2017
09.03

3つのオレンジへの恋

都の西北に佇むオムライス劇場


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9月2日、土曜日。
台風の影響か、気温はさほど上がらず、街には夏の終わり告げる風が舞う。

同時にそれは、秋の訪れを告げる風でもある。
ボクの頬をかすめて通り過ぎる風。
その風は、ちょっぴりのさみしさを内包しつつも、持ち前の爽快さで、暑さに減退していた意欲をかきたててくれる。

芸術の秋。
食欲の秋。
目を覚ました欲張り魂がその両立を求める。

先日、「Trip of the art」( ← リンク )の慧喜さんから展覧会の案内をいただいた。

名称は「古典からのインスピレーション展」。
「古典作品からインスピレーションを受け、現代にアレンジした作品を作るといった、とても興味深いテーマで描かれた数々の絵画。
場所は早稲田にある「ドラードギャラリー」 ( ← リンク )。
期間は8/31(木)~9/4(月)と短く、この日を逃したら行かれそうにない。

横浜に出て、そこから京浜急行、東京メトロ浅草線、東西線と乗り換えて早稲田へと向かう。

12:15、早稲田駅に降り立つ。
ここから5分程度のところにあるドラードギャラリーへと歩を進める。
行き方はいたって簡単。
東西線の3A出口を出て、左にまっすぐ行けばよい。

やがて視界に、異次元空間を思わせる建物の姿が飛び込んで来る。
「日本のガウディ」の異名を持つ梵寿綱(ぼん じゅこう)さんの設計による「ドラード和世陀」。

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和世陀?
氏に言わせれば、ビルは「美瑠」であり、住いは「寿舞」である。
早稲田は和世陀。

ドラードギャラリーはこの建物の1Fにある。

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入口を入ると、そこは展覧会場。
テーマに沿った素敵な絵が並んでいる。

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こちらは壁を隔てた隣の部屋。

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今回、慧喜さんが出展された「永猿図」の模写。
いろいろと苦労されたようだが、とてもきれいに仕上がっている。

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そして、数々の展示品の中でも特にボクの目を引いたのがこの作品。

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横井智子さんの「江戸の闇」と「はかなきもの」。
各々、浮世絵師の写楽と喜多川歌麿からのインスピレーションによるものとのこと。
古典と現代の融合(時空を超えた融合)に永遠の煌めきを感じる。

9月入った途端、まさに「芸術の秋」を満喫。
しばらく鑑賞したのち、次なる目的地へ。

芸術の秋の次は食欲の秋。

早稲田には魅力的な食べ物屋さんも多い。
ドラードギャラリーを後にして向かったのはこちら。

3つのオレンジへの恋 ( ← リンク )

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早稲田駅からドラードギャラリーへと向かい、途中を左に曲がった通り沿いにある。
店の佇まいからして惹きこまれるのだが、この看板を見たら入るしかない。

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開放された入口を抜け店内に入り、人差指を立てて白髪のご主人に「ひとり」と告げる。
瞬間、旧知の友人宅に招かれたような錯覚に陥る。

入った瞬間に感じる居心地の良さ。
何だろう、この感覚???

つい先ほどまで自らの感性を呼び起こして古典と現代の融合を観ていたせいだろうか、奇妙なインスピレーションが働き時空が歪む。

ともあれ、案内された入口付近の席に陣取りメニューを拝見。

トマトソース、ドライカレー、デミハヤシ、美味しそうなオムライスが並んでいる。
さてさてどれにしようか……。
価格は全て900円。

そんな中から、インスピレーションで「たまねぎのオムライス」を選択。
側で待っていてくれたご主人に注文を告げる。

それにしても居心地がいい。

出来上がりを待つ間に店内を眺めまわす。

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4人掛けのテーブルが4つ。
2人掛けテーブルがひとつ。
それに6席のカウンター。

カウンター席の上につられたグラス。
写真、絵画、……。

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こころが、トリップする。

ここは都の西北、早稲田の森の中。
静寂に包まれた森にポツンと佇むレストラン。
もちろん、実際は都会のど真ん中なのだが……。

やがてオムライスが出来上がり、目の前に。

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とても丁寧に作られていて、彩も美しい。

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早稲田の森の中で映えるオムライス。
自分の中のその感覚がこのオムライスを選択させたのかもしれない。

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味も、もちろん美味しい。
たまねぎの甘さ(旨み)がオムライス全体に染み渡り、たまごやご飯、具材と素敵なハーモニーを奏でている。
ひと口、また一口と食べ進めるにつれ、店と自分が一体化し、体内に心地よりコンチェルトが響き渡る。

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食事中、ご主人と会話を交わす。

「ここはいつからやってらっしゃるのですか?」
「2002年からです。第二の人生で始めまして」

白髪の優しそうなご主人。
でも、その目は、どこか鋭く数々の経験を積んできたきらめきを放っている。

第二の人生で始めまして……。

ボクの中でその言葉がリフレインする。

そうか!

