2015
10.15

【再掲載】 アンパンマンの世界

Category: その他
2013年10月13日にアンパンマンの生みの親であるやなせたかしさんが亡くなられてから2年が経つ。
今日は、やなせさんを偲んで、「アンパンマンの世界」」の再掲載。


アンパンマンワールド(アンパンマンの世界観)だけど……。

ボクは子供向けではなく「大人向けの絵本の世界」を作りたいと思っているのだけど、アンパンマンの世界観には、強く影響を受けている、と思う。

その世界観は、とてつもなくも大きく、そしてどこまでも深い。

アンパンマンの世界観は、「アンパンマンのマーチ」の歌詞に凝縮されていると思う。


アンパンマンのマーチ

作詞 やなせたかし
作曲 三木たかし
唄  ドリーミング


そうだ うれしいんだ
生きる よろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも

なんのために 生まれて
なにをして 生きるのか
こたえられないなんて
そんなのは いやだ!
今を生きる ことで
熱い こころ 燃える
だから 君は いくんだ
ほほえんで
そうだ うれしいんだ
生きる よろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも
ああ アンパンマン
やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため

なにが君の しあわせ
なにをして よろこぶ
わからないまま おわる
そんなのはいやだ!
忘れないで 夢を
こぼさないで 涙
だから 君は とぶんだ
どこまでも
そうだ おそれないで
みんなのために
愛と勇気だけが ともだちさ
ああ アンパンマン
やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため

時は はやく すぎる
光る 星は 消える
だから 君は いくんだ
ほほえんで
そうだ うれしいんだ
生きる よろこび
たとえ どんな敵が あいてでも
ああ アンパンマン
やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため 

*****


アンパンマンに対する思いを、やなせたかしさんは次のように語っている。


『アンパンマン雑記帳』 (詩とメルヘン’76年6月号より)

アンパンマンは、ある日アンパンを見ておもいつきました。
ぼくはだいたい子ども番組のスーパーマンものを見るのが大好きであったのですが、見ていて納得できないのは、スーパーマンと怪獣がやたらに大暴れする。
あたりじゅうメチャメチャに踏み荒らしても、被害者に謝りに行ったりしない。
正義の味方というけれど、本当の正義とはいったい何だろう?

そして、我々が本当にスーパーマンに助けてもらいたいのは、たとえば、失恋して死にそうなとき、おなかがすいて倒れそうなとき、あるいは、旅先でお金がなくなったとき、その他いろいろあるわけで、そういう細かいところに気がつく優しいスーパーマンがいてほしいのです。
鉄橋持ち上げたり、まったくいそうにもないビニール製の怪獣をなぐりつけてもらっても、あんまり心からよろこべない。

僕がまだ小さい子どもの時、遠くの町へ遊びに行って財布を落としてしまった。
僕は何も食べることもできず、第一、電車の切符を買うお金がない。
日暮れは追ってくるし、まわりは知らない人ばかり、いったいどうしたらいいのか死ぬほど心細かったのです。

しかたなしに、僕は線路を歩いて12キロばかり離れた自分の家まで帰ることにした。
僕は駅へ行った。そして、呆然としばらくそこに立っていた。
日暮れの駅ほど、あわただしくさびしいものはありません。

誰もかれも急ぎ足で、正確に自分の家を目指して、帰巣本能の命ずるままにせかせか歩いて、ひとりのパッとしない少年がお金がなくて困っていることに気がつく人などはいません。

無限と見えるほどの大勢の人がいても、それは全く自分とは無関係で、言葉さえ通じない異国の人、いや、むしろ、人間以外の何かのようにさえ見えます。
僕はノロノロと移動して、線路への道を探そうとした時、「やなせ君!」と呼ぶ声がするー。

見れば、僕の友人のK君がお母さんと一緒にいるではありませんか。
地獄に仏! 真実の神! ぼくは、K君とそのお母さんの所にライトが当たってそこだけバラ色に輝いているように見えました。

その夜、オレンジ色の光の窓を行列させながら走っていった、帰りの電車の中で食べたアンパンほどおいしい食べ物を僕は知りません。
アンパンは僕の食道にしみ、胃の粘膜にしみ、心にしみた。
僕は、甘美な恍惚感にひたった。幸福は時として不幸の時に実感する。

僕はその時に思った。本当のスーパーマンは、ほんのささやかな親切を惜しまない人だと。
そして、そういう話をいつか書きたいと、子供心に考えたのです。

*****


正義。

本当の正義って???

