2017
11.19

夜明け前。

落ち葉が舞う歩道。

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始発電車を待つ駅。

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そして、東雲。

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さあ、今日も新しい一日が始まる。

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大空
青空
夜空
星空

どれもみな、とても美しい響きを持つ言葉。

この空の向こうに広がるはてしない世界。



たった二文字のその中に広がる、無限の可能性。

青く大きな空の下でオムライスを食べたら美味しいだろうなあ。。
(無限の可能性ってそれかよ! もしかして夢幻??)

野外で飲むビールの美味しさ。
おにぎりも、バーベキューも。
何が違うんだろう……。

それは改めて考察を進めるとして、今日は「空のオムライス」の紹介。

空のオムライス?

こんなカンジ?

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いやいや。

はい、こちらです!

大分県竹田市にある、くじゅう高原フラワーズヴァレー( ← 大分フォト観光ガイドにリンク )

サイト内の説明には、以下の内容が記載されている。

食事、ベゴニアを見ることができる久住高原の山間にあるフラワーズヴァレーです。
温室には珍しいベゴニアなど沢山の種類があります。
食事ができる喫茶はとても人気が高く、お昼時には多くの人が訪れます。

いいなあ、久住高原。
空気もベゴニアも綺麗なんだろうなあ。

気になるオムライスは、上記記事の「食事ができる喫茶」にある。

喫茶の名前は、

■ 空 食べログ情報
・電話:0974-77-2928
・住所:大分県竹田市久住町有氏1868
・営業時間:11:00~15:30(L.O)
・定休日:木曜日


そして、これが空のオムライス!

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出典:九州ど真ん中観光情報サイト タケタン!!


自家農場で育てられた有機栽培のミニトマトで作られたトマトソースに、地元産の新鮮卵のフワトロオムライス。
1日限定10食の「豊後牛のハンバーグ」も人気とのこと。

いやあ、美しい!!
雲海に浮かぶ山のよう。

いいなあ、これ。


えーと、長崎の「自由珈琲館.」(店の写真にある店名の最後の.。これを読者の方から指摘されてから気になって仕方がない)でオムライスを食べて、それから大分に移動して空のオムライスを食べて……。

この歌を聴きながら、壮大なる九州旅行を妄想中……。


● タイム・ファイブ 夜空ノムコウ




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2017
11.18

JAL機内エンターテイメント

先日、国内線の飛行機で出かけた知人から「お土産」とタイトルに書かれたeメールが届いた。

なんだろう?

開封すると、そこには、な、なんと「マツコの知らないなつかしオムライスの世界」の画像が……。

どういうこと?

聞いてみたら、どうやら、今月のJAL機内エンターテイメントで放映されているとのこと。

ひえー!!!!!!!!!!!!!!!!

さっそく「JALのサイト」 ( ←リンク ) で確認。

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おおおおーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!

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「お客さまがお持ちのスマートフォン、タブレット、パソコンなどのWi-Fi対応端末で無料でご覧いただけます。イヤホンをご用意のうえお楽しみください」という、Wi-Fiビデオプログラムに載っているではないかあ!

確かに、出演時の同意事項に「テレビ以外のメディアで放映されることもある」といった項目があったけど、そういうことかあ。。

今月国内線に乗る機会がありましたら、ぜひご覧ください!


では、素敵な飛行機の旅を思い浮かべながら、「JALの番組」言えば思い出すあれを……。

遠き地に思いを馳せて、夢の、夜間飛行。

こころ安らぐイージーリスニングと城達也さんのナレーション。

JAL Jet Stream




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2017
11.15

遠き地に思いを馳せて ~こころの自由飛行~

11月も半ば。
日ごと冬の足音が近づき、朝晩の冷え込みに布団と仲良し状態。
今もぬくぬくとした布団にくるまりながらこの記事を書いている。

寒風吹く外界をよそに、暖をとりながらひとり乗りのジェット機に乗り、ネットでこころの自由飛行に出る。
今日はどこに行こうか。
暖かい南の国方面がいいかな。

人恋しい季節。
ちょっと感傷的な気分。
さだまさしさんの曲に耳を傾け、バーボンを片手に……。

そうだ。
さださんの出身の長崎がいい。

長崎にはぜひ足を運びたい店がある。

一軒はカステラの松翁軒( ← リンク )にある喫茶店。
ボクには、今はもう会うこともない超オムライス好きの師匠がいる。
その尊敬してやまない師匠からNo1.の称号を与えられたのがこの店のオムライスなのだが、残念ながら今はメニューからなくなってしまった。

