムにっき ( ← リンク )

うわあああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

シンプルにして的確、そのものズバリのネーミング。
幸せの象徴であるオムライス。その隣りでちょこんと佇む、愛情に満ちたラブバード。
和みと優しさにあふれる「トリさんワールド」が存分に繰り広げられている!

やったね!
同士、現る!!
それがボクの今の気持ち♪

トリさん、これからも素敵な記事をお願いしますね!!


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2015
03.05

【再掲載】 ケチャップでなんて書きますか?

Category: ストーリー
今日も再掲載。あしからず。。

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このブログを始めて、オムライスに今まで以上に注目するようになって、なんとなくだけど昔ながらのケチャップのオムライス派とふわとろオムライス派にわかれるような気がしてきた。

と言っても、集合の輪っかみたいなもので、重なりもある。

で、今日はケチャップをかける方のオムライスが主役です。

みなさん、ケチャップでオムライスに何か書くとしたら何て書きますか?
言葉でなく、マークや絵でもいいのですが……。

もしよろしかったら、コメントに入れてお聞かせください。
匿名でもなんでもかまいませんので……。

ちなみにボクはニコちゃんマークをかきます(その時の気分で変わりますが)。
で、食べているうちに「なんかケチャップ少なっ」って、グチャグチャってかけちゃうのでしょう。


月とニューヨーク・シティの間


 西の空から来た真っ黒い雨雲に覆われた7月の街は、突然の豪雨に見舞われた。

「いやあ、まいった」
 雨に濡れた髪をかき上げながら、シュウは店に飛び込んだ。

「おー、シュウ。傘、持ってなかったのか?」
 マスターの黒縁眼鏡が呆れ顔で言う。

「うん、天気予報では降るなんて一言も言ってなかったからさあ……」
「ほら」
 カウンターの奥から取り出したバスタオルを、マスターはシュウに投げ渡した。

「ありがとう!用意がいいねえ」
「ああ、お前みたいな客がよく来るんでね」
「それはマヌケな客、ってこと?」
「いや、疑うことを知らない正直野郎ってこと」
「どうせバカがつく正直者だよ、オレは」
「ハハハ、何言ってんだよ。いい意味で言ってるんだぜ、素直ないい奴だって。まあ、ただ、思い込んだら人の言うことを聞かない頑固な一直線野郎でもあるけどな。ビールでいいのか?」
「うん、先ずはね」

 よく冷えたハイネケンがグラスに注がれ、シュウの前に差し出される。
 礼を言うとシュウは、マスターとの会話を楽しみながら立て続けに3杯ほど飲み干した。
 
 窓の外では、横殴りの雨が夏の夕方を飲み込んでいる。
 盃を重ねるごとに、うなりをあげる豪雨が、シュウの心にも突き刺さる。
 
 頬杖をつき、ぼんやりと雨に目をやる。

 あー、何もかも流れ去ってしまえばいいのに……。

 溜息のシャボン玉が、ゆらゆらと飛んで行く。

 マスターの眼鏡が、溜息をやさしくキャッチする。  

 やがて店内に、静かに、曲が流れ始めた。


  ARTHUR’S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)  

  Once in your life you will find her
  someone that turns your heart around
  And next thing you know
  You’re closing down the town
  Wake up and it’s still with you
  Even though you left her way cross town
  Wonderin’ to yourself
  Hey what have I found

  When you get caught
  Between the moon and New York City
  I know it’s crazy but it’s true
  If you get caught
  Between the moon and New York City
  The best that you can do
  The best that you can do
  Is fall in love


  ニューヨーク・シティ・セレナーデ

  人生に一度だけ、理想の彼女に出逢うもの
  そう、君の心をときめかせる誰かに……
  するととたんに君は
  何も手につかなくなってしまうのさ
  目覚めてもまだそのときめきが続いている
  そう、彼女を街のずっと向こうに置いてきたとしても
  そして自分自身に問いかけるのさ
  一体僕は何を見つけてしまったんだ……とね

  月とニューヨーク・シティの間に
  はさまって捕まったら
  そう、ちょっとクレイジーだけど、本当なんだ
  そう、月とニューヨーク・シティの間に
  はさまって捕まったら   
  一番いいのは
  君にできる最善のことは
  恋に落ちることさ


「シュウ」
 頬杖を濡らすシュウに、マスターが微笑みかける。

「ちょうど1年前だよな。彼女とこの曲を聞きながら乾杯したのは」

 1年前……。

 そうさ、オレは恋に落ちた!最高の恋に!
 うん、夢じゃあない!

