2017
09.28

グリル・エス

ヨコハマの洋食文化をつくった名店

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大好きな街、「ヨコハマ」。
中学高校は横浜にある学校に通っていたこともあり界隈の空気が体になじんでいる。

中でも、関内、桜木町方面は特にそれが強い。

ベイスターズの応援。
元町、伊勢佐木町での買い物。
野毛の散策。
そして、大桟橋、山下公園での海風との戯れ。

港ヨコハマ。
我がこころの故郷。

だから、好きな店も多い。
どこもみな家に帰るような自然体の感覚で入ることができる。

そんな店の代表格。
1954年(昭和29年)創業のその老舗は、ボクの中ではセンターグリルと双璧を成すヨコハマの洋食文化の原点。

店の名は、

グリル・エス

JR関内駅北口から国道16号線を桜木町方面へと進む。
馬車道の交差点を抜け、その先の交差点を右へと曲がる。
馬車道と平行に走るその道を真直ぐ行き相生町に入ると、目に、「ステーキ&グリルS」の看板が飛び込んで来る。

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時間は12時過ぎ。

入れるかなあ……。
人気店だけに満員のことも多く、ちょっと不安がよぎる。

が、幸い、ひとつだけテーブルがあいており、待つことなく入店。
席に着きさっそくオムライスを注文。

さあ、気合を入れるぞー!

オムライスを食べるのに気合を入れることはあまりないのだが、この店の場合は必須。

なぜか?

デカいのだ。

なにせ、デカい。
巨大オムライス。

オシャレに配置された1階のテーブル席は30席程度。
オムライスの出来上がりを待ちながら店内を眺める。

ハイカラ。
重厚。
気品。

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まさに「洋食文化」といった表現がピタリとはまる、色合い、造り、調度類。

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そんな店内で、ゆっくりと食事を楽しむお客さんたち。

いい風景だなあ……。

やがてサラダが到着!

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シャキシャキレタスの歯ごたえ。
そして、フレンチドレッシングがおいしい!
これは絶品。
ドレッシングだけでも食べる価値があり、満足。

(おいおい、巨大オムライストの戦いの前に満足しちゃっていいのか?)

自分の中のもうひとりの自分が自分を戒める。

そ、そうだよな。
気をゆるめたらいけない。

(最初は一気にいくんだぞ)

(わかった)

(途中で、らっきょうと福神漬けで味変させるんだ)

(了解)

(いいか、最初は一気だぞ)

(うん)

ボクサーの自分とセコンドの自分が脳内会話を繰り返す。

そうこうしているうちにオムライスが運ばれる。

うわっ!
きた!

美しいフォルム。
これぞオムライス。

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それにしても、やはり、デカい。
ペンと並べて激写。

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さあ、行くぞ!

カ~ン!!!!!
高らかに、ゴングが鳴る。

外はしっかり焼け、中はとろとろの玉子。
グリーンピース、マッシュルーム、エビ、ハム。
いろいろな具材の味を楽しめるケチャップライスはわりとマイルド。
なので、らっきょうと福神漬けはよくマッチする。

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さあ、もう一息!

途中で休んだら食べきれない。

一気に完食!

美味しいけど、

ううううううううううううう!!!!!!!!!!!!

くるしー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


(よく頑張った!感動した!)

貴乃花が足のけがを克服して優勝した時の小泉総理の言葉が脳裏をよぎる。

(初めて自分で自分をほめたいと思います)

さらには有森裕子さんの名言が……。

わきあがる充実感。

食ったどー!

いやあ、大満足。

会計をすませ外に出る。
海からの風が、ここちよい。

帰り際、懐かしい名車を発見!
アウトビアンキA112アバルト。

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いいなあ。
懐かしいなあ。

速いクルマに憧れ、ヨコハマを闊歩していた学生時代。
そんな時代を思い出させてくれる名店と名車。

やっぱりヨコハマはいいなあ。

さて、海でも見に行こうかな。
自然と、そんな言葉が口をつく。

■ グリル・エス食べログ情報
電話 045-681-2581
住所 神奈川県横浜市中区相生町5-89
交通手段 馬車道駅から徒歩4分
営業時間 
 【月~金】 11:30-13:45(L.O) 17:00-21:30(L.O)
 【土・祝】11:30-13:45(L.O)17:00-20:45(L.O)
定休日 日曜日・祝日の月曜日

