レストランフルヤ - 2019.02.17 Sun
昭和一の観光名所でいただく、昭和の宝の詰め合わせ

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平成も間もなく終わりを告げようとしている。
平成最後の冬。
連想で思い出すのは、昭和最後の冬。
あのときは謹慎ムードに包まれて、井上陽水さんの日産セフィーロのテレビCMで「みなさんお元気ですか」のセリフが口パクになったっけ。
そういえば、昭和が終わりを告げた冬に、「昭和で一番の観光名所に行こう。それはどこだろう?」の自問自答で行ったところがあった。
その地の名は、熱海。
京浜地区からは距離的にも手ごろな観光地であるため、ご多聞に漏れずボクも何回行ったことだろう。
平成最後の冬に訪れる昭和一の観光名所。
オムZ、発進!
午前11時40分、熱海駅前に到着。
日曜日の昼下がりとあって、さすがに混んでいる。
駅前の駐車場はどこもほぼ満車。
運よく待つことなく停めることができた。
新幹線を正面に見つつ駐車。

熱海駅を横目に、一目散に目的地へと向かう。

向かった先はこちら!
駅前にある、レストランフルヤ

おー!
なつかしい!!
まさに昭和!!!
ショーケースも昭和感満載。

さっそく店内に、と思いいや、あいにくの満席。
しばし店外の丸椅子に座って待つことに。
「寒いからこれをかけて待っていてください」
フロアの女性がひざ掛けを手渡してくれる。
こういった心遣いはとてもうれしい。
ひばらくして席が空き、店内に。
注文は外で待っている間にすでに済ませてある。
腰を落ち着けて、4人掛けテーブルが4つの店内を見渡す。
予約専用の2F席には螺旋階段であがる。

いいなあ、これ。
この、一見「ムダ」と思える贅沢。
何で螺旋階段?
だって、昭和だもん!
ゴージャス感を出さないと。
このセンスは、小林幸子さんの紅白の衣装に通じるものがあるのかもしれない。
まあそれはそれとして、これでもかと押し寄せる昭和感を満喫。
店内の雰囲気はもちろん、かかるイージーリスニングの曲や演奏の曲調もなつかしい。
ムーンリバー、ジェームスボンドのテーマ、大きな古時計、……。

そうこうしているうちにオムライスができあがり運ばれてきた。

ラグビーボール型ではなく丸型のオムライスで、付け合わせに福神漬けがついている。
お皿に書かれているちょっとかすれた「レストランフルヤ」の文字が、歴史と確かな息づかいを感じさせる。
では、福神漬けを乗せて。

いい具合にきれいに焼かれたたまごとケチャップのシンプルなコントラストが食欲をそそる。

いったっだきま~す!

具材はタマネギ、マッシュルーム、チキン。
中のケチャップライスは、ちょっと塩加減が強いと感じるが、食べ進めるうちにたまごとケチャップとの相性が増してきて、やさしさにあふれた味が喉を通過して行く。
決して見た目には美しいとは言えないオムライスだが、この丸さが逆にあたたかみとより一層の親近感を与えてくれる。
これぞ、洋食職人の心意気。

食べ終わり、ほっかほっかの心で寒空の下へと出る。

店外の看板に「TOMIYA COFFEE」の文字。
1932年(昭和7年)創業の静岡県の老舗、「トミヤコーヒー」 ( ← リンク ) のコーヒーを取り扱っているのだろう。

昭和の高度成長期時代の頃を彷彿とさせる看板。
お父さんたちは猛烈社員でガンバって郊外の新興住宅地に家を建てる。
そして、休日は新幹線で家族そろって熱海旅行。
温泉芸者を呼んだ熱海の社員旅行なんていうのもあったのだろう。
この絵に合う新幹線は、カモノハシのような700系ではなく、初代の0系だ。
昭和の時代にそんなふうにキラキラと光っていた熱海は、バブルの崩壊とともに人気を落としてしまう。
「お笑いウルトラクイズ」の聖地、つるやホテルは2001年に廃業。
過去の栄光にすがっているわけではないのであろうが、一気に時代に押し流された感のある熱海人気の凋落は、郊外型のショッピングモールにとって代わられた駅前デパートの姿とダブる。
しかし、今、熱海人気は回復の兆しを示している。
原点回帰の花火大会を充実させることなどで若年層のお客さんが増えつつあるという。
確かに商店街も若者も多く含んだお客さんで賑わっている。
レストランフルヤの前にあった看板と同様のものがここにも。
「伝統のある観光地である」という自分たちの特徴を活かした、レトロ感を大切にした看板。

お、おっぱいタオル?