 一筋の思い出が、そっと、シュウの頬を伝う。

 「なあ、シュウ。もう意地をはるなよ。自分の気持ちにうそをついて生きてたって、お前はお前と別れることはできないんだから」

 君にできる最善のことは
 恋に落ちることさ

 マスターが、シュウのお気に入りのトムコリンズをカウンターに置く。 
 
 「さあ、これを飲んだら行ってやれよ、たった一人に宛てた招待状をもらったんだから」
   
 カウンターが8席ほどの、小さな店の景色が歪む。
 
 「素直な一直線野郎。それがお前だろ。それと、勇気がいるけど、ごめんなさいが言えるっていうのは大切なことだ。さあ、これを持って」
 そう言うとマスターは、できたてのオムライスを入れた包みをシュウに渡した。
「ケチャップ入れとくから、お前の素直な気持ちをオムライスにかいて渡しな」

 そうだよな。今日だめなら、もう、一生だめだよな……。
 オレはオレと別れることはできない。

 それよりも、今でもオレは、彼女(あいつ)を……。

 人生に一度だけ、理想の彼女に出逢うもの
 そう、君の心をときめかせる誰かに…… 

 ちゃんとごめんなさいを言わなきゃ。  

 さあ、勇気を出して、オレ。

 シュウは包みを受け取ると、黙って頷いた。

「じゃあ、シュウ。今度はふたりで」
「ありがとう、マスター」

 夕闇迫る街を覆っていた雨雲は、いつしか彼方に去っていた。

「雨、やんだね」
「ああ、いい流れだろ、シュウ」 
「うん。ありがとう」

 そう言うとシュウは、親指を立て、街路樹の向こうへとゆっくりと歩きはじめた。

 その後姿を、マスターの目が追う。

 1時間ほど前に「ちゃんとごめんなさいを言いたい」と相談に来た彼女とした打ち合わせのことは、シュウには黙っておこう。それと、彼女に、シュウに渡したのと同じオムライスを渡したことも。
 さあ、シュウ、お前がふたりの雨雲を吹き飛ばすんだ。女の子を泣かせちゃあいけない。女の子を守る、それが男の子の役目だろ。

 街灯りにキラリと光る黒縁眼鏡が、ニヤリと笑った。


 ●ARTHUR’S THEME (BEST THAT YOU CAN DO) Christopher Cross






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2015
03.02

【再掲載】 La Plata

いつの間にかブログを始めて2年が経過した。
ある想いで始めたブログ。
ちょっと思い出に浸りながら、今日は一番好きなオムライスのお店とそこで思いついたストーリーの再掲載です……。


古都鎌倉の異次元空間

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今回は江ノ電でのんびりと海を眺めながら古都鎌倉へ。
場所は鎌倉駅から鶴岡八幡宮方面へと続く「小町通り」。
う~ん、さすが鎌倉。正月を過ぎてもすごい観光客。
小町通りはラッシュアワーのターミナル駅のよう。
そんな中、人の流れに乗って1軒目の目的地である「La・Plata(ラ・プラタ)」を目指す。
ん?1軒目?
そうなんです。今日は2軒ハシゴ。
お腹いっぱいで行くのは失礼なので極力1日1軒と思っているのだけれど、すごく近いところに行きたい店が2軒あるので、今日は失礼して……。

さてさて、目的のラ・プラタなんだけど、ちょっとわかりにく場所にある。
小町通りから1本裏の路地に入ったところ。注意しないと曲がり角を通り過ぎてしまう。
勝手知ったる鎌倉。確かこの辺に……。
えーと、えーと、、、

おー、あったあった! 
店の前に「オムライス」と書かれた大きな看板が!!!!!!
こういうの見ちゃうとホントわくわくする。
しかも店の前の通りは、小町通りと打って変わってとても静か。
中も静かだったらいいなあ。でも、女性やカップルに人気らしいので、男1人で行くのはちょっと恥ずかしい。
そんなことを思いつつ、2階にある店に向かう階段をのぼる。
ちなみにこの階段はとても急なので、ヒールとミニスカは要注意。
覚えておいてください。

中はどんなカンジなんだろう。
ちょっとドキドキしながら入口のドアを開ける。

……。

おー!!
なんだここはーーーーーー!!!!!!!