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2017
09.23

つかもと食堂

焼津に息づく伝統、「世界のつか食」ここにあり

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神戸、函館、長崎。

日本の三大夜景と言われる地だ。
2015年に開かれた「夜景サミット」では、函館の代わりに札幌が選ばれたようであるが、いづれ劣らぬ美しさであることには違いない。

でも、ボクの中には、そのどこよりも美しいと思っている夜景がある。
幼少の頃に見た一枚の写真。
幼心は、その写真の美しさに目を奪われた。

東名高速の向こうに広がる街の夜景。
何てきれいなんだろう。
写真に書かれた「焼津の夜景」の文字。

やいづ

行ってみたいなあ……。

「焼津」=「とても素敵な場所」
このときボクの脳になされたその刷り込みは、今でも消えずにいる。

素敵な場所、焼津。
そんな焼津には、もうひとつ、夜景にも勝るとも劣らぬ感動をボクに与えてくれるものがある。

9月9日、土曜日。
小田原から新幹線に乗り静岡へ。

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そこから在来線に乗り換えて目的地へと向かう。
降車する駅は、焼津のひとつ先の西焼津。
静岡から約15分ほどで西焼津に到着。

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駅から歩くこと20分。
住宅が並ぶ閑静な一角に、もうひとつの「素敵な場所、焼津」がお目見えする。

その場所の名は、つかもと食堂 ( ← リンク )

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混雑を避けるべく、昼前に到着。
高揚する気持ちをおさえつつ扉を開ける。

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「いらっしゃいませ!」
厨房の方から響く女性の溌溂とした声。
先客は、いない。

席に着き、オムライスともう一品を注文。

小上がりが18席(4人掛け×4卓、2人掛け×1卓)に、テーブル席が10席(4人掛け×2卓、2人掛け×1卓)。
昭和の香りが漂う和装の落ち着いた店内。

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「昭和」を意識しているのは明らかで、メニューにも、" 昭和の懐かしい庶民の味をずっと提供していけるよう、日々頑張りますのでこれからも「つかもと食堂」をどうぞよろしくお願い致します " と書かれている。

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とは言っても、「まんま昭和の定食屋」のような演歌っぽい雰囲気ではなく、随所にモダンが散りばめられている。
BGMで流れるジャズもそんな雰囲気づくりに一役買っている。

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やがてお目当てのオムライスが出来上がり、目の前に登場。
いやあ、美味しそう!!!!!

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典型的な昔ながらのオムライス。
一見、どこにでもあるような、そんなオムライス。

でも、実は。

全然違うのだ!

何が?

そう、このオムライスに使われているケチャプは、あの大好きな太陽ケチャップなのだ!

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幻のケチャップ、太陽ケチャップ(← 以前の記事にリンク)。
つかもと食堂では、30年以上、太陽ケチャップを使い続けているという。
以前は店内での販売もしていたそうだ。

では早速。
いっただきま~す!

うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!
おいしー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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きれいに染抜かれたゴロゴロチキンのチキンライス。
口の中に広がる芳醇な甘み。
絶品ケチャップとそれを使いこなす料理人の確かな腕が一体となって創り出された「至福」が、体内に取り込まれて行く。

ほどなくして、これに追い打ちをかけるべく「もう一品」が運ばれてきた。

メンチカツ。

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これにかけるのは、そう、太陽ソース

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アツアツのメンチカツ。
中からは、肉汁がジュワーーーーーー!!!!!!!
これがソースと溶け合い、これまた「至福」となって体内に取り込まれて行く。

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「いやあ、美味しいですねえ!」
食後、余韻をしばし楽しんだ後、自然とこぼれる笑みを湛えてレジへと向かう。

「ありがとうございいます!」
それに飛び切りの笑顔で応えてくれるご主人、奥様、店員さん。

12時15分。
大満足を胸に店を出る。
店には次々とお客さんが入って行く。

青空に向かってそびえ立つ「つかもと食堂」の看板を見上げる。
そこに書かれた、「ほっとする瞬間(とき)」の文字。
まさに、その言葉がピッタリの素敵な店。

そして店のサイトに書かれている言葉。
" 裏道の小さな当店にご来店下さるお客様、有難うございます!ホント嬉しく思います。 "

1970年(昭和45年)に創業し、以前は表通りに面したところにあったのだが区画整理で裏路地沿いに移転したとのこと。
それでもファンに愛され続け、一部では「世界のつか食」なんて呼ばれているようだが、それもわかるような気がする。

料理の美味しさ。
店の雰囲気。
ご主人をはじめとする店のみなさんのきくばりと笑顔。

たかがオムライス。
されどオムライス。

往復1万円をかけてでも、それでも食べに行きたいオムライス。

素敵な場所、焼津。
素敵な店、つかもと食堂。
「世界のつか食」よ、永遠なれ。

■ つかもと食堂 食べログ情報
 電話:054-629-5808
 住所:静岡県焼津市五ケ堀之内1515-4
 交通手段:西焼津駅から1,075m
 営業時間:11:00~14:00(L.O.13:30) 17:00~20:00(L.O.19:30)
 定休日:毎週水曜日、弟3火曜日

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2017
09.21

もうすぐ、「あれ!」の開催時期がやってくる!

Category: その他
九月も20日を過ぎて、いよいよ本格的な秋を感じる時期になってきた。
と言えば、そう、大好きな「あれ」が開催される時期。

なに?

なごやめし博覧会

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今年は10月1日より開催。
うーむ、行きたいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!

では、なごやめし博覧会の存在を知った2014年に書いた記事の再掲載を!

***********************************

だんだんと風が心地よい季節になってきた。
もう、食欲はとまらないね!
ね、そこのあなた、そうでしょ!

さて今日は、そんな食欲の秋にぴったりの博覧会のご紹介。

ご当地グルメの宝庫、名古屋で開催される、なごやめし博覧会2014 ( ← リンク )。

この博覧会は10月6日(月) ~ 11月16日(日)に行われ、名古屋市内の飲食店280店舗以上が参加する「回遊型の食べ歩き」と、37店舗が考案した創作メニューがエントリーし参加者のWEB投票により「新なごやめしグランプリ」を決める「新なごやめし総選挙」からなる一大イベント!

「食べ歩き」の方は、手羽先、味噌かつ、新なごやめし、名古屋コーチン、台湾ラーメン、あんかけスパ、味噌煮込みうどん、カレーうどん、味噌とんちゃん、ひつまぶし、エビフライ、小倉トースト、きしめん、鉄板スパ、天むす、どて煮、ういろう、味噌おでんなどといった盛りだくさんのメニューが楽しめるし、一方の「新なごやめし総選挙」では、参加店舗が開発したオリジナルメニューが楽しめる。

いやあ、ホントうらやますぃ~!!!

しかも、これに加えて、スペシャルサポーターが、な、な、なんと「名古屋おもてなし武将隊」、「チームしゃちほこ」、「BOYS AND MEN」と、これまたものスゴイことになってる!!!!!!!!!!!
 ( どのグループもよく知らないけど……。てか、まったく知らないけど……)

そして、これだけ多くのメニューがあったら、当然あるだろうって探してみた!

何がって???

そりゃあ聞くだけやぼでしょ。
決まってるじゃん。

そうです、われらが天使、オムライス!!!!!

先ずはこちら。
カラーネーム名古屋レッドの秋本帆華ちゃん!

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え?

おい! ち、違うでしょ。チームしゃちほこの紹介じゃないでしょ!

あ! 失礼しました。

では改めて。

先ずはこちら!

「うさこ家」の「肉味噌なごやカレー おむりゃ~す」

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十穀米のご飯、チーズを混ぜ込んだふわとろのたまごに、ショウガの効いた肉味噌を乗せ、トマトたっぷりカレーをかけたオムライス。いきなりめっちゃ美味しそう!!!
いいなあ、これ。

続いてはこちら。

「DINING BAR CREAM」の「中京オムライスとガーリック野菜サラダ」

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素材は100%愛知産で、何と言っても特製の八丁味噌ソースのご飯へのかかり具合がたまらない!

