笄軒 - 2019.03.02 Sat
寡黙にして饒舌なオムライスが語るネバーエンディングストーリー

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この日は、以前からチェックしていた店を訪問。
午後12時40分、広尾駅に到着。

広尾東公園へと続く坂道を左手に見つつ、

外苑西通りと並行している閑静な路地を西麻布方面へと進む。

青空から舞い降りた爽やかな風が、春をつれて街を吹き抜ける。

一点の曇りもないその爽やかさは、透明感にあふれるこの地にピタリとマッチしている。

数分間の散歩を楽しんだ後、目的の店に到着。

店の名は、笄軒 ( ← リンク )
笄と書いて「こうがい」と読む。
笄はもともと、女性の日本髪に用いられたアクセサリーのひとつだが、おしゃれ空間の中にあって随分と面白い古風なネーミング。

重厚にして軽やかな雰囲気の外観。
モダンに埋め込まれた古風な名前。
相反する二面性を醸し出しているこの店は、いったいどんな店なのだろう……。
服装も気にしないといけないフォーマル風なのか、はたまたラフでOKなカジュアル風なのか。
そんな期待と不安、緊張と弛緩を抱きながら階段を上がって入口へと向かう。

「いらっしゃいませ」
店に入ると、男性店員の、気品に満ちたフレンドリーな声が迎えてくれる。
案内に従って2人掛けのテーブル席に腰を落ち着ける。
格調の高さと気軽さが同居した、白と茶を基調としたアンティークな店内。

店のサイズは大きくもなく、小さくもなく、4人掛けのテーブルが2つと2人掛けのテーブルが4つ。
2人掛けのテーブルがひとつ空いているだけで、あとは埋まっている。
さっそく、オムライスと本日のスープを注文し店の雰囲気に身をゆだねる。
明るいカフェミュジックの流れる店内。
上品なお客さんが多いのだろう。
それぞれが、満足そうな笑みを浮かべながら会話と食事を楽しんでいる。
そうこうしているうちにスープが到着。

これは美味しい!
ほどよいあたたかさで、一口ごとに感じるコーンの旨味が身も心もほっこりとさせてくれる。
そして、オムライスへの期待が高まる中、いよいよオムライスが目の前に!

瞬間、ケチャップとバター、そしてたまごの香りがボクに語りかける。
"まずはこの香りを楽しんで欲しいんだ。で、次は良くたまごを見てほしい"

きれいに薄く焼かれたたまご。
ところどころに具材が透けて見えている。
"プロローグは終わり。では、第一章の始まり。スプーンを入れてみて"
オムライスの言葉に従ってスプーンを入れると、

うわっ!
今度はピーマンの香りが広がる。
もちろん、青臭いいやなにおいではなく、ケチャップ炒めに相まった芳ばしい香り。
"じゃあ第二章、食べてみようか"
オムライスが微笑む。
おー!
美味しい!!!!!
タマネギとピーマンはシャキシャキ感があり、具材とライスとの食感のバランスが抜群。
ケチャップライスも、たまごも、具材も、全てがキラリと輝く主役であり、すべてが他の引き立て役の脇役である。
それぞれの特徴を活かしつつバランスよくベクトルを合わせるプロ技。
"どう、楽しんでもらえたかな?"
奇をてらっていない正統派のスタイルであり、具材もあれこれとふんだんに使っているわけではない。
それでいて、見た目、香り、食材、食感、味、すべてにおいてひとつのストーリーとして計算されて作られたオムライス。
そう、これは、単なるレシピではなく、作り手の思いと考えが込められた素敵な「シナリオ」に基づいて作られたオムライスである。
一見寡黙でありながら、なんと饒舌なオムライスなのだろう。

お礼を述べて会計をすませる。
男性店員に感想を述べると、「ありがとうございます。たまごの火入れも気を使って作ってます」の言葉が笑顔とともに返ってきた。
店外に出て、改めて建物に目をやる。
笄軒。
重厚にして軽やかな雰囲気の外観。
モダンに埋め込まれた古風な名前。
その相反すると思っていた二面性は、店内の様子とオムライスを通じて、相反しているのではなくひとつのストーリーとして融合しているということがよくわかった。
笄軒のある地域は1967年まで「笄町」と呼ばれており、この店の名前はそれにちなんでいる。
そして、笄軒の看板には、周辺の代表であるハチ公・恵比寿さま・六本木・青山骨董通りを示すマークをロゴに盛り込まれている。
笄軒の看板をオムライスに当てはめてみる。
「笄町にちなんだ笄軒という店名」は、まさに「笄軒の昔ながらのスタイルのオムライス」そのもの。
「ハチ公・恵比寿さま・六本木・青山骨董通り」は、「その中を彩るケチャップライスであり、たまごであり、具材」である。
これまた計算された素晴らしい融合。
品があり、それでいて気軽に来れる店、笄軒。
次は、ミシュランガイド東京2017ビブグルマンに輝いた「とろとろ玉子のオムハヤシ」を食べよう!
■ 笄軒 食べログ情報
・電話:050-5596-5940
・住所:東京都港区西麻布4-6-5 協立興産西麻布ビル 1F
・交通手段:地下鉄日比谷線広尾駅徒歩5分
・営業時間:11:30~15:00(L.O.14:30) 18:00~23:00(L.O.22:00)
・定休日:水曜日


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この日は、以前からチェックしていた店を訪問。
午後12時40分、広尾駅に到着。