自分の存在理由って???

更にアンパンマンワールドに突っ込むと……。

「なんのために 生まれて」
「なにをして 生きるのか」

アンパンのマーチはいきなりスゴい歌詞から始まるけど、でも、これはアンパンの世界観のキーワードだと思う。

アンパンマンは正義の味方である。

で、対極にいる「悪」は、そう、ばいきんまん。

ばいきんまんは、最後にはアンパンマンにやられて「ばいばいき~ん」って空の彼方に飛ばされてしまうのだけど、性懲りもなくまた悪さを繰り返す。

なぜか?

「なんのために 生まれて」
「なにをして 生きるのか」

そう、「アンパンマンをたおす」ため。

では、一方のアンパンマンは?

おなかがすいて困っている人に顔を食べさせてあげる。これが役目のひとつ。

そしてもうひとつは、ばいきんまんの反対。そう、ばいきんまんと戦うこと。

ばいきんまんがいるからこそアンパンマンが生きられる理由があり、アンパンマンがいるからこそばいきんまんが生きられる。

悪があるから正義がある。

それは光と陰。

正義はいつも正義ではない。

お互いが正義の名のもとに戦う。

勝てば官軍、負ければ賊軍……。

「 正義はある日突然逆転する。 逆転しない正義は献身と愛です 」と、やなせさんは言う。


では最後に、哀悼の意を込め、アンパンマンのマーチを。



スポンサーサイト

トラックバックURL
http://omunao1224.blog.fc2.com/tb.php/811-462cf0a8
トラックバック
コメント
アンパンマンの歌
フルコース、きいてしまいました(*^_^*)

すごい曲ですね。
あらためて思いました。

よ~し、元気がでたよ~。
Miyudot 2015.10.15 06:23 | 編集
おはようございます
正義って何だろうなと読んでいて感じました。
やなせさんにアンパンを与えたお友だちは優しいなと思いました。
ネリムdot 2015.10.15 08:21 | 編集
Miyuさん、こんにちは!

何気なく聞いていた歌をよくよく聴いてみるとスゴさが沁みてくる
特に、年や経験を重ねて改めて聴くと・・・
そんな歌の典型だと思います。

子供向けのアンパンマン
大人こそが、じっくりと見る必要があるのかもしれません・・・
Omunaodot 2015.10.16 06:01 | 編集
ネリムさん、こんにちは!

正義って何でしょうね
時に、「正義」の名のもとに闘争が行われます

勧善懲悪
平和を守る

イメージとして、「正義」とセットで「戦い」がついています
どうでしょう・・・
そのイメージを外して考える必要があるのかもしれませんね
Omunaodot 2015.10.16 06:07 | 編集
アンパンマンのすごいところは、
悪を根絶させないところだと思います。
また、ドキンちゃんとかもホントの悪人ではなく
ちょっといけないところがあるだけで、
憎めない設定になっていると思います。
そこんとこに、ホントの正義や愛とは、
敵をた倒すことではなく、
「食べてくださーい」とアンパンを差し出せることだと
いうテーマが徹底されているのだと感じ入ります。
つかりこdot 2015.10.17 13:22 | 編集
つかりこさん、こんにちは!

はい、同感です
アンパンマンの魅力
アンパンマンの世界の魅力
アンパンマンに登場するキャラの魅力

子供向けですが、大人こそ学びがあるのではないでしょうか。。
戦争や争いは良くないとしつつ、「悪」や「敵」を作って勧善懲悪を正義としてしまう世の中・・・
何が正義なのか、今一度考える必要がありますね。。
Omunaodot 2015.10.20 05:19 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top