最後はこちら。

「Perch-Music Cafe & Bar」の「名古屋あんかけ焼きオムライス」

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チーズ風味の焼きオムライスに、名古屋名物のあんかけソースをかけたオリジナルのオムライス!
これまた独特の雰囲気が思いきりそそる。。

う~ん、どれも美味しそうだけど、この3つのうちのどれかを選ぶとしたらどれがいいかなあ???
そうだなあ……。

それにしても、いいなあ、なごやめし!
オムライスに限らず手羽先も味噌かつも台湾ラーメンも何もかも、ぜーーーーーーーーんぶ食べたい!
お近くの方は、ぜひ、行かれてみてはいかがでしょうか。。


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2017
09.10

メルシー

若人の輝く行手を見届ける早稲田のソウルフード


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オムライスに限ったことではないが、早稲田界隈には魅力的な店がそろっている。
その代表格が老舗のメルシー

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「メルシー」はフランス語で「ありがとう」の意味で、1958年(昭和33年)の創業。
この年は東京タワーが出来た年で、高度経済成長期に入った日本が輝ける未来へと突き進んでいた時代。
そうそう「ALWAYS 三丁目の夕日」の設定もこの年だっけ。

老舗のラーメン店で「メルシー」とは、当時随分とハイカラな名前をつけたんだなあって思うけど、店の看板にも「軽食&ラーメン」とあるように、元々は喫茶店でその名は常連の早大生によって名づけられたそうだ。


昼時の人気店はさすがに超満員。
前に待ちがひと組いて、その後並んで順番待ち。
でも回転は早く、10分も待たずに入店できた(あと5分遅かったら10人待ちくらいになっていた!)。

入口を入ると「ここは昭和です!」の主張が目に飛び込む。

茶色が基調の店内。

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ブンブン回る、壁に取り付けられた扇風機。

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4人掛けのテーブルが6つと6人掛けのテーブルがひとつ。
効率よくさばくために相席は必須で、この日ボクの隣りには若者男子ふたり組が陣取った。
ボクの前に並んでいた二人組だ。

(隣の若者たち「ラーカタ!」)

席につきさっそくオムライスを注文。
「ちょっと時間がかかるけどいいですか?」
店員さんが問いかける。
それに対してOKの旨を伝え、辺りを見回す。

ん?

うわっ!
みんなラーメンを食べてる!!

正確に言うと、ラーメン、もやしそば、タンメン、チャーシューメン、五目そばといった種類があるんだけど、何れにせよ麺類。

オムライスを食べている人は……。

い、いないかな……。

あ!

いた!

ひとりいらした!!!

妙な親近感を感じる。
ほぼ満席で30人近くが麺をすする店内。
海外で日本語の会話を聞いたときのような、そんな親近感が……。

なんて冗談はさておき、隣の若者たちの分をはじめ、次々と出来上がるラーメンを横目にできあがりを待つ。
厨房から聞こえてくる中華鍋をおたまでたたく音がここちよい。

(隣の若者たち「やっぱこれでしょー!」「オレ、3年ぶり」)

オープンキッチンなので厨房の様子は手にとるようにわかる。
大変そうだけど、活気に満ち、みんな生き生きと働いている!

そうこうしているうちにオムライスが運ばれてきた。

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おー!
美味しそう!!
せん切りキャベツとの相性もよさそうで、ケチャップのかかり方もいい!

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見た目だけではない。
「アツアツだよ!」と言わんばかりのにおいが立ち込める。

(隣の若者たち「妙に美味しいよなあ」「ソウルフード笑」)

ではさっそく、いっただきまーす!

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うん、美味しい!
よく炒められたチャーハンのようなケチャップライス。
中の具材は玉ねぎ、豚肉で、ラードがその旨みをまとめあげている。
ケチャップライスだけでもいける。
別メニューでポークライスがあるけど、それがこれなのかな???

隣の若者たち。辣油を入れ、無言でラーメンに集中。
こちらはオムライスに集中。

「ごちそうさま!」
若者たち、ラーメンを完食。
はやっ!

ラーメンかあ……。

( 妙に美味しいよなあ )

( ソウルフード笑 )

若者たちの言葉が、ボクの中でリフレインする。

う……。

ううう……。

オムライス完食が近づいてきたころ、ラーメンに洗脳された頭からラーメンが離れなくなる。

ラーメンも食べたい……。

ラーメンも食べちゃおうかな。。

ラーメンも食べないと。。

ラーメンを食べずに帰れるものか!

「すみません、追加でラーカタ!」

あー!
言ってしまったあ!
ちなみにラーカタは「ラーメンかため」のこと。


ジャーン!

