2015
06.04

さよならの向こう側 (再々掲載)

すみません、今日はまたまたまたまた再々掲載。。

ごめん寝……。

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今回は「横浜そごう」にあるFELICE(フェリーチェ)でのストーリーです。


オープンスペースで気ままなひとときを


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新春第一弾!
気分一新、さて、どこに行きませうか???
やっぱり好きな街からだよね……ってことで横浜。
あれ? また横浜? どこが気分一新?
第1回から、藤沢 → 横浜 → 藤沢 → 横浜 って……。
なんか同じところをグルグル回っているだけじゃん。あれ、おかしいなあ。
でも、ハンマー投げみたいにサークル内でグルグル回って勢いをつけているのだから、きっと室伏広治選手のように金メダルが手に入るのさ、なんて必要もないのに訳のわからない言い訳を頭に浮かべつつ、いざ横浜へ!

当初は馬車道、関内方面を狙っていたのだけど、三が日はまだ営業していない。
ランドマークプラザも混んでいそうなので、横浜駅周辺で探すことに。
結局、9階と10階にオムライスを提供している店がある「そごう」に決めた。
ビルの中は人、人、人でごった返している。
上の階に行っても、一向に人の減る気配はない。
いやーな予感がよぎる。まさか……。

先ずは10階の「ダイニングパーク」にある「丸の内DINDON」を覗くと、15:00を回ってすでに食事時が過ぎているにもかかわらず、かなりの待ち状態。
えー、やばいじゃん!?

さて、9階はいかに。
不安を抱きつつエスカレーターで9階へ向かう。
ん? なんか人だかりと優雅な音色が……。
この階にあるイベント空間で、綺麗な着物に身を包んだ、小学生から高校生くらいの女の子達が舞を披露している。
「おっ、可愛い~(両目からハート×8)」と思いつつも、「自分に厳しくあらねばならん。ロリコンではないし、ロリコンではないし」と自分に言い聞かせ(冗談)、一目散に目的の店へ。
(今思うと、せっかくなので優雅な舞を見てゆったりとした気分になればよかった。ちょっと後悔)

目的の店は「FELICE(フェリーチェ)」。
ここにしかないオープンカフェだ。
う~ん、結構混んでいるし、ショーウィンドウにはケーキばっか。
謳い文句は「ケーキと紅茶の店」。
なんとか席を確保し、オムライスセット1,470円を注文。
なんかオムライスがあるのが場違いなカンジで、
「カフェでオムライスって食べて後悔するのかなあ。でもサラダとコーヒーor紅茶が付くとはいえ1,470円は
意外と高いし、給仕さんもちゃんとした格好をしているし」なんて期待と不安を抱きつつ出来上がりを待つことに。

やがて給仕さんの「大変お待たせ致しました」の丁寧な言葉とともにオムライスが運ばれてきた。

おおーー、美味しそ~!!

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うん、結構美味しい!
食べる前は「カフェのオムライスってどうなの?」って思っていたけれど、いけるじゃん。
うん、美味しい美味しい、パクパクパク。
チキンライスはちょっとパサっとしたカンジだけど卵はとろとろ。デミソースも美味しく食べやすい。で、すぐに食べ終わっちゃったんだけど、何となく物足りない気がする……。美味しいし、上にパセリがかかっていて綺麗なんだけど、何でだろう??
良くできているんだけど特徴がないのかな? 
ボリュームも少なめ(?)で、オムライスそのものを楽しむというより、会話を楽しみながらオムライスも楽しむっていうのが合っているカンジ。ホント美味しいんだけどね……。

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そごうの9階は、実はそごうではなく「新都市ホール」なので他のフロアのように買い物客がいない。だから静かだし、フェリーチェはオープンカフェなので開放感もある。まあ、この日は結構混んでいたけれど、それでも10階のように待ち状態ではなかったし。
それに店の雰囲気がお洒落。ゆっくりとおしゃべりしながらお茶や食事を楽しむにはとてもいい空間だと思う。給仕さんの対応もとても丁寧で、好感が持てる。
意外と穴場かもしれない。
「ケーキと紅茶」のお店での「オムライスとコーヒー」だったけど、ケーキと紅茶はどうなのかなあ?? それも興味津津……。

2013年1月3日

■ 店舗情報 ■
・住所:神奈川県横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店 9F
・電話:045-451-6788
・営業時間:10:00~20:00
・定休日:不定休(そごうに準ずる)

FELICE 食べログ情報 

フェリーチェカフェ / 横浜駅新高島駅神奈川駅


さよならの向う側

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「ごめんなさい。おまちどうさま」
 そごうの大時計が約束の4時を10分ほど過ぎた頃、人ごみの中から真理は現れた。
 1年ぶりの真理の姿を目にすると、達也は、“やあ”という言葉にならない言葉とともに、油の切れたロボットのような仕草で軽く右手をあげた。

