秋の日はつるべ落としとはよく言ったものだ。
ちょっと前まではまだ昼間が元気に活動していた時間が、いつの間にか夜にとってかわられている。
心地よい風を浴びながら、今日の行程を振り返る。

海峡線は特急しかないとか、まだ八戸とか、今日は何かと焦ってたんだよなあ……。
こうやって振り返ると、北海道、東北って広いなあって、改めて思う。
さーて、ホテルを探して、ご飯を食べに行こーっと。
テツオの指示に従い、今日は仙台に宿泊することにした。
まだ時間は早い。のんびりと仙台の駅前を散策する。
やがてテツコの目に、「陽だまり食堂」の看板が飛びこんできた。
うわー、なんか暖かそうなお店……。
あ、しかもオムライスだあ!
「ハヤシライスとオムライスの美味しい洋食店」の看板が、テツコを店内へと引きずり込む。
自他ともに認めるオムライス大好き人間。もう、何の躊躇いもなかった。
どれにしようかな?
18種類あるオムライスから選択できる。迷いなく入った店での嬉しい迷い。
あ、これ……。
真っ先に目に入って来たのは、「3種類のオムライス食べ比べセット。ふたりで食べるなら」の文字。
カップル、女性限定かあ……。
テツオさんは、今日はどこまで行かれるのかなあ?
こういうの、一緒に食べたいなあ……。
何なんだろう、この思いって。
会ったことがなくて、
初めて会うのに何日も時間をかけて、
どこで会えるのかもまだわからなくて、
早く会いたいんだけど、
でもすぐに会えないでワクワクしてる今がすごく楽しくて。
頬杖をついて、ひとりボーっと過ごす陽だまり食堂のカウンター席。
杜の都の空で、月が笑っている。

弁当にありつけたおかげで、テツオは、予定より早い米原発12時30分の電車に乗れた。
ここからはひたすら東海道線を乗り継いで行く。
岐阜県の大垣、愛知県の豊橋で乗り換え、順調に静岡、熱海と進む。
熱海に着いたのが18時14分。
今日の終わりは7時くらいにしようと決めていたテツオは、更に進み、19時9分着の平塚をこの日のゴールに定めた。

居酒屋で夕食を済ませ、ほろ酔い気分がホテルでくつろぐ。
ベッドに横たわり、テツコから来たメールを開く。
テツオが送った「今日は平塚泊」への返信メールだ。
お疲れさまですぅ!
へえー、平塚なんですね!!
ちょっとビックリです
だって、私は仙台じゃあないですかあ
仙台と平塚の共通点はなんでしょう?
正解は、
はい、七夕祭りで~す
私、七夕の日になると、今日は晴れるかなあっていつも思うんです
織姫と彦星はちゃんと会えるといいなあって……
明日は晴れますかねえ?
どこで会えるんだろう
すごく楽しみです
では彦星さま、素敵な明日を夢見て、おやすみなさい!
夢見る織姫より
携帯を置き、あおむけになって天井を見やる。
夢見る織姫かあ……。
ふたりの間に天の川はあるのかなあ?
テツコさんに会ったら、何を話そうかなあ。
そのあとは???
あした、リアルに会える。
妙な胸の高鳴り。
愛おしさがつのる。
切なさがつのる。
おいオレ、大丈夫か?
仙台と平塚。
その距離、約400キロ。
遠いのか、近いのか……。
つづく

