秋霖に打たれこころ彷徨う - 2015.09.03 Thu
悪天候が続く毎日。
日中はまだ蒸し暑さが残るものの、一雨ごとに確実な秋の訪れを感じる。
人影のない海の家。
仲間を求め、ひとり最後の力を振り絞る蝉の声。
去り行く夏。
秋は過ごしやすくとても好きな季節だけど、でも、ちょっと寂しい。
こころの隙間に雨が降る。
秋霖に打たれ、ひとり彷徨う。
ちょっと感傷にひたりながら、好きな曲を題材に思いついた過去記事ふたつの再掲載……。
夢飛行
休日前夜。
お気に入りのバーボンを味わいながら、これまたお気に入りの音楽に耳を傾ける。
激流のごとく時間の中にあったこころは、次第に弛緩し、海に注ぐ大河の時間に溶け込んで行く。
部屋の灯りを落とす。
日常から離陸したボクのこころは、ゆっくりと上昇を続け、30,000フィートに達したところで安定飛行に移る。
バーボンと溶け合う、ロックグラスの透明な氷。
シルクの風を受け、自在に飛び回るこころ。
時間(とき)は、ゆったりと流れ行く。
人生における、至福の時間だ。

● Sleepwalk(夢飛行) Larry Carlton
雨待ち風
いやあ、まいったよ。
君とふたりで一本のマイクに笑顔を寄せ合い歌っていた歌。
まさか、その世界が現実になるなんて。
何となく嫌な予感はしてたんだ。
君と会っている時間があまりにも楽しすぎて、本当に夢のようだったから。
未来を恐れて、決して止まることのない時間を必死で止めようとする自分がいた。
君がくれた宝物。
それはそよ風の声。
それは夕なぎの瞳。
それはシルクの手。
そして、決して色あせることのない、キラキラと輝く思い出。
永遠なんてありえない。
そうつぶやく君の笑顔はどことなく儚げだった。
近くて遠い、手に入れてはいけないもの。
そんな簡単なことに今さら気がついた。
ふたりで通ったオムライスの店。
あの席に座るのが、まだちょっとだけつらいから、今日は買って帰る。
なんだか雲行きが怪しくなってきた。
ほかほかのオムライスがさめないうちに、
雨がほほを濡らさないうちに、
早く帰って食べるよ。
君がため……。
「ありがとう」を乗せた書きかけの夢が、音もなく散って行く。

● 雨待ち風 スキマスイッチ
日中はまだ蒸し暑さが残るものの、一雨ごとに確実な秋の訪れを感じる。
人影のない海の家。
仲間を求め、ひとり最後の力を振り絞る蝉の声。
去り行く夏。
秋は過ごしやすくとても好きな季節だけど、でも、ちょっと寂しい。
こころの隙間に雨が降る。
秋霖に打たれ、ひとり彷徨う。
ちょっと感傷にひたりながら、好きな曲を題材に思いついた過去記事ふたつの再掲載……。
夢飛行
休日前夜。
お気に入りのバーボンを味わいながら、これまたお気に入りの音楽に耳を傾ける。
激流のごとく時間の中にあったこころは、次第に弛緩し、海に注ぐ大河の時間に溶け込んで行く。
部屋の灯りを落とす。
日常から離陸したボクのこころは、ゆっくりと上昇を続け、30,000フィートに達したところで安定飛行に移る。
バーボンと溶け合う、ロックグラスの透明な氷。
シルクの風を受け、自在に飛び回るこころ。
時間(とき)は、ゆったりと流れ行く。
人生における、至福の時間だ。

● Sleepwalk(夢飛行) Larry Carlton
雨待ち風
いやあ、まいったよ。
君とふたりで一本のマイクに笑顔を寄せ合い歌っていた歌。
まさか、その世界が現実になるなんて。
何となく嫌な予感はしてたんだ。
君と会っている時間があまりにも楽しすぎて、本当に夢のようだったから。
未来を恐れて、決して止まることのない時間を必死で止めようとする自分がいた。
君がくれた宝物。
それはそよ風の声。
それは夕なぎの瞳。
それはシルクの手。
そして、決して色あせることのない、キラキラと輝く思い出。
永遠なんてありえない。
そうつぶやく君の笑顔はどことなく儚げだった。
近くて遠い、手に入れてはいけないもの。
そんな簡単なことに今さら気がついた。
ふたりで通ったオムライスの店。
あの席に座るのが、まだちょっとだけつらいから、今日は買って帰る。
なんだか雲行きが怪しくなってきた。
ほかほかのオムライスがさめないうちに、
雨がほほを濡らさないうちに、
早く帰って食べるよ。
君がため……。
「ありがとう」を乗せた書きかけの夢が、音もなく散って行く。

● 雨待ち風 スキマスイッチ