2016
06.30

横濱センターグリル監修ナポリタン、実食!

Category: その他
先日紹介した、ミニストップで販売されている、「横濱センターグリル監修ナポリタン」。
さっそく食べてみた。
オムライス&チキンカツも売ってたけど、先ずはこちらから行きませう!

はい、こちらがそのナポリタン。

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ラベルがいい雰囲気をかもし出していて、センターグリルの文字を見るだけでも嬉しくなってしまうのだが、中に鎮座まします太麺様がものすごいインパクトで「センターグリルのナポリタンだぞーーーー!!!」と主張していて嬉しさを倍増させてくれる。

では蓋を開けて、、、

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おーーー!!!!!!!!!!!!!!!
ケチャップの香りが鼻に飛び込んで来る。
いいねいいね。
これだよこれ!
見るからにもっちりとした麺にケチャップがよく絡まっていて、もうガマンできない。。
(「待て」と言われているわけではないのでガマンする必要はないけど)

では、いっただきま~す!!

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具材は玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームにポークハム。
フォークに巻く麺のズッシリ感がたまらない。
そしてひと口……。

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うん、あ、これ、センターグリルの味だあああああ!!!!!!
独特の甘いまろやかな味が、ふわーっと口の中に広がる。
やばい、これはやみつきになりそう。。

こちらは実際のセンターグリルのナポリタン。

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ミニストップのナポリタンを、この写真と、さらにセンターグリルの写真と融合させると……。

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ほら!
自宅がセンターグリルに早変わり!

ソフトクリームをはじめ、魅力的な商品を提供してくれるミニストップ。
美味しい味をありがとう!


では、今日の最後はこの曲で。。

東山紀之、森田剛、須賀健太のトリオ・ザ・シャキーンが贈る、愛しのナポリタン!

ナ・ポ・リ・タン♪
懐かし響き♪






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2016
06.28

井出トマト農園

Category: その他
今日ははじめに嬉しいニュースから。

Tシャツに笑いを込めて( ← リンク )のAHAHA店長さんのTシャツに、さらなるオムライスが加わった!

先ずはこちら!

アイラブかたやき玉子のオムライスTシャツ

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続いて、「I can’t tell which omurice is」Tシャツ

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訳して、「オムレツとオムライス、私にはどちらがオムライスかわからない」Tシャツ。

うおおおおお!!!!!
三役そろい踏みか、はたまた最強クリーンアップトリオか。
この1985年優勝時の阪神タイガースが誇る、バース、掛布、岡田の伝説のバックスクリーン3連発トリオにも勝るとも劣らぬ強烈なラインアップ。
みなさま、いかがでしょう。
こうなったら大人買いだね!!


さてさて。

美味しいオムライスに欠かせないのが、美味しいケチャップ。
固焼きたまごのオムライスなら尚更だ。

これまで、長野県のナガノトマトや愛知県の太陽食品工業など、いくつかのケチャップを紹介してきた。

で、ふと思った。

ケチャップって、一般的にはあまり意識しないでカゴメとかデルモンテとかハインツとかのが買われているけど、もしかして、「ご当地ケチャップ」ってたくさんあるのでは???

ということで新シリーズ開始!

題して「ご当地ケチャップを求めて!」。

その手始めとして、先ずは地元神奈川県のケチャップから。

地元も地元の藤沢で有名なのがこちら。

井出トマト農園 ( ← リンク )

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以下、井出トマト農園のサイトに掲載されている会社概要。

神奈川県のほぼ中央に位置する藤沢市。
ここは西には丹沢山系がそびえ、飲用にも適する豊富で良質の地下水と湘南の輝く日差しに恵まれたところです。
1980年に今までの露地野菜から転換し、雨よけ土耕トマト、ハウス土耕トマトの栽培を経て、1995年にロックウールを使った水耕栽培を始めました。
7棟のハウス(ハウス面積3000坪)をリレーし一年中途切れることなく トマトの収穫をしております。
大玉トマト、ミディトマト、ミニトマトの生産を中心に、 自家のトマトだけを原料にトマトジュース、トマトミックスジュース、ケチャップ、
トマトジャムなどの商品も生産しています。
「おいしさ」と「安全」と「新鮮」をテーマに、 皆様の食卓においしいトマトをお届け出来ますことを一番の喜びに、スタッフ一同トマトの生産に取り組んでおります。

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井出トマト農園では、大玉の桃太郎はるか、中玉のフルティカ、ミニトマトのキャロルクィーンやピッコラルージュなど、いろいろなトマトが栽培されている。
ボクは、ケチャップは大好きなんだけど、トマトは普段そんなに好んでは食べない。
でも、ここのトマトは美味しくて好きだ!

この日に購入したのがこのトマト。

ミニトマトのリリアーナ。

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ジューシーで、果肉はモッチリ。
1口サイズなのでパクパク食べられる!

店内では、トマトだけではなく、ジャムやトマトジュース、それとケチャップも販売されている。

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この日はこの2種類のケチャップを購入!

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白い蓋の完熟桃太郎トマトが原料のケチャップと、

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金色の蓋のミディ・ミニトマトが原料のケチャップ。

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では、完熟桃太郎トマトのケチャップをフライドポテトに着けて食べてみよう!

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おー!
なるほど、深みのある味だね。
確かに「完熟トマトを煮詰めて凝縮した」ことを感じる味で、甘い中に唐辛子のピリ辛がよく効いている。
結構ガツンと来る味かな。。

このケチャプでオムライスを作ったらどんな味かな??
ピリ辛で、暑い夏にはピッタリかもしれない。
今度作ってみよう!

ということで、北は北海道から南は沖縄まで、これからいろいろなケチャップを探してみようと思う。

いやあ、楽しみだ!

ではでは!!

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2016
06.26

正源そば 八重洲店

Category: その他
昼下がりの東京駅八重洲口。
信号待ちの横断歩道には、暑さも何のその、スーツに身を包んだビジネスマンが並ぶ。

日本を支える企業戦士。
(あ、自分で言うのも何だけど。もしかしたらボクもそのひとりかも……)

信号が青になると、スタートのゲートが開いた競走馬よろしく、脱兎の勢いで横断歩道を渡って行く戦士たち。
おそらく、朝>昼>晩の順でその速さは変化するのであろうが、その速さたるや尋常ではない。
特に朝などは異様な空気に包まれている。

先日、雨の日の朝、発車の合図が鳴り始めた地下鉄のホームに降りる階段でのこと。
ボクの横をものすごい勢いで駈け下りて行くビジネスマン。
ボクはその次の電車に乗る予定だったので余裕で闊歩していたんだけど、ボクを追い越すまさにそのときに、彼の折り畳みの傘がボクの鞄に……。

「あ、すみません!」
慌てるビジネスマン。
無言で傘を鞄から離すボク。
この間はわずか2~3秒なんだけど、これが致命傷となり、結局彼は階段を勢いよくダッシュして降りたものの目指していた電車に乗ることはできなかった。

ドアが閉まり、ゆっくりと走り出す電車。
その電車を見ながら、彼は何を思っていたのだろうか???

①ま、しょうがない。次の電車で行こう
②まったく、朝から何てこった。バカ野郎……
③テメー、なんでもたもた歩いてやがる。どうしてくれるんだあ
④鞄は大丈夫だったかなあ?
⑤その他

ボクは彼ではないし、彼の心理を読める術もないのでまったくわからないけど、③と④はないかな。
③だったらこっちに向かってくるけどそれはなかったし、④だったらボクのところに来てくれるのにそれもなかった。

まあ、結論としてどうでもいいのだけれど、でも、この出来事を通してふと思った。

何を?

朝の殺伐とした時間。
これってスゴくない(もしかしたら病気じゃない)?

朝、目覚ましとともに起床。
ここから、優秀なマラソンランナーよろしく正確なラップが刻まれていく。

〇〇キロを通過、〇〇分、よし!
洗顔、歯磨き終了。今、6時35分、よし!

仮に寝坊してしまったときにはバックアッププランが作動する。

「す、すみません、寝坊して10分の遅れです……」
「よし、では先ず、洗顔と歯磨きで2分短縮すること!」
「はい!了解です」
会話は具体的なはないけれど、そんな計算をしている自分がいる。
もっとも、その前に、〇〇を短縮すればもう少し寝ててもいいかな」なんて自分もいるから事態は複雑怪奇なのだが。。

電車の時間もそうだよね。
朝は"洗顔&歯磨き"の僅かなj間調整等の綿密な時間を立てているので、ちょっとした狂いが電車に乗れるか否かに影響してくるんだよね。

1年365日。
分に換算すると525,600分。
秒では31,536,000秒。

52万6千分の内の数分。
3千1万分の内の数秒。

これが、とても大切な、いや、守らないと処刑されるがごとく強迫観念に支配された時間として存在している。

閑話休題。

八重洲の横断歩道を足早に渡るビジネスマンを横目に、この日の午後に参加したセミナーの前に昼食をとることに……。

限られた時間の中で、手軽に食事ができる店はないかな???

ロックオンしたのはこの店!

正源そば 八重洲店

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八重洲ブックセンターの横を曲がった路地に飲食店が数店並んでいるのだけど、ここはその一角にある立ち食いそばの店。

” 元気いっぱい営業中 ”
およそ八重洲には似つかわしくない、何だか面白そうな雰囲気をかもし出している。
値段も安い。

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さて、何にしようか???
看板に「名物 東京かき揚げ」とある。
決まりでしょ!

券売機で「名物 海老かき揚げそば390円」のチケットを購入し、店内に足を踏み入れる。

おっと!
何だ何だ!!


矢沢永吉にキャンディーズ。

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いろいろな訪問者のサインが貼られた壁にはなんだか飲み屋のようなメニューが……。

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俺のバナナ!
あひゃ ヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ

ジョッキワイン!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

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どうやらこの店、夜になると「トーマスBARエジソン」に変身するらしい。

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出典:Retty


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う~む、面白い!!

しばらくしてそばが出来上がった。

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注文してからかき揚げを揚げるので、通常の立ち食いそばより出来上がりに時間がかかるけど、390円で揚げたてのかき揚げ入りのそばが食べられるのは嬉しい限り。

ではいただきま~す!

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おっ!
美味しい!

つゆはやや甘目で好みにもよるけど、ボクは好きな味。
かき揚げは玉ねぎの甘さとエビがいいあんばいでつゆにマッチしている。
そばの食感もいい!
立ち食いそばもいろいろあるけれど、これは美味しい!
ブックセンターに来た時にでもまた寄ってみよう。

さてさて。

1年365日。
分に換算すると525,600分。
秒では31,536,000秒。
これは先ほど書いた。

長いようで短く、短いようで長い。
この時間をどう過ごすか。。

大切な、自分の時間。
ボクにとっては、こうやってブログを書いたり、音楽を聴いたり、素敵な景色を見たり、美味しいオムライスを食べたりする時間は、とても大切な時間だ。

安らぎのひととき。
人生の中のひとコマ。
充実した今を生きる。

さあ、宝塚記念で勝負だあ!

そこかよ!

ではでは!


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2016
06.24

ミニストップがセンターグリルの味を再現!