もう一軒は「こころの自由飛行」にピッタリの、この店。

自由飛行館 ( ← リンク )

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出典:自由飛行館


ここは2005年に長崎鍛冶屋町にオープンした、さだまさしさん佐田玲子さん兄妹の店。

メニューにはオムライスもある。
こちらが自由飛行館のオムライス。

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出典:自由飛行館


メニューの紹介は次のように書かれている。

実は当店の隠れた人気メニューです。
どこにもある一品ですが、飛行館ならではのとろとろふわふわ感と優しさに包まれた美味しさです。
さだ家の喜代子母が大好きな一品です。

いいなあ。
食べたいなあ……。

他にも、長崎名物のトルコライスや佐田家のボルシチなんてメニューもある。

行ってみようかな、長崎……。

遠き地に思いを馳せて、こころの自由飛行からリアルな旅へ。

異国情緒あふれる地へ。

Have a nice trip.

では、今日の最後はさだまさしさんのこの曲で。


●最終案内




■ 自由飛行館 食べログ情報
・電話:095-823-4134
・住所:長崎県長崎市鍛冶屋町6-32
・交通手段:市電またはバス思案橋下車徒歩10分、正覚寺下下車5分。
・営業時間:11:00~19:00
・定休日:木曜日



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2017
11.12

「ラストレシピ」コラボ商品 島津亭のオムライス

今年の4月に一時期休業した大船の老舗、味喜

休業当時は閉じられたシャッターに休業の通知がはられていたんだけど、ファンからのメッセージが続々と……。

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やっぱり、素敵なお店はみんなに愛されてるんだね!

そんな味喜が復活したので、オムライスを堪能。

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サンマーメンも、

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チャーハンも、

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餃子も、

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どれもこれも、まさに味の喜び。
おなかにもこころにも嬉しい、ホッとする味わい。

これからもみんなのオアシスであり続けてほしい。


さて、ニラレバかレバニラか??

まだ続くんかあ!!!!!!!!!!!!!!

いや、どうも気になってしまい、セブンイレブンでもついつい買ってしまった。

こちらの商品名は「レバニラ」。

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レバーとニラにあいまって、しゃきしゃきの玉ねぎともやし、それとニンジンがオイスターソースによく絡み合い、口の中で味のハーモニーを奏でてくれる。

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ご飯と一緒に食べてももちろん美味しいのだろうけど、ビールのつまみにも最高!!

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セブンイレブンではもう一品購入。

はい、こちら!

島津亭のオムライス

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11月3日に公開された映画、ラストレシピ( ← リンク ) とのコラボ商品。

ビジュアル的には、ふわとろたまごとデミグラスソースのかかり具合が食欲をそそる。
具材は鶏肉、ハム、玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームで、特製デミグラスソースには隠し味で八丁味噌と紫蘇が使われている。

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では、さっそく、いっただきま~す!!!!!!!!!!!!!!

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中のご飯はピラフ風。
なるほど。
ちょっと和風を加味したデミグラスソースと具材の味を引き立てるように、ご飯の味つけは強く主張しないような仕上げ。

うん、食べやすくておいしい!!
お弁当でこれなら満足!

11月3日から18日間限定の販売なので、販売終了の前にぜひご賞味を!!



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2017
11.06

放送を終えて

みなさま、「ペコジャニ∞!」は楽しんでいただけましたでしょうか!
勝負は抜きに、「関ジャニ∞」の横山くんも大倉くんもとても話しやすく、ボクもとても楽しい時間を過ごさせていただきました。
それと、お声がけ頂きこういった機会を与えてくださったスタッフのみなさまには感謝の気持ちでいっぱいです。
毎週毎週の制作は大変ですが、これからも素敵な番組を作っていただけたらと思います。

さてさて。

ちょっと長くなりますが、「ペコジャニ∞!」でボクが紹介させていただいた3軒、「アカシア」「らすぷーる」「ラ・プラタ」のお店の過去記事を、ちょっとアレンジして掲載させていただきます。

よろしかったらご覧くださいませ!!