広尾東公園へと続く坂道を左手に見つつ、

外苑西通りと並行している閑静な路地を西麻布方面へと進む。

青空から舞い降りた爽やかな風が、春をつれて街を吹き抜ける。

一点の曇りもないその爽やかさは、透明感にあふれるこの地にピタリとマッチしている。

数分間の散歩を楽しんだ後、目的の店に到着。

店の名は、笄軒 ( ← リンク )
笄と書いて「こうがい」と読む。
笄はもともと、女性の日本髪に用いられたアクセサリーのひとつだが、おしゃれ空間の中にあって随分と面白い古風なネーミング。

重厚にして軽やかな雰囲気の外観。
モダンに埋め込まれた古風な名前。
相反する二面性を醸し出しているこの店は、いったいどんな店なのだろう……。
服装も気にしないといけないフォーマル風なのか、はたまたラフでOKなカジュアル風なのか。
そんな期待と不安、緊張と弛緩を抱きながら階段を上がって入口へと向かう。

「いらっしゃいませ」
店に入ると、男性店員の、気品に満ちたフレンドリーな声が迎えてくれる。
案内に従って2人掛けのテーブル席に腰を落ち着ける。
格調の高さと気軽さが同居した、白と茶を基調としたアンティークな店内。

店のサイズは大きくもなく、小さくもなく、4人掛けのテーブルが2つと2人掛けのテーブルが4つ。
2人掛けのテーブルがひとつ空いているだけで、あとは埋まっている。
さっそく、オムライスと本日のスープを注文し店の雰囲気に身をゆだねる。
明るいカフェミュジックの流れる店内。
上品なお客さんが多いのだろう。
それぞれが、満足そうな笑みを浮かべながら会話と食事を楽しんでいる。
そうこうしているうちにスープが到着。

これは美味しい!
ほどよいあたたかさで、一口ごとに感じるコーンの旨味が身も心もほっこりとさせてくれる。
そして、オムライスへの期待が高まる中、いよいよオムライスが目の前に!

瞬間、ケチャップとバター、そしてたまごの香りがボクに語りかける。
"まずはこの香りを楽しんで欲しいんだ。で、次は良くたまごを見てほしい"

きれいに薄く焼かれたたまご。
ところどころに具材が透けて見えている。
"プロローグは終わり。では、第一章の始まり。スプーンを入れてみて"
オムライスの言葉に従ってスプーンを入れると、

うわっ!
今度はピーマンの香りが広がる。
もちろん、青臭いいやなにおいではなく、ケチャップ炒めに相まった芳ばしい香り。
"じゃあ第二章、食べてみようか"
オムライスが微笑む。
おー!
美味しい!!!!!
タマネギとピーマンはシャキシャキ感があり、具材とライスとの食感のバランスが抜群。
ケチャップライスも、たまごも、具材も、全てがキラリと輝く主役であり、すべてが他の引き立て役の脇役である。
それぞれの特徴を活かしつつバランスよくベクトルを合わせるプロ技。
"どう、楽しんでもらえたかな?"
奇をてらっていない正統派のスタイルであり、具材もあれこれとふんだんに使っているわけではない。
それでいて、見た目、香り、食材、食感、味、すべてにおいてひとつのストーリーとして計算されて作られたオムライス。
そう、これは、単なるレシピではなく、作り手の思いと考えが込められた素敵な「シナリオ」に基づいて作られたオムライスである。
一見寡黙でありながら、なんと饒舌なオムライスなのだろう。

お礼を述べて会計をすませる。
男性店員に感想を述べると、「ありがとうございます。たまごの火入れも気を使って作ってます」の言葉が笑顔とともに返ってきた。
店外に出て、改めて建物に目をやる。
笄軒。
重厚にして軽やかな雰囲気の外観。
モダンに埋め込まれた古風な名前。
その相反すると思っていた二面性は、店内の様子とオムライスを通じて、相反しているのではなくひとつのストーリーとして融合しているということがよくわかった。
笄軒のある地域は1967年まで「笄町」と呼ばれており、この店の名前はそれにちなんでいる。
そして、笄軒の看板には、周辺の代表であるハチ公・恵比寿さま・六本木・青山骨董通りを示すマークをロゴに盛り込まれている。
笄軒の看板をオムライスに当てはめてみる。
「笄町にちなんだ笄軒という店名」は、まさに「笄軒の昔ながらのスタイルのオムライス」そのもの。
「ハチ公・恵比寿さま・六本木・青山骨董通り」は、「その中を彩るケチャップライスであり、たまごであり、具材」である。
これまた計算された素晴らしい融合。
品があり、それでいて気軽に来れる店、笄軒。
次は、ミシュランガイド東京2017ビブグルマンに輝いた「とろとろ玉子のオムハヤシ」を食べよう!
■ 笄軒 食べログ情報
・電話:050-5596-5940
・住所:東京都港区西麻布4-6-5 協立興産西麻布ビル 1F
・交通手段:地下鉄日比谷線広尾駅徒歩5分
・営業時間:11:30~15:00(L.O.14:30) 18:00~23:00(L.O.22:00)
・定休日:水曜日

● COMMENT ●
Re: タイトルなし
ネリムさん、こんにちは!
こういう店で食事をしているととても幸せな気分になれます
味はもちろん、お店の雰囲気もよいですし、おすすめですよ!!
こういう店で食事をしているととても幸せな気分になれます
味はもちろん、お店の雰囲気もよいですし、おすすめですよ!!
ふと思った
コーンスープにオムライスを浮かべると言うのは如何でしょうか。黄色と黄色のコラボレーションケチャップの赤が映えます。
Re: ふと思った
miss.keyさん、こんにちは!
うっ!
確かに黄色のコラボですねえ。。
いっそのこと、濃いめのコーンスープソースをかけるってのはどうでしょう笑
うっ!
確かに黄色のコラボですねえ。。
いっそのこと、濃いめのコーンスープソースをかけるってのはどうでしょう笑
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オムライス美味しそうですね