まさに、ここはどこ、私は誰状態??? 
目の前に、突如クリスマスの風景が広がる。

「いらっしゃいませ、お好きな席へどうぞ」
あっけにとられるボクの耳に届いた女性の柔らかい声に誘導され、席へと着く。

昼食時を過ぎたせいか、お客さんはひとりもいない。
壁のディスプレイではクリスマスソングを歌う様子が放映されている。
そう、ここは1年中クリスマス!
何から何まで手作り感満載。各テーブルに置かれたメニューにしてもとても温かみを感じる。
そしてメニューを開くと、1ページ目に……。

Santa’s Favorites
キーンと凍るクリスマスイブの夜空をトナカイの牽くそりに乗って駆け抜け、一晩で世界中の良い子にプレゼントを届けるサンタクロース。
そんなハードスケジュールをこなす彼の大きなお腹を満たし、リラックスさせるサンタの奥さんの癒しの部屋と手作り料理。
素材や調理法にこだわり、優しさのスパイスを効かせたミセス サンタのキッチンです。
ヨーロッパのクリスマスいっぱいの夢あふれるお部屋で、ヘルシーで美味しいお食事と素敵な時間をお過ごしください。

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もう感動!!
食べる前から、ラ・プラタワールドに引き込まれてしまった……。
しばし雰囲気に浸ってからオムライスをオーダー。
オムライスは、天使のオムライス(半熟玉子のふわふわオムライス)900円。
ハッシュドビーフのオムライス1,300円。
メキシカンミートオムライス1,300円。
この3種類。
今回は初回なので天使のオムライスを注文。

ほどなくしてオムライスが到着。
おー、美しい!!
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すごく繊細で、優しい盛り付け。
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一番上に乗ったシュークリーム生地で作った天使の羽が安らぎの世界へといざなってくれる。
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でも、すごいのはこれからだった……。

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ソース、うん美味しい。
マイルドで、生クリームとの相性が抜群。
ご飯、うん美味しい。
ほどよい食感と味付け。
卵、……、玉子、……、タマゴ、……、たまご、……。

もともと卵は大好き。
でも、こんなに深みがあって、ソースとご飯にマッチしている卵は食べたことがない。
なんか、「美味しい」の次元が違う。口の中で感動が広がる。
食べ終わってからもしばらくは、クリスマスソングに耳を傾けながらボーッと余韻に浸ってしまった。


   ☆


ラ・プラタの由来は「真っ白に輝き続ける『プラチナ』のラテン語の語源『Plata』」から。
大町ではじめ、4年前に小町に移ってきたそうだ。
「うちは家庭の味ですね。でも卵料理ってそれぞれの家庭の味があるから難しいですよね」と笑顔で語るミセスサンタ。
鎌倉はお年を召した方が多いので、あまりこってりさせないようにデミグラスソースは肉より野菜、果物重視。卵も生クリームを混ぜないとのこと。私自身あんまりこってりがダメなんですよ、と。
卵はこの店のデミグラスソースに合うものを探したと言う。
「高ければいいってもんじゃないんですよね……」
納得。しみじみと語るその言葉に、深みと重みを感じる。

部屋、料理、接客、何もかもが優しさと癒しに包まれている。
完成されたひとつの世界。そう、この店の中は、外界とは異次元のおとぎの国の世界のようだ。

「今日はこれで、一日中幸せに過ごせます」
帰り際、そんな言葉が、何のてらいもなく自然と口をついた。

2013年1月12日

■ 店舗情報 ■
・住所:奈川県鎌倉市大町2-9-2
・電話:0467-60-5258
・定休日:第1月曜日

La Plata 食べログ情報 

ラ・プラタオムライス / 鎌倉駅和田塚駅


************************************************


天使の忘れもの

 小さい頃の記憶は現実なのか夢の中のことなのか境界があいまいで、夢で見たことを本当にあったことと思い込み、大人になってもそれを実際の出来事だと信じ込んでいることがある。
 