先日、とても嬉しいニュースが飛び込んできた。

ミニストップが、センターグリル監修のオムライスとナポリタンを販売するというのだ!
以下がミニストップのサイトに掲載されている記事の転載。


ミニストップ株式会社(本社:千葉県千葉市 代表取締役社長:宮下 直行、以下:ミニストップ)は、 神奈川県横浜市の人気洋食店「センターグリル」監修の「ナポリタン(税込:498円)」と「オムライス&チキンカツ(税込:530円)」の2品を、2016年6月21日(火)より、国内のミニストップ(2016年5月末現在:2,215店)にて発売します。  

2015年、「おいしいナポリタンを開発したい」というミニストップの思いに賛同し、監修を引き受けてくれたのがセンターグリルとの出会いでした。昨年発売した「横濱センターグリル監修 ナポリタン(税込:498円)」は大変好評で、販売終了時には多くのお客さまから惜しむ声をいただきました。
その「横濱センターグリル監修 ナポリタン(税込:498円)」を今年も期間限定で発売します。“並んでも食べたいナポリタン”を再現するため、麺の食感にこだわり改良を重ねました。さらに、ランチメニューで人気の「特製浜ランチ」をコンビニ商品向けにアレンジした「横濱センターグリル監修 オムライス&チキンカツ(税込:530円)」を発売します。
昭和21年より神奈川県横浜市で愛されている「センターグリル」の味を、全国のミニストップからお届けします。

--------------
パスタ
--------------

■商品名:横濱センターグリル監修 ナポリタン  
■価格:498円(税込)  
■発売地区:全国
■発売日:2016年6月21日(火)

センターグリルの“並んでも食べたいナポリタン”を再現。

1.太麺パスタ
見た目からインパクト抜群の太麺は、濃い目の味付けに負けません。

2.特級ケチャップで炒めたパスタ
トマトの旨味が濃いケチャップをたっぷり使用。

3.まろやかな酸味のトマトソース
酸味を押さえたトマトソースをトッピングし、まろやかな味付けを実現。

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--------------
チルド弁当
--------------
■商品名:横濱センターグリル監修 オムライス&チキンカツ  
■価格:530円(税込)  
■発売地区:全国
■発売日:2016年6月21日(火)

センターグリルの人気商品「特製浜ランチ」をベンチマークした、オムライスとチキンカツを一度で味わえる欲張りな一品です。随所にセンターグリルのこだわりを詰め込みました。

1.香味野菜の旨みたっぷり下町洋食屋さんのデミソース
セロリ、にんじん、たまねぎなど香味野菜のソテーと生たまねぎのピューレを炒めて甘味を引き出したデミソース。

2.たまごの旨み
たまご焼きの下には、チキンの旨みを加えたとろとろのスクランブルエッグ入り。

3.ガッツリ食べるチキンカツ
ジューシーなチキンカツの下には、太めのナポリタン入り。

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どんな味に仕上げられているんだろう。
さあ、週末にミニストップに行ってみよっと!


話は変わり……。

もうすぐ参議院選挙。
先日、大船に行く機会があったんだけど、全国比例から神奈川選挙区への鞍替えの三原じゅん子さんが街頭演説していた。

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はてさて、どうなることやら。
今でも「セクシー・ナイト」が頭から離れないんだけどね。。




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2016
06.22

Pepita Lion の再掲載

ここ数日、ちょっと時間がとれないでいる。

ということで、今日は藤沢市の湘南台にあるペピタライオン (Pepita Lion)の記事の再掲載。
あしからず……。

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北藤沢に佇む文化的癒しの空間


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この日は木曜日。
週始めに、なにげにネットでオムライス検索をしていたら、なんと、地元湘南台に美味しい店があるという情報が出ているではないか!
これは行くしかない!
では休みの日に行こう。そう考えていたのだが、お腹が許してくれなかった。
休みまで待つ? なんだそれ。ふざけるなよ。
まあ、自分のお腹とケンカしても仕方ないし、て言うかしたくもないし、て言うかできないし、ここはお腹に素直に従って食べに行こう!

ということで、会社の帰りに湘南台駅東口にあるPepita Lion(ペピタライオン)にGO。

ただし、ひとつだけ気がかりなことがある。
何かって?

それは花粉症。
この日は暖かい上に風が強く、街を歩いていて、「おい、今日はオレ達の好き勝手にさせてもらうぜ」って傍若無人に暴れまわる花粉軍団の姿を強く感じる……。
となると、「なにぬねの」が言えなくなるくらい鼻が詰まる可能性があるわけで、そうしたら味なんてわからない!

“どうか鼻が詰まりませんように”
そう祈りながら駅から店への道を進む。

やがて店に到着。どうやら春の神様が花粉軍団を押さえ込んでくれた。
OK、鼻は大丈夫だ。

大きな窓に囲まれた店から溢れる暖かい光が街路を照らす。
う~ん、間違いなくひかれますね、この光……。
外観もシンプルなお洒落を演出していて好感がもてる。

数人の女性客と入れ違いに店内に入る。
客はだれもいない。落ち着いて食べられそうだ。

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早速メニューを拝見。
えーと、オムライスは・・・。

わーお、いっぱいある!
トマトソース880円。
デミグラスソース880円。
チキントマトソース950円
チキンクリームソース950円。
きのこクリームソース950円
きのこデミグラスソース950円。
それに、各々プラス100円でとろーりチーズ入にすることもできる。

さてどれにしようか?

注文を取りに来た店員さんにおすすめを聞くと、デミグラスソースとの応え。
ではと、ここはオーソドックスにデミグラスソースのオムライスを注文。

しばらくしてお待ちかねのオムライスが登場した。

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すごい湯気。
ほっかほっかのオムライス。

ボリュームはちょっと少ないかな。

さて味の方は……。
いっただきま~す!!!

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おっ、結構あっさり。
もしや花粉が……。
いや違う。ソースもご飯もあっさりしている。
でもいくら食べても飽きが来ない味だし、こくがある。
それに、できたてのホカホカ感とご飯のホクホク感。
加えてふわふわ卵がいい塩梅にソースとマッチする。

う~ん、他のも食べてみたいな……。
でも今日はガマン。また今度にしよう。

Pepita Lionは湘南台文化センターのすぐ近くにある。新しい街の湘南台にあって、喫茶店からスタートして29年営業しているらしい。
今日は平日の夕飯時に訪れたけれど、付近を走る467号線の向こうには公園もあるし、休日の散歩ついでや文化センターで遊んだ帰りなどにゆったりとした時間を過ごすのもよいかもしれない。

パスタをはじめ、他の料理もかなり美味しそうだ。
地元のこんな近いところにいい空間を見つけられて、ホントよかった!
それに、西口に姉妹店のニューオリンズもある。こちらも興味津津。
今後ともよろしくお願いしま~す!

2013年3月7日

■ 店舗情報 ■
・住所:神奈川県藤沢市湘南台1-5-10
・電話:0466-43-0878
・営業時間:[月~土]11:00~22:00 [日]11:00~21:30
・定休日:無休

Pepita Lion 食べログ情報 

ペピタライオンパスタ / 湘南台駅

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NOZOMI

 湘南台駅からバスで20分ほどの緑豊かな大学の入口に来ると、背筋をピンとさせ、希美は大きくひとつ伸びをした。
 
 新学期が始まる前なので、まだ学生の姿はなく、辺りは閑散としている。それでも気持ちが高揚している希美には、楽しげにキャンパスに入っていく大勢の学生たちの姿がはっきりと見える。

 みんなとはちょっと年が離れているけど、いいお姉さんになればいいんだもんね。
「みんさ~ん、来週からよろしくね!」
 誰もいない門に向って、大きな声で挨拶をする。
“こちらこそ!”
 春を待ちわびた目の前に広がる森の木々が、元気に応えてくれる。

 ふと空を見上げる。 
 青く突き抜ける空を、鳶が、悠然と旋回している。

 さあ、いよいよ始まるわ、新しい生活が。夢の、第一歩が……。

 4年ほど前。

 希美を、突然異変が襲った。
 激しいめまいと吐き気、それに頭痛がとれない。

 もともと頭痛もちの希美は、最初は「またいつものことか」程度に受け止めていたのだが、いつまでたっても症状が変わらない。
 おかしい。
 どういうこと?
 私、いったいどうしたの?

 脳腫瘍。
 それが希美に伝えらえた診断結果だった。

 希美なんて皮肉な名前よね……。
“世の中の不正を許したくないの”
 そんな強い思いから弁護士の夢をめざして大学の法学部に通っていた希美から、正義感あふれる美しい希望が消えて行く。

 おまけに高校生の時に、姉妹のように仲がよかった母親を病気で亡くした。
 何で私だけこんなにつらい思いをしないといけないの。
 何で、何で私だけ……。

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 大学の正門の横に腰かけた希美は、カバンから小さなスケッチブックを取り出した。
 しばらくの間じっと辺りの風景を見つめ、それをしっかりと目に焼き付ける。
 やがて希美は、鉛筆でしなやかな線を描きはじめた。
 一本、また一本。
 自分の中にある心のフィルターを通し、感じたままを描く。
 絵を描くのは昔から好きだった。
 写実的な絵を描いていた希美の画風が変わったのは、腫瘍の手術後からだ。
 目に焼き付けた、瞬間の景色を、心象風景に昇華させて描いていく。私を表現したい。みんなを表現したい。思い切り。今この瞬間を生きて在る、私を、みんなを……。

 その日は、今でもはっきりと思い出せるくらい夕焼けがきれいな日だった。
「あれ? のぞみ、ちゃん?」
 手術の手続きを終え、病室の窓からぼんやりと夕景色を眺める希美の耳に、聞き覚えのある女性の透き通った声が響いた。
「あー、岩崎さん!」
「やっぱり希美ちゃんだったのね!」

 思いがけないところでの3年ぶりの再会だった。
 高校の帰りに、毎日、母親のお見舞いに病室に来ては明るく楽しげに学校での出来事を母親に話す希美。岩崎多恵は、そのときの担当看護師だった。

 絶望に押しつぶされそうな小さな体をふるい立たせ、気丈に母親を励まし続けた希美。そんな希美を、多恵は励まし続けてくれた。

「岩崎さん、この病院に移ってたんですか?」
「そう、3か月前にここに来たの。びっくりよね、こんな偶然があるなんて」

 偶然なのか、それとも必然なのか、人生にはときどき何かに操られているかのような不思議な出来事がある。

「私の担当看護師が岩崎さんで、ホントよかった。なんだか私、ついてるわ」
 手術の不安と闘う希美の心に、多恵は、安心をたたえた柔らかい風を送り込んでくれた。
「大丈夫よ希美ちゃん。何の心配もないわよ。あんなにお母さんのことを思って頑張ってた希美ちゃんのことを、神様が見放すはずないわ。それに、天国のお母さんが力をくれる」

 多恵の言葉の通り、無事、手術は終わった。

 病室で術後の養生をする希美に、多恵はいろいろな話を聞かせてくれた。
「希美ちゃんが美しい希望なら、私は恵みが多いようにってつけられた名前でしょ。う~ん、でも、そんなに多くの恵みはないかなあ……。あ、だけどね、この仕事をしていて思ったの。もしかして、多くの患者さんと話ができて、その人の人生に関わることができて、それこそ天が与えてくれた恵みなのかなって。心や体に傷を負っていても、一所懸命に今を生きようとしている患者さんに勇気づけられることも沢山あるわ。希美ちゃんは美しい希望を持ち続けて生きて行くのよ。自分の身に起きたことを恨んだりはしないで、今日を精一杯生きるの。お母さんもそれを望んでいるし、遠くて近いところでずっと見守っていてくれているのよ」

 改めてまじまじと見ると、岩崎さんって、本当に綺麗な目をしている。
 こんなに綺麗な目をした人、見たことがない。

 母親になりかわるように、優しい口調で、まるでオムライスのたまごのようにふんわりと包み込んでくれる多恵に、いつしか大きく引き込まれて行く自分がいた。

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 人の人生に関わる。
 弁護士を目指していた希美にとっては、心から共感できることだった。

 患者さんの人生に関わる。それこそが恵み……。
 多恵の言葉を反芻し、希美は自分の気持ちを落ち着いて振り返った。

 私が目指してきたのは、もしかしたら机上の世界のことばかりだったのかもしれない。
 法律を勉強し、それを武器に不正のない世の中を作る。それはそれで立派なことだとは自分でも思う。だけど、本当に喜ばれることって何だろう。人と人とのふれあいって何だろう。