「どこか希望の店はある?」宙に目をさまよわせ、達也が言う。
「いえ、どこでも」
「おなかは?おなか、すいてない?」
「大丈夫」
「じゃあ、9階のカフェに行こう」
 事務的でぎこちない会話を交わすと、二人は無言でそごうの9階にあるカフェ「フェリーチェ」へと向かった。

「顔色いいね」オープンカフェの奥のテーブルに着くと、達也は言った。
「そうね。このところ調子はいいわ」荷物を椅子に置きながら真理が答える。
「ネイルサロンは順調?」
「おかげさまで。友達も宣伝してくれて、お客様も増えてきてる。あなたの方は?」
「うん、仕事は今まで通りかな。それと、炊事、洗濯、みんな君にまかせていたこともできるようになった。これでも、今更ながらちょっとは成長しているかな」
 達也はおどけた仕草をしてみせた。
「それはよかったわ」口許を隠しながら、真理が笑う。
「笑顔が見れてよかったよ」
 達也は笑顔を返しつつも、真理の笑顔が、夢の中の、手の届かない物語の世界のもののように思えた。

 二人で会うのは……。
 達也はぼんやりと天井を見つめた。
 二人で会うのは、これが最後かな……。
 ――。

「お待たせいたしました」
 手持ち無沙汰でやるせないしばしの沈黙の時間を、給仕が破ってくれた。

「何でこの店にしたの?」運ばれてきたアールグレイを口にしながら真理が尋ねた。
「いや、特に。強いて言えばオムライスがあるからかな」
「そうなんだ・・・」あたりをキョロキョロと見回しながら真理は続ける。
「ねえ、この店の名前の『フェリーチェ』の意味知ってる?」
 きょとんとした顔で首を横に振る達也。
 その達也を、穏やかな眼差しで見る真理。
「イタリア語で『幸せな』の意味。あなたにひとつだけ言っておくわ。女はいつも愛の前では臆病なものよ。愛を確かめないと不安で仕方がないの。だから、もしあなたに愛する女性(ひと)ができたら、どんなことでもいいからそのひとが安心するようなことをしてあげてね。例えばこの店に連れてきてあげて、連れてきた理由とフェリーチェの意味を教えてあげるの。それが幸せになる秘訣よ」
 真理は、口許に笑みを浮かべた。その笑みは、まるで静かな湖の底でゆらゆらとゆらめく藻のように柔らかいものだった。
 一瞬、達也の中で、そんな真理の笑顔が ”私ねえ、小さい時、いつも家の中の階段の真ん中で、ひとりで『みんな早く帰って来ないかなあ』なんて待ってる子だったんだよ” 甘えた声でそんな話をする出会った頃の真理の笑顔と重なった。

 幸せになるために、お互いが選んだ道――。
 それぞれが歩む、別々の道――。

「ご忠告ありがとう。ねえ、せっかくだからオムライス食べない? 昔みたいに」
「いいわ、じゃあいただくわ。オムライスを食べると幸せになれるって、誰かさん言ってたわよね」

 何千人、何万人もの人が往来する都市空間の中、静かなオープンカフェで、二人の時間が、最後の二人だけの時間が、ゆっくりと、でも確実に過ぎ去って行く。

「じゃあ、これ、あとの手続きはよろしくお願いしますね」
 食事を終えると、真理は達也に書類の入った封筒を手渡した。

 それから二人は地下に降りると、キラキラときらめくイルミネーションで飾られたエスカレーターで横浜駅に向かい、「それじゃあ」とどちらともなく別れの挨拶を交わした。

 達也は、西口方面に消えて行く真理の後ろ姿を追い続けた。
 真理の姿が、だんだんと小さくなっていく。
 心の中で、達也はつぶやく。
 ねえ、「大好き」と「愛してる」の違いって何だと思う?
 本当に君を愛しているのなら、ボクから開放してあげるのが愛だよね……。
 人は記憶の呪縛から逃れられないものなのかなあ?
 二人で作った幸せな時間が多いほど、思い出はつらい傷になるのかなあ……。

 真理にあったら話そうと思っていたことはたくさんあった。
 本当は男のほうが弱くておセンチかもしれない。
 だけど、そんなものはいらない。
 幸せになるためにお互いが選んで決めた道。
 君に負けないくらい、ボクも幸せになるよ。
 そして、もしどこかで君とばったり会うことがあったら、今度は大きな声で、笑顔で、ちゃんと「やあ」って言える人間になるから。

 やがて真理の姿は、大海原に吸い込まれる水滴のように都会の雑踏に溶け込み、すっかり見えなくなった。

 ありがとう。
 さようなら。

 それからしばらくして、真理が去っていった方をぼんやりと見ていた達也は、向きを変えピンと背筋を伸ばすと改札を通り抜けていった。

 そう、幸せな明日行きの電車に乗るために……。
  
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