人生の交差点「新宿」に咲き誇る、こころの街路樹


ALTAのそばにある新宿の老舗。

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その店の名は、アカシア

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創業は1963年(昭和38年)で、とにかくいつでも満員の超人気店。
タモリさんやタケシさんも絶賛のロールキャベツシチューが看板メニューだが、オムライスも美味しい!

なぜか2つある入口の扉のひとつを開け店内に入る。
案内に従って階段を上がり2階席に。
と、眼前に、映画のシーンで見たような空間が広がる。

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天井から釣り下がった豪奢なシャンデリア。
御前会議でも行うかのような重厚なテーブル。
厳かな雰囲気に包まれながら目的の料理を注文。

ほどなくして到着!
こちらがロールキャベツシチュー。

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とても柔らかく煮込まれていて、特徴は「ご飯に合う絶妙な塩加減」の味付け。
バターやミルクを一切使わず、たっぷりの鶏ガラスープで長時間煮込む。
洋食と和食の融合。「ご飯が合う」というよりは、「ご飯が欲しくなる」と言う方が正しいかもしれない。
パンではなく、ご飯。

お店の方にすすめられるままにタバスコをかけてみたが、これがまた美味しい!

続いてオムライス!

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とてもきれいな、典型的な昔ながらのオムライス。

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オムライスでもまた「ご飯に合う絶妙な塩加減」が登場する。
何か?
ケチャップライスは薄めの味付けなんだけど、これはアカシアのオムライスの具材の特徴である「自家製ハムKRB」の塩加減を活かすため。
このハムが絶品!めっちゃ美味しい!
ちなみに、まかないでオムライスがでることもあるそうだが、残念ながらKRBは入っていないそうだ。

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食べ終わり、満足を胸に店を後にする。
50年を超える歴史の中で、一体どれだけの人がここを訪れたのだろう。
どんな夢を語り、どんな思い出を作って……。

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<店舗情報>
■電話 03-3354-7511
■住所 東京都新宿区新宿3-22-10
■営業時間 11:00~22:00(L.O.)
■定休日 不定休 HPにて要確認



ピエロが微笑む不思議で素敵なオムライス

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続いて変わり種オムライス。
吉祥寺にある、らすぷーる
創業は1972年。永年に渡って素敵な味と時間を提供し続けている洋食屋だ。

駅方面からサンロード商店街を進み、左折して脇道に入ってすぐのところにあるコピス吉祥寺A館の地下1階に向かう階段を下りる。
美味しそうなメニューが並ぶサンプルケースに開放的な入口。
その入りやすさにあふれる雰囲気は、自然と足を店内へと向けさせてくれる。

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店内も明るくてきれい。
その空間にいるだけで、何だか気持ちよくなってくる。

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こちらが「らすぷーる風オムライス」。

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かつお節が踊り、芳ばしいにおいが立ち込める。

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ご飯と具材に玉子を混ぜ、特製出汁醤油を入れて炒められたオムライス。
これがお好み焼き風ソースと相まって何とも言えない不思議な味を生み出している。

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それに、らすぷーるは、店主の千葉さんが厳選した素材を使っているので、これがまた素晴らしい。
玉子は相模原にある小川フェニックスの鳳凰卵。とっても濃厚な味わいで「たまごかけご飯」にも最高の素材。オムライスはこれを3個使って作られている。

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つけあわせも美味しい。
いかがでしょう。
唯一無二のオムライス。
百聞は一見に如かず。
とにかく、その不思議で美味しいオムライスをぜひ味わっていただきたいと思う。

<店舗情報>
■電話:0422-22-0877
■住所:武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 コピス吉祥寺A館 B1F
■営業時間:11:00~22:00(L.O.21:30)
■定休日:不定休



古都鎌倉の異次元空間

JR横須賀線鎌倉駅に降り立つ。

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小町通りを、鶴岡八幡宮方面に向かって進む。
目指すは「あの店」。

そう、ラ・プラタ

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ミセスサンタのキッチン ラ・プラタは、年中クリスマスの素敵な異次元空間であり、オムライスはホントに美味しい!!!
階段を上り、店内へ。

「やあ!」
変わらぬ空間があたたあかい声でボクを迎えてくれる。

壁際の席に腰を落ち着け店内を見回す。

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静寂
荘厳
ともしび
やすやぎ

こころが、至福の時間へと吸い込まれて行く。

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いつもは「天使のオムライス」。

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今日は何にしようか???