 そして、

 今を生きるって何だろう。
 生きていること。私も、みんなも。
 今、この瞬間を生きていること。

 生きて、在ること。

「退院おめでとう!」
 多恵はお祝いに"希"の字を型どったネックレスをプレゼントしてくれた。
「ありがとうございます! 私、岩崎さんみたいになりたいって、本気で思います!」
「ありがとう。なんか照れるわねえ。今度は外で紅茶でも飲みながら話ましょ」

 スケッチは、間もなく完成をむかえようとしている。

 新緑のキャンパスを颯爽と歩く学生たち。
 どこまでも広がる空を自由に飛びまわる鳥たち。
 その中を駆け巡る、ちょっといたずら好きのそよ風。

 そう希美、このキャンパスで明るく、前向きに、今日を、今を生きるの。
 そして夢をかなえるの。
 このスケッチは、あなたが今を生きている証だから。
 スケッチは、希美にそんなことを話しかけてくれる。

 この辺だと、夜は星空もきれいなのかなあ……。
 そういえば、最近、星空なんて全然みてないや。

 そうだ、帰りに湘南台文化センターのプラネタリウムに寄って帰ろう!昔、家族でよく遊んだもんなあ……。
 それと、Pepita Lionでオムライスを食べよう!あそこのオムライス、お母さん、大好きだったよなあ……。

 弁護士改め看護師の夢に向かって歩き始めた、みんなよりちょっと年上の看護医療学部1年生、沖田希美。

 脳腫瘍がいつ再発するかはわからない。今でも、夜になるとひどい頭痛に悩まされることがある。再発したら、最悪失明するかもしれない。
 でも、それも自分。自分を支えてくれる、かわいい自分の体。
 この目にしっかりと、今を焼き付けるんだ。

 最後の一筆を描き終わると、希美は、スケッチに2Bの鉛筆で力強くサインを書き込んだ。

 NOZOMI

 今、一枚のスケッチに、永遠の命が吹き込まれた。


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2016
06.19

2016年、夏。DCブランドTシャツに思いを馳せて

街を歩くのが好きだ。

昔から変わらぬ風景。
新しい風景。
そのどれもが人間の造り上げてきたものであり、確かな息吹を感じる。

流行と不易。あるいは、その狭間。
時は移れど変わらぬもの。受け継がれるもの。

たとえば、これなどはその典型であろう。

大名古屋ビルヂング

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出典:wikipedia


東海道新幹線開通後まもなく名古屋駅桜通口正面に竣工して以来、その堂々たる「大名古屋ビルヂング」の看板が笑いの的となった注目の的となった偉大な建物。
2012年にとりこわされたものの、2015年にその名称のまま装いも新たに2代目が誕生した。

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出典:wikipedia


チに濁点がつくのは「はなぢ」の「ぢ」の印象が強いが(他に使っているのはたまに見かける「エンヂン」くらいしか思いつかない)、「はなぢ」の印象も何のその、決して着飾ることなく自信にあふれたその名称は、神奈川県民である私としても、同じ三菱地所が手掛けた横浜のランドマークタワー(某関係者の間では、家賃が高くなかなかテナントが入らないことから「バブルの塔」と呼ばれている)よりはるかに印象深いものである。

閑話休題。

昨日は30度を超える暑さに見舞われた。
いよいよ本格的な夏の到来か。
そろそろ夏のファッションを考えないといけない。
基本はやはり、定番ファッションであるブルージーンズにTシャツ。
ただし、ただのホワイトTシャツだとDVDのシャツと何ら変わりがない。
さて、どんなTシャツを着ようか……。

そんなことを考えていた私のもとに、あるコメントが届いた。
まさに、以心伝心とはこのことか。

「かたやき玉子のオムライスのTシャツ作りました。よろしかったらご覧ください!」

Tシャツに笑いを込めて( ← リンク )のAHAHA店長さんからの嬉しいコメントである。

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早速訪問。
いつも楽しく拝読しているのだが、この日は特に、はやる気を押さえそっとページを開く。

そこに鎮座ましますホワイトTシャツ。
玉子の黄色とケチャップの赤がまぶしい。

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瞬間、大名古屋ビルヂングを初めて目の当たりにしたときにも勝るとも劣らぬ笑劇衝撃が私を襲う。
どこでもドアを開けたような私のこころは、一瞬にして、そのおびただしい数のかたやきたまごのオムライスに満ち溢れた世界に吸い込まれて行った。

いろとりどりのTシャツ。
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オシャレの最先端、ラグランもある。
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なんという世界。
静謐で、どことなく懐かしく、そしてやさしい微笑をたたえたモナリザのようなその世界。

「お、オムライスが好きなんだなあ・・・」
芦屋雁之助さん演じる山下清画伯の声が脳内でリフレインする。
同時に、「裸の大将放浪記」のオープニング曲、「野に咲く花のように」が再生される。
まるで、青い空のもと、可憐な花が咲き誇る大草原に大の字になった気分。かたやきたまごのオムライスTシャツにくるまれ、こころが幼き頃へとトリップする。

コーラが大好きだった幼少時代。
コーラのプールで泳いだらどんなに幸せだろう……(※注1)。
そんなことが思い出させる。
※注1:クリームソーダも好きだっだがクリームソーダのプールで泳ぎたいと思ったことはない。第一、アイスクリームがまとわりついて気持ち悪い。アイスをこぼしたときの、いやーなベタベタ感はハンパない。 

品揃えはTシャツだけではない。
ポロシャツだって、
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長ティーやトレーナーだって、
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更には、

パーカーも、
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トートバッグも、
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エプロンも、
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マグカップも!
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お望み次第で、部屋中をかたやきたまごのオムライスでいっぱいにすることも可能だ。

さて、そんなAHAHA店長が提供くださる至福の世界。
もちろん、Tシャツはオムライスに限ったものではない。

以下、日本を代表するDCブランドが誇る数々の名作の中のいくつかを見ながら本日の記事を終わることとしよう。
余計な解説はいらない。
みなさまそれぞれ、AHAHA店長のブログを訪問いただき、自分自身の思いを馳せてほしい……。


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2016
06.17

コニシ (恵比寿)

Category: その他
変わり行く街に佇む癒しの空間

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ボクの記憶の中で、がらりとイメージが変わった街。
その代表的なのが恵比寿。
1994年開業の「恵比寿 ガーデンプレイス」をはじめ、今やオシャレな街のイメージが強いが、「恵比寿」の駅名はもともとヱビスビールの工場があったために名付けられたものだし、1980年代までは山の手にありつつ庶民的な印象の強い街であったと思う。

そんな恵比寿にあるのが、今も変わらぬ洋食の名店、コニシ
JR恵比寿駅から徒歩10分程度、明治通り沿いにその店はある。

夜の帳が降りた街角。
クルマの往来は多いが、都会の喧騒からちょっと離れたうす暗い景色の中にあるためか、トレードマークの赤いテントがより一層ひきたち、ホッとする安心感を与えてくれる。

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扉を開けて店内に足を運ぶ。
瞬間、落ち着いたアットホームな空気がやさしく心身を包み込んでくれる。

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4人掛けのテーブルが5つとカウンター席が配されたやすらぎ空間。
白い清楚な壁。
やわらかい灯り。
心地よいイージーリスニングの調べ。
目に、耳に、やさしさが染み渡る。
夫婦で経営されているのだが、ご主人も奥さんのお人柄がそのまま店の雰囲気になっている。

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テーブル席につきオムライスを注文。

店の奥から包丁で野菜を切る音が響き、やがて店中が、丁寧に炒められるチキンライスの芳ばしい香りでいっぱいになった。
目と耳に続き、今度は鼻。
そしてこの後は、スプーンの「触感」を通じて運ばれる間違いなく美味しい味が「口」に届けられる。
五感のすべてを通じてこころに染入るオムライス……。

いつもと変わらぬ定番オムライス。

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もちろん、見た目も美しい!

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中は玉ねぎ、ピーマン、マッシュルーム、鶏肉と、これまた王道のチキンライス。
味付けは酸味が少なく、「舌がほっこりとする」やさしさにあふれている。

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その美味しさに夢中で、あっというまに完食!

お礼を述べ、満足を胸に店を出る。
変わり行く街恵比寿の、変わらぬオアシス。
身も心も充電完了!!
さあ、明日もガンバろう!

爽快な夜風が、やけに心地よい……。

<店舗情報>
■TEL:03-3449-8292
■住所:東京都渋谷区広尾1-9-20
■営業時間:11:00~16:00 17:00~21:00(L.O.20:30)
■定休日:日・祝


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そして、この店を訪れると、なぜかこの歌を思い出してしまう。

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● セシル 浅香唯




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2016
06.15

アンダンテ 再訪

ゆっくりと歩く、100年の時の散歩道

以前、「ピカタライス」の食レポを書いた、戸塚にあるアンダンテ

ここはオムライスも美味しいので、今日はピカタライスの再掲載と併せてオムライスの紹介を。。


アンダンテは戸塚駅西口から徒歩でおよそ10分のことろにある。
駅から続く商店街を抜け、やがて住宅地に街の様相が変わる頃、その店は姿を現す。

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建物の色調、造り、そして商店街から離れている上にメインストリートから一本奥まったところにあるという立地。これらすべてのベクトルが、喧騒から心身を解放してくれるべく方向を向いている。
その誘い(いざない)のベクトルに乗り、ゆっくりと歩を進め入口へと向かう。

入口で、店名を示す「ANDANTE(=歩くようなはやさで)」の看板がボクに微笑みかける。
「いらっしゃいませ」
そして看板は、ドアの向こうで「やすらぎの時間」が待っていることを約束してくれる。
「こころの散歩にようこそ!どうぞ、ごゆっくりと」

店に入り席につく。
同時に、予定調和のごとくやすらぎの時間が訪れる。

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店内は4人掛けのテーブルが4つに6人掛けがひとつと、適度な大きさ。
お客さんはひとりいるだけで、すいている。
絵画、ランプ、花瓶、BOSEのスピーカーから流れるピアノ曲。
水をひと口飲み、窓の外を見やる。
うすっぺらなインスタントな香りに包まれた日常から離れ、濃厚で重厚でいて軽やかな「時」が、ゆっくりと流れて行く。

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なんて劇画チックに雰囲気に浸ってないで、肝心な注文をしないと……。

メニューを開き、物色。
決めてるんだけどね、一応。

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オムライス……っていいたいけど、先ずはこちら。

アンダンテが高い評価を受けている一番の理由はこの料理にあり!

ピカタライス

「ピカタ」と言うと、薄切り肉をソテーしたイタリア料理。でも、これはちょっと違う。
簡単に言うと、目玉焼きがご飯に乗った食べ物。
それが妙に美味しいらしい。
せっかくなので、サラダと飲み物つきのセットを注文。

と、速攻でご登場なさった!!
はやっ!

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うわあ、なんか、このとろみ感が美味しそう!
匂いもそそる。
おー、いいねいいね!

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では、コンソメスープをひと口。

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うん、コンソメと、セロリの苦味が効いている。

続いてサラダを。

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トマト、にんじん、レタス、きゅうり、紫玉ねぎ、ベーコン……。
フレンチベース(?)のドレッシングが、クリーミーなまろやかさで秀逸。

ではメインに参りましょう!!

よく絡めて、いっただきま~す!

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うわああああ!!!!!!!!

な、何じゃこりゃああ!!!

うまい!
うますぎるーーーーーーー!!!!!!!

半熟たまごに野菜を乗せ、甘辛の絶品ソース。
何だろう、このソース。
ブイヨン? 醤油?
和食な洋食。
超庶民的な高級料理。
「矛盾」で彩られた未経験の不思議な味。
これは病みつきになりそうな予感。
とにかく、パクパクといけてしまう。

注文はセットがお薦め。
ピカタライスの甘辛。
コンソメスープの苦味。
サラダのまろやかな味わい。
これらのバランスが最高!

