topimage

2018-06

水無月の雨音を聞きながら - 2014.06.09 Mon

子供の頃、学校からの帰り道は、楽しい遊び道具で満ち溢れていた。
晩春にたんぽぽの綿毛を見つければ、ふーっと息を吹きかけ宙に飛ばし、夏にはおしろいばなのパラシュートに夢中になった。秋になれば道ばたに成るザクロの実をチュッと吸って、冬の白い息で指に挟んだヒイラギの葉をくるくると回した。

振り返ると、当時は、頭の中に鮮明な「帰り道マップ」ができていたように思う。
それも「自然と一体化」したマップが。
植物だけではない。
どこの山のどの木にクワガタがいるとか、ザリガニを釣るポイントはどこだとか、オニヤンマはどこで待ち伏せるとか……。

もっとも、そのマップが活躍したのは小学校低学年の頃までのことで、高学年になると周りの友だちも含めて興味の対象も変わり、次第に「道ばたの遊具」からは心離れ、マップも記憶の押し入れの彼方へとしまい込まれてしまった。

あのマップはどこへ行ってしまったのだろう?
確かにあったはずの、マップ。

「カラスなぜなくの♪」と無邪気に歌っていた瞳は憎しみでしかカラスを見れなくなり、「雪やこんこ♪」と大喜びした雪の日は鬱陶しい以外の何ものでもなくなった。

オムライスにしても同じだ。

玉子のトロトロ感がいいとか、チキンライスの香ばしい炒め具合がいいとか、そんなことばかりを口にするようになった。
子供の頃は、味が云々ではなく「今日のご飯はオムライス!」ということだけを、素直に喜んでいた。

「感性と夢の世界」から「理性と現実の世界」へ。

とても素敵な夢を見ていたんだけど……。
子供から大人になることは、まるで、寝ているときに夢を見て、やがて目が覚め、まだボーっとしているときは夢の内容を覚えているのだけれど、目が覚めると忘れてしまっている、そんな状態に似ているような気がする。

「はい、起きて顔を洗って歯を磨いて。夢の世界はしばらくの間しまっておきなさい」
誰かの、そんなささやきが聞こえる。

「人情の機微に触れ、大切なことは何かをしっかりと考えて、今を生きなさい」
ささやきが、ポンと背中を押す。

子供から大人へ、そして、やがてまた童心に返る。
時空を駆け巡る、永遠の、輪廻。


6月。本格的な梅雨に突入。
命の雫と化した自然の恵を受け、紫陽花が次第に色づいてきた。

そう、紫陽花と言えば……。
すっかり忘れていたけれど。

紫陽花の葉にいるカタツムリと遊んだっけ。
もう、どれくらい見ていないだろう……。

「でんでんむしむしカタツムリ♪」

水無月の雨音に耳を傾けて、今年は探してみようかな、カタツムリ。

140609ajisai1.png

● COMMENT ●

こんばんわ
イラスト可愛いです。

Re: タイトルなし

ネリムさん、こんにちは!

ありがとうございます。
どうですか、ネリムさん、カタツムリの絵なんぞ……
ネリムワールドの可愛いカタツムリが見たいです!
(単なる個人的なわがままなので、受け流してください)


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://omunao1224.blog.fc2.com/tb.php/463-27cbf4b7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

雨の日に観る物語 «  | BLOG TOP |  » 夜の訪問者 最終回

プロフィール

Omunao

Author:Omunao
神奈川県に住むオムライス好きの男性です。
食べに行ったお店の超個人的食べレポと、その店で思い浮かんだショートストーリー(食べレポのページにくっついています)、それと気まぐれ記事を好き勝手に書き綴ります!

★このサイトはリンクフリーです

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (6)
表紙 (1)
食レポ&ストーリー (104)
競馬関連 (23)
その他 (498)
オムライス選手権 (55)
ストーリー (78)
Ecxel画 (14)
オムライス情報 (209)
お菓子 (107)
ケチャップ (0)

オムライスのかず

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR