われら青春 in the マック 再び - 2015.08.05 Wed
先日、久しぶりにマクドナルドに行った。
マクドナルド。
通称マック(関西ではマクド。しかし、最近は「マック」派が増えているとか……)。
何かととやかく言われるマックだけど、ハンバーガーショップで真っ先に思い浮かぶのはマックだし、今も昔も学生の声で大いに賑わっている。
マックシェイクの早飲み競争。
ハンバーガー大食い対決。
マックでの思い出は尽きることがない。
そう言えば……。
あの頃の仲間たち。
みんな元気で過ごしているかな……。
今日は、学生時代に戻って、以前書いた記事の再掲載。。
秋真っただ中の、とある晴れた昼下がり。
街路樹をかいくぐった柔かい日差しに、南向きの大きな窓がキラキラと輝いている。
授業を終えた僕たち4人は、文化祭の打ち合わせでマックのテーブルを囲んでいた。

「やっぱさあ、金魚だけじゃなくて、くちぼそを中に混ぜようよ」
ポテトを手にしたKが言う。
大学の文化祭でのボクたちの出し物は「金魚すくい」。
子供たちにとても人気があり、毎年、楽しみにしてくれている子もいた。
「おう、くちぼそは多摩川で釣れるもんなあ」
Omunaoが相槌を打ち、Yに問いかける。
「Yはどう思う?」
「あ、いいんじゃない……」
どことなく上の空のY。
「今年はブラックバスはどうする?」
Iがハンバーガーを頬張りながらみんなの目を見回す。
「また売ろっかあ……。人気あるしな」
同意するK。
「売ろう売ろう!今年はいくらにしようか。1,000円かな?」
Omunaoも賛成だ。
「……」
無言のY。
「金魚の仕入れはどうしようか? いつもの店でいいかなあ? なあY、またお前の知り合いの店に頼めるかなあ?」
「……」
「おい、どうしたんだよ、さっきから……」
Yの顔をのぞき込むOmunao。
「……」
沈黙の時間が空気を重くする。
どうしたのだろう。
陽気なYの表情が明らかにいつもと違う。
やがて、意を決したかのように、Yがぼそっとつぶやいた。
「チーズ……」
「え?」
「チーズ、入ってないよな、これ」
「???」
みんなが一斉にYが手にしているハンバーガーをのぞき込む。

「おー、入ってないねえ……」
「オレ、チーズバーバー頼んだんだけどさあ……」
「え! それはおかしいじゃん」
「そうだよなあ……」
「でも、何でもっと早く言わないんだよ」
あきれ顔のK。
Yの手許のハンバーガーは、残り四分の一ほどになっていた。
「言いに行けよ」
真剣な声でIが言った。
「オレもそう思うんだ。言いに行っても、おかしくないよなあ。おかしいのは店だよなあ。なあ、なあ」
激しく同意を求めるY。
「うん、お前は何一つ間違っていない。さあ、行ってこいよ」
omunaoは、笑顔で、ポンとひとつYの肩をたたいた。
「おー、行ってくるよ」
スッと席を立つY。
決意の眼差しで直立したYの目が、秋の陽光に、キラリと光った。
おかしいものはおかしい。
男のプライドをかけた戦い。
聖戦へと向かう、Y。
威風堂々とハンバーガーの最後のひとかけらを手にした姿。
これぞ男。なんと頼もしく見えたことだろうか。
あんなに食べちゃったのに、ホントに行っちゃったよ……。
固唾を飲んで見守る3人。
それからしばらくして勝利の雄叫びとともにYが戻って来た。
「新しいのをくれたよ!」

自然と笑みがこぼれるY。
「おー、やったじゃん!」
誰からともなく祝福の声があがる。
それから僕たちは、この出来事を「チーズバーガー事件」と名付け、Yの英雄ぶりを語り継ぐことにした。
われら青春 in the マック。
今でもボクの脳裏にしっかりと焼きついている。