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では参りませう♪

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なるほど!
煮干しの効いたスープに中太ストレート麺。
「もちもち」の麺はジャンクフード的な要素もあり、食べれば食べるほど、魔法にかかったように不思議とその美味しさが増してくる。うん、わかるわかる。
これはクセになりそう。


辣油を入れて味変。
ひと粒で二度おいしい状態。

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いやあ、さすがメルシー。
ラーメン一杯400円だし、ゆっくり過ごせる店ではないけど近くにあったら間違いなく通う。
この日も、オムライスが590円でラーメンが400円だから1,000円でおつりが来た。

帰り際、改めてメルシーの看板を眺める。

メルシー(ありがとう!)。
笑顔の看板がつぶやく。

呼応すべく、心の中でつぶやく。
こちらこそありがとう。

昭和から続く老舗がどんどんと閉店していく昨今。
このような店は、ずっとあり続けてほしいと思う。

「ありがとう」を大切に、いつまでも。
頼むよ、早大生諸君!


■ メルシー 食べログ情報

・電話 03-3202-4980 (予約不可)
・住所 東京都新宿区馬場下町63
・交通手段 東京メトロ東西線「早稲田」駅(3a出口)より徒歩1分
・営業時間 11:00~19:00
・定休日 日・祝

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2017
09.03

3つのオレンジへの恋

都の西北に佇むオムライス劇場


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9月2日、土曜日。
台風の影響か、気温はさほど上がらず、街には夏の終わり告げる風が舞う。

同時にそれは、秋の訪れを告げる風でもある。
ボクの頬をかすめて通り過ぎる風。
その風は、ちょっぴりのさみしさを内包しつつも、持ち前の爽快さで、暑さに減退していた意欲をかきたててくれる。

芸術の秋。
食欲の秋。
目を覚ました欲張り魂がその両立を求める。

先日、「Trip of the art」( ← リンク )の慧喜さんから展覧会の案内をいただいた。

名称は「古典からのインスピレーション展」。
「古典作品からインスピレーションを受け、現代にアレンジした作品を作るといった、とても興味深いテーマで描かれた数々の絵画。
場所は早稲田にある「ドラードギャラリー」 ( ← リンク )。
期間は8/31(木)~9/4(月)と短く、この日を逃したら行かれそうにない。

横浜に出て、そこから京浜急行、東京メトロ浅草線、東西線と乗り換えて早稲田へと向かう。

12:15、早稲田駅に降り立つ。
ここから5分程度のところにあるドラードギャラリーへと歩を進める。
行き方はいたって簡単。
東西線の3A出口を出て、左にまっすぐ行けばよい。

やがて視界に、異次元空間を思わせる建物の姿が飛び込んで来る。
「日本のガウディ」の異名を持つ梵寿綱(ぼん じゅこう)さんの設計による「ドラード和世陀」。

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和世陀?
氏に言わせれば、ビルは「美瑠」であり、住いは「寿舞」である。
早稲田は和世陀。

ドラードギャラリーはこの建物の1Fにある。

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入口を入ると、そこは展覧会場。
テーマに沿った素敵な絵が並んでいる。

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こちらは壁を隔てた隣の部屋。

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今回、慧喜さんが出展された「永猿図」の模写。
いろいろと苦労されたようだが、とてもきれいに仕上がっている。

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そして、数々の展示品の中でも特にボクの目を引いたのがこの作品。

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横井智子さんの「江戸の闇」と「はかなきもの」。
各々、浮世絵師の写楽と喜多川歌麿からのインスピレーションによるものとのこと。
古典と現代の融合(時空を超えた融合)に永遠の煌めきを感じる。

9月入った途端、まさに「芸術の秋」を満喫。
しばらく鑑賞したのち、次なる目的地へ。

芸術の秋の次は食欲の秋。

早稲田には魅力的な食べ物屋さんも多い。
ドラードギャラリーを後にして向かったのはこちら。

3つのオレンジへの恋 ( ← リンク )

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早稲田駅からドラードギャラリーへと向かい、途中を左に曲がった通り沿いにある。
店の佇まいからして惹きこまれるのだが、この看板を見たら入るしかない。

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開放された入口を抜け店内に入り、人差指を立てて白髪のご主人に「ひとり」と告げる。
瞬間、旧知の友人宅に招かれたような錯覚に陥る。

入った瞬間に感じる居心地の良さ。
何だろう、この感覚???