いやあ、ほんと、「いいもの見っけ!」ってカンジ。


続いてオムライス♪
ピカタライスの陰に隠れて出番が遅くなったけど、これまた絶品。

こちらはサラダつきのセット。
これにコーヒーor紅茶とケーキが加わる。

きれいに玉子が巻かれたオムライスは、単品でもとても美しいのだが、サラダと一緒に並べられた色合いはホントビューティフル!
玉子の上に「ちょこん」と座っているようにかけられたケチャップが、これまたいい。

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接写するとこんなカンジ。。

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うわあ、うまそーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

では、いっただきま~す!

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うん、おいしい!!!!!!!!!!!!!!!
中のケチャップライスの具はハムだけかな???
シンプルだけど、これまた洋食屋さんらしくとてもきれいな色合いで丁寧に炒められている上に、しっかりとした味つけ。
味や食感の変化を楽しめるサラダとの組み合わせも絶妙。
とにかく、中のケチャップライスも、玉子の巻き方も、ケチャップのかけ方も、サラダとの組み合わせも、何もかもがとても丁寧に作られていて、その丁寧さが美味しさと相まってとてもいい気持になってくる。

この店に来ると、ピカタライスにするかオムライスにするか迷ってしまう……。
ホント、贅沢で嬉しい悩み。
みなさんだったらどっちにする?

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アンダンテは大正3年に神戸で創業し、太平洋戦争後に戸塚に移転。戸塚では線路際に店を構えていたが、再開発で今の場所に移った。
ピカタライスは、先代が「若い労働者に安くて早くて美味しいものを」という思いであみだしたメニューとのことで、以来、秘伝の味を守りつづけている。
なるほど。この店が醸し出していた「やすらぎの時間」を提供してくれる雰囲気は、こういった「お客さんに喜ばれる料理をあみだして提供するぞ!」という魂が連綿と受け継がれているからなんだね。
連綿と、連綿と……。
そう、100年の時、それぞれの時代を、それぞれのお客さんに、歩くようなはやさで、ゆっくりと、確実に。

食後、お礼を言って店を出る。
そこにはまた、日常の喧騒が待ち構えている。
でも、アンダンテの素敵な綾里を壁ていると、明日もがんばれる。
そんな気がする。

歩くようなはやさで、、、
ゆっくりと、、、
自分のペースで……。

アンダンテ 食べログ情報

アンダンテ洋食 / 戸塚駅

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2016
06.14

駄菓子屋横丁の素敵なお菓子たち

Category: お菓子
小江戸川越には、ワクワク空間がたくさんある。
そのひとつが「駄菓子屋横丁」。
いろいろな駄菓子や昔なつかしのおもちゃなどを売っている店などが軒を連ね、我を忘れて夢中になってしまう。

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出典:小江戸川越観光協会


ということで、駄菓子屋横丁で買ったお菓子たちの紹介!

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先ずはこちら。

和歌山県にあるオカザキ紀芳庵の「ポンせんべい えび味」。

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頬張ると、エビの香ばしさが口一杯に広がる。
軽いスナック感覚の食感は口溶けもよく、「かっぱえびえびせん」ではないが「やめられないとまらない」状態。

つづいてはこちら。

「懐かしい駄菓子」。

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あれ、どこのだっけ???
見ないでパクパク食べちゃった……。

ぱっと見、クリーム系の洋風な味かなと思いきや、意外と和風。
さっぱりしていて美味しい!


さて、ここからは「やおきん」のお菓子三連発!

「金棒チョコ」。

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キャラメルクランチをチョコにまぶしたスティック菓子。
さりげなく「オニウマ」と書かれた「やおきん」らしいパッケージ。

「うまい玉」。

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「うまい棒」のチョコ味かと思いきや、「うまい玉」。
棒だけではなく玉もあるなんて知らなかったあ。。

うまい棒とうまい玉2個を袋から出して並べたら……。
う~む。
なんだか妙な想像力が働いてしまう。

想像力と言えば、極めつけはこちら。

「おっぱいグミ」。

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味よりも中がどうなっているのか気になるところ。
リアルなのかなあ???

ドキドキの手で開封。

おっ!
なるほど!!

せっかくなので、新宿御苑で買った「芸者ガールチョコ」と一緒に記念撮影!

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ということで、駄菓子屋横丁で買ったお菓子たち。
どれにしようか迷いつつ今回はこれらを選んだけど、とにかく珍しい駄菓子がたくさんある。
ぜひ、訪問してみてください!

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2016
06.12

アカシア

ALTAのそばにある新宿の老舗は、「はやしや」だけではない。
いや、ALTAのそばと言えば、むしろこちらが真っ先に思い浮かぶ。

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その店の名は、アカシア

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創業は1963年(昭和38年)で、とにかくいつでも満員の超人気店。
タモリさんやタケシさんも絶賛のロールキャベツシチューが看板メニューだが、オムライスも美味しい!
「マツコの知らない世界」でボクがオムライスを食べている場面があるけど、それはこの店で撮ったもの。

なぜか2つある入口の扉のひとつを開け店内に入る。
案内に従って階段を上がり2階席に。
と、眼前に、映画のシーンで見たような空間が広がる。

こちらは撮影時で使ったテーブル。

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天井から釣り下がった豪奢なシャンデリア。
御前会議でも行うかのような重厚なテーブル。
厳かな雰囲気に包まれながら目的の料理を注文。

ほどなくして到着!
こちらがロールキャベツシチュー。

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とても柔らかく煮込まれていて、特徴は「ご飯に合う絶妙な塩加減」の味付け。
バターやミルクを一切使わず、たっぷりの鶏ガラスープで長時間煮込む。
洋食と和食の融合。「ご飯が合う」というよりは、「ご飯が欲しくなる」と言う方が正しいかもしれない。
パンではなく、ご飯。

お店の方にすすめられるままにタバスコをかけてみたが、これがまた美味しい!

続いてオムライス!

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とてもきれいな、典型的な昔ながらのオムライス。

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オムライスでもまた「ご飯に合う絶妙な塩加減」が登場する。
何か?
ケチャップライスは薄めの味付けなんだけど、これはアカシアのオムライスの具材の特徴である「自家製ハムKRB」の塩加減を活かすため。
このハムが絶品!めっちゃ美味しい!
ちなみに、まかないでオムライスがでることもあるそうだが、残念ながらKRBは入っていないそうだ。

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食べ終わり、満足を胸に店を後にする。
50年を超える歴史の中で、一体どれだけの人がここを訪れたのだろう。
どんな夢を語り、どんな思い出を作って……。

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ところで。

ここの店名はアカシアだけど、花のアカシアって「アカシア」でいいの?
それとも「アカシヤ」?

アカシヤだとさんまになっちゃうしなあ。。

そんな、どうでもいいけどちょっと気になることを頭の片隅に留めていたら、湘南台駅でこんなのに遭遇!

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カシオペヤ座。

あれ?

カシオペ「ヤ」だっけ?

好きだったバンドの名前はカシオペアだし、寝台特急の名前もカシオペア。

なのに、なんでカシオペ「ヤ」???

さらに、追い打ちをかける様に、YAHOO知恵袋にはこんな投稿が……。

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カシオペア座とカシオペヤ座、どっちが本当なのでしょうか?

小学校4年生の子供がテストにカシオペア座と書いたら間違いにされて悲しそうな顔で帰って来ました。

子供は小さいころから星が好きで、家ではもちろん、キャンプや旅行でも星を見ては喜んでいました。
星の本を読んだりプラネタリウムに行ったりするのも好きです。
本によってはカシオペア座と書いてあったりするのもあったように思いますが。
しかし、学校では教科書に書かれている名前が確かに「カシオペヤ座」となっています。
こういう場合は,絶対にカシオペヤ座でなければテストでは○をもらえないものなのでしょうか。
でも天文学者になるならいざ知らず、小学生で星の勉強をしている段階では星に興味や関心を持ってもらいたいという意図で学習しているのではと思います。
その際にカシオペ「ヤ」かカシオペ「ア」かという言葉尻にこだわったようなテストで子供の興味を欠くようなことでよいのでしょうか。

愚痴をこぼしてもしょうがないのですが、それでは、「カシオペヤ座」でなければならない、という何か納得できるような理由をご存知の方おられましたら教えていただけたら嬉しいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
子供に説明できるような、わかりやすくて、真面目な回答をお願いいたします。

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カシオペア座は☓。
うーむ。
日本の教育はこれでいいのだろうか???

何だか切ないなあ。

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2016
06.10

ギャル曽根’s オムライスの再掲載

「マツコの知らない世界」で熱望したギャル曽根さんのオムライス。
本当に美味しく、料理が上手で、食べるのも作るのも好きなんだなあって思った。

今日は、ボクが「ぜひ食べたい」と思った理由を綴った、そんな彼女のオムライスのついての記事の再掲載です!

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食べログでオムライスの店の情報をいろいろと見ていたら、「ギャル曽根も食べたオムライス」ってのがあった。

富山県にある島田食堂

口コミ情報を見てみると……。

>正直、その風貌だけでは入ろうとは思えませんが、ここは富山テラ飯代表。
>ギャル曽根も食べたという巨大オムライスで有名です

>お客さんの半分近くがオムライスを注文しており、個々のオムライスファンは結構多いみたいです。
>壁にギャル曽根が来店したときの写真が貼ってありました。
>ギャル曽根の食べたのはもちろんオムライス特大 プラス カレーライスとカツ丼 だとか

こんなカンジのオムライス。

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とにかくボリュームがスゴいんだけど、それを簡単に食べてしまうギャル曽根さんはやっぱりさすがだ!

島田食堂 食べログ情報

島田食堂定食・食堂 / 東八尾駅笹津駅

さて、そのギャル曽根さん、料理も魅力的だ!
彼女のブログにはたくさんのオムライスが載っている。

これは2012年4月5日の記事。

オムライスにはいつも顔や文字を書きます(●´艸`)☆★☆
皆さんは何て書きますか?
何て書いてあったら嬉しいですか?(*ノ∀`)

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おー!いいなあ!こんな夕飯を作ってもらえたら疲れがふっ飛ぶ!

こちらは「ギャル曽根幸せ簡単レシピ ← リンク」のオムライス弁当。

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うわー!きれいだなあ!こんなお弁当を作ってもらえたら仕事がガンガン進む!

単なる大食いではなく、ほんと美味しそうに食べるギャル曽根さん(普段はそんな食べないらしい)。
見ていてとてもいい気分になれる。
そんなギャル曽根さんのセンスと気持ちが、オムライスにすごくよく出ていると思う。


さて……。

2012年11月、ギャル曽根さんは長男を出産。

直後のブログでは、1時間おきに授乳するもすぐはいちゃうとか、新米ママとしての苦悩を綴っている。

年末の時期で、話を一番聞いてもらいたいご主人はテレビディレクターという仕事柄、ほとんど家に帰れない。

ひとりで不安を抱えて過ごす日々。一日に何度も更新するブログは、読者と繋がっていることで“孤独”と“恐れ”を忘れたかったのだろうか……。

ギャル曽根さんの育ちを見ると、幼いころ、父親が事業の失敗で家出。母親がひとりで3人の子どもを育て上げたという。
日々の生活で寂しいと思ったことはさほど無かったが、ひとつだけ忘れられない思い出があるそうだ。
それは遊びに行っている間に、母親が出かけてしまった時のこと。
母親は姉と弟は連れて行ったのだろうか。ひとり残された彼女は「いつ帰ってくるのだろう」、「何で置いていかれたんだろう」と不安になり、夜まで待ち続けたという。

この時の“ひとりが怖い”という感情が、育児に対する不安や恐れに大きく影響していると、その当時指摘されていた。

“ひとりが怖い”

彼女のオムライスを見ていると、なんとなくそれがにじみ出ているような気がする。

愛情をたっぷり注いだオムライス。

その裏には、愛情を注ぎたい自分がいる。

そして、愛情を注がれたい自分がいる。

これはとても大切なことだと思う。

大好きと愛しているの違いは?