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なんと、テツコさんはオムライス好きだってんですねえ!
旭川で食べたときはまだわからなかったのですが……。
で、テツコさんが入った、「陽だまり食堂」← ホームページ。
食べログ情報はこちらです。
陽だまり食堂 (洋食 / 広瀬通駅、あおば通駅、仙台駅)
すごい!
オムライス、オムライス、オムライス!!
どこまでもオムライス!
あっちもこっちもオムライス!
右も左もオムライス!
テイクアウトもできるようです。
こちらがテイクアウトの陽だまり風オムライス大盛580円!!
こういう店が近くにあるって、いいなあ。。。
では今日はこの辺で。
みなさま、よい一日を!!
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あれ?
あーーー!!!!!
「陽だまり食堂」って、昨年の5月に仙台に行ったときに入った店じゃん!!!
再掲載に当たって記事を読み返してして気がついた。
もしかしたら脳内にある無意識の記憶が「陽だまり食堂」に足を運ばせたのかもしれない……。
以下はその時の記事。
ついでに再掲載。。
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さあ、せっかくなので仙台のオムライスを食べるぞ~!!
どこへ行こうか???
オムライス選手権で取り上げた「たまご舎」や「アメリカングリル」もいいけれど、名前にひかれた店がある。
それは、陽だまり食堂 ( ← ホームページにリンク)
仙台駅の西口に降り、広瀬通の一本南側(仙台駅を背にして左側)の道を広瀬通駅方面に進み、2つ目の交差点の左側にある(豊栄堂ビルの地下1階)。
店に降りる階段の前には「ハヤシライスとオムライスのおいしい洋食店」の看板が!
うわああ! いろいろなオムライスがある!!
そそられる~!!
やっぱ、ここはオーソドックスにケチャップがけの「陽だまり風オムライス」に決まりだな……。
そんなことを思いながら、階段を降り店の前へ。
と、そこに新たな看板が登場!
今度は、行く手を阻むドラクエのラスボスのように鎮座ましました看板が!
(火は吹かないけど)
じゃ~ん!
なんですとーーーーーーー!!!!!!!!!!!!
スペシャルランチセットだとーーーーー!!!!!!!!!
一日限定20食のタンシチュー風オムライス。
「これを食べると決めないとここは通さんぞー」
ラスボスの目が、キラリと光る。
うわああああ、これはまずいことになった。。。
よし、見なかったことにしよう。
看板の横をよそよそしい目で通り過ぎ、店内に。
中に入ってしまえばこっちのものだ。
ホッと一息。
「いらっしゃいませ」
入口のすぐそばにあるレジからお姉さんの明るい声が……。
どうやら先にレジで注文と会計をする仕組みらしい。
「えーと、タンシチュー風オムライスを」
ん?
あれ?
おい。
おーい!
そこのお前。
おいオレ! 何やってんだよーーーーーー!!!!!!
初めて行った店はオーソドックスな定番メニューを頼むんじゃなかったけ???
どうしたんだろう? おかしいなあ???
いやあ、何というか、まーそのー、ギュウタンとオムライスのコラボは、いわゆるひとつのオムライス愛をギュウっと抱きしめてタンタンたぬきのきん……♪おっと危ない!タンタンはパンダだけど、いいじゃんかよー、だって食べたいんだよー!
そんな、わけのわからぬ心の動揺を隠しつつ、ポーカーフェースで案内されたカウンター席につく。
時間は11:10。先客は2組ほど。
地下なので店内はちょっと暗めだけど、その分明るめの調度で清楚な雰囲気を醸し出している。
レジカウンターを境に、4人掛けのテーブル席が2つと、2人掛けのテーブル席が4つ(片側はロングソファー)。カウンターは6席。
「いろいろな種類のオムライスを安く提供」というのが売りで、嬉しいことにランチタイムは17:00までやっている!
カウンター席の目の前の厨房では、職人っぽいけど優しそうな雰囲気のシェフが黙々と料理を作っている。
ケチャップはハインツかあ……。
そんなことをボーっと思っているうちにオムライスが登場!
「スゲー!」
見た目に圧倒され思わず声が出てしまい、店員さんに笑われてしまったあ。。
いやあ、これはかなりのボリューム。
ハヤシソースがたっぷりで、見た目もきれい。
では早速、いただきます!
なるほど!
ハヤシソースが多いせいか、あるいはチキンライスが淡白なせいか、玉子とライスがソースに負けている気もするけれど、じっくり煮込んだ濃厚(でもしつこくない)ソースのほんのりとした酸味とケチャップライスのバターの甘さがほどよくマッチしてる。
うん、口の中での広がりは、まさに「陽だまり」のほっこり感!
それと、オニオンとベーコンのスープとの相性もいい。
タンはどうかなあ????
おー! やわらかい!
でも、しっかりと食べ応えがあって、お腹に「ズシン」とくる。
これは、身も心も大満足!
そうこうしているうちに、まだ12:00前だけど、結構お客さんが入って来た。
そうだろうな。コスパもいいし、人気店っていうのも頷ける。
ひとりでも複数人でもどちらでも気軽に入れる雰囲気だし。
陽だまり食堂のホームページには、次のようなプロフィールが書かれている。
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現在の仙台パルコの建設が決まり、ひとつの食堂が閉店しました。
その食堂の名前は「駅前食堂」。小さな食堂でしたが行列ができるほどの賑わいでした。そして、3年の時を経て、その伝説の食堂が、仙台クリスロード近くに、「陽だまり食堂」と名に変わり、リニューアルオープン!!
人気のハヤシソースは、当時の味をそのままに再現!
女性に人気のオムライスは、
①ご飯と卵の混まぜリゾット風♪
②ふわふわ卵のあとのせタンポポ風♪
③卵でご飯を包んだ昔ながら風♪
①~③それぞれ6種類ずつラインナップ♪
オムライスのルーツと言われる3つの焼き方すべてをお楽しみいただけます。
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へえ、なるほど、素敵な店の復活なんですね!
ところで、みなさま覚えていますか?
①は東京銀座「煉瓦亭」のライスオムレツが起源ですね!
②は東京日本橋「たいめいけん」のタンポポオムライス!
③は大阪心斎橋「北極星(旧パンヤの食堂)」のオムライス!
どれを選ぶかはみなさまのお好みで!!
ではでは!