そんな熱海の中で開業以来55年の歴史を誇るレストランフルヤ。
会計の際に、あれこれ懐かしさや美味しさのお礼を述べていたら、これをいただいた。
「よかったら手帳のマークにでも使ってください」

5ミリほどの大きさのお土産。
たった5ミリではない。
大海原のように、やさしく微笑んでくれる5ミリ。
それは、心が込められた大きくて大切な5ミリ。

レストランフルヤ。
そして、熱海。
ここには、日本や家族の繁栄のために駆け抜けてきた人々の心である「昭和の宝」が詰まっている。
■レストランフルヤ 食べログ情報
・電話:0557-82-4048
・住所:静岡県熱海市田原本町8-9
・交通手段:熱海駅より徒歩52秒
・営業時間:11:00 ~ 17:00
・定休日:不定休


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平成も間もなく終わりを告げようとしている。
平成最後の冬。
連想で思い出すのは、昭和最後の冬。
あのときは謹慎ムードに包まれて、井上陽水さんの日産セフィーロのテレビCMで「みなさんお元気ですか」のセリフが口パクになったっけ。
そういえば、昭和が終わりを告げた冬に、「昭和で一番の観光名所に行こう。それはどこだろう?」の自問自答で行ったところがあった。
その地の名は、熱海。
京浜地区からは距離的にも手ごろな観光地であるため、ご多聞に漏れずボクも何回行ったことだろう。
平成最後の冬に訪れる昭和一の観光名所。
オムZ、発進!
午前11時40分、熱海駅前に到着。
日曜日の昼下がりとあって、さすがに混んでいる。
駅前の駐車場はどこもほぼ満車。
運よく待つことなく停めることができた。
新幹線を正面に見つつ駐車。

熱海駅を横目に、一目散に目的地へと向かう。

向かった先はこちら!
駅前にある、レストランフルヤ

おー!
なつかしい!!
まさに昭和!!!
ショーケースも昭和感満載。

さっそく店内に、と思いいや、あいにくの満席。
しばし店外の丸椅子に座って待つことに。
「寒いからこれをかけて待っていてください」
フロアの女性がひざ掛けを手渡してくれる。
こういった心遣いはとてもうれしい。
ひばらくして席が空き、店内に。
注文は外で待っている間にすでに済ませてある。
腰を落ち着けて、4人掛けテーブルが4つの店内を見渡す。
予約専用の2F席には螺旋階段であがる。

いいなあ、これ。
この、一見「ムダ」と思える贅沢。
何で螺旋階段?
だって、昭和だもん!
ゴージャス感を出さないと。
このセンスは、小林幸子さんの紅白の衣装に通じるものがあるのかもしれない。
まあそれはそれとして、これでもかと押し寄せる昭和感を満喫。
店内の雰囲気はもちろん、かかるイージーリスニングの曲や演奏の曲調もなつかしい。
ムーンリバー、ジェームスボンドのテーマ、大きな古時計、……。

そうこうしているうちにオムライスができあがり運ばれてきた。

ラグビーボール型ではなく丸型のオムライスで、付け合わせに福神漬けがついている。
お皿に書かれているちょっとかすれた「レストランフルヤ」の文字が、歴史と確かな息づかいを感じさせる。
では、福神漬けを乗せて。

いい具合にきれいに焼かれたたまごとケチャップのシンプルなコントラストが食欲をそそる。

いったっだきま~す!

具材はタマネギ、マッシュルーム、チキン。
中のケチャップライスは、ちょっと塩加減が強いと感じるが、食べ進めるうちにたまごとケチャップとの相性が増してきて、やさしさにあふれた味が喉を通過して行く。
決して見た目には美しいとは言えないオムライスだが、この丸さが逆にあたたかみとより一層の親近感を与えてくれる。
これぞ、洋食職人の心意気。

食べ終わり、ほっかほっかの心で寒空の下へと出る。

店外の看板に「TOMIYA COFFEE」の文字。
1932年(昭和7年)創業の静岡県の老舗、「トミヤコーヒー」 ( ← リンク ) のコーヒーを取り扱っているのだろう。

昭和の高度成長期時代の頃を彷彿とさせる看板。
お父さんたちは猛烈社員でガンバって郊外の新興住宅地に家を建てる。
そして、休日は新幹線で家族そろって熱海旅行。
温泉芸者を呼んだ熱海の社員旅行なんていうのもあったのだろう。
この絵に合う新幹線は、カモノハシのような700系ではなく、初代の0系だ。
昭和の時代にそんなふうにキラキラと光っていた熱海は、バブルの崩壊とともに人気を落としてしまう。
「お笑いウルトラクイズ」の聖地、つるやホテルは2001年に廃業。
過去の栄光にすがっているわけではないのであろうが、一気に時代に押し流された感のある熱海人気の凋落は、郊外型のショッピングモールにとって代わられた駅前デパートの姿とダブる。
しかし、今、熱海人気は回復の兆しを示している。
原点回帰の花火大会を充実させることなどで若年層のお客さんが増えつつあるという。
確かに商店街も若者も多く含んだお客さんで賑わっている。
レストランフルヤの前にあった看板と同様のものがここにも。
「伝統のある観光地である」という自分たちの特徴を活かした、レトロ感を大切にした看板。

お、おっぱいタオル?

そんな熱海の中で開業以来55年の歴史を誇るレストランフルヤ。
会計の際に、あれこれ懐かしさや美味しさのお礼を述べていたら、これをいただいた。
「よかったら手帳のマークにでも使ってください」

5ミリほどの大きさのお土産。
たった5ミリではない。
大海原のように、やさしく微笑んでくれる5ミリ。
それは、心が込められた大きくて大切な5ミリ。

レストランフルヤ。
そして、熱海。
ここには、日本や家族の繁栄のために駆け抜けてきた人々の心である「昭和の宝」が詰まっている。
■レストランフルヤ 食べログ情報
・電話:0557-82-4048
・住所:静岡県熱海市田原本町8-9
・交通手段:熱海駅より徒歩52秒
・営業時間:11:00 ~ 17:00
・定休日:不定休