 でもそれは、小さい頃に限ったことではないのでは。
 
 夢のような本当の話。本当のような夢の話。
 もしかしたら現実と夢の世界に境界なんてなく、気がつかないうちに人はそこを行き来しながら生きているのかもしれない。


   ☆


「ほら、この店」
 夏の夕方が日の入りを躊躇する頃、慎司は、真っ白いワンピースと麦わら帽子を身にまとった晴香と一緒にラ・プラタに向かう階段の前に立った。
「きっと要望に合うはずだよ」


   ☆


「松橋くん?」
 2週間ほど前の朝、いつもと同じ通勤電車のいつもと同じ席に座った慎司の前に、ミュールを履いた透き通った足が現れた。
 寝ぼけ眼で、ゆっくりと頭を上げ、足の持ち主の顔を見上げる。
 慎司を見ながら微笑む女性。
 ビデオカメラの焦点が合うように、やがて慎司の記憶の焦点が定まった。
「あ、えっ、なんで……」
 微笑みながら黙ってうなずくと、女性は
「隣、座ってもいい?」
 そう言いながら慎司の隣に腰掛けた。

 10年ぶりの再会だった。

「戻って来てたの?」
 中学の途中で日本を離れた晴香に向かって、慎司が言う。
「うん、たまたまね。またすぐ帰るんだけどね」

 初めて付き合った相手との再会。

 偶然というのは突然にやってくる。たまたまわずかしか帰ってきていない晴香に、この時間のこの車輌のこの席で会うなんて。
 再会を喜ぶ黒目がちの大きな目。
 さらさらとした長い髪。
 きちんと両膝に置かれた小さな手。
 品のある落ち着いた声。
 大人になった晴香をちらちらと見やる慎司の中から、美しい思い出が堰を切ったようにあふれ出す。

 あふれ出すのは思い出だけではなかった。
 嫌いで別れたわけではない。物理的な距離は、まだ幼い二人には遠すぎた。
 満員電車の空間が、まるで隣に座る晴香と二人しかいない観覧車の中のような、そんな錯覚に陥る。
 どうしようもなく、思いが、10年前に飛び込んでいく。
「もしよかったら、連絡先とか教えてもらえない?」
 自然と口をつく慎司の言葉に、晴香は戸惑いの表情を浮かべると、
「ごめんなさい。私、携帯持ってないし、連絡先はちょっと……」
 申し訳なさそうにそう答えた。
「そうなんだ。わかった。じゃあ、ボクは毎日この席に座っているから、時間があったらまた会いたいな」
 やがて慎司の降りる駅が近づいてきた。
 しばしの沈黙ののち、晴香がつぶやく。
「私も会いたい……」
 どこか憂いをたたえた声だった。
「ねえ、ひとつお願いがあるの」
 席を立とうとする慎司に向かって、意を決したような表情(かお)で晴香が言う。
「どこかで、あのときのクリスマスの続きがしたいなあ。私、2週間後にまたこの電車に乗る用があるから……そのときに会えたら」


   ☆


 ラ・プラタの前に立った慎司は、優しく晴香の手を取り、階段をのぼった。
「なんかわくわくする」晴香の嬉しそうな声が壁に響く。
「じゃあ、入ろうか」そう言いながらドアを開ける慎司。

 その瞬間、一面クリスマスの世界が飛び込んで来た。

「すごーい」大きな目を更に大きくしつつ、それ以上は声にならない晴香。

 お客さんのいない静かな店内は、優しく暖かい雰囲気に包まれている。
 奥のテーブルに着くと、二人はグラスワインと天使のオムライスを注文した。
「これ、そっちに置いといて」
 甘えた声で麦わら帽子を差し出す晴香。それを受け取りながら思わず笑がこぼれる慎司の前を、晴香のつややかな髪の香りと温もりが通り過ぎる。
「こんなとこあったんだあ……」キラキラと輝く晴香の目は、あたりを見回した。
「探したよ、夏にクリスマスができるところ」
「ごめんね、わがまま言って」
「ううん」慎司はゆっくりと首を横に振って続けた。
「神様はボク達を見捨てなかったね。だって、ボクもあの時の続きがしたかったんだから……」
 