チーズチキン月見が食べたい……。
あ、今はアボガドビーフかな。。
● 帰らざる日のために いずみたくシンガーズ
● 帰らざる日のために そらのおとしもの+キャンディーズ+いずみたくシンガーズ
マクドナルド。
通称マック(関西ではマクド。しかし、最近は「マック」派が増えているとか……)。
何かととやかく言われるマックだけど、ハンバーガーショップで真っ先に思い浮かぶのはマックだし、今も昔も学生の声で大いに賑わっている。
マックシェイクの早飲み競争。
ハンバーガー大食い対決。
マックでの思い出は尽きることがない。
そう言えば……。
あの頃の仲間たち。
みんな元気で過ごしているかな……。
今日は、学生時代に戻って、以前書いた記事の再掲載。。
秋真っただ中の、とある晴れた昼下がり。
街路樹をかいくぐった柔かい日差しに、南向きの大きな窓がキラキラと輝いている。
授業を終えた僕たち4人は、文化祭の打ち合わせでマックのテーブルを囲んでいた。

「やっぱさあ、金魚だけじゃなくて、くちぼそを中に混ぜようよ」
ポテトを手にしたKが言う。
大学の文化祭でのボクたちの出し物は「金魚すくい」。
子供たちにとても人気があり、毎年、楽しみにしてくれている子もいた。
「おう、くちぼそは多摩川で釣れるもんなあ」
Omunaoが相槌を打ち、Yに問いかける。
「Yはどう思う?」
「あ、いいんじゃない……」
どことなく上の空のY。
「今年はブラックバスはどうする?」
Iがハンバーガーを頬張りながらみんなの目を見回す。
「また売ろっかあ……。人気あるしな」
同意するK。
「売ろう売ろう!今年はいくらにしようか。1,000円かな?」
Omunaoも賛成だ。
「……」
無言のY。
「金魚の仕入れはどうしようか? いつもの店でいいかなあ? なあY、またお前の知り合いの店に頼めるかなあ?」
「……」
「おい、どうしたんだよ、さっきから……」
Yの顔をのぞき込むOmunao。
「……」
沈黙の時間が空気を重くする。
どうしたのだろう。
陽気なYの表情が明らかにいつもと違う。
やがて、意を決したかのように、Yがぼそっとつぶやいた。
「チーズ……」
「え?」
「チーズ、入ってないよな、これ」
「???」
みんなが一斉にYが手にしているハンバーガーをのぞき込む。

「おー、入ってないねえ……」
「オレ、チーズバーバー頼んだんだけどさあ……」
「え! それはおかしいじゃん」
「そうだよなあ……」
「でも、何でもっと早く言わないんだよ」
あきれ顔のK。
Yの手許のハンバーガーは、残り四分の一ほどになっていた。
「言いに行けよ」
真剣な声でIが言った。
「オレもそう思うんだ。言いに行っても、おかしくないよなあ。おかしいのは店だよなあ。なあ、なあ」
激しく同意を求めるY。
「うん、お前は何一つ間違っていない。さあ、行ってこいよ」
omunaoは、笑顔で、ポンとひとつYの肩をたたいた。
「おー、行ってくるよ」
スッと席を立つY。
決意の眼差しで直立したYの目が、秋の陽光に、キラリと光った。
おかしいものはおかしい。
男のプライドをかけた戦い。
聖戦へと向かう、Y。
威風堂々とハンバーガーの最後のひとかけらを手にした姿。
これぞ男。なんと頼もしく見えたことだろうか。
あんなに食べちゃったのに、ホントに行っちゃったよ……。
固唾を飲んで見守る3人。
それからしばらくして勝利の雄叫びとともにYが戻って来た。
「新しいのをくれたよ!」

自然と笑みがこぼれるY。
「おー、やったじゃん!」
誰からともなく祝福の声があがる。
それから僕たちは、この出来事を「チーズバーガー事件」と名付け、Yの英雄ぶりを語り継ぐことにした。
われら青春 in the マック。
今でもボクの脳裏にしっかりと焼きついている。

チーズチキン月見が食べたい……。
あ、今はアボガドビーフかな。。
● 帰らざる日のために いずみたくシンガーズ
● 帰らざる日のために そらのおとしもの+キャンディーズ+いずみたくシンガーズ