愛情を注ぎ、注がれる。

一方的ではなく、双方。

オムライスを作るひと。

それを食べるひと。

ケチャップで何て書こうかな?

ケチャップで何て書いてほしいかな?

オムライスひとつでも、愛情のキャッチボールはできる。

ボクはそう思う。

さあ、今日も素敵なオムライスを探しに行こう!


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2016
06.08

ミルキーウェイブ

小江戸が誇る絶品オムライス

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「江戸のように栄えた町」、「江戸時代を感じさせる町」の意味合いから「小江戸」と呼ばれる埼玉県の川越。
江戸(東京)に旨いオムライスの老舗あれば、小江戸(川越)に絶品オムライスの老舗あり。
江戸の店に勝るとも劣らぬその美味。はやる気持ちを押さえ、小江戸川越へと向かう。

目指すはオムライスが評判の、ミルキーウェイブ

西武新宿線の本川越駅から徒歩で20分程度。情緒豊かな蔵づくりの町並が続く通りを進み、「札の辻」の交差点からしばらく行った左側に同店はある。

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ミルキーウェイブは1978年の創業で、打放しコンクリートの建物が目を引くオシャレ空間。

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お昼時で結構な賑わいの中、窓際に案内され席に着く。
ウッドベースやピアノが配されるシンプルで清楚な店内。
軽快なジャズの音色が舞い、テーブルには雨上がりの陽光が届く。
なんて心地よい場所なんだろう……。

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メニューを拝見し、オムライスを注文。
と、興味深い飲み物を発見!

100%天然素材で造った炭酸飲料、バラデンコーラ。
本物のコーラの味。

天然素材のコーラ?
コーラって、天然素材があるの?
なになに???

以下、YAHOOショッピングサイトにある説明より。

品添加物一切不使用の優しい味わいのコーラ。
コーラナッツの香りと味わいが美味しさをひきたてます。
アフリカ産コーラナッツのナチュラルな香りと優しい味わい、微炭酸ですっきりした後味。
100%天然素材だけで造った初のコーラ。
イタリア・スローフード協会プレシディオに認定されているアフリカのシエッラレオーネという土地の「コーラナッツ」を使用しています。
このコーラナッツの自然な色合いを使用する事で人工着色料無添加を実現。
「バラデン」のコーラは「赤」という大変珍しい色調となっています。
この色調こそが、まさに天然素材だけを使用した証拠となっています。

え!
コーラって、コーラナッツからできてたの!!!

知らなかったあ。

これは飲むしかないと、併せて注文。
味はコーラっぽいんだけど、確かにすっきりしていて美味しい!
これはいいかも。。

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ほどなくしてオムライスが登場!
サラダとの色合いがよく、とても美しい。

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玉子の焼き具合もいいカンジ。

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では、いっただきま~す!

先ずはスープ。
うん、クリーミーで美味しい!

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続いてサラダ。
おー!
千切りキャベツはシャイシャキしていて、自家製のフレンチドレッシングがとても美味しい!
オムライスに標準でついているだけあって、オムライスに負けない、かつ、オムライスを引き立てる味わいに仕上げられている。

では、いよいよオムライスを!

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うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!
これは美味しい!

薄焼きの玉子は中がとろっとしていてケチャップとご飯によく合っている。
具材は、玉ねぎ、ピーマン、マッシュルーム、それに豚肉。
鶏肉ではなく、豚肉。

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これがわりと大きくカットされていて「どうかな?」と思ったけど、これが違和感なくケチャップライスとマッチしている。
しつこくないけどしっかりとした味つけのケチャップライスを玉子がマイルドにしてくれていて、口の中でその風味がいいあんばいに溶け合ってくれる。
見ていると多くのお客さんがオムライスを注文しているし、さすがにこの店の一番人気メニューだけあってこれは美味しい。
いやあ、嬉しいなあ。
ボリュームもあるし、また素敵なオムライスに出会ってしまった♪

ちなみに、食べに来ていたお客さんに聞いたところ、ナポリタンと豚肉の生姜焼きもお薦めとのこと。
ナポリタンは「ケチャップ炒め」でオムライストの共通性があるので納得。
豚肉の生姜焼きも美味しいんだあ。。

で、ふと思った。

キッチンマカベは「ポークジンジャー」が、グリル来来は「生姜焼き」が人気メニュー。
オムライスが美味しい店は生姜焼きも美味しいの?
そいう店は六本木の「れん」とか他にもあるしなあ……。
この関連性やいかに???

考え過ぎ?
偶然?

う~む。
謎だあ……。


<店舗情報>
■TEL:049-222-1101
■住所:埼玉県川越市志多町17-2
■営業時間:11:00~21:30
■定休日:月曜日



Endless Summer 永遠の、夏


 草原に大の字になり空を見上げる。突き抜ける青に、ちぎれた綿菓子の雲が流れ、ゆっくりと溶け込む。
 西から梨色をまとった風が吹く。
" もう夏とはさよならだよ "
 風は笑みを浮かべて言いながら、優輝の頬をやさしく撫で木々のトンネルへと駈けてゆく。
 一陣の風に蜃気楼のごとく木漏れ日が揺れる。揺れるその中では、巡る季節に抗う空蝉が確かな夏の限りを振り絞る。

 そっと目を閉じる。

 ゆうき、なつみ

 まぶたに浮かぶ相合傘の落書き。
 傘を伝い頬を濡らす一筋の雫。
 夏美……。
 美しき夏の日が、終わりを告げる。

  ◆

 西武新宿駅を10時31分発の本川越行き電車に飛び乗ると、優輝は、首の汗を拭いながらロングシートの一番端に腰を落ち着けた。
 ほどなくしてドアが閉まり電車はゆっくりと走り出す。乗った車両が弱冷房車であるせいか、乗客と一緒に詰め込まれた熱気でちょっと息苦しい。それでも優輝は別の車両に移ろうともせず、大きな欠伸をひとつして、ぼんやりと車窓を見やった。流れゆく景色。なんだかそれが、古い映画のセットで使われる映像よろしく無機的で絵空事のように思える。でも何故だろう。懐かしさが心に沁みる。初めての沿線なのに。

 優輝がその夢を見たのは1ヶ月ほど前のことだった。仕事に追われ、優輝が書くブログの更新が滞っていたそのとき。

 最近更新していないようだけど、元気かな?
 私は元気に楽しい日々を過ごしているよ
 ところで・・・。
 あなたの前から突然姿を消してごめんなさい
 そんな私がこんなお願いをするのも何だけど、
 8月24日の12時に、川越の「時の鐘」に来てもらえないかなあ
 この日って休みでしょ?
 どうしても会いたいんだあ・・・
 とにかく、私は待ってる
 信じてるよ・・・
 
 なつみ

 目覚めてからも、鮮明に文面が脳裏に浮かぶ。飛び起きてブログを開く。当然、そんなコメントの投稿はどこにもない。
 どうしてこんな夢を。正夢? それとも、単なる己の願望?
 あれから2年かあ。嬉しさと驚きと戸惑いが三つ巴の交錯を繰り返す。

 埼玉県との境が近づくに連れ、車窓の景色が次第に郊外色をおびてくる。
" あ、私もキャベツのサラダが好き! "
" 僕はコンビニでよく買って食べるよ "
" コンビニ? もったいないよ。自分で作ったら安くてたくさん食べられるし "
" まあ、そうだけどね "
" ドレッシングは? "
" シーザー、かな "
" ダメだよ。青じそでしょ! "
" いいじゃん、シーザーサラダが好きなんだから "
" ダメダメ。キャベツのサラダには絶対に青じそよ "
" わかったよ。今度から青じそにするよ "
 流れる景色の向こうに夏美の満足そうな笑顔が浮かぶ。自然と、笑みがこぼれる。
" ねえ、今考え事してたでしょ。何考えてたの? 私との将来のこと? "
 窓越しの笑顔が真顔に変わる。
" え、あ、…… "
 図星。鋭い第六感。
" ねえ、最近ちょっと良くないんだあ。私、また入院するかもしれない "
" ……。そうなんだあ。結構、悪いの? "
" …… "
 夏美が、景色の中に吸い込まれて行く。
 待って!
 夏美、どこへ行くの?
 何故?
 2年ほど前の夏の日、忽然と、夏美は優輝の前から姿を消した。

 11時32分、優輝を乗せた電車が本川越駅に滑り込む。
 赤ちゃん連れの若い夫婦。参考書を手にした高校生。町の寄合帰り風情のおばあちゃん二人組。電車から降りた人の流れに乗り、改札を抜け外に出る。湿っぽい風が舞う。どことなくプールあがりにも似た気だるさが、体に纏わりつく。空では低く垂れ込める雲が、今にも泣きだしそうな顔をしている。
 
 駅前の交差点を渡り、蔵づくりの町並方面へと向かう。さすがに歴史情緒あふれる街だけあり、あいにくの空模様もかかわらず、夏休みを利用した観光客で賑わっている。でも、あわてることはない。人混みの中でも、駅から時の鐘までは15分もあれば行かれる。
 川越熊野神社を通り過ぎ、商店街を進む。土産物屋。蕎麦屋。路上に漂う焼きだんごの香ばしい匂い。そして客待ちの人力車の列と、親に手を引かれながらそれを興味津々の眼差しで見つめる小さな女の子。
" 私、小さいときに親に川越に連れてきてもらったの。でね、何でかわからないけど、雰囲気がすごく気に入っちゃってね。大きくなったら絶対にこの街に住みたいって。子供が喜ぶようなものがあるわけでもないのに。変でしょ "
" 人力車のお兄さんがカッコよかったんじゃない "
" あはは、そのころ人力車なんてなかったよぉ "

 歩を進め、時の鐘入り口の交差点へと差しかかる。腕時計を覗き込む。11時46分。ふたつの針が重なり合うそのときまで、あと、14分。
「時の鐘で写真撮ろうよ!」
 女子大生風の三人組の楽しげな声が優輝を追い越して行く。
" 私ね、オルゴールとか教会の鐘とか時計台とかが大好きなんだ。まあ、そういう女の子はよくいるでしょ。ロマンチックだし。でもね、私の場合それだけじゃなくて、お寺の鐘とかも大好きなの。写真もいっぱいあるし。ほんと変わってるよね。前世は江戸時代のお茶屋さんの娘とかだったのかなあ "

 時の鐘に到着するやいなや、ぽつりぽつりと雨が降り出した。雲の様相からしてどうやら本格的に来そうだ。優輝は時の鐘の櫓の下に身を寄せた。
 12時が近づくにつれ、案の定、次第に雨脚が強くなる。先ほどまであれだけの賑わいを見せていた観光客は雨宿りを兼ねて店に入ってしまったのか、通りを歩く人影はまばらだ。
" 川越にある時の鐘って知ってる? "
" 聞いたことはある "
" 私が大きくなったら川越に住みたいって思ったのは、たぶんその鐘のせいだと思う "
" 鐘のせい? "
" うん。見た目の風景の美しさとか良い匂いとかに惹きこまれることってあるでしょ。それと同じなのかなあ。鐘の音(ね)を聞いたとたん、音の風景って言うか、そういうのに惹きこまれてね。あ、子供だったから、難しいことを考えてたわけじゃないよ。とにかく、何とも言えない音なの。ボーンって、どこか淋しげで、でも安心感があって、こころが落ち着いて。それと、何だか胸がしめつけられるような、何て言ったらいいのかなあ、とても懐かしいような気がして…… "