デビルのオムライス?
メキシカンミートオムライス??

う~ん。。

ひかれたのはこれ!
1日10食限定のハッシュドビーフのオムライス!!!

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夏の暑さはどこへやら、心地よい涼に包まれた静謐な宇宙空間に身を委ね、オムライスの到着を待つ。

先に来たのはセットのサラダとスープ。
では、いっただきま~す!

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おおおおお!!!
美味しいーーーーーーー!!!!!!!!!

冷製スープ。
ひんやりとした中にしっかりとした味が溶けこんでいる。
これはいい!
オムライスを受け入れる準備にはピッタリ。

ほどなくしてハッシュドビーフのオムライスが到着。

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うわあああああ、美味しそう!

デミグラスソースの香りに思わず笑みがこぼれる。

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天使のオムライスと違って、こちらは白いご飯。

では早速食べてみませう♪

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うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おいしいいいいいいいーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!

天使のオムライスでタマゴの美味しさを知り、ハッシュドビーフのオムライスで濃厚かつ絶妙な口どけを知る。

何だろう、この美味しさは。
もちろん、味付けやテクニックもあるんだけど、それを超えた何かが在る。

こころに響く美味しさ。

真心。

食を通じた、こころのふれあい。

本当に素敵な店だ。

帰り際、ミセスサンタにお礼を述べる。
「やっぱりボクの中では飛び抜けて美味しいオムライスです」
「ありがとうございます」
「オムライスブログを書いているんですよ。店を舞台にしたストーリー付きで、ここのお店のも書かせていただきました。オムライスのある風景と言います。ここのお店の話は、中学時代に付き合ってた男女の話で……」

「知ってます、知ってます。いろいろなお店の話を書かれてますよね!」
ミセスサンタの隣りのもうひと方が声をあげる。
「えー、ご存知ですか! ありがとうございます」

「素敵なお話ですよね!」と、ミセスサンタ。

あたたかい言葉に、ボクの中から嬉しさがあふれ出る。

ミススサンタが続ける。
「ここで書いた方に会えるなんて……。主人と話してたんですよ。あのストーリーをお店に飾りたいねって。でも作家の方に無許可で出すのもいけないかと。お会いできて嬉しいです」

「いやあ、ボクも嬉しい限りです。よろしかったら、是非、お店にストーリーを飾ってください。名前と連絡先を書いておきます」

何という素晴らしい、至福の時間。

こころのふれあい。
こころのつながり。
素敵なお店での、素敵な出会い……。

ラ・プラタの由来は「真っ白に輝き続ける『プラチナ』のラテン語の語源『Plata』」から。
大町ではじめ、4年前に小町に移ってきたそうだ。

「うちは家庭の味ですね。でも卵料理ってそれぞれの家庭の味があるから難しいですよね」と笑顔で語るミセスサンタ。
鎌倉はお年を召した方が多いので、あまりこってりさせないようにデミグラスソースは肉より野菜、果物重視。卵も生クリームを混ぜないとのこと。私自身あんまりこってりがダメなんですよ、と。
卵はこの店のデミグラスソースに合うものを探したと言う。
「高ければいいってもんじゃないんですよね……」
納得。しみじみと語るその言葉に、深みと重みを感じる。

部屋、料理、接客、何もかもが優しさと癒しに包まれている。
完成されたひとつの世界。そう、この店の中は、外界とは異次元のおとぎの国の世界のようだ。

「今日はこれで、一日中幸せに過ごせます」
帰り際、そんな言葉が、何のてらいもなく自然と口をついて出た……。

< 店舗情報 >
■住所:奈川県鎌倉市大町2-9-2
■電話:0467-60-5258
■営業時間:[火・水] 10:00~18:00(L.O.17:30)
        [木~日・祝] 10:00~21:00(L.O.20:30)
■定休日:月曜日(祝日の場合営業)