   ☆


 中学2年のクリスマスイブ。この日、慎司と晴香は、近所の教会のクリスマスパーティーにクラスの仲間と参加していた。照明は落とされ、ほのかなキャンドルの踊りでパーティーは進んでいく。キリスト教のことはわからないが、パイプオルガンの音色にあわせてみんなで歌う賛美歌に、二人は厳かなものを感じていた。
 そんな中、キャンドルの向こうから晴香が慎司に耳打ちをする。
「ねえ慎司、結婚式ごっこしない。ほら、汝はこの者を妻としてって言うでしょ。あれやろうよ……」
「いいよ」一瞬とまどったが、慎司は頷いた。
 と、その時
「ではみなさん、席を変えて他の方々とお話しましょう」
 主催者の声が響いた。

 結局そのとき、晴香の要望が実現することはなかった。


   ☆


「では、カンパーイ」
 ワイングラスを重ねる二人。
「あの時はりんごジュースだったね」
 二人の笑顔があふれる。
「そうだったね……。ねえ、続きをしようか」

 ♫ Silent night, holy night! All is calm, all is bright.……

「きよしこの夜」が流れる店内は、静粛な空気に包まれている。

「じゃあ私からね。松橋慎司。汝はこの者を妻とし、健やかなるときも病める時も、生涯変わらぬ愛を誓いますか」

「……はい、誓います……。じゃあ、次はボク。青山晴香。汝はこの者を夫とし、健やかなるときも病める時も、彼を愛し、彼を助け、生涯変わらぬ愛を捧げ続けることを誓いますか」

「……はい、誓います」

 粛々と、二人の時間は流れて行く。

 ♫ I‘m dreaming of a white Christmas ……

「うそでもいいから、慎司には一度言ってほしかったんだ。ずっとそれを思ってたの。それと、ここって、なんかお母さんのお腹の中にいるみたいですごく安心する……」
 曲が「ホワイトクリスマス」に変わった頃、天使のオムライスを口にしながら晴香が言う。
「ありがとう、慎司、私のために。これで思い残すことなく帰れるわ。私、すごく幸せよ……」
「今度はいつ戻って来られるの?また会えるよね」
 黙って首を横に振る晴香。笑をたたえた潤んだ瞳の中で、照明がゆらゆらと揺れている。


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 その夜、眠りについた慎司は、遠くから聞こえる晴香の声を耳にした。

「さよなら、慎司」

 ふと、窓の外を眺める。

 トナカイが牽くそりが、澄み渡る天空に向かって駆け上がって行く。
 そこには、まるでウェディングドレスか羽のついた天使の服のような真っ白いワンピースに包まれ、麦わら帽子が飛ばないように片手で頭をおさえながら、一方の手を大きく振る晴香の姿があった。

 それを優しく見守り、手を振り返す慎司。

 ラ・プラタのときと同じ麦わら帽子からのつややかな髪の香りが、そよ風に乗って慎司の元に届く。

 ありがとう晴香。君は遠いところから、わざわざボクに会いに来てくれたんだね。

 あ、忘れ物……。
 慎司は天使のオムライスを前に二人で撮った写真を取り出した。
 ちょっと待ってて、今渡すから……。
 唇をかみしめながら、写真を、紙飛行機の形にひとつひとつ丁寧におり込んで行く。
 もうちょっと。
 もうちょっと。
 君と僕の。
 ボクとキミの。
 ……。

 さあ、できた。
 ふたりと天使のオムライスを乗せた紙飛行機が慎司の右手に握られる。
 晴香、ちゃんと受け取るんだよ!
 慎司の手を離れた紙飛行機は、スローモーションのようにゆっくりと、でも確実に、晴香の元へと飛んで行く。

 また出会ったら、今度こそ一緒になろうね。

 紙飛行機が到着したそりの上で、天使の羽がキラリと輝く。
 やがて小さくなったそりはひとつの光になり、ベガ、デネブ、アルタイルの夏の大三角形の中に吸い込まれ、静かに消えて行った。


 おわり

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2015
03.01

代々木公園付近の素敵なお店 その1 せきぐち亭

みなさま、ご無沙汰です。
ブログ、すっかり放置状態になってしまいました。
まだまだ多忙な日は続くけど、ガンバります!