つい先ほどまで自らの感性を呼び起こして古典と現代の融合を観ていたせいだろうか、奇妙なインスピレーションが働き時空が歪む。

ともあれ、案内された入口付近の席に陣取りメニューを拝見。

トマトソース、ドライカレー、デミハヤシ、美味しそうなオムライスが並んでいる。
さてさてどれにしようか……。
価格は全て900円。

そんな中から、インスピレーションで「たまねぎのオムライス」を選択。
側で待っていてくれたご主人に注文を告げる。

それにしても居心地がいい。

出来上がりを待つ間に店内を眺めまわす。

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4人掛けのテーブルが4つ。
2人掛けテーブルがひとつ。
それに6席のカウンター。

カウンター席の上につられたグラス。
写真、絵画、……。

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こころが、トリップする。

ここは都の西北、早稲田の森の中。
静寂に包まれた森にポツンと佇むレストラン。
もちろん、実際は都会のど真ん中なのだが……。

やがてオムライスが出来上がり、目の前に。

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とても丁寧に作られていて、彩も美しい。

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早稲田の森の中で映えるオムライス。
自分の中のその感覚がこのオムライスを選択させたのかもしれない。

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味も、もちろん美味しい。
たまねぎの甘さ(旨み)がオムライス全体に染み渡り、たまごやご飯、具材と素敵なハーモニーを奏でている。
ひと口、また一口と食べ進めるにつれ、店と自分が一体化し、体内に心地よりコンチェルトが響き渡る。

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食事中、ご主人と会話を交わす。

「ここはいつからやってらっしゃるのですか?」
「2002年からです。第二の人生で始めまして」

白髪の優しそうなご主人。
でも、その目は、どこか鋭く数々の経験を積んできたきらめきを放っている。

第二の人生で始めまして……。

ボクの中でその言葉がリフレインする。

そうか!

ボクの中で何かが弾けた。

「実は、なぜか入った瞬間に居心地の良さを感じたのですが、その理由が分かった気がします」
ボクはご主人にそう告げた。

それからご主人は、やわらかい口調でいろいろなことを語ってくださった。
早稲田大学の卒業生であり、商社に勤めていたこと。
癒しの空間をつくりたいと思ったこと……。

「ボクは、オムライスを幸せの象徴として、つながり、ぬくもり、まごころをキーワードにブログを書いています」
「近いですね」
ボクの言葉を聞いて微笑むご主人。

何て素敵な出会いなんだろう。
感動が押し寄せる。

食後、奥様も話に加わってくださった。
これまた素敵な奥様。
「うちに来るアルバイトの子もいい子ばかりです。あれ?って子はすぐやめちゃいますし」

もう一度店内を眺めまわす。
そして、食べながら気になっていた「あるもの」について尋ねた。

これはなんですか?

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「教職課程の子たちがうちを取材して劇をやってくれまして、そのときのものなんですよ」
嬉しそうに笑う、ご主人と奥様。
一文字一文字こころを込めて書かれたメッセージを、しっかりと読み込む。

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なんて素晴らしいんだろう。
これぞ、「オムライスのある風景」。

ときにビジネス社会は、組織の目的のために、子供たちの純真な思いやあふれる才能をつぶし闇へと葬り去る。

我々がすべきことは何か?
本当に大切なことは何か?
厳しさを知り、必要なことは何かを知ったご主人が第二の人生で奥様と共に始めた店。
ここ(3つのオレンジへの恋)には、その答えが書いてある。

テーブルに備えつけられてあるノートにメッセージを書き込む。

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「またよろしくお願いします。ところで、何でこの店名なんですか?」
帰り際に尋ねるボク。

「オペラのタイトルからなんですよ」
はにかみながら微笑むご主人。

「理由はながーくなります。ブログに綴っています」
屈託のない笑顔の奥様が追従する。

「さっそくブログを拝見させていただきます。今日は長い劇(オペラ)のプロローグ、1ページ目をめくったところですね」
そういうボクに、
「私もブログを拝見しますね」
ご主人が応えてくださった。

2017年9月2日。
素敵な店との出会い。
素敵な方との出会い。
素敵なオムライスとの出会い。
この日、慧喜さんの展覧会での「古典と現代の融合」で感じた「永遠」は、都の西北に佇むオムライス劇場「3つのオレンジへの恋」へと通じていた。


■3つのオレンジへの恋 食べログ情報

電話 : 03-3209-3151
住所 : 東京都新宿区戸塚町1-102-101  早稲田駅(メトロ)から237m
営業時間 :[ 月~土 ] 11:30~15:00 ( 売り切れ次第終了 )
定休日 : 日曜、祝日

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