 土砂降りの雨がアスファルトに跳ね返る。景色はかすみ、全ての音が雨に飲み込まれる。車の音も、足早に通り過ぎる観光客の足音も、そして、12時を告げる鐘の音も。
 来るわけ、ないか。夢、だもんな。
" 私の名前はねえ、ほら、夏の美しさを独り占めなんだよ! "
" そうだね。じゃあ僕は優しい輝きを独り占めだ! "
" あ、それは私がもらうわ!"
" だったら夏の美しさもくれよ "
" いいよ。わけてあげる。でも、ひとつだけお願い。私の心はいつも真っ青に晴れ渡った夏の空。雨は降らないから傘は持ってないの。傘は優輝が持ってて。それで、もし私の心に雨が降ったら、優しく傘を差し出して私も一緒にその傘の中に入れてね "

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 時計の針が12時30分を指す。雨は一向に弱まる気配がない。
 夏美、傘、持って来たよ。一緒に入れる、大きなやつ。
 悪戯に、ただ悪戯にときが過ぎてゆく。
 雨に煙る景色がゆがむ。
 いや、きっと来る。
 待とう。信じて、待ち続けよう。
 地面にしゃがみ込み、ぼんやりと櫓の天井に目をやる。永年に渡り風雨に耐え抜いてきた太い梁がしっかりと横たわり、柱とともに背の高い重厚な櫓を支えている。
 僕も、ずっといつまでも、君の支えになりたかった……。
 櫓の柱へと目を移す。所々ひび割れた、こげ茶色の柱。
" ねえ、優輝。ほら、あれを見て "
 どこからともなく現れた声の主の、笑みを浮かべた悪戯っぽい目が優輝の目を除きこむ。そしてその黒目がちの澄んだ目は、柱の一点へと優輝の視線を誘導する。
 ゆっくりと、その視線を追う。
 見慣れた筆跡が、優輝の目に飛び込む。
 時間が、思考が、停止する。

 ゆうき、なつみ

 そこに書かれた相合傘の落書き。幸せそうに並ぶ文字が、満面の笑みをたたえている。
 夏美……。
" ごめんなさい、遅くなっちゃったぁ "
" 大丈夫だよ。それより、ずぶ濡れじゃん "
" だって、傘持ってないんだもん "
" だめだよ、風邪ひいちゃうよ " 
" じゃあ、あなたがあたためて "
" うん "
 ずぶ濡れの夏美を抱きしめる。冷え切った体が小刻みに震えている。艶やかな黒髪に顔を寄せる。背中が、夏美の手の感触を受け止める。
" ありがとう。優輝、本当に来てくれたんだね "
" 当たり前だろ "
" うれしい "
 夏美の顔が優輝の胸にしなだれかかる。
" 12時の鐘の音、雨で聞こえなかったよ "
" え? 聞こえるわ "
" …… "
 優輝の左胸に耳を当てた夏美の指が、愛おしそうに、優輝の胸をなでる。
" ほら、私の耳にささやくように。あなたは夏の美しさを支えてくれる優しい輝きよ "
 もう、どこにも行かせないよ。夏美を抱きしめる腕に力が入る。
" ありがとう。君は、僕がそこでこそ優しく輝ける美しい夏だ "
" どちらがなくてもダメだね。ずっと、一緒だよね "
" もちろん。ほら、二人で入っても濡れない大きな傘を持ってきた。これがあればどんな雨だってへっちゃらだ。さあ、ふたりで君の大好きな街を一緒に歩こう "
" うん。一度、そうしたかったんだぁ "

  ◆

「青山さん、遠いところを今日はありがとうございました」
 落ち着いた女性の声が寝転ぶ優輝に近づき、話しかける。
「いえ、こちらこそ」
「三回忌が終わればしばらく落ち着きますね。そうそう、夏美はいつも、青山さんと結婚したら……」

" それに、優輝と結婚したら、私、青山夏美。青い山の美しい夏よ。なんかすごいね。綺麗な名前過ぎてちょっとだけ恥ずかしいな "

「すみません、よかったら、これ、夏美さんの部屋に置いておいてもらえませんか」
 優輝は女性に傘を手渡した。
「まあ、大きな傘」
「はい、ふたりで入っても大丈夫なサイズです。夏美さんと一緒にこれをさして歩くために買ったんですけど、結局使わずに……。いや、一度だけ、川越で……」

" ねえ、優輝。この傘、本当に大きいね。優輝そのものだよ "
" たまには雨もいいだろ "
" うん! あ、私、ミルキーウェイブのオムライスが食べたい! "
" 夏美、本当にオムライスが好きだよなあ "
" いいじゃん "
" あ、もちろん。いいよいいよ。混んでるかもしれないけど "
" 平気。待つのは慣れてるから "
" 待ったのはボクの方なんだけど "
" あ、そっか "
" よし、美味しいものを食べて、3時の鐘の音はボクも聞くぞぉ "
" 6時の鐘がいいな。きっと晴れて、綺麗な空に響く音が聞けるから "
" わかった。じゃあ、それまで川越を思いきり楽しもう。行こうか "
" うん! "

「では、ありがたく頂戴しますね。夏美の部屋に大切に置いておきます」
 ちぎれた綿菓子の雲の向こう側が、ほんのりとオレンジ色に染まっている。
 もう、6時かあ。

 ボーン。

 聞こえる。

 ボーン。

 時の鐘の音が。

 ボーン。

" 今日は楽しかったなあ "

 ボーン。

" ボクも "

 ボーン。

" ありがとう、優輝 "

 ボーン。

" 永遠に輝く美しくて優しい夏。いつまでも、ボクたちは一緒だよ "

 夏美……。
 木漏れ日を揺らす梨色の風が優輝のもとへと舞い戻り、そっと頬の雫を拭い去ってゆく。

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2016
06.07

七つ森

こころは銀河鉄道に乗って・・・

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変わり種オムライス。
2軒目は、七つ森

高円寺の「ルック商店街」の一角、東京メトロ丸の内線「新高円寺駅」から徒歩5分ほど、「JR高円寺駅」からは徒歩15分程度のところにある。

行き方はわかりやすく、新高円寺駅からならば、駅から地上(青梅街道)に出てすぐにあるマクドナルドの横の道がルック商店街の入口なのでその道を直進すればよいし、JR高円寺駅からならば、南口にあるPal(パル)商店街を行けばそのままルック商店街に続いているのでこれまた直進すれば店に着く。

ちなみに、新高円寺駅側からルック商店街を行くと七つ森の手前に、新宿の「はやしや」の1Fにある「三平ストア」の高円寺店があったりする。ねらったわけではないけど、最後に紹介した店が最初に紹介した店とつながっているようで、「つながり」を重視するボクは何だか嬉しくなってくる。

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七つ森に到着し、店内へ。

うわっ!

ここはどこ?
私は誰?

扉を閉めたならば、そこは外界から切り離された異次元空間。

ジャズが流れる店内を見回す。
6席ほどのカウンター席には形の違う椅子が並べられ、温かい灯りがそれをやさしく照らしている。

ステンドグラスの照明に誘導されテーブル席に着く。
" ようこそ、七つ森へ "
木のぬくもりがボクに話しかける。

こちらがお目当てのオムごはん。

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たけのこ、牛肉、ごぼう、えのき、牛肉とご飯を混ぜて甘辛に仕上げた和風オムライス、いや、オムごはん。
山椒をかけると、これがまた美味しい!
うなぎのタレに山椒が合うイメージ。

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ふわっとした玉子とごぼうのシャキシャキ感の組み合わせが絶妙だし、パクパク行けちゃう。
アッという間に完食。
器もとてもきれい!

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店名の由来は、宮澤賢治のいろいろな作品に出てくる七つ森。

七つ森は、岩手県の雫石町にあり、生森(おおもり)、石倉森、鉢森(はちもり)、稗糠森(ひえぬかもり)、勘十郎森、見立森(みてのもり)、三角森(みかどもり)の7つからなる。
以下は宮澤賢治の「春と修羅(第一集)」に納められた詩である、「屈折率」。

屈折率

七つ森のこつちのひとつが
水の中よりもつと明るく
そしてたいへん巨きいのに
わたくしはでこぼこ凍つたみちをふみ
このでこぼこの雪をふみ
向ふの縮れた亜鉛(あえん)の雲へ
陰気な郵便脚夫(きやくふ)のやうに
 (またアラツディン、洋燈(ラムプ)とり)
急がなければならないのか

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この居心地の良い日本人の心象風景のような懐かしさにあふれる空間にいると、まるで自分が銀河鉄道に乗って時空間を旅しているようで、自然と宮澤賢治の世界へといざなわれていく。。

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リボンが結ばれた釣銭の5円。
ご縁をいただいた七つ森とのつながりを胸に、今日もまた人生の旅を続ける。

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<店舗情報>
■TEL:03-3318-1393
■住所:東京都杉並区高円寺南2-20-20
■営業時間:11:00~24:00(L.O.23:30)
■定休日:無休

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2016
06.05

雨の日に観る物語 (リニューアル再掲載)

Category: その他
今日は雨だあ。。
6月の雨。
変わり種オムライスの2軒目を紹介する前に、今日は「雨の日に観る物語」の記事をリニューアル。

今の季節にぴったりの雨の物語。
いろいろとあるけれど、お薦めはこれ!
2013年の5月31日に公開された、「言の葉の庭」

新海ワールドならではの、とても描写が美しい作品。
キャッチコピーは"愛"よりも昔、"孤悲(こい)"のものがたり。

高校1年生。15歳。靴職人を目指す、高校1年生のタカオと、雨の庭園で出会った、ユキノの物語。



wikipediaに掲載のあらすじを見てみましょう!

靴職人を目指す高校生のタカオ(秋月孝雄)は、雨の日の1限は授業をサボって、庭園で靴のデザインを考えていた。ある日、タカオはそこで昼間からビールを飲んでいる女性、ユキノ(雪野百香里)に出会う。どこかで会ったかとタカオが尋ねると、ユキノは否定し、万葉集の短歌 「雷神(なるかみ)の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」 を言い残して去っていった。

こうして、雨の日の午前だけの2人の交流がはじまる。タカオは靴職人になる夢を語り、味覚障害を患うユキノは、タカオの作る弁当の料理に味を感じられるようになる。ある日、ユキノはタカオに「靴作りの本」をプレゼントし、タカオは今作っている靴をユキノのために作ることにする。

その後、梅雨が明け、しばらくの間2人は逢わなくなる。2学期になった夏のある日、タカオは学校でユキノとすれ違い、ユキノが古文の教師だったこと、生徒の嫌がらせによって退職に追い込まれたことを知る。そして首謀者の3年生の女生徒・相沢に会いに行くが、からかわれたタカオは相沢の頬を叩き、その取り巻きの男子生徒に返り討ちにされる。

庭園に向かったタカオはユキノと出会い、万葉集の返し歌 「雷神(なるかみ)の 少し響みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば」 を口にする。互いの立場を知りとまどう2人だったが、急な土砂降りに遭って、2人でユキノのマンションへ行く。ユキノは濡れた服を乾かしながら、タカオは2人分の料理を作りながら、2人とも今が一番幸せだと感じる。そしてユキノへの好意を口に出したタカオに、ユキノは地元の四国に帰ることを告げる。ユキノは部屋を出たタカオを追いかけ、お互いの気持ちをぶつけ合う。

季節は変わって冬、四国でまた教師となったユキノからは、手紙が来るようになっていた。タカオは完成した靴を手に庭園を訪れ、雨の日々を「2人とも歩く練習をしていた」のだと回想し、「もっと遠くまで歩けるようになったら」ユキノに会いに行こうと思う。