さてさて。

先日、新宿の「卵と私」に行った記事を書いたけれど、都内に行くとふと思うことがある。
それは、「都会の巨大なエネルギーを感じる」ということ。
特に、23区内。もっと言うと、山手線の内側(周辺を含む)。
高層ビルが乱立しているとかクルマや人が多いとか、単にそういうことではない。

ボクが感じる巨大なエネルギーというのは、いろいろな人の「思い」や「will」。
都内に浮遊するそれを、ボクはパックマンのようにパクパクと食べて行く。うまく言葉では言い表せないのだけれど、そのエネルギーを得ることで、なぜか自分の感覚が研ぎ澄まされるような気になってくる。

そして今、それを欲している自分がいる。
エネルギーが欲しい。都内という劇場の中を、泳ぎ回りたい。

そこで……。

今年は都内を巡ってお気に入りの洋食屋さんとかカフェを見つけることにしよう!
ボクの頭の中にどんな主人公が出てきてくれて、どんな話を展開してくれるのか、とても楽しみだ!!

そのためには予習をしておかないと……。
ボクの住んでいるところからだと、小田急線に乗って、入口はやはり、明治神宮、代々木公園方面だね。
小田急線の駅で言うと、代々木上原、代々木八幡、参宮橋あたり。大学が小田急線沿線だったので、新宿や下北沢はよく行ったのだけれど、その間にあるこの辺はスルーすることが多かった。
今改めて見ると、行ってみたい店がたくさんある。

はじめはこの店からかな。
東京メトロ千代田線の代々木公園駅を出てすぐのところにある洋食屋さん、せきぐち亭

製菓職人の父、料理人の兄を持つ関口康史さんが、フレンチ、中華、和食とさまざまなジャンルの料理を経験し、神田のステーキハウス「柿の木」を経て独立開業した店。洋食でありながら「日本人の口にあう洋食」をコンセプトに、厳選した国産米のご飯、炒り粉とカツオに白と赤の味噌をブレンドした味噌汁を提供。そして、有機野菜や北海産の大あさり、宮崎産の黒毛和牛など、季節と国産にこだわって仕入れた食材でつくる料理にも、「口に入れたときの味わいに安心感を与える」という考え方から、醤油や味噌を隠し味に使っている。
そう、ほっとする安心感を与えてくれる店なのだ!!

看板料理は「ビーフシチュー」や「ハンバーグ」。もちろん、オムライスだって売りのひとつ!

では見てみよう!
写真は「ヒトサラ」より。

先ずは、ほろりと崩れるほどに柔らか「ビーフシチュー パン・ライス付」

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一週間かけてつくったデミグラスソースに3日間肉を煮込んだ逸品。
美味しそうだし、それに、なんだかめっちゃ美しい!
食欲をそそるねえ。。

続いてはこちら。
甘みとコクのある「ハンバーグステーキ」。

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国産肉にこだわった、あめ色の玉ねぎを加えてよく練ったハンバーグ。
これはやばい、条件反射でよだれが……。


最後はお待ちかねのオムライス!
デミグラス味のリッチな「オムライス」

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シチューの煮込み肉の牛バラとタンを加えて炒めたオムライス。これにこだわりのデミグラスソースをかけて……。
いやあ、ちきちょー、食いてー!!
我慢できない。もう、たまらないね!!!!!
うわあ、もうだめ。一日も早く食べに行きたい。

でも……。

ひとつ、大きな問題がある。
切実な、重くのしかかる問題が……。

う~む。
困った……。

何がって?

それは……、

それは……、

それは、花粉症がひどくなってきて、そのおかげで鼻が詰まって、つまり、「味がわからなーーーーーーーーい!!!!!」ってこと。

春よ、早く終われ!

つらいなあ。。涙


せきぐち亭 食べログ情報

せきぐち亭洋食 / 代々木八幡駅代々木公園駅代々木上原駅



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