ボクの中で何かが弾けた。

「実は、なぜか入った瞬間に居心地の良さを感じたのですが、その理由が分かった気がします」
ボクはご主人にそう告げた。

それからご主人は、やわらかい口調でいろいろなことを語ってくださった。
早稲田大学の卒業生であり、商社に勤めていたこと。
癒しの空間をつくりたいと思ったこと……。

「ボクは、オムライスを幸せの象徴として、つながり、ぬくもり、まごころをキーワードにブログを書いています」
「近いですね」
ボクの言葉を聞いて微笑むご主人。

何て素敵な出会いなんだろう。
感動が押し寄せる。

食後、奥様も話に加わってくださった。
これまた素敵な奥様。
「うちに来るアルバイトの子もいい子ばかりです。あれ?って子はすぐやめちゃいますし」

もう一度店内を眺めまわす。
そして、食べながら気になっていた「あるもの」について尋ねた。

これはなんですか?

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「教職課程の子たちがうちを取材して劇をやってくれまして、そのときのものなんですよ」
嬉しそうに笑う、ご主人と奥様。
一文字一文字こころを込めて書かれたメッセージを、しっかりと読み込む。

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なんて素晴らしいんだろう。
これぞ、「オムライスのある風景」。

ときにビジネス社会は、組織の目的のために、子供たちの純真な思いやあふれる才能をつぶし闇へと葬り去る。

我々がすべきことは何か?
本当に大切なことは何か?
厳しさを知り、必要なことは何かを知ったご主人が第二の人生で奥様と共に始めた店。
ここ(3つのオレンジへの恋)には、その答えが書いてある。

テーブルに備えつけられてあるノートにメッセージを書き込む。

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「またよろしくお願いします。ところで、何でこの店名なんですか?」
帰り際に尋ねるボク。

「オペラのタイトルからなんですよ」
はにかみながら微笑むご主人。

「理由はながーくなります。ブログに綴っています」
屈託のない笑顔の奥様が追従する。

「さっそくブログを拝見させていただきます。今日は長い劇(オペラ)のプロローグ、1ページ目をめくったところですね」
そういうボクに、
「私もブログを拝見しますね」
ご主人が応えてくださった。

2017年9月2日。
素敵な店との出会い。
素敵な方との出会い。
素敵なオムライスとの出会い。
この日、慧喜さんの展覧会での「古典と現代の融合」で感じた「永遠」は、都の西北に佇むオムライス劇場「3つのオレンジへの恋」へと通じていた。


■3つのオレンジへの恋 食べログ情報

電話 : 03-3209-3151
住所 : 東京都新宿区戸塚町1-102-101  早稲田駅(メトロ)から237m
営業時間 :[ 月~土 ] 11:30~15:00 ( 売り切れ次第終了 )
定休日 : 日曜、祝日

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コメント
美瑠も絵画もお店も
ステキな出逢いですね~~(^^*)
タマネギのオムライス、
ものすっごく美味しそうです~~o(^▽^*)o
かじぺたdot 2017.09.03 16:27 | 編集
Omunaoさん♪

こんばんは!!
すごく綺麗にご紹介頂いて、有り難うございます!!
ドラードギャラリーさんの外観画像も綺麗ですね@@

私の作品画像掲載とブログのリンクも貼っていただいて
感謝感謝です♪
あと、横井さんの作品もご紹介頂いて有り難うございます!
横井さんも榎先生の画塾に通ってて、
いつも隣同士で製作をしていました^^;
横井さんにも、この記事、紹介させて頂いてもいいですか?
きっと、喜んでくれると思います^^

それと、オムライス記事!
外観でしか見ることのなかったお店でしたけども、
記事を拝見していると、グッと身近に感じられますね。
こんなにアットホームなお店だったとは・・・。
今度、私もお邪魔させて頂きますね!


Omunaoさんのパイオニア精神に感謝します笑

本当に有り難うございました!!
慧喜dot 2017.09.04 00:08 | 編集
かじぺたさん、こんにちは!

はい!
とても充実した、そして嬉しい時間を過ごすことができました
また食べに行ってその世界に浸ろうと思います♪
メニューを上から順に食べようかなあ。。なんて思ってます!!
Omunaodot 2017.09.04 06:33 | 編集
慧喜さん、こんにちは!

とても素敵なギャラリーで観る素敵な絵画。。
それだけでもとても嬉しいのですが、この展覧会があったおかげでとても充実したひとときを過ごすことができました!!
はい、3つのオレンジへの恋、ぜひ、行ってみてくださいね!!
(何を食べたか教えてくださいね♪)
Omunaodot 2017.09.04 06:37 | 編集
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