新海監督は、この作品の制作中、こう語っている。

初めて「恋」の物語を作っている。すくなくとも自分の過去作では描いてこなかった感情を、本作ではアニメーション映画の中に込めたいと思っている。
企画を立ち上げる時に思い出していたのは、例えば次のようなことだ。
この世界には文字よりも前にまず───当たり前のことだけれど、話し言葉があった。
文字を持たなかった時代の日本語は「大和言葉」とも呼ばれ、万葉の時代、日本人は大陸から持ち込んだ漢字を自分たちの言葉である大和言葉の発音に次々に当てはめていった。
たとえば「春」は「波流」などと書いたし、「菫(すみれ)」は「須美礼」と書いたりした。現在の「春」や「菫」という文字に固定される前の、活き活きとした絵画性とも言えるような情景がその表記には宿っている。
そして、「恋」は「孤悲」と書いた。
孤独に悲しい。
七百年代の万葉人たち───遠い我々の祖先───が、恋という現象に何を見ていたかがよく分かる。
ちなみに「恋愛」は近代になってから西洋から輸入された概念であるというのは有名な話だ。
かつて日本には恋愛はなく、ただ恋があるだけだった。
本作「言の葉の庭」の舞台は現代だが、描くのはそのような恋───愛に至る以前の、孤独に誰かを希求するしかない感情の物語だ。誰かとの愛も絆も約束もなく、その遙か手前で立ちすくんでいる個人を描きたい。
現時点ではまだそれ以上のことはお伝えできないけれど、すくなくとも「孤悲」を抱えている(いた)人を力づけることが叶うような作品を目指している。
(監督 新海誠 2012年12月24日)

愛"よりも昔、"孤悲"のものがたり。
孤悲……孤独に悲しい。

靴職人を目指す、15歳の高校生、タカオ。
タカオと同じ学校の古典の27歳の教師、ユキノ。

主人公の設定には賛否両論あるだろう。

ボクは、設定は「これでなければならない」と、そう思う。

先ず「ユキノ」という美しい名前。これは絶妙である。
「ユキノ」は苗字であり、ファーストネームではない。
フルネームは雪野百香里(ゆきの ゆかり)である。

生徒と教師。
生徒が教師のことを名前で呼んだらドロドロした関係を想像してしまう。
かといって、ありふれた苗字だと観る者に「よそよそしさ」を覚えさせてしまう。

そして、ユキノが27歳であり、教師であること。
人に教える立場の教師であるが、大人になりきれない「優しすぎる」と言われる女性。
花澤香菜さんの「大人の女性と舌っ足らずの少女が同居する声」がうまくユキノとマッチしている。

噂が広まり、非難され、学校に行かれなくなってしまった「出社拒否(登校拒否)」状態のユキノ。
「27歳の私は、 15歳のころの私より少しも賢くない。 私ばっかり、ずっと、同じ場所にいる」
そう、ユキノはつぶやく。

一方のタカオ。
靴職人を目指す高校生。
幼少の頃のシーンで出て来た父親は、今はいない。
母と兄と住んでいるが、家事をこなし、「ひとまわりも下の若い男とつき合う」母親のことを「あの人」と呼ぶ。
以下、兄との会話のシーン。

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兄「おふくろは?」
タカオ「家出」
兄「ラッキー。コロッケ山分けだな」
タカオ「さがさないでくださいと手紙にあったけど、本当にいいのかな?」
兄「ほっとけよ、どうせ彼氏とケンカして帰ってくるだろ」
兄「部屋決めて来た。来月出ていくから」
タカオ「ひとり暮らし?」
兄「彼女と住む」
タカオ「それが家出の原因なんじゃないの母さんの。昨日話したの?」
兄「ああ。いい加減子離れしてほしいぜ。自分もひとまわりも下の男とつきあってるくせに」
(回想シーン)母「いいわよ。じゃあ、あたしも彼氏と住むもん」
タカオ「あの人、若く見えるからね」
兄「苦労してないから若いんだよ。その分、おまえが老けてくなあ」

しっかり者、だけど、大人の階段をのぼり始めたばかりの、15歳の少年。

"子供のころ、空はもっとずっと近かった。"
"だから、空のにおいを連れてきてくれる雨は好きだ。"
これは、不快な満員電車を降りたタカオが公園に向かう冒頭のシーン。

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そんな二人が、「雨の日の朝の新宿御苑」で距離を縮めて行く。
そこは、「晴れの公園」というみんなの共有の場所ではなく、「雨の公園」というふたりだけの特別な場所。

そして、作りかけの靴を「ユキノのため」と決めたタカオがユキノの足のサイズを測るシーン。

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ユキノはタカオに向かって言う。
「私ね、うまく歩けなくなっちゃったの。いつの間にか」
「それって、仕事のこと?」
「ううん、いろいろ」

うまく歩けなくなったユキノを歩かせてあげるのは、「靴職人」を目指すタカオしかいない。
タカオだからこそ、「うまく歩けなくなった」ユキノに靴を作ってあげることができるのだと思う。

大人になりきれない、27歳の教師、ユキノ。
自立を促される環境におかれた15歳の高校生、タカオ。

年齢差も、教える側と教えらえる側と言う世俗的な立場も、「雨」というシチュエーションの中で融合し、救い救われ、見事な均衡となっている。

そこにあるのは「男女の恋愛」ではない。
二人をつないでいるのは、お互いの、孤悲、である。





孤悲。
互いのこころが、同調し、溶け合う。

チョコをつまみにビールを飲むユキノ。
味覚障害に陥ったユキノにとって、唯一味がわかるもの。
それがチョコとビール。

そんなユキノだが、なぜかタカオの作る弁当の味はわかる。
「歩き方を忘れた」ユキノと、「ユキノのための靴を作る」タカオの、言葉を越えて通い合う、こころ。

梅雨が明け、雨の降らない日が続く。
つまり、会えない日が続く。
やがて夏休みが終わり、9月。

ユキノを退職に追やる原因を作った3年女子の相沢に平手打ちを食らわせ、相沢のとりまきにぶっとばされたタカオは、晴れた日にいつもの庭園に足を運ぶ。
そして、そこにはユキノの姿が。

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初めて会ったときにユキノが口にした万葉集の歌、
「雷神(なるかみ)の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」
に対する返歌を歌うタカオ。
「雷神(なるかみ)の 少し響みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば」

「雨が降ったら君はここにとどまってくれるだろうか」
「雨なんか降らなくてもここにいるよ」

「ねえ、その顔どうしたの?」
絆創膏を貼ったタカオの顔を見てユキノが問う。
「先生のまねしてビールを飲んで、酔っ払って山手線のホームから落ちました」
「うそ!」
「うそです。ケンカくらいします」

その後、突然の豪雨に襲われずぶぬれになったふたりはユキノのマンションに。

アイロンをかけ、タカオの服をかわかすユキノ。

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手慣れた手つきで料理を作るタカオ。
作っていた料理は……。

そう、これ!

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オムライス!!!

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「結局これが言いたかったのか!」って思われそうだけど、決してそういうわけではない。

オムライスを食べ終わり、コーヒーを飲むふたりが、そろって思う。

「今まで生きてきて、今が一番幸せかもしれない」

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幸せの象徴として登場する(と勝手に思っている)オムライス。
やっぱり素敵な食べ物だ!

ご飯を食べ終わり、くつろぐふたり。
タカオはユキノに「ユキノさん、おれ、ユキノさんが好きなんだと思う」と告げる。
その言葉を聞いたユキノは「ユキノさんじゃなくて先生でしょ」と嘯き、タカオに、来週四国の実家に帰ると……。

やりきれないタカオはユキノの部屋から出て行く。

ユキノのこころに、うまく歩くための靴をはかせてくれたタカオ。
かけがえのないものを、今、失おうとしている……。

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部屋を出て行ったタカオを、「裸足(自らの足)」で追うユキノ。

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踊り場でボーっと外を見やるタカオ。

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「おれ、やっぱりあなたのこと嫌いです。最初からあなたは、なんだかやな人でした」
ユキノへの思いを無理やり断ち切ろうとするタカオ。
「あんたは一生ずっとそうやって、大事なことは絶対に言わないで、自分は関係ないって顔してずっとひとりで生きていくんだ」と涙ながらに叫ぶ。

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そしてその叫びは、ユキノのこころのバリアを突き抜けた。

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大人の階段で立ち止まってしまった27歳のユキノは、もう一度最初から階段を上るべく、15歳(のこころ)のユキノになり、タカオの胸(こころ)に飛び込んで行く。

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「毎朝ちゃんとスーツ着て学校に行こうとしてたの。でも恐くて。どうしても行けなくて。あの場所で、わたし、あなたに、救われてたの……」
泣きじゃくるユキノ。

そして、このとき、孤悲が孤悲でなくなった。

エピローグ。
季節は冬。

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いつもの庭園でユキノから届いた手紙に目をやるタカオ。

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携帯でのやりとりではなく、手紙のやり取り。
素敵な言の葉が舞う。

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カバンから、できあがった靴を取り出すタカオ。

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"歩く練習をしていたのは、きっとおれも同じだと、今は思う。"
"いつかもっと、もっと遠くまで歩けるようになったら、会いに行こう。"

孤悲を抱いていたふたりが、互いに「こころの靴」をはかせ合い、今、歩き始めた。

ラストシーン。
雪原(雪野)に残る、タカオの確かな足跡。

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ストーリーも、映像も、タイトルも、セリフも、曲も、どれもこれもが透明な美しさに満ち溢れたこの映画は、見終えたボクのこころの深いところに響いている。

"愛"よりも昔、"孤悲(こい)"のものがたり。

最後に。

男として、雪野さんの幸せを、心から祈る……。


● Rain  作詞・作曲:大江千里 / 編曲:皆川真人 / 歌:秦基博




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2016
06.03

らすぷーる

ピエロが微笑む不思議で素敵なオムライス

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変わり種オムライス。
一軒目は吉祥寺にある、らすぷーる
創業は1972年。永年に渡って素敵な味と時間を提供し続けている洋食屋だ。

駅方面からサンロード商店街を進み、左折して脇道に入ってすぐのところにあるコピス吉祥寺A館の地下1階に向かう階段を下りる。
美味しそうなメニューが並ぶサンプルケースに開放的な入口。
その入りやすさにあふれる雰囲気は、自然と足を店内へと向けさせてくれる。

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店内も明るくてきれい。
その空間にいるだけで、何だか気持ちよくなってくる。

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こちらが「らすぷーる風オムライス」。

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かつお節が踊り、芳ばしいにおいが立ち込める。

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ご飯と具材に玉子を混ぜ、特製出汁醤油を入れて炒められたオムライス。
これがお好み焼き風ソースと相まって何とも言えない不思議な味を生み出している。

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それに、らすぷーるは、店主の千葉さんが厳選した素材を使っているので、これがまた素晴らしい。
玉子は相模原にある小川フェニックスの鳳凰卵。とっても濃厚な味わいで「たまごかけご飯」にも最高の素材。オムライスはこれを3個使って作られている。

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つけあわせも美味しい。
マツコさんがポテト、コーン、ニンジンにがっついていたけど、野菜も厳選されているのでよくわかる。

こちらはyoutbeにアップされている「【Jチャン】常識破りの限定オムライスがあるらしい!?(10/7/16放送)」の動画。
5:30あたりからら「すぷーる風オムライス」の話が登場!