では、併せてラ・プラタで思いついたストーリー、「天使の忘れもの」を。。


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天使の忘れもの

 小さい頃の記憶は現実なのか夢の中のことなのか境界があいまいで、夢で見たことを本当にあったことと思い込み、大人になってもそれを実際の出来事だと信じ込んでいることがある。
 
 でもそれは、小さい頃に限ったことではないのでは。
 
 夢のような本当の話。本当のような夢の話。
 もしかしたら現実と夢の世界に境界なんてなく、気がつかないうちに人はそこを行き来しながら生きているのかもしれない。


   ☆


「ほら、この店」
 夏の夕方が日の入りを躊躇する頃、慎司は、真っ白いワンピースと麦わら帽子を身にまとった晴香と一緒にラ・プラタに向かう階段の前に立った。
「きっと要望に合うはずだよ」


   ☆


「松橋くん?」
 2週間ほど前の朝、いつもと同じ通勤電車のいつもと同じ席に座った慎司の前に、ミュールを履いた透き通った足が現れた。
 寝ぼけ眼で、ゆっくりと頭を上げ、足の持ち主の顔を見上げる。
 慎司を見ながら微笑む女性。
 ビデオカメラの焦点が合うように、やがて慎司の記憶の焦点が定まった。
「あ、えっ、なんで……」
 微笑みながら黙ってうなずくと、女性は
「隣、座ってもいい?」
 そう言いながら慎司の隣に腰掛けた。

 10年ぶりの再会だった。

「戻って来てたの?」
 中学の途中で日本を離れた晴香に向かって、慎司が言う。
「うん、たまたまね。またすぐ帰るんだけどね」

 初めて付き合った相手との再会。

 偶然というのは突然にやってくる。たまたまわずかしか帰ってきていない晴香に、この時間のこの車輌のこの席で会うなんて。
 再会を喜ぶ黒目がちの大きな目。
 さらさらとした長い髪。
 きちんと両膝に置かれた小さな手。
 品のある落ち着いた声。
 大人になった晴香をちらちらと見やる慎司の中から、美しい思い出が堰を切ったようにあふれ出す。

 あふれ出すのは思い出だけではなかった。
 嫌いで別れたわけではない。物理的な距離は、まだ幼い二人には遠すぎた。
 満員電車の空間が、まるで隣に座る晴香と二人しかいない観覧車の中のような、そんな錯覚に陥る。
 どうしようもなく、思いが、10年前に飛び込んでいく。
「もしよかったら、連絡先とか教えてもらえない?」
 自然と口をつく慎司の言葉に、晴香は戸惑いの表情を浮かべると、
「ごめんなさい。私、携帯持ってないし、連絡先はちょっと……」
 申し訳なさそうにそう答えた。
「そうなんだ。わかった。じゃあ、ボクは毎日この席に座っているから、時間があったらまた会いたいな」
 やがて慎司の降りる駅が近づいてきた。
 しばしの沈黙ののち、晴香がつぶやく。
「私も会いたい……」
 どこか憂いをたたえた声だった。
「ねえ、ひとつお願いがあるの」
 席を立とうとする慎司に向かって、意を決したような表情(かお)で晴香が言う。
「どこかで、あのときのクリスマスの続きがしたいなあ。私、2週間後にまたこの電車に乗る用があるから……そのときに会えたら」


   ☆


 ラ・プラタの前に立った慎司は、優しく晴香の手を取り、階段をのぼった。
「なんかわくわくする」晴香の嬉しそうな声が壁に響く。
「じゃあ、入ろうか」そう言いながらドアを開ける慎司。

 その瞬間、一面クリスマスの世界が飛び込んで来た。

「すごーい」大きな目を更に大きくしつつ、それ以上は声にならない晴香。

 お客さんのいない静かな店内は、優しく暖かい雰囲気に包まれている。
 奥のテーブルに着くと、二人はグラスワインと天使のオムライスを注文した。
「これ、そっちに置いといて」
 甘えた声で麦わら帽子を差し出す晴香。それを受け取りながら思わず笑がこぼれる慎司の前を、晴香のつややかな髪の香りと温もりが通り過ぎる。
「こんなとこあったんだあ……」キラキラと輝く晴香の目は、あたりを見回した。
「探したよ、夏にクリスマスができるところ」
「ごめんね、わがまま言って」
「ううん」慎司はゆっくりと首を横に振って続けた。
「神様はボク達を見捨てなかったね。だって、ボクもあの時の続きがしたかったんだから……」
 

