レストランコニシ(矢口渡) - 2016.04.27 Wed
蒲田から東急多摩川線に乗り矢口渡駅のホームに降り立つ。
改札を抜け、カンカンカンと鳴り響く踏切が開くのを待つ。
都内なのにローカル線の雰囲気に包まれたこの沿線は、こころ落ち着くとても好きな場所だ。
環状八号線を横断しその先の交差点を右折。
ほどなくして、お目当ての店が姿を現した。
レストランコニシ

永年に渡ってこの地で経営を続ける老舗レストラン。
扉を開け、店内へと進む。
ちょっと暗めの空間には初老の男性客がひとりと、おじいちゃんマスター。
扉を閉めた途端、ボクの中の時計の針が逆行し、平成の始まりを通り越し昭和へと突入する。

奥の席につきオムライスを注文。
黙々とメンチカツライスを食べる先客の、カチャカチャとフォークとナイフを扱う音だけが、静かな店内に響き渡る。
同時に、決して外界に出ることのない時代錯誤の空気がゆっくりと店内を巡回する。
なんだか、時間がとまっている。
やがて出来上がったオムライスがカウンターの上に乗せられた。
年老いたマスターがひとりで切り盛りしているこの店は、何もかもセルフサービス。
カウンターのオムライスを受け取り自席へと運ぶ。

福神漬けが添えられた美味しそうなオムライス。
では、さっそくいっただきま~す!!

スプーンでタマゴを割る。
と、勢いよく湯気が飛び出した。

しっかりと炒められたほっかほかで濃厚なケチャップライスの中には、大きく切られた玉ねぎ、ピーマン、それとハム。
玉子との相性も抜群で、昔と変わらぬ味は、こういった味で育った者の舌の欲求をしっかりと満たしてくれる。
いやあ、大満足。
ローカルな駅のローカルな商店街の一角にひっそりと佇む、4人掛けのテーブルが3席とカウンターだけの小さな店。
こういった街の洋食屋さんの味を、しっかりと脳裏に焼きつけたいと思う。
4月の雨宿り
矢口渡駅を降りると、突然の雨がボクを襲った。
足早に環八を抜け雨宿りができそうな店を探す。
ほどなくして、豪雨で歪む視界に、70年代のモダンを絵に描いたような建物が現れた。
「営業中」の文字を確かめ、” RESTAURANTコニシ ”と書かれたドアを開ける。
「いらっしゃいませ」
一瞬、映画のセットかと見まがう時代錯誤のちょっと薄暗い店内からは、年老いたマスターのやさしい声が。
オムライスを注文し、奥のテーブル席に着く。
シーンと静まり返った店内。雨に打たれ冷えきった体が震える。
やがて、そんなボクの耳に、丁寧に野菜を切る音が響き始めた。
“ ザクッ ザクッ ザクッ ”なんて素敵な音なんだろう。それはまるで、大きな古時計が奏でる味わい深い音色。
硬直した体が、徐々に弛緩しはじめる。
“ ジャー ジャー ” ケチャップライスを炒める音がそれに続き、
“ さあ、もうすぐあたたかくなるよ ” ボクの体を、こころを、しっかりと包み込む。
ほどなくして、丸々としたオムライスが出来あがった。
スプーンでタマゴを割る。とたんに立ち込めるアツアツの湯気と、焦げるほどに焼けたケチャップの香り。
自然と笑みがこぼれる。
至福の時間(とき)が、今、はじまる。
改札を抜け、カンカンカンと鳴り響く踏切が開くのを待つ。
都内なのにローカル線の雰囲気に包まれたこの沿線は、こころ落ち着くとても好きな場所だ。
環状八号線を横断しその先の交差点を右折。
ほどなくして、お目当ての店が姿を現した。
レストランコニシ

永年に渡ってこの地で経営を続ける老舗レストラン。
扉を開け、店内へと進む。
ちょっと暗めの空間には初老の男性客がひとりと、おじいちゃんマスター。
扉を閉めた途端、ボクの中の時計の針が逆行し、平成の始まりを通り越し昭和へと突入する。

奥の席につきオムライスを注文。
黙々とメンチカツライスを食べる先客の、カチャカチャとフォークとナイフを扱う音だけが、静かな店内に響き渡る。
同時に、決して外界に出ることのない時代錯誤の空気がゆっくりと店内を巡回する。
なんだか、時間がとまっている。
やがて出来上がったオムライスがカウンターの上に乗せられた。
年老いたマスターがひとりで切り盛りしているこの店は、何もかもセルフサービス。
カウンターのオムライスを受け取り自席へと運ぶ。

福神漬けが添えられた美味しそうなオムライス。
では、さっそくいっただきま~す!!

スプーンでタマゴを割る。
と、勢いよく湯気が飛び出した。

しっかりと炒められたほっかほかで濃厚なケチャップライスの中には、大きく切られた玉ねぎ、ピーマン、それとハム。
玉子との相性も抜群で、昔と変わらぬ味は、こういった味で育った者の舌の欲求をしっかりと満たしてくれる。
いやあ、大満足。
ローカルな駅のローカルな商店街の一角にひっそりと佇む、4人掛けのテーブルが3席とカウンターだけの小さな店。
こういった街の洋食屋さんの味を、しっかりと脳裏に焼きつけたいと思う。
4月の雨宿り
矢口渡駅を降りると、突然の雨がボクを襲った。
足早に環八を抜け雨宿りができそうな店を探す。
ほどなくして、豪雨で歪む視界に、70年代のモダンを絵に描いたような建物が現れた。
「営業中」の文字を確かめ、” RESTAURANTコニシ ”と書かれたドアを開ける。
「いらっしゃいませ」
一瞬、映画のセットかと見まがう時代錯誤のちょっと薄暗い店内からは、年老いたマスターのやさしい声が。
オムライスを注文し、奥のテーブル席に着く。
シーンと静まり返った店内。雨に打たれ冷えきった体が震える。
やがて、そんなボクの耳に、丁寧に野菜を切る音が響き始めた。
“ ザクッ ザクッ ザクッ ”なんて素敵な音なんだろう。それはまるで、大きな古時計が奏でる味わい深い音色。
硬直した体が、徐々に弛緩しはじめる。
“ ジャー ジャー ” ケチャップライスを炒める音がそれに続き、
“ さあ、もうすぐあたたかくなるよ ” ボクの体を、こころを、しっかりと包み込む。
ほどなくして、丸々としたオムライスが出来あがった。
スプーンでタマゴを割る。とたんに立ち込めるアツアツの湯気と、焦げるほどに焼けたケチャップの香り。
自然と笑みがこぼれる。
至福の時間(とき)が、今、はじまる。