いかがでしょう。
唯一無二のオムライス。
百聞は一見に如かず。
とにかく、その不思議で美味しいオムライスをぜひ味わっていただきたいと思う。

<店舗情報>
■電話:0422-22-0877
■住所:武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 コピス吉祥寺A館 B1F
■営業時間:11:00~22:00(L.O.21:30)
■定休日:不定休

おまけ。
野毛にある猫カフェ「桜木町にゃんくる」のニャンコ。

おもちゃに向かってハンティング体勢の2にゃん。
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何か用ですか?眠いんですけど……。
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キリッ☆
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でれ~ん。。
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ピエロがくれた宝物


らすぷーるのオムライスを食べ、「満足」を胸に店を出る。

「いかがでしたか、当店だけのちょっと不思議なオムライスは?」
看板のピエロが、帰路につくボクをひきとめ微笑みかける。

「いやあ、ビックリしたよ。美味しいし、お好み焼き風なんて素晴らしい演出だね」
「喜んで頂けて何よりです」
「それと」
「それと?」
「勇気をもらえたかな」
「勇気、ですか?」
きょとんとしたピエロの目が、ボクの目を覗きこむ。

「うん。オムライスもいろいろ。人間だっていろいろ。ボクはボクだって言い切る勇気」
「そうですか。それは嬉しいですね。ぜひまた来てくださいね!」
「こちらこそ、よろしく!」

ピエロに別れを告げ、夜の帳が降りた吉祥寺サンロード商店街をぶらつく。

本音と建前。ボクは誰?
ピエロ、か……。

白塗りのメイクに涙をペイントし、いついかなるときも笑顔でおどけ続けるピエロ。
そんなピエロの店の “ちょっと不思議なオムライス”。
それは見た目や味だけではなく、”大切なこと” を教えてくれる、ボクの宝物だ。

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2016
06.01

センターグリル (リニューアル掲載)

戦後の日本を支えてきた力

    
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昔ながらのオムライスを3軒紹介したけど、変わり種に行く前に、「グリル来来」同様ボクの大好きな「横浜のグリル」のご紹介。
その店の名は、センターグリル

以前にも紹介したので、その記事を交えて紹介することとしよう。

ハードボイルドが似合う、港町ヨコハマ。
センターグリルは、そんな横浜の中でも特に味わい深い、カオスな一角である野毛にある老舗だ。

ちなみに野毛には、こんな店が並んでいたりする。

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形から入る性格としては、ここはハードボイルドチックにトレンチコートにレイバンのサングラスだな。
で、コートのえりを立てて、くわえタバコ。
銘柄はラッキーストライク。
って、レイバンのサングラスなんて持ってないじゃん!
トレンチコートは誰かにあげちゃったじゃん!
第一、この季節にそんな格好していたら「どこぞの怪しい変質者?」になってしまう。
ということで、ありきたりの服装で野毛に向かう。

JR桜木町駅で降り、海側のみなとみらいに向かう人の流れに逆らい反対側へ。
今の時代、桜木町で降りる人のきっと7割程度はみなとみらい方面に向かうのだろう。
特に素敵な女性の皆様は9割以上はそうだと思う。
自分と一緒に野毛方面に向かうのは、なんかグレー系か紺系のジャンバーを着ている面々が多い気がする。
そう、場外馬券場に向かうオジサンたち。

老舗と新しい店が混在する野毛の商店街を進むと、大岡川に近い商店街の外れにセンターグリルはある。

青地に白抜きで「米国風洋食 CENTER GRILL」の文字。
何とも味わいのあるレトロな雰囲気。
中央のドアを開け、ランチタイムで賑わう店内に。

階段を上がり2階へ。
ちょうどのぼりきったところでご主人の「いらっしゃいませ」の声が響いた。
うーん、すごく暖かそうなご主人。
2階には4人がけのテーブルが6つと、階段の右手に貸切パーティーができそうな部屋がある。

奥の席に陣取り、メニューを拝見。
この店のオムライスは、「オムライス」と「特製オムライス」がある。
オムライスは中が白いライスで、特製オムライスはケチャップチキンライス。

それと、この店でぜひ食べたいのがナポリタン。
なにせ、ナポリタンは戦後、山下公園のホテルニューグランドで生まれ、世の中に普及しているケチャップ味のナポリタンの発祥の地は、ここセンターグリル! 
ホテルの客層とは違うので、トマトソースではなく庶民的なケチャップで味付けし、彩にピーマンを入れることを考案。「ケチャップ炒め大好き人間」としてはナポリタンも食べるっきゃあないでしょう。

ということで、特製オムライスとナポリタンを注文。

先ずはナポリタン。

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日本初のスパゲッティ「ボルカノ」の2.2mm極太麺を茹でた後に一晩寝かせて作るとのことで、これが心地よい喉越しを演出してくれる仕上がりになっている。

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「一晩寝かせると美味しくなるのは科学的に証明されているみたいだけど、そんなのは知らないで作ってました」と柔和な笑顔で語るご主人。
もっちりしていて、かつ、深みの増した麺。
これがケチャップとよく混ざり合ってとても濃厚な味わい。

そうそう、ケチャップと言えば……。

センターグリルが使っているケチャップはカゴメなんだけど、横浜はトマトケチャップ発祥の地でもある。
1896年(明治29年)に清水興助氏がトマトケチャップ製造会社清水屋を創業。
この清水屋が、1903年(明治36年)に製造販売を開始したという記録が横浜開港資料館所蔵の資料に残っており、これが最初の国産ケチャップであると考えられる。

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続いてオムライス。

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うまい!
ソースは濃厚ではないけど卵とケチャップライスとのバランスがよい。

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ボリュームは多めだけど、オムライスにチキンカツとサラダが一緒についている浜ランチ1、050円(特製は1、250円)だとかなりのボリュームで更にお得。
あと、オムライスにはグリーンピースが乗り、サイドに福神漬がついている。

センターグリルの創業は昭和21年。
今日まで日本の発展を食で支えてきた店だ。
戦後のものがない時代に、「強い国(アメリカ)に習って強い国のものを食べよう。栄養とボリュームのある料理を皆様に」との思いでできた店。
白いライスのオムライスがあるのも、「少しでも早く食事を出せるように」という考えでできたようだ。

「昔は白いライスのオムライスの方が多くでていましたが、今はケチャップライスの方が多いですねえ」とご主人。
とても美味しかった旨を伝えると「オムライスとナポリタンだと結構ボリュームあったでしょう!50種類以上のメニューがあるので、そちらも食べてみてください」との丁寧な対応を頂いた。
とても気分がよい。

野毛はかつての輝きを失ってしまっている気がする。
戦後の日本を支えてきた男の文化は、失礼な言い方だが女子供の消費文化にとって変わられた。
ブランドイメージを確立し観光地料金で集客する海側に負けないよう、頑張ってもらいたいものだ(節操のない自分は海側も好きなんだけどね……)。

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店主の石橋秀樹さん


< 店舗情報 >
■電話:045-241-7327
■住所:神奈川県横浜市中区花咲町1‐9
■営業時間:11:00~21:45
■定休日:月曜日



Forever 


 JR桜木町駅を出ると、祐也は、みなとみらい方面に向かうお洒落な人波に逆らい、妻の涼子とともに平戸桜木道路を抜け野毛柳通りに足を踏み入れた。
 18年ぶりの場末の香りが体に染み渡る。と同時にそれと連動するように自然と顔がほころぶ。
 オーストラリアで貿易商を営む祐也が、大学の4年間を過ごした街だ。
「大学は人生の目的を探す場」と考えていた祐也は、この街には自分が求める何かがあるのではないか、そんな漠然とした思いでこの地を生活の場に選んだ。

 その日に稼いだバイト代をGパンのポケットにねじ込み、安酒の酔いに身を任せて街を闊歩する。
 一流企業への就職を目指す同級生や、すりごまが背広を着たようなサラリーマンを「飼いならされた豚ども」と卑下しつつも、何れ「大学」という温室生活を終え別世界へと身を委ねることになる自分が何者かわからず、文学青年を気取って大岡川の水面をぼんやりと眺めながら「自分の存在理由」に頭を悩ませていた時期でもある。

 野毛柳通りの外れまで来ると、祐也は青い看板の店の前で足を止めた。
 どこまでも突き抜ける晴れ渡った冬空を仰ぎ、大きくひとつ深呼吸をする。
「米国風洋食 センターグリル」
 祐也が足繁く通った店。
 祐也を育ててくれた店。
 そして、祐也を育ててくれた大切な人と出会った店――。

「ご一緒してもよろしいですか」
 大学3年の秋、センターグリルのテーブルで料理の出来上がりを待つ祐也に、柔和な笑顔の老人が話しかけた。
「あ、はい、どうぞ」
 一瞬とまどいながらも、何か得体の知らない、周りをほっとさせるようなオーラが祐也を包み込み、自然と快諾の言葉が口をついた。
「あなたの食べっぷりはよく拝見させていただいていましたよ」
 オックスフォード地の水色のボタンダウンシャツに、濃紺のシングル三つボタンのブレザー。綺麗にプレスされたグレーのスラックスに足元はコインローファー。
 典型的なIVYに身を固めたその紳士然とした老人は、丁寧にブレザーを脱ぐと、祐也の前の席に腰掛けた。
「学生さんですか?」
「はい、今大学3年です」
 この老人、どこかで会ったことがあるような……、祐也は記憶をたどる。

 ふと、記憶の線がつながった。

 数ヶ月前まで、毎週のようにこの店の一番奥の席で、品の良さそうな老婦人と楽しげに食事をしていた姿が祐也の脳裏に蘇る。
「我々には子供がいなかったもので、あなたの食べている姿を見て、家内とよく『孫がいたらこのくらいの年かなあ』なんて楽しませてもらってたんですよ」
 それから老人は、自分が影山治夫という名であること、日本大通り方面で貿易商を営んでいること、そして、2ヶ月前に突然奥さんを失ったことを祐也に聞かせてくれた。
「私のほうが病弱で、そんな私を支えてくれた家内にまさか先立たれるなんて思いもよりませんでした。やはり、男やもめはよくない。格好つけても、男なんてひとりでは何もできやしないちっぽけな生き物ですよ」
 運ばれたナポリタンをフォークに巻きながら、老人はぼんやりと壁に目をやった。
 その目を、祐也は見つめた。
 頬の皺の上のくぼんで濁った白目、でも、そのとなりにある黒目は決して輝きを失っていない。こんな目は見たことがない。それに引き換え、オレのガラス玉のおもちゃのような目は何なんだ……。
 男の年輪と生き様を感じた瞬間だった。

 やがてランチタイムで賑わい始めた店内で、老人と祐也はそれぞれの自己紹介や趣味などをおり混ぜながら会話に花を咲かせた。
「今日はありがとう。おかげさまで久しぶりに充実した時間をすごせました。今日は私がご馳走しますよ。それと、もしよかったらまたご一緒にいかがですか?」
 老人の言葉に祐也はお礼を述べ、握手を交わして二人は別れた。

 その後しばしば、この店で老人と祐也は食事を共にした。
 老人は今後の人生に悩む祐也の相談に真摯にのってくれ、経営する貿易会社でのアルバイトも勧めてくれた。
「男っていうのは悩んでいたらいけない。机上の勉強で頭でっかちになってもいけない。自分の進む道を見つけ、しっかり地に足をつけ、それに向かって生きていくもんだ。その道が正しいか正しくないかなんて関係ない。ただ自分を信じて、周りを信じて。そして感謝の気持ちを持つ。それと、君は彼女はいるのかい?」
「いえ、……」
「何れ君も人生の良き伴侶に巡り合うだろう。でも本当に素敵な巡り合いがあるかどうかは、君が自分をしっかり持てるかにかかっている。幸い私は最高の伴侶に出会えた。将来の君の伴侶も、きっと今頃どこかで君の成長を待ち望んでいることだろう」

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 祐也は18年ぶりの扉を開け、涼子をエスコートしながらセンターグリルの2階へと上がった。

 変わらない景色が眼前に広がる。
 奥の席で、笑顔の若いカップルが美味しそうにオムライスをほおばっているのが見てとれた。
 老夫婦が決まって食事をしていた席だ。その若いカップルの姿が、祐也には若き日の影山夫妻の姿に見えた。
 影山さん、今頃天国で毎日奥さんと楽しい食事の時間を過ごしているんだろうなあ……。
 祐也は、あの日老人がしたような仕草をまねて、裏地に「H・Kageyama」と刺繍された濃紺のブレザーを丁寧に脱いだ。
 影山さん、オレ、少しはあなたに近づけたかなあ……。

「特製オムライスを二つください」

 18年前よりちょっと年輪を重ねた声が、店内に響き渡った。

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