   ☆


 中学2年のクリスマスイブ。この日、慎司と晴香は、近所の教会のクリスマスパーティーにクラスの仲間と参加していた。照明は落とされ、ほのかなキャンドルの踊りでパーティーは進んでいく。キリスト教のことはわからないが、パイプオルガンの音色にあわせてみんなで歌う賛美歌に、二人は厳かなものを感じていた。
 そんな中、キャンドルの向こうから晴香が慎司に耳打ちをする。
「ねえ慎司、結婚式ごっこしない。ほら、汝はこの者を妻としてって言うでしょ。あれやろうよ……」
「いいよ」一瞬とまどったが、慎司は頷いた。
 と、その時
「ではみなさん、席を変えて他の方々とお話しましょう」
 主催者の声が響いた。

 結局そのとき、晴香の要望が実現することはなかった。


   ☆


「では、カンパーイ」
 ワイングラスを重ねる二人。
「あの時はりんごジュースだったね」
 二人の笑顔があふれる。
「そうだったね……。ねえ、続きをしようか」

 ♫ Silent night, holy night! All is calm, all is bright.……

「きよしこの夜」が流れる店内は、静粛な空気に包まれている。

「じゃあ私からね。松橋慎司。汝はこの者を妻とし、健やかなるときも病める時も、生涯変わらぬ愛を誓いますか」

「……はい、誓います……。じゃあ、次はボク。青山晴香。汝はこの者を夫とし、健やかなるときも病める時も、彼を愛し、彼を助け、生涯変わらぬ愛を捧げ続けることを誓いますか」

「……はい、誓います」

 粛々と、二人の時間は流れて行く。

 ♫ I‘m dreaming of a white Christmas ……

「うそでもいいから、慎司には一度言ってほしかったんだ。ずっとそれを思ってたの。それと、ここって、なんかお母さんのお腹の中にいるみたいですごく安心する……」
 曲が「ホワイトクリスマス」に変わった頃、天使のオムライスを口にしながら晴香が言う。
「ありがとう、慎司、私のために。これで思い残すことなく帰れるわ。私、すごく幸せよ……」
「今度はいつ戻って来られるの?また会えるよね」
 黙って首を横に振る晴香。笑をたたえた潤んだ瞳の中で、照明がゆらゆらと揺れている。


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 その夜、眠りについた慎司は、遠くから聞こえる晴香の声を耳にした。

「さよなら、慎司」

 ふと、窓の外を眺める。

 トナカイが牽くそりが、澄み渡る天空に向かって駆け上がって行く。
 そこには、まるでウェディングドレスか羽のついた天使の服のような真っ白いワンピースに包まれ、麦わら帽子が飛ばないように片手で頭をおさえながら、一方の手を大きく振る晴香の姿があった。

 それを優しく見守り、手を振り返す慎司。

 ラ・プラタのときと同じ麦わら帽子からのつややかな髪の香りが、そよ風に乗って慎司の元に届く。

 ありがとう晴香。君は遠いところから、わざわざボクに会いに来てくれたんだね。

 あ、忘れ物……。
 慎司は天使のオムライスを前に二人で撮った写真を取り出した。
 ちょっと待ってて、今渡すから……。
 唇をかみしめながら、写真を、紙飛行機の形にひとつひとつ丁寧におり込んで行く。
 もうちょっと。
 もうちょっと。
 君と僕の。
 ボクとキミの。
 ……。

 さあ、できた。
 ふたりと天使のオムライスを乗せた紙飛行機が慎司の右手に握られる。
 晴香、ちゃんと受け取るんだよ!
 慎司の手を離れた紙飛行機は、スローモーションのようにゆっくりと、でも確実に、晴香の元へと飛んで行く。

 また出会ったら、今度こそ一緒になろうね。

 紙飛行機が到着したそりの上で、天使の羽がキラリと輝く。
 やがて小さくなったそりはひとつの光になり、ベガ、デネブ、アルタイルの夏の大三角形の中に吸い込まれ、静かに消えて